エネルギー省、ケンタッキー州でAIデータセンター運営の提案募集

エネルギー省(Department of Energy)は11月4日、ケンタッキー州パデューカの所有地を活用した人工知能(AI)データセンターの建設について、運営企業からの提案を募集すると発表した。傘下の環境管理局(Office of Environmental Management)が入札要請(Request for Offer: RFO)を今回発表しており、応募企業は同省敷地内での長期リース契約を結ぶことになる。このプロジェクトはトランプ政権のAI優位性推進策の一環で、同省は次世代への国家安全保障推進に向け、同敷地はAIインフラを支えるための重要なリソースになると説明している。提案企業は建設から運営、廃止に至るまで全ての責任を負うことが条件で、評価は技術的な準備状況、財務的な実行可能性、規制・許可要件の完備状況などに基づいて行われるという。提案の締め切りは2026年1月30日で、事前登録制の説明会も予定されている。 Department of Energy “U.S. Energy Department Seeks Proposals for AI Data Centers, Energy Projects at Paducah Site” (11/04/25) https://www.energy.gov/em/articles/us-energy-department-seeks-proposals-ai-data-centers-energy-projects-paducah-site

エネルギー省、量子情報科学研究センターに6億2,500万ドル投入

エネルギー省(Department of Energy)は11月4日、国立量子情報科学研究センター(National Quantum Information Science Research Centers: NQISRC)の整備に6億2,500万ドルの資金提供を行うと発表した。量子コンピューティングや量子通信、センシングなどの基礎研究推進に向け、ブルックヘブン国立研究所(Brookhaven National Laboratory)の量子優位性共同設計センター(Co-design Center for Quantum Advantage: C2QA)やフェルミ国立加速器研究所(Fermi National Accelerator Laboratory)の超伝導量子材料・システムセンター(Superconducting Quantum Materials and Systems Center: SQMS)、アルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)のQ-NEXTなど5つの施設に対し最大5年間支援するとし、まず2025年度予算に1億2,500万ドルを充当し、残りは歳出法による予算割当状況によって決定する。これらの研究施設は、第1期目トランプ政権下の2018年12月に制定された国家量子イニシアティブ法(National Quantum Initiative Act)に基づいて設立された。 Department of Energy “Energy Department Announces $625 Million to Advance the Next Phase of National Quantum Information Science Research Centers” (11/04/25) https://www.energy.gov/articles/energy-department-announces-625-million-advance-next-phase-national-quantum-information

米中、軍事連絡チャンネル設置で合意

ディフェンス・ニュース(DefenseNews)は11月3日、米中両国が軍事間通信チャンネルの設置で合意したと報じた。ピート・ヘグセス国防長官(Pete Hegseth)は地域安全保障会議の合間に中国の董軍(とうぐん)提督(Dong Jun)と会談し、両国関係が「かつてないほど良好」で、「平和、安定、良好な関係こそが、最善の道である」ことで合意したことを発表した。同長官はこれに先立ち、中国の南シナ海での「不安定化」行動に対抗するよう、毅然として海上戦力を強化するよう各国に要求したことに加え、中国が2012年にフィリピンから奪取したスカボロー礁を「自然保護区」と宣言したことも批判していた。南シナ海を巡る領土・海洋権益問題は、アジアで最も不安定な紛争の火種の1つであり、ほぼ全域の領有権を主張している中国に対し、東南アジア諸国連合(ASEAN)各国も沿岸地域や地形の領有権を主張する一方で、地域最大の貿易相手国でもある中国との経済関係を重視し、慎重に対応してきた経緯がある。 DefenseNews “US, China reportedly agree to set up military communication channels” (11/03/25) https://www.defensenews.com/news/pentagon-congress/2025/11/02/us-china-reportedly-agree-to-set-up-military-communication-channels/

