Month:April 2026
宇宙軍予算が倍増 ミサイル防衛を強化
スペースニュース(SpaceNews)は4月4日、2027年度国防予算案における宇宙軍(United States Space Force: USSF)の予算が前年度から400億ドル増の約710億ドルとなる見込みと報じた。極超音速兵器などの脅威に対し、宇宙から追跡及び迎撃する最新鋭のミサイル防衛システム「ゴールデンドーム(Golden Dome for America)」構想をはじめとする衛星プログラムの研究開発や調達、産業基盤の再構築などに充てられる予定で、国防総省(Department of Defense)の軌道上のミサイル防衛能力に重点を置く内容を示す形となった。政府が3日に発表した1兆5,000億ドル規模の同予算案は過去最大規模で、同軍の要求額のうち約170億ドルが同構想に計上されるが、通常予算から捻出されるのはわずか約4億ドルで、政府はこの上限を回避するために今回、財政調整措置を用いた従来とは異なる資金調達を予定している。同軍の既存プログラム展開を2、3年以内に実現するための支援策であるが、実現可能性が問われており、予算の議会通過は不透明な情勢と記事は伝えている。 SpaceNews “Space Force budget would more than double in Trump’s $1.5 trillion defense plan” (04/04/26) Space Force budget would more than double in Trump’s $1.5 trillion defense plan
NSFとNIHによる助成交付、大幅遅延
米国物理協会(American Institute of Physics: AIP)は4月6日、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)と国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)による助成交付が、例年に比べて大幅に遅延していると伝えた。助成に特化した監視団体のグラント・ウィットネス(Grant Witness)によると、NSFが本年度に交付した助成はわずか613件で、2021年度から2024年度の同時期と比較しても約20%の水準にとどまっているという。また、交付総額も同様に過去の約3分の1という低水準となった。この傾向はNSFの全管轄部門で顕著で、特に、専門家による本格的査読を経て決定される、新規の助成や競争を伴う継続助成の件数の落ち込みが著しい。NIHにおいても同様の傾向が確認されており、過去同時期に約1万8,000件であった交付件数が本年度は約1万件に減少し、交付総額も同程度落ち込んだ。両機関の現在の交付状況は、数千件の助成が取り消され、例年より交付数が少なかった2025年度と比較しても、さらに遅れをとっている状況である。 AIP “NSF, NIH lagging in awarding grants” (04/06/26) https://www.aip.org/newsletter/0000019d-63b7-d6ed-a3ff-6fbfe7f6000e
EPA、石油・天然ガス規制を改定 25億ドルのコストを削減へ
環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は4月6日、大気浄化法(Clean Air Act)に基づく石油・天然ガス規制(通称OOOOb/c)の改定を発表した。製造施設の保安管理作業時に認められているフレア燃焼処理(余剰ガスを燃焼して無害化する)の期間を従来の24時間から最大72時間に延長し、悪天候などの不可抗力による緊急事態には、さらなる猶予を与える措置を導入する。国内のエネルギー生産促進に向け、バイデン前政権時代の2024年に導入された同規制を改定するとし、EPAは今後15年間で、業界の法令遵守費用を推計25億ドル削減できると説明した。また、特定の燃焼装置におけるガスの低位発熱量への継続的なモニタリングも撤廃する。これにより、不必要な検査を年間最大14万1,000件、15年間で約190万件削減できるという。なお、今回の改定に伴う排出量の増加はないとし、EPAは環境保護と経済成長を両立させながら、今後もさらなる規制の見直しを進めていくとしている。 EPA “EPA Continues to Unleash Domestic Energy with Revisions to Burdensome, Unworkable Biden-era Oil and Natural Gas Regulations, Saving Americans Billions in Energy Costs” (04/06/26) https://www.epa.gov/newsreleases/epa-continues-unleash-domestic-energy-revisions-burdensome-unworkable-biden-era-oil
JIATF 401、対無人機システム調達に6億ドル超拠出
