Category:その他
2025年の新設電源、太陽光が22%減 第4四半期に急落
ユーティリティダイブ(Utility Dive)は4月7日、連邦規制委員会(Federal Energy Regulatory Commission: FERC)の統計で、2025年の太陽光発電設備導入量が前年比22%減の26.5ギガワット(GW)となったと報じた。業界団体の太陽エネルギー産業協会(Solar Energy Industries Association: SEIA)の分析によると、第1~3四半期は前年並みの導入量を維持したが、第4四半期に前年同期比40%減と急落し、全体を押し下げたという。大型減税・歳出法(One Big Beautiful Bill Act)を通じた貿易政策の変更やインフレ削減法(Inflation Reduction Act)で定められた税制優遇の満了などを背景として、開発者が年末までの完工を急ぐよりも次年度以降に備える「セーフハーバー戦略」を優先し、大規模事業を2026年~2027年に繰り越す形となった。ただし、導入量は減少したものの、太陽光は依然として新設導入で首位を維持した。総発電容量に占める割合も12.2%に達し、天然ガス、石炭に次ぐ第3位の主要電源となっている。風力も5.7GW増と前年を上回った一方で、原子力発電の新規稼働はゼロであった。 Utility Dive “Solar installations fell 22% in 2025: FERC” (04/01/26) https://www.utilitydive.com/news/solar-installations-fell-2024-2025-ferc-wind-gas/816319/
トランプ政権、ドローン導入を加速
フェドスクープ(FedScoop)は4月1日、トランプ政権による無人航空機システム(Unmanned Aircraft Systems: UASドローン)覇権確立戦略の下、国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)と連邦通信委員会(Federal Communications Commission: FCC)がドローンの導入拡大と規制緩和を急速に進めていると報じた。DHSは非営利団体のマイトル・コーポレーション(Mitre Corporation)に75万ドルを支援する契約を締結し、ドローン及び対UAS技術を強化し、FCCは実験的な許認可取得の簡素化や専用周波数の確保を目指し、規制の撤廃を推し進めている。DHSは1月にUAS専任オフィスを新設したほか、運輸省(Department of Transportation)や内務省(Department of Interior)、国防総省(Department of Defense)も独自に運用体制を拡充するなど政府全体でドローン利用が加速している。一方で、米国自由人権協会(American Civil Liberties Union: ACLU)は、市民への広範な監視活動に対する規制の欠如が国民の私生活を脅かすと指摘した。 FedScoop “Trump administration’s embrace of drones picks up steam with DHS, FCC moves” (04/01/26) Trump administration’s embrace of drones picks up steam with DHS, FCC moves
商務省、AI輸出拡大へ向けた公募を開始
アクシオス(Axios)は4月1日、商務省(Department of Commerce)が人工知能(AI)システムを輸出する新プログラムに関する提案募集を開始したと報じた。AI技術を他国のデジタルインフラに深く組み込むことで、同分野における優位性を確保するのが狙いで、半導体チップやデータパイプライン、モデル、セキュリティなどを含む一連のAI技術パッケージを同盟国へ提供する具体的な方法を模索する。同省を国際的な仲介者として位置付け、各国のAI主権を尊重しつつ米国の技術を標準化させる方針で、リフレクションAI社(Reflection AI)と韓国の新世界グループによるデータセンター建設契約を例に挙げている。具体的な選定基準は未定であるが、企業に対し提案がどう国益に叶うか説明する声明文の提出も求めており、審査は国務省(Department of State)や国防総省(Department of Defense)などが連携して行う。記事は、同プログラムが法整備を待たずに、取引や輸出を通じて国のAI影響力を世界へ広げるための、政府の新たな試みであると伝えている。 Axios “Exclusive: U.S. kicks off push to sell AI abroad” (04/01/26) https://www.axios.com/2026/04/01/trump-us-push-sell-ai-abroad
半導体設備投資、2027年に初の1,500億ドル突破へ AI需要が牽引
