エネルギー省、体積的汚染ニッケルに関する技術について関心の表明を公示

エネルギー省(Department of Energy)のポーツマスパデューカ・プロジェクト局(Portsmouth Paducah Project Office)は、パデューカ気体拡散工場(Paducah Gaseous Diffusion Plant、ケンタッキー州)に貯蔵されている体積的汚染ニッケル(約9,700トン)の潜在的な再使用を支える成熟技術について、業界からの情報を模索する「関心の表明(Expression of Interest: EOI)」を公示した。体積的汚染ニッケルとは、表面だけでなく、内部も含めた体積全体が汚染されたニッケルのことである。エネルギー省は、このEOIで得られた情報を基に、エネルギー省のマテリアル無制限放出基準に即した形で、業界がインゴット(鋳塊)から選択的にニッケルを抽出して高純度のニッケル製品を生産し、商業市場に提供することが省として最善の利益に適うか否かを判断する。 Department of Energy “Energy Department Issues EOI for Volumetric Contaminated Nickel Technology” (11/21/25) https://www.energy.gov/em/articles/energy-department-issues-eoi-volumetric-contaminated-nickel-technology

エネルギー省、天然ガスタービンの国内製造強化を目指し情報を要請

エネルギー省(Department of Energy)炭化水素・地熱エネルギー局(Hydrocarbons and Geothermal Energy Office)は11月21日、米国内の製造事業者が現在の天然ガスタービンの製造能力に関する課題について、関係者の見解を求める「情報の要請」を公示した。天然ガスタービンには、運用面での高い柔軟性・効率性・信頼性等の恩恵があり、提供された見解はこれらのタービンの製造強化につながる効果的な研究開発への情報提供となる。エネルギー情報局(Energy Information Administration)の短期予測によれば、過去20年間実質横ばいであった電力需要は今後、年平均1.7%の割合で増加し、2050年までに6,000テラワット時を超える見込みで、これは2024年の水準の50%増となる。こうした需要増は、天然ガスタービンを中心に機器の供給網に負担をもたらすと予測される。 Department of Energy “DOE Seeks Input on Gas Turbine Manufacturing to Increase Domestic Energy Production” (11/21/25) https://www.energy.gov/fecm/articles/doe-seeks-input-gas-turbine-manufacturing-increase-domestic-energy-production

CPS エナジー社、600 MWの太陽光発電を新規調達へ

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は11月20日、テキサス州サンアントニオ市のCPSエナジー社(CPS Energy)が出力600 MWの太陽光発電調達に向け新たな提案募集を発表したと報じた。2027年度発電計画(Vision 2027)計画に基づき、持続可能で信頼性の高いエネルギー供給を目指すもので、同社への提案提出期限は1月8日とした。1GW以上の太陽光発電設備を運用する同社は、契約済みの470 MW蓄電池に加え、年内に新たな蓄電設備に関する提案募集(Request for Proposal: RFP)も予定している。テキサス太陽光発電・蓄電協会(Texas Solar + Storage Association)は、同州の太陽光発電は急成長し、先進的な蓄電技術との組み合わせにより信頼性やコスト削減に対応すると説明する。テキサス州電気信頼性評議会(Electric Reliability Council of Texas: ERCOT)地域における再エネ投資は、政策の変化や許認可の遅れに伴うリスクが依然としてあるが、税制優遇措置の縮小を見据えた「ブラックフライデー」のような絶好の投資機会であると指摘する声もあるという。 Utility Dive “San Antonio’s public utility seeks 600 MW of solar” (11/21/25) https://www.utilitydive.com/news/cps-energy-solar-procurement-ppas-ercot-trump/806047/