ネクストエラ社、アイオワ州原発を2029年初頭に再稼働へ

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は11月3日、電力大手ネクストエラ・エナジー社(NextEra Energy)が2020年に停止した615メガワット(MW)の発電容量を持つアイオワ州のデュアン・アーノルド原子力発電所を、2029年初頭までに再稼働させる計画であると報じた。これに先立ち、同社は10月27日、グーグル社(Google)と25年間の電力購入契約を締結した。同社のジョン・ケッチャム会長兼社長兼CEO(John Ketchum)は、一部アナリストの予想より早い2028年第4四半期の稼働も可能としているが、同契約は現在、規制当局の承認待ちとなっている。ネクストエラ社は第3四半期に純利益が前年同期比32%増の24億ドルを記録し、再生可能エネルギーと蓄電設備のバックログが29.6GWに達しており、ケッチャムCEOは「業界でこれほど高いリターンを見たことがない」と需給逼迫による収益性向上を強調した。さらに、グーグル社との第2の契約で次世代原子力発電所の建設も検討しており、拡大する電力需要を事業機会として捉えているという。 Utililty Dive “NextEra aims to restart Iowa nuclear plant by early 2029” (11/03/25) https://www.utilitydive.com/news/nextera-google-nuclear-earnings/804308/

ケネディ厚生長官、mRNAワクチン批判の上級顧問を解任 

ニューヨーク・タイムズ紙(The New York Times)は10月28日、ロバート・F・ケネディ・ジュニア厚生長官(Robert F. Kennedy Jr.)が生物防衛専門家のスティーブン・ハットフィル上級顧問(Steven J. Hatfill)を解任したと報じた。同氏はmRNAワクチン研究資金中止決定に影響を与えた人物で、長官の側近であった。同省は解雇理由について、同氏が、指導部との政策調整を怠ったためとしている。これに対し、同氏は電話取材で、解任はケネディ氏の首席補佐官、マット・バックハム氏(Matt Buckham)が主導する「ケネディ長官を失脚させるクーデター」の一環だと主張した。その一方で、バックハム氏から「長官が違う方向に進みたい」意向であると伝えられたという。ハットフィル氏は2001年の炭疽菌事件で誤って容疑をかけられた元陸軍生物防衛研究者で、新型コロナワクチンの安全性にかねてから疑問を呈してきた。最近は出演した番組内で「ワクチン接種の方がコロナ感染より危険」と根拠なく主張していた。 The New York Times “Steven Hatfill, Covid Vaccine Critic, Is Ousted From H.H.S.” (10/28/25) https://www.nytimes.com/2025/10/28/us/politics/hatfill-covid-hhs-ousted.html

AAUP、南部12州の大学で「恐怖が蔓延」と報告

米国大学教授協会(American Association of University Professors: AAUP)は10月、南部12州の大学教員約4,000人を対象に8月に行った調査で、政治的攻撃による恐怖と不安の風潮が蔓延していると報告した。バージニア、ノースカロライナ、サウスカロライナ、ジョージア、フロリダ、テネシー、ケンタッキー、アラバマ、ミシシッピ、ルイジアナ、テキサス、アーカンソーで実施した調査によると、回答者の55.4%が同僚に自州での勤務を推奨しないと答えた。また転職理由は、昨年まで1位だった「給与」を抜いて「政治的風潮」(56.6%)を挙げ、25%が来年に他州での職探しを計画しているという。さらに教員が「学術的発見が政治的イデオロギーに反する可能性を恐れて、率直に話すことへの恐怖」などを訴えており、17.1%が管理者からシラバスやカリキュラム選択について質問を受け、10.6%が政府から契約を打ち切られた経験があることも明らかになった。採用過程でも候補者の躊躇や応募者数減少が顕著に現れ、南部地域の頭脳流出が深刻化しているという。 IHE News “Faculty in the South Describe a Climate of Fear on Campus, Grants Cancelled, and Students Impacted, Survey Finds” (October 2025) https://drive.google.com/file/d/1TL9hu1Y-UMfqcqt3Jt95LGRj-rEPj2LP/view

大学ロビー活動支出、第3四半期に減少 トランプ政権の高等教育政策を受け

米国の高等教育に関する情報を提供するインサイド・ハイヤー・エド社(Inside Higher Ed)は10月29日、主要研究大学のロビー活動支出が2025年第3四半期に減少したと報じた。米国大学協会(Association of American Universities: AAU)加盟校の第3四半期支出は約860万ドル超となり、第1四半期の900万ドル、第2四半期の約1,000万ドルを下回った。その中で、ジョンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins University)が約39万ドルで最多支出となり、次にイェール大学(Yale University)37万ドル、ペンシルベニア大学(University of Pennsylvania)36万ドルが続いた。各大学は研究資金の確保や学生ビザなどの問題に加え、トランプ政権の「ワン・ビッグ・ビューティフル・ビル法(One Big Beautiful Bill Act)」への対応などで議会に働きかけている。年間総支出でみると、営利オンライン大学のフェニックス大学(University of Phoenix)が140万ドルと、非AAU加盟教育機関で業界最多となった。 IHE News “Higher Ed Lobbying Drops in Third Quarter” (10/29/25) https://www.insidehighered.com/news/government/politics-elections/2025/10/29/higher-ed-lobbying-drops-third-quarter