国際半導体製造装置材料協会(Semiconductor Equipment and Materials Institute: SEMI)は4月1日、世界の300mmウェハー対応のファブ装置工場向け設備投資額が2026年に1,330億ドル、2027年には1,510億ドルへ拡大する見通しと発表した。人工知能(AI)向けのデータセンターやエッジデバイス需要の急増が製造装置への投資を過去最大規模へ押し上げており、SEMIは、業界がAI時代を見据えた高度な生産能力と強靭な供給網の構築に注力していると指摘している。2027年から2029年はロジック・マイクロ分野が最先端の2nm未満プロセス技術を中心に2,280億ドル、メモリ分野が高帯域幅メモリ(High Bandwidth Memory: HBM)やNAND(NOT AND、電源を切ってもデータが消えない不揮発性の半導体メモリ)需要を背景に1,750億ドルとなる見込みである。また中国、台湾、韓国、米国を中心に世界各地で分散的な投資が続くとし、各国の戦略的な半導体製造能力強化を背景に、2028年に1,550億ドル、2029年には1,720億ドルまで投資額が伸びるとみている。 SEMI “SEMI Projects Double-Digit Growth in Global 300mm Fab Equipment Spending for 2026 and 2027” (04/01/26) https://www.semi.org/en/semi-press-release/semi-projects-double-digit-growth-in-global-300mm-fab-equipment-spending-for-2026-and-2027
NSF、教育課題解決に向けた新技術開発プログラムを開始
米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は4月1日、教育現場のニーズに基づく革新的な学習技術の開発を促進するため、新プログラム「NSF分野横断型教育対応ソリューション育成ファウンドリー(NSF Fostering Interdisciplinary Network Driven Educationally Responsive Solutions Foundry: NSF FINDERS FOUNDRY)」を立ち上げたと発表した。人工知能(AI)教育の推進を掲げる大統領令に沿う取り組みで、K-12(幼稚園~高校)における科学・技術・工学・数学(STEM)教育の課題に対し、様々な分野の研究者や教育者、技術者らを結びつけ、研究成果を早期に市場へ導入するエコシステムを構築する。将来の労働力強化に向けた次世代技術の育成を図る狙いがあり、技術イノベーション・パートナーシップ局(Technology Innovation Partnership)が主導し、最大850万ドルを投じて計画及び開発の2段階で支援を行う。詳細は4月8日に開催されるウェビナーにおいて説明される予定で、NSFは今回の投資を通じて米国の技術イノベーションを加速することを目指している。 NSF “NSF launches NSF FINDERS FOUNDRY to accelerate technology solutions to learning challenges” (04/01/26) https://www.nsf.gov/tip/updates/nsf-launches-nsf-finders-foundry-accelerate-technology
中国、研究開発投資で首位
米国大学協会(Association of American Universities: AAU)は3月31日、中国の研究開発(R&D)投資額が2024年に米国を上回り、世界首位になったと発表した。経済協力開発機構(Organisation for Economic Co-operation and Development: OECD)によると、同年の中国の投資額は1.03兆ドルに達し、1.01兆ドルの米国を初めて上回った。データ入手が可能となった2004年以降、中国は年平均14%を超える急成長を遂げており、米国の2倍以上のペースであるという。また、現在のR&D投資は国内総生産(GDP)比で2.7%に達し、人工知能(AI)や量子、核融合技術に加え、磁石などの最先端分野で世界的な影響力を強めつつあることも指摘した。同協会は、中国が国家戦略として科学技術への投資を加速させるなか、2027年度大統領予算案では科学研究費が削減対象となっているとし、報告書は、この調査結果が米国の科学分野における成果の動機づけとなるかは、今後の議会の判断によると示唆している。 AAU “It’s Official: China Tops U.S. in R&D Spending” (03/31/26) https://www.aau.edu/newsroom/leading-research-universities-report/its-official-china-tops-us-rd-spending
海軍、T-45ゴスホーク後継機の選定を開始
アクシオス(Axios)は4月1日、海軍(U.S. Navy)が老朽化したT-45ゴスホーク(T-45 Goshawk)に代わる新たな練習機調達に向け、提案依頼書(Request for Proposals: RFP)を公表したと報じた。パイロット訓練生向けジェット訓練システム(Undergraduate Jet Training System: UJTS)で、選定されれば海軍及び海兵隊(U.S. Marine Corps)におけるパイロット教育に長期に亘り関わることになる。同軍は、兼ねてより既存のゴスホークが抱える機体やエンジン・部品の老朽化といった課題を抱えていたが、新機体の導入で解決するとし、総数200機以上の調達を見込んでいる。提案書の提出期限は6月で、現在、ボーイング社(Boeing)、ロッキード・マーチン社(Lockheed Martin)、シエラ・ネバダ・コーポレーション(Sierra Nevada Corporation)社などが名乗りを上げており、来年初頭に契約を締結する見通しという。 Axios “U.S. Navy kicks off T-45 replacement competition ” (04/01/26) https://www.axios.com/2026/04/01/navy-ujts-rfp-goshawk-trainer
