Day: February 27, 2026

FDA、超希少疾患の個別化治療開発を加速する新規制枠組みを発表

食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)は2月23日、患者数が極めて少ない超希少疾患に対する個別化治療の開発・承認を促進するための新たな規制枠組み「妥当なメカニズム枠組み(Plausible Mechanism Framework)」を定めたガイダンス草案を公表した。希少疾患患者が国内3,000万人に達する中、従来の無作為化比較試験(臨床試験)が実施困難な希少疾患治療法の評価を支援するため、ゲノム編集やRNAベースの治療などの標的治療について有効性と安全性の実質的な証拠を確立する。2025年にフィラデルフィア小児病院(Children’s Hospital of Philadelphia)で超希少代謝疾患の乳児「ベビーKJ(Baby KJ)」に対する個別化CRISPR治療が世界で初めて成功したことを受け、疾患の原因となる遺伝子・分子異常の特定や治療が根本原因を標的としていることの証明、未治療患者の自然経過データの活用などを主要基準として定めた。また、同一遺伝子の異なる変異を標的とする製品を一つの申請にまとめ、マスタープロトコルでの評価を可能にした。 FDA “FDA Launches Framework for Accelerating Development of Individualized Therapies for Ultra-Rare Diseases” (02/23/26) https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-launches-framework-accelerating-development-individualized-therapies-ultra-rare-diseases 参照記事:Axios “FDA smooths reviews of rare disease treatments” (02/24/26) https://www.axios.com/2026/02/24/fda-approval-rare-disease-treatments

陸軍、エアロバイロンメント社と新型スイッチブレード購入契約へ

アクシオス(Axios)は2月26日、陸軍が防衛企業エアロバイロンメント社(AeroVironment)の総額1億8,600万ドルの改良型攻撃ドローンを購入する方針であると報じた。2024年8月に発表された「致死性無人システム(Lethal Unmanned Systems)」に関する包括的契約の一部で、スイッチブレード600ブロック2(Switchblade 600 Block 2)に加え、装甲貫通型のスイッチブレード300ブロック20(Switchblade 300 Block 20)爆発成形弾頭型を初調達する。両機種は2024年10月にワシントンで開催された陸軍協会(Association of the U.S. Army)主催会議で公開されたもので、スイッチブレードはロシア・ウクライナ戦争を含め世界各地で使用されてきた。国防総省(Department of Defense)は「レプリケーター(Replicator)」や「ドローン・ドミナンス(Drone Dominance)」など大量調達計画を推進しており、エアロバイロンメント社も昨年5月にブルーヘイロー社(BlueHalo)を買収して体制を強化するなど、無人機の重要性が高まる中、当局はこうした技術の配備を急いでいる。 Axios “Scoop: U.S. Army buying Switchblade drones for $186 million” (02/26/26) https://www.axios.com/2026/02/26/army-drones-aerovironment-switchblade-military

国防総省、バイオ製造の国内基盤強化へ2021年以降で約9億6,500万ドルを投資

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は2月26日、国防総省(Department of Defense)が2021年以降に国内バイオ製造分野へ約9億6,500万ドルを投資したと発表した。海外依存の脱却と供給網の強靭化を目指すもので、クモの糸のような生物由来素材を用いたバイオ製造は炭素繊維よりも軽量でケブラー繊維よりも強度が高いことから、防弾チョッキ、兵器システムの維持管理用溶剤など様々な防衛用途に適しており、同省はこのような開発を行う国内バイオ製造業への支援を積極的に行っている。しかし、研究段階から商業生産へと移行させるための国内インフラが不足しているため、同省は研究所でのプロジェクト支援や製造施設のネットワーク構築を進めている。主に3つのイニシアチブのうち2つを2027年から2028年に終了させる予定で、議会は同省に対しこれらの戦略的投資の指針となるロードマップ策定を求めている。同省関連部門は今年9月までにこの将来計画を完了させる見込みで、GAOはこれらのロードマップの評価を行うと説明している。 GAO “Defense Industrial Base: DOD Efforts to Develop Domestic Biomanufacturing” (02/26/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-107797