国防総省(Department of Defense)は4月6日、省庁間合同タスクフォース401(Joint Interagency Task Force 401: JIATF 401)が対無人航空機システム(Counter-UAS)調達に向け、6億ドル以上を拠出すると発表した。このうち3.5億ドルをエピック・フューリー作戦(Operation Epic Fury)に充て、中央軍(US Central Command)などの緊急要件に対応する。また、2026年FIFAワールドカップ開催に向け、9州11都市のスタジアムなどにおけるセキュリティ対策に1億ドルを割り当てる。対ドローン技術を投入し、W杯終了後はこれらのシステムを軍基地や重要インフラに組み込む予定である。さらに、国内の重要インフラを最優先に防衛・保護する「国内シールド(Domestic Shield)」構想に1.58億ドルを投じる。一連の対応について、同タスクフォースは進化する脅威へ迅速に対処していくと説明しており、省庁間連携についても通常数年かかるプロセスを数カ月で実行していると強調している。 Department of Defense “Joint Task Force Commits Over $600 Million to Procure New Counter-UAS Capability” (04/06/26) https://www.war.gov/News/News-Stories/Article/Article/4452647/joint-task-force-commits-over-600-million-to-procure-new-counter-uas-capability/
ARPA-H、変形性関節症の根治に向けた再生医療プロジェクトを加速
厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)傘下の医療高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency for Health:ARPA-H)は4月6日、変形性関節症を根治するための再生医療技術が前臨床試験の目標を達成したと発表した。対症療法や人工関節に依存する従来治療から脱却し、軟骨や骨を自己修復して関節を健康な状態に戻す取り組みで「関節組織再生の新規イノベーション(Novel Innovations for Tissue Regeneration in Osteoarthritis: NITRO)プログラム」を通じてこれまでにデューク大学(Duke University)とコロラド大学ボルダー校(University of Colorado Boulder)が注射による組織再生薬を開発し、コロンビア大学(Columbia University)は幹細胞を用いた生きた人工膝関節を構築した。来年、初のヒト臨床試験を開始予定で、試験には女性や先住民など影響を受けやすい層を半数以上含める基準を設けた。数百万人の患者へ手頃な価格で提供するとし、レノバレ・セラピューティクス社(Renovare Therapeutics)などの新設企業を通じて商業化を進める。 ARPA-H “ARPA-H fast-tracks regenerative breakthroughs to transform osteoarthritis care” (04/06/26) https://arpa-h.gov/news-and-events/arpa-h-fast-tracks-regenerative-breakthroughs-transform-osteoarthritis-care
エネルギー省、次世代エネルギー技術の社会実装を加速
エネルギー省(Department of Energy)傘下のエネルギー高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency – Energy: ARPA-E)は4月6日、最大4,000万ドルを投じて次世代エネルギー技術の商用化を支援する新プログラム「スケールアップ準備(SCALEUP Ready)」の初の助成対象プロジェクト2件を選出したと発表した。採択されたのは、国内の低品位かん水からリチウムを電気化学的方法で抽出し生産する(Advanced Lithium Extraction: ALE)プロセスの実用化を進めるマサチューセッツ州のリチオス社(Lithios)と、核廃棄物の封入・運搬・永久処分を一体的に担う汎用キャニスター・システム(Universal Canister System)を商用化し、市場への導入を加速するカリフォルニア州のディープ・アイソレーション社(Deep Isolation)で、両社は最終的な合意に向けて交渉中である。2025年度に5,000万ドル、2026年度も同額の予算を充当する同プログラムでは、申請者が独自のスケジュールで応募することができ、同省は随時募集を受け付けている。 ARPA-E “DOE Announces First Projects Under SCALEUP Ready Program in 2026” (04/06/26) https://arpa-e.energy.gov/news-and-events/news-and-insights/doe-announces-first-projects-under-scaleup-ready-program-2026
トランプ大統領、政府請負業者のDEI方針を調査 違反なら契約打ち切りも
コンストラクション・ダイブ(Construction Dive)は3月30日、トランプ大統領が多様性・公平性・包摂性(DEI)活動の禁止を義務付ける大統領令を発令したと報じた。人種や民族に基づいた採用や昇進により、労働力プールを人為的に狭め、不必要なコストを生み出す活動と指摘し、各省庁に対して、政府請負業者へ「DEI活動を行わない」ことを義務付ける条項を4月25日までに契約書に盛り込むよう指示した。これに伴い、企業側は帳簿や記録、会計を含むすべての情報を審査のために提出する必要がある。違反者には虚偽請求法(False Claims Act)に基づく起訴を検討しており、関連機関は7月24日までに実施状況を検証する。大統領府に加え、雇用機会均等委員会(Equal Employment Opportunity Commission: EEOC)や司法省(Department of Justice)も民間企業のDEI方針を差別の根拠として取り締まる方針で、リトラー・メンデルソン法律事務所(Littler Mendelson)の調査によると、企業側も最重要課題と位置付け、事態を重く受け止めているという。 Construction Dive “Trump order directs federal contractors to dump DEI — or risk canceled contract” (03/30/26) https://www.constructiondive.com/news/trump-executive-order-federal-contractors-dei-canceled-contracts/816076/