2025年データセンター投資額、再エネ・石油ガスと同水準へ
ノルウェーの調査会社、ライスタッドエナジー(Rystad Energy)社は3月26日、2025年のデータセンターへの世界の設備投資額が7,700億ドルに達し、石油・ガス産業上流部門への投資を上回ったと発表した。既に太陽光発電を抜き、今年中には再生可能エネルギーや石油・ガス産業全体の投資額と同水準に到達する見通しである。投資の4割はアクセラレーター・サーバーなどのITインフラが占め、冷却システムなどの設備投資も太陽光発電に匹敵する規模となった。Google社(Google)やマイクロソフト社(Microsoft)などの大手ハイテク企業が投資を牽引し、米国は世界全体の42%の市場シェアを占めた。一方で電力供給や土地確保の制約から、今後の投資先はフィンランドやポルトガル、タイなど世界各地へ分散するとの見方を示した。また、供給網構築の遅延や混乱に加え、コスト高騰といったリスクも残っているとし、より安定した投資環境が確立されるまで、今後数年間はAIブームによるインフラ投資のスーパーサイクルが続くと予測している。 RystadEnergy “Putting things in perspective: Data center investments now on par with renewables, oil and gas” (03/326/26) https://www.rystadenergy.com/insights/putting-things-in-perspective-data-center-investments-now-on-par-with-renewables 参照記事: Axios “Data center boom rivals energy’s biggest sectors” (04/01/26) https://www.axios.com/2026/04/01/data-center-investment-oil-gas-renewable-energy
エネルギー省が3年以内の量子コンピュータ実現へ
サイエンス誌(Science)は3月31日、科学的に有用な計算が可能なフルスペックの量子コンピューターを3年以内に構築する目標をエネルギー省(Department of Energy)が発表したと報じた。2028年までに誤り訂正機能を備えた「耐故障性」を持つ次世代機の実現する計画で、同省が管理する10の国立研究所のいずれかに設置される予定である。開発にあたっては特定の技術方式を限定せず民間企業から公募を行うことで性能目標の達成を競わせる方針であるが、その目標の妥当性について慎重な見方を示す専門家もいる。また同省は、新設した科学局諮問委員会(Office of Science Advisory Committee: SCAC)に対し、政府の人工知能(AI)推進計画「ジェネシス・ミッション(Genesis Mission)」への支援体制構築と、長年更新が停滞していた大規模科学施設の建設優先順位リストの年内の再策定を指示した。このリストは公開予定であるが、指示には「ジェネシス・ミッションとの統合・支援」とあるため、コンピューティング施設が有力視されるとの声も浮上している。 Science “Energy Department aims to build full-fledged quantum computer within 3 years” (03/31/26) https://www.science.org/content/article/energy-department-aims-build-full-fledged-quantum-computer-within-3-years
運輸省、国内小型造船所へ3,500万ドル投資
運輸省(Department of Transportation)は3月31日、全米の小型造船所の活性化に向け3,500万ドルを投資すると発表した。海上局(US Maritime Administration: MARAD)の小型造船所助成プログラムを通じて、造船施設の改修・整備やクレーン、プラズマカッター、溶接システムなどの最新設備の導入、さらに海事人材の育成支援に充てる。予算は昨年度比300%の大幅増額となり、トランプ大統領が掲げる海事分野の優位性回復戦略の加速が反映されたものとなった。同プログラムは、2008年の開始以来、国内造船所整備や必要なツール導入などこれまで382件の助成に総額3億2,050万ドルを支援しており、ショーン・ダフィー運輸長官(Sean Duffy)は「国家安全保障の強化や高賃金雇用職の国内回帰、円滑な物流を確保する取り組み」と説明した。対象となるのは従業員1,200人以下の小規模造船所で、応募締め切りは5月11日までとした。政府は今後も造船所の設備更新を後押しするとし、米国の造船技術と労働力の向上を図っていく方針である。 Department of Transportation “Trump’s Transportation Secretary Sean P. Duffy Announces $35 Million Investment to Revitalize America’s Small Shipyards” (03/31/26) https://www.transportation.gov/briefing-room/trumps-transportation-secretary-sean-p-duffy-announces-35-million-investment