Month:April 2026
トランプ政権、2027年度予算で艦船建造数を倍増へ
ディフェンスニュース(DefenseNews)は4月4日、トランプ大統領が2027年度の国防予算において、前年度の2倍となる658億ドルの造船予算を計上したと報じた。大統領が昨年12月に発表した「黄金艦隊(Golden Fleet)」計画に充てられる予定で、大統領が史上最強と評するトランプ級戦艦2隻を含む、戦闘艦18隻と非戦闘艦16隻の計34隻の建造が盛り込まれている。世界各地で緊張が高まる中、海軍は海上領域の認識能力と抑止力を向上させる必要性を強調しており、総額1兆5,000億ドル規模の国防予算案には、コロンビア級潜水艦やバージニア級潜水艦の建造に加え、艦船の製造を容易にするための公営造船所の能力も増強する方針も含まれている。また、複雑なシステムの戦闘艦に偏重せず、建造が比較的容易な艦種を増やす考えで、これにより海事産業の基盤再建を目指していくという。ただし、この予算案成立には今後、連邦議会での議論と承認というプロセスが必要となると記事は伝えている。 DefenseNews “Trump seeks to double number of ship requests with 2027 defense budget” (04/04/26) https://www.defensenews.com/news/pentagon-congress/2026/04/03/trump-seeks-to-double-number-of-ship-requests-with-2027-defense-budget/
トランプ政権、科学予算の大幅削減を再提案
サイエンス誌(Science)は4月3日、トランプ大統領が2027年度予算案で国防費に1.6兆ドルから40%増の2.2兆ドルを割り当てる一方、科学を含む非国防費には10%減となる6,600億ドルとする案を提出したと報じた。米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の予算を55%、航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)は23%、国立衛生研究所(National Institutes of Health)12%、エネルギー省(Department of Energy)科学局(Office of Science)は15%を削減し、その他機関の削減も含め、政権は人工知能や量子コンピューティングなど優先分野への資金集中を理由に挙げている。研究予算の大幅削減提案は2年連続で、議会は今年初めに同様の2026年度削減案を拒否している。今回は気候変動・環境関連プログラムの廃止や科学論文出版・学術誌購読への支出制限も盛り込んでおり、米国大学協会(Association of American Universities: AAU)は声明で「近視眼的な削減を拒否し、科学への投資を増やすよう議会に求める」と表明している。 Science “Slasher sequel: Trump again proposes major cuts to U.S. science spending” (04/03/26) https://www.science.org/content/article/slasher-sequel-trump-again-proposes-major-cuts-u-s-science-spending
原子力規制委、核融合発電の規制整備に関する報告書を提出
核融合産業協会(Fusion Industry Association: FIA)は3月23日、原子力規制委員会(Nuclear Regulatory Commission: NRC)が核融合装置の規制に関する全計画をまとめた報告書を議会に提出したと発表した。2026年度商務・司法・科学・エネルギー・水資源開発・内務・環境歳出法(Commerce, Justice, Science; Energy and Water Development; and Interior and Environment Appropriations Act)に基づき作成されたもので、NRCが推進する核融合規制の現状と今後の指針を詳細に記述した内容となっている。NRCは、既存の放射性副産物の取り扱いに関する規制枠組みを活用した効率的な許認可制度の構築を進めており、2027年12月までの規則制定完了を目指している。また商用化加速に向け、設計認証制度の確立に向けた取り組みにも着手した。さらに2028年に見込まれる初の商用炉稼働後一年間の運用実績に基づいた新たな指針の策定も予定している。これに併せ、職員の技術習得に向けた研修プログラムの拡充や分析ツールの開発も並行して実施する。 FIA “Department of the Interior Begins Transition to Marine Minerals Administration” (04/03/26) U.S. Nuclear Regulatory Commission Submits Fusion Regulations Rulemaking Report to Congress
内務省、海洋鉱物管理局を新設