トランプ政権、鉄鋼・アルミ・銅関税で新方針
ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は4月3日、トランプ大統領が通商拡大法第232条に基づく鉄鋼、アルミ、銅の輸入関税率を新たに設定する大統領令に署名したと報じた。鋼コイルやアルミニウム板などの金属素材への50%関税を維持する一方、鉄製の調理器具や銀食器、ディーゼル機関車やセミトレーラー牽引トラックなどの派生製品には25%を適用するとした。ただし、特定の金属利用度の低い産業設備や送電網設備については15%とし、2027年までの適用と定めた。また、英国製の鉄鋼・アルミ製品については優遇措置を適用し、指定金属のみで製造された製品は25%、派生製品は15%の関税とした。一方、欧州連合、日本、韓国との既存協定には変更がない。なお、鉄鋼、アルミ、銅の含有率が15%以下の製品は232条関税の対象外となる。大統領は昨年に鉄鋼・アルミ製品に関税政策を導入し、最終的に50%まで引き上げており、昨年8月からは銅輸入品にも50%の関税を課している。 Utility Dive “Trump adjusts metal tariffs, sets 15% rate for some electrical grid equipment” (04/03/26) https://www.utilitydive.com/news/trump-steel-aluminum-copper-tariff-adjustments-grid-equipment-electric/816581/
連邦政府のAI調達指針案、業界団体が懸念を表明
NEXTGOV/FCWは4月3日、一般調達局(General Services Administration: GSA)が公表した人工知能(AI)調達の指針案に対し、業界団体が権利侵害や過度な利用範囲の拡大を懸念して強く反発していると報じた。この指針案は、政府がAIツールを「あらゆる合法的な用途」で利用できると規定しており、アンソロピック社(Anthropic)と国防総省(Department of Defense)の間で起きた利用目的を巡る紛争と同様の懸念を招いている。入力データの政府による全面的な所有権や、カスタム開発への政府の権利確保が盛り込まれた点も、民間企業の反発を強めているほか、政府機関における外国製AI製品の使用禁止なども含まれたことから、業界団体らはこうした広範な利用権限が民間の利用規約と抵触し、市民的自由を脅かす恐れがあると指摘した。また、知財権の侵害や競争力の低下を招き、政府のAI導入と技術革新を阻む可能性があるとし、政府目標を達成するためにも、指針案の大幅な修正と既存のソフトウェア調達枠組みとの整合性を求めている。 NEXTGOV/FCW “Trade and industry groups warn of risks in GSA’s draft AI procurement guidance” (04/05/26) https://www.nextgov.com/acquisition/2026/04/trade-and-industry-groups-warn-risks-gsas-draft-ai-procurement-guidance/412614/?oref=ng-homepage-river
データセンター建設に広がる規制の波
アクシオス(Axios)は4月5日、人工知能(AI)開発の加速に伴いデータセンター建設に対する住民の反発が強まり、開発制限や建設の一時停止に向けた動きが全米に広がっていると報じた。送電網や水資源への影響を懸念する少なくとも11州で、規制を強化する法案が提案されている。メイン州では事実上建設を禁止する法案の成立が確実視されているほか、連邦議会においても、バーニー・サンダース上院議員(Bernie Sanders、バーモント州選出無所属)とアレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員(Alexandria Ocasio-Cortez、ニューヨーク州選出民主党)は全国的な建設停止を求める法案を提出している。これに関し、アソシエイテッド・ビルダーズ・アンド・コントラクターズ(Associated Builders and Contractors)はメイン州が今後広がるモラトリアムの先駆けになると指摘する。中間選挙を控え、AI成長を推進する政府方針とその影響を危惧する地元有権者の板挟みとなっている政治家らは難しい対応を迫られており、記事はAI社会への移行が分断をもたらしていると伝えている。 Axios “These states don’t want data centers in their backyards” (04/05/26) https://www.axios.com/2026/04/05/data-centers-midterms-state-bans-bills-ai