ORNL、AI急拡大に伴う電力課題に対処する「次世代データセンター研究所」を設立

オークリッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory: ORNL)は2月26日、次世代データセンター研究所(Next Generation Data Centers Institute: NGDCI)を設立したと発表した。急増する人工知能(AI)データセンターの電力需要に対応するため、エネルギー省(Department of Energy)が主導するジェネシス・ミッション(Genesis Mission)と連携し、計算資源とエネルギーシステムの統合を目指すことが目的で、ORNLは電力網の信頼性維持に向けた技術開発を加速させる。データセンターの電力消費量は現在の4%から2030年までに全体の17%に達すると予測されている中、NGDCIは次世代冷却技術や電力網統合などの技術開発について、AMD社(AMD)やエヌビディア社(NVIDIA)などと協力する。また、意思決定支援プラットフォームのMEGA-DCなども活用して課題に対処する実証を進めるとし、電力供給に負担をかけずに次世代AIスーパーコンピュータを稼働していく方法を模索する構えである。 ORNL “Oak Ridge National Laboratory launches the Next-Generation Data Centers Institute” (02/26/26) https://www.ornl.gov/news/oak-ridge-national-laboratory-launches-next-generation-data-centers-institute

トリソX社、先進燃料製造で初のNRC許可取得

エネルギー省(Department of Energy)原子力エネルギー局(Office of Nuclear Energy)は2月25日、Xエナジー社(X-energy)の子会社トリソX社(TRISO-X)が、原子力規制委員会(Nuclear Regulatory Commission: NRC)からテネシー州オークリッジの先進核燃料製造施設に関する40年間の特殊核物質ライセンス(カテゴリーII燃料製造ライセンス)を取得したと発表した。高濃縮度低濃縮ウラン(High-assay low-enriched uranium: HALEU)燃料の商業規模製造施設としては国内初となり、新規燃料製造ライセンス承認は約50年ぶりとなる。同省の先進炉実証プログラム(Advanced Reactor Demonstration Program)の支援を受け、21万5,000平方フィートの規模のTX-1施設が現在建設中で、ここでX-energy社の小型モジュール炉Xe-100(Xe-100)や他の先進炉メーカーを支援するトリソ型燃料(TRISO燃料)を製造する。年間約70万個を製造予定で、これはXe-100炉11基分の燃料供給能力に相当する。製造開始は2028年初頭とし、約500人の雇用を見込んでいる。 Department of Energy “TRISO-X Receives NRC Special Nuclear Material License for Advanced Fuel Fabrication Facility ” (02/25/26) https://www.energy.gov/ne/articles/triso-x-receives-nrc-special-nuclear-material-license-advanced-fuel-fabrication

アルゴンヌ国立研究所、活性材料ラボ開設 照射材料解析を高度化

エネルギー省(Department of Energy)の原子力エネルギー局(Office of Nuclear Energy)は2月26日、アルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)に高放射能の被照射材料を超高輝度X線で安全に内部解析する活性材料ラボ(Activated Materials Lab)を新設したと発表した。先端放射光施設APS(Advanced Photon Source: APS)に隣接する新研究室は、放射性試料の受け入れからビームライン搬送までを専門チームが一元管理することで、実験を迅速化する。また、排気フードやグローブボックス、遮蔽容器を備え、従来よりも高い放射能レベルの試料取り扱いを可能とした。さらに、輝度を100倍超に高め、9本の新ビームラインを増設し、高エネルギーX線顕微鏡ビームラインで金属の三次元微細構造観察が可能となっている。同施設の初実験ではこれを活用し、軽水炉由来ステンレス鋼の応力腐食割れの発生要因を粒界レベルで解析した。材料劣化の詳細把握は、炉材の設計改良や既存炉の保守計画高度化につながると期待されている。 Department of Energy “Argonne National Lab’s New Facility Gives Researchers an Inside Look at Irradiated Nuclear Materials” (02/26/26) https://www.energy.gov/ne/articles/argonne-national-labs-new-facility-gives-researchers-inside-look-irradiated-nuclear