内務省(Department of the Interior)は4月3日、新たに海洋鉱物管理局(Marine Minerals Administration:MMA)を設立する計画を発表した。オフショアにおけるエネルギー開発や重要鉱物の管理体制の整備に向け、海洋エネルギー管理局(Bureau of Ocean Energy Management:BOEM)と安全環境執行局(Bureau of Safety and Environmental Enforcement:BSEE)の機能を統合し、段階的に移行していく。今回の取り組みについて、ダグ・バーガム内務長官(Doug Burgum)は政府運営の効率化を重視するトランプ大統領の方針に沿うものと説明しており、計画からリース、監視までの一連のプロセスを一元化することで、重複する手続きを削減し、迅速な意思決定を可能にする。また、既存の規制や安全基準を維持しつつ、より強固な監督体制を構築するとし、全ての法的権限や保護措置は移行期間中も維持され、オフショア開発のライフサイクル全体を通じた一貫した管理を行う構えである。 DOI “Department of the Interior Begins Transition to Marine Minerals Administration” (04/03/26) https://www.doi.gov/pressreleases/department-interior-begins-transition-marine-minerals-administration
サムスン・バイオロジクス社、メリーランド州に国内初製造拠点を開設
メリーランド州モンゴメリー郡政府は4月1日、韓国のサムスン・バイオロジクス社(Samsung Biologics)が同州ロックビルに国内初の製造拠点を正式に開設したと発表した。臨床及び商業用生物製剤の製造に伴い、英グラクソ・スミスクライン社(GSK)の旧製造施設を3億5,300万ドルで買収した。今回の施設取得により、同社のグローバル原薬生産能力は6万リットル増加し、計84万5,000リットルに拡大する見通しで、技術のアップグレードや資本投資のさらなる拡大も計画している。郡政府は今回の誘致について国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)や食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)が集積する同郡の戦略的な立地が国際企業に評価されたと評し、500人以上の地元雇用が維持されたことを強調した。同郡は近年韓国企業との連携を深めており、姉妹都市である大田広域市による昨年のグローバル貿易センター開設に加え、2023年のインテリアン・テクノロジー社(Intellian Technologies)によるR&D施設拡張など進出が相次いでいる。 Montgomery County Government “Montgomery County Celebrates Opening of Samsung Biologics’ First U.S. Manufacturing Facility in Rockville” (04/01/26) https://www2.montgomerycountymd.gov/mcgportalapps/Press_Detail.aspx?Item_ID=48487
世界ベンチャー投資額が四半期で3,000億ドルに到達 AIブームが牽引
クランチベース・ニュース(Crunchbase News)は4月1日、2026年第1四半期のベンチャー投資額が世界で3,000億ドルに達し、過去最高を記録したと発表した。主に人工知能(AI)分野への投資が急増し、同分野だけで全体の80%にあたる2,420億ドルを占めた。特にオープンAI社(OpenAI)の1,220億ドルをはじめ、アンスロピック社(Anthropic)、エックスAI社(xAI)、ウェイモ社(Waymo)といった主要企業への大型調達が全体の65%を主導した。地域別では、米国企業が全体の83%となる2,500億ドルを調達し、依然として圧倒的なシェアを維持し、投資段階別ではレイトステージ(後期)への資金集中が顕著で、前年同期比で205%増の2,466億ドルとなった。一方で、アーリーステージ(初期)やシード(ごく初期の段階)資金もそれぞれ41%増、31%増と底堅い成長を見せた。米国ではIPO市場が停滞したものの、スタートアップのM&Aは活発に推移した。また、巨額投資により成長した企業の株式上場が相次ぐとの見方が強まっている。 Crunchbase news “Q1 2026 Shatters Venture Funding Records As AI Boom Pushes Startup Investment To $300B ” (04/01/26) https://news.crunchbase.com/venture/record-breaking-funding-ai-global-q1-2026/
トランプ大統領、1.5兆ドルの国防予算案を提出