FERC、データセンター接続を最優先課題に AI開発を強化

アクシオス(Axios)は11月21日、連邦エネルギー規制委員会(Federal Energy Regulatory Commission: FERC)がデータセンターの送電系統接続を最優先課題とする方針と報じた。FERCは、データセンター建設などのインフラ整備に伴うコスト負担や電気料金の高騰について懸念が広まっていると認識しつつも、人工知能(AI)開発強化に向けたデータセンターを迅速かつ持続的に送電系統に接続することの重要性を強調した。これに伴い、データセンターなどの大規模負荷を送電系統に接続するための新規則の制定を検討しているほか、特定の液化天然ガス(LNG)や水力発電プロジェクトの許可手続きの簡素化も検討している。また、冬季ガス価格が26%上昇するとの予測に対し、LNG輸出施設からの需要増加が価格上昇の要因の一つと説明した。FERCは独立性を保ちつつ、電力供給安定化に向けた包括的な認可制度の導入や、長期間放置されていた案件の整理など、規制の簡素化や効率化に取り組んでいくと説明している。 Utility Dive “New FERC commissioners say connecting data centers is key priority” (11/21/25) https://www.utilitydive.com/news/ferc-data-centers-swett-lacerte-lng/806145/

政府、技術政策強化の海外展開拡大を模索

NEXTGOV/FCWは11月21日、テッド・バッド上院議員(Ted Budd、ノースカロライナ州選出共和党)と大統領府傘下の科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy:OSTP)のマイケル・クラツィオス局長(Michael Kratsios)が、米国の技術と規制枠組みの海外展開の必要性を呼びかけていると報じた。バッド氏は、「中国の技術進歩に対抗し、自由という米国の世界観を維持しつつ、技術提供国として世界から選ばれるためには、適度な規制と明確なルールが必要である」と主張している。両氏はまた、人工知能(AI)分野での米国の優位性維持に向け、研究開発への継続的な資金提供も促した。さらに、テッド・クルス上院議員(Ted Cruz、テキサス州選出共和党)が提出しているOSTP内にAIサンドボックスを設立する法案にも触れ、起業家精神を軸にした研究開発環境を整えることを推進していくという。 NEXTGOV/FCW “White House official, lawmaker call for amplifying US tech policy abroad” (11/21/25) https://www.nextgov.com/artificial-intelligence/2025/11/white-house-official-lawmaker-call-amplifying-us-tech-policy-abroad/409697/?oref=ng-homepage-river

世界8都市 持続的なAIシステム構築に向け、新基準策定を模索

アクシオス(Axios)は11月21日、アリゾナ州フェニックスや豪メルボルンなどの市長が企業の人工知能(AI)システムの持続的な構築に向け、データセンターの開発における世界標準のガイドライン策定を目指すと報じた。アテネやバルセロナ、ドバイ、ヨハネスブルグ、ミラノ、パリ、オレゴン州ポートランド、豪ホバートなど世界各地の8市長と連携し、エネルギー価格の高騰、水資源問題、その他の需要に応えるため、低炭素化や水効率の高いインフラ体制を確立していくという。フェニックス市のケイト・ガレゴ市長(Kate Gallego)はデータセンターの立地やエネルギー源の選択について、廃熱を利用できる場所にデータセンターを設置するか、地域に供給するかなど関係者との対話を調整していくことに加え、再生可能エネルギーの活用によりデータセンターの水使用量を削減できるとも説明した。このような動きは、国連(United Nations: UN)の気候変動サミットでも議論され、世界経済を支えるAIの発展と環境への配慮を両立する対策が検討されている。 Axios “Exclusive: Mayors forge global partnership on AI and sustainability” (11/21/25) https://www.axios.com/2025/11/21/paris-phoenix-mayors-ai-companies-environment-sustainability

CDC、サルを使った研究を終了

サイエンス誌(Science)は11月21日、疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)が約200頭のマカクザル(macaques)を使った研究を段階的に終了すると報じた。エイズウイルス(Human Immunodeficiency Virus: HIV)やその他感染症の研究向けにサルが使用されていたが、CDCは年内にも研究を中止する計画である。これまで食品医薬品局(Food and Drug Administration: FDA)や環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)など複数の研究機関で動物実験が行われていたが、トランプ政権はこれを終了し、今後は臓器チップ(organ chips)などの新たな研究方法への投資を増やしていく意向であるという。研究に利用されたサルの今後は不透明で、霊長類保護区に移される可能性もあるが、安楽死となる可能性もあるという。動物愛護団体のホワイトコート・ウェイスト・プロジェクト(White Coat Waste Project)は歓迎の意を表明しているが、研究者からは「研究にとって大きな損失だ」との声が上がっている。 E&ENews by Politico “Wright overhauls DOE, reflecting shift in US energy priorities” (11/20/25) https://www.science.org/content/article/exclusive-cdc-end-all-monkey-research