海軍海事研究局トップにライリー氏就任 マッキンゼー&DOGE出身

USNIニュース(USNI News)は10月30日、レイチェル・ライリー氏(Rachel Riley)が、海軍海事研究局(Office of Naval Research: ONR)トップに就任したと報じた。これに伴いカート・ローゼンハウス少将(Kurt Rothenhaus)は、海軍情報戦システム司令部(Naval Information Warfare Systems Command)の司令官に異動する。同ポジションは歴代軍人出身者が務めたが、報道によると同氏はマッキンゼー・アンド・カンパニー社(McKinsey & Company)の元コンサルタントで政府効率化省(Department of Government Efficiency: DOGE)関連職務で厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)に在籍していたという。政府閉鎖で同局ウェブサイトには今回の就任についての詳しい情報はまだ掲載されていないが、リンクトイン(LinkedIn)ではマッキンゼー入社前、ローズ奨学生(Rhodes Scholar)としてオックスフォード大学(Oxford University)で社会政策の博士号と現代中国研究の修士号を取得し、中国政府の政策実験に関する研究を行っていたという。 USNI News ” Civilian Leading Office of Naval Research, Rothenhaus Reassigned to Command NAVWAR” (10/30/25) https://news.usni.org/2025/10/30/civilian-leading-office-of-naval-research-former-commander-rothenhaus-reassigned

大統領府、新ドメイン「techforce.gov」を登録

FedScoopは10月30日、大統領府が政府関連のウェブサイト再設計に向け、新ドメイン「techforce.gov」を登録したと報じた。トランプ大統領が8月に署名した「アメリカ・バイ・デザイン(America by Design)」イニシアティブの一環で、2018年に成立した「21世紀統合デジタル体験法(21st Century Integrated Digital Experience Act: IDEA)」に基づき、政府機関のウェブサイト整備とデジタルサービスを充実させることが目的である。特にデザインコストの削減や設計の標準化により、行政サービスの質を改善する内容で、超党派からの支持を得ている。これに伴い新設された最高デザイン責任者(Chief Design Officer)職には、テスラ社(Tesla)の取締役でエアビーアンドビー社(Airbnb)共同創業者のジョー・ゲビア氏(Joe Gebbia)が就任した。10月24日に登録されたこのドメインには国家設計スタジオ(National Design Studio)とテックフォース(Tech Force)の表記があり、ユーザーがメールアドレスを登録して認証コードを受け取るフォームが設置されている。 FedScoop “White House registers ‘techforce.gov’ domain” (10/30/25) White House registers ‘techforce.gov’ domain

NIST、バルカン・エレメンツ社に5,000万ドル出資へ  レアアース磁石製造を支援

商務省(Department of Commerce)傘下の国立標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology:NIST)は11月3日、半導体装置などに不可欠なネオジム鉄ボロン(NdFeB)磁石の国内製造推進に向け、バルカン・エレメンツ社(Vulcan Elements)に5,000万ドルを出資する予備的意向書を締結したと発表した。CHIPS・科学法(CHIPS and Science Act)に基づき拠出し、NISTは同額の株式を取得して、希土類元素(レアアース)の分離・金属化・磁石製造装置の導入に充てる。これにより、同社は数年以内に年間1万トンのNdFeB磁石素材を生産し、国内供給不足を解消する計画である。NdFeB磁石は半導体製造に重要なEUV露光装置やロボット、電気自動車、ドローン、戦闘機、原子力潜水艦、衛星など幅広い機器に用いられる重要部材で、国内供給網の強化が急務となっており、国防総省(Department of Defense)も同社とリエレメント・テクノロジー社(ReElement Technologies)に対し7億ドルの条件付き融資を提示し、レアアース磁石の国産化を支援する。 NIST “Department of Commerce Announces CHIPS Incentives Letter of Intent with Vulcan Elements to Support Domestic Manufacturing of Critical Rare Earth Magnets” (11/03/25) https://www.nist.gov/news-events/news/2025/11/department-commerce-announces-chips-incentives-letter-intent-vulcan