ディフェンスニュース(DefenseNews)は4月3日、戦後最大規模となる1.5兆ドルの来年度国防予算案をトランプ大統領が発表したと報じた。この予算には、政権の看板政策である1,850億ドルのミサイル防衛網「ゴールデン・ドーム(Golden Dome)」の構築費や、ロッキード・マーティン社(Lockheed Martin)製F-35戦闘機の調達に加え、ゼネラル・ダイナミクス社(General Dynamics)及びハンティントン・インガルス・インダストリーズ社(Huntington Ingalls Industries)が製造するバージニア級潜水艦建造など、海軍戦力強化への対応が盛り込まれた。昨年の総額1兆ドルを大幅に上回る規模で、中国によるインド太平洋地域での脅威に対抗する狙いがあることに加え、イスラエル、イラン、ウクライナでの紛争により枯渇する兵器備蓄の再構築も急務となっている。詳細については4月21日に発表される予定で、今後、連邦議会で審議されることになる。 DefenseNews “Golden Dome, ships and missiles top Trump’s $1.5 trillion defense wish list” (04/03/26) https://www.defensenews.com/news/pentagon-congress/2026/04/02/golden-dome-ships-and-missiles-top-trumps-15-trillion-defense-wish-list/
テキサス州、先端原子力発電プロジェクト助成を開始
ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は4月2日、テキサス州が次世代原子力発電の導入加速に向け、総額3.5億ドルの助成プログラムを開始したと報じた。データセンターなどの電力需要の急増を受け、電力供給力を早急に強化する次世代原子炉の建設やサプライチェーン構築を支援するとし、同州先端原子力エネルギー局(Texas Advanced Nuclear Energy Office: TANEO)が公募を開始した。下院法第14号に基づく2つの資金交付制度で、建設許可申請などの費用を補填する「先進原子力建設償還プログラム(Advanced Nuclear Construction Reimbursement Program)」では、建設許可申請審査や長納期部品の調達・開発、製造・試験に関わる費用を、設計や技術開発を支援する「プロジェクト設計及びサプライチェーン償還プログラム(Project Design and Supply Chain Reimbursement Program)」では技術開発や立地計画、燃料製造・加工なども含む幅広い活動に関する費用をそれぞれ払い戻しの対象とする。申請期限は5月14日で、採択先は7月に決定する。 Utility Dive “Texas opens $350M advanced nuclear grant program” (04/02/26) https://www.utilitydive.com/news/texas-opens-350m-advanced-nuclear-grant-program/816442/
データセンター建設、地域住民は「生活の質」への影響を懸念
アクシオス(Axios)は4月3日、データセンター建設への反対理由について、世論は電力価格の上昇よりも地域社会への影響を懸念していると報じた。ハーバード大学(Harvard University)とマサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology)が共同実施した調査によると、データセンターを地域に誘致することへの支持は40%、反対は32%であることがわかった。また、回答者の約3分の2が電力料金の上昇を懸念している一方で、雇用や経済成長など、地域社会の「生活の質」への悪影響を懸念する声は、電力価格への懸念に比べて2倍であることが判明したという。現在、多くの州でデータセンターによる電気料金引き上げを回避するための対策が議論されているが、電力価格の押し上げには老朽化した送電網や煩雑な許認可手続き、ハリケーンや山火事など自然災害などの脅威によるインフラ整備コストなど複数の要因が絡んでおり、専門家らは、地域社会の懸念に配慮した計画立案が今後、重要になると指摘している。 Axios “Exclusive: Electricity rates aren’t top concern about data centers, poll shows” (04/03/26) https://www.axios.com/2026/04/03/data-centers-concerns-ai-electricity-harvard-mit
カリフォルニア州、AI規制を主導
アクシオス(Axios)は4月3日、カリフォルニア州が人工知能(AI)規制において全米の試験場としての役割を担っていると伝えた。記事は、ギャビン・ニューサム州知事(Gavin Newsom)が州政府のAI調達基準を強化する行政命令に署名し、企業に倫理的なガイドラインの遵守を求めたことに加え、州議会でも未成年者保護強化に向けた法案が提出されたことを紹介したうえで、州レベルで先制的なルール作りを加速させていることから、米国のAI企業はカリフォルニア州規則を事実上の国家基準として扱う可能性が高くなると伝えている。対するトランプ政権は州の規制緩和を推進し、全国的な基準の策定を目指しているが、専門家らはグーグル社(Google)やオープンAI社(OpenAI)やアンソロピック社(Anthropic)といった巨大テクノロジー企業を抱える同州の動向による影響は避けられないとの見方を示した。さらに記事は、大手企業が州内での事業継続を最優先としつつも、安全団体と連携し、規制の枠組み作りにも深く関与していることにも触れている。 Axios “California cements its role as the national testing ground for AI rules” (04/03/26) https://www.axios.com/2026/04/03/california-national-testing-ground-ai-rules