クリーンエネルギー投資、過去最高の750億ドル CIM報告

調査会社のクリーン・インベスト・モニター(Clean Investment Monitor: CIM)は11月20日、2025年第3四半期におけるクリーンエネルギーと交通分野への投資が750億ドルに達し、過去最高を記録したと発表した。税額控除を利用した消費者によるEV駆け込み需要により、電気自動車(EV)の販売台数が急増したことが主な要因で、ヒートポンプや分散型発電、蓄電池などのクリーンテクノロジー関連とも併せた購入額は前期比19%増の410億ドルとなり、全体の54%を占める結果となった。また建物、設備、耐久消費財などのクリーンエネルギーに関する設備投資は、民間投資全体の5.3%を占め、新記録を達成した。一方、クリーンエネルギー技術製造への投資は、4四半期連続で減少し、前期比で10%の減少となった。エネルギー及び産業部門には250億ドルが投入され、前年同期比で15%増加となったが、計画中のプロジェクトのうち140億ドルは、エネルギー省(Department of Energy)の助成金取り消しの影響を受けている。 Clean Investment Monitor “Clean Investment Monitor: Q3 2025 Update” (11/20/25) https://www.cleaninvestmentmonitor.org/reports/q3-2025-update 参照記事:Axios “Electric car sales drive record quarter for cleantech investments” (11/20/25) https://www.axios.com/2025/11/20/electric-car-sales-tax-credits-clean-energy-record

LPSC、大統領令に沿った発表要件へ変更 科学者が反発

サイエンス誌(Science)は11月20日、トランプ政権の反多様性、公平性、包括性(DEI)に関する大統領令に従うことを求める新たな要件が、2026年開催予定の月惑星科学会議(Lunar and Planetary Science Conference: LPSC)に導入されたと報じた。これにより学会に参加する惑星科学者らは、提出予定の書類からDEIに関連する内容を抑制するか、発表を断念するかの選択を迫られることになる。今年初めに大学宇宙研究協会(Universities Space Research Association: USRA)傘下の月惑星研究所(Lunar and Planetary Institute: LPI)が、DEI関連の内容をウェブサイトから削除した動きに続くもので、科学者らは今回の決定を「検閲」と表現し、強く反発している。USRAは、一般公開から削除した全ての記録を安全に保管しており、復元が可能であるとした上で、法的リスクを回避するためにDEI関連の抽象論文を削除したと説明しているが、多くの研究者はその姿勢に失望し、科学的自由の侵害を憂慮しているという。 Science “‘This is censorship.’ Conference requires abstracts to comply with Trump anti-DEI order” (11/20/25) https://www.science.org/content/article/censorship-conference-requires-abstracts-comply-trump-anti-dei-order

トランプ政権、海洋石油・ガス採掘を大幅拡大へ

内務省(Department of Interior)は11月20日、長官命令「米国沖合エネルギーの解放(Unleashing American Offshore Energy)」を発表した。バイデン政権下の海洋石油・ガス採掘計画を終了し、大幅に拡大した第11次国家大陸棚石油・ガス採掘プログラム(11th National Outer Continental Shelf Oil and Gas Leasing Program)を2026年10月までに策定する。ダグ・バーガム内務長官(Doug Burgum)は今回の取り組みについてエネルギー自給と雇用維持の重要性を強調し、海洋エネルギー管理局(Bureau of Ocean Energy Management: BOEM)に対して新計画の策定を指示した。新提案では2026年から2031年にかけて、既存27の大陸棚計画区域のうち21区域で34件の沖合リース権販売を実施する予定で、これにはアラスカ沖21区域、アメリカ湾(Gulf of America)7区域、太平洋沿岸6区域を含む約12億7,000万エーカーが対象となっている。これに伴い同省は、11月24日から60日間に亘り意見公募を実施するとし、最終決定前に複数回の意見聴取機会を設ける予定という。 Department of Interior “Interior Launches Expansive 11th National Offshore Leasing Program to Advance U.S. Energy Dominance” (11/20/25) https://www.doi.gov/pressreleases/interior-launches-expansive-11th-national-offshore-leasing-program-advance-us-energy