Day: February 10, 2026
厚生省、AIツールでDEI監査 パランティア社など活用
ワイアード(Wired)は2月2日、厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)がパランティア社(Palantir)とクレダルAI社(Credal AI)の人工知能(AI)ツールを使用して、助成申請や職務記述書内の「多様性、公平性、包括性(DEI)」や環境正義及び「ジェンダー(性別)・イデオロギー」に関連する記述について監査していると報じた。AIが申請書類を自動的にチェックし、問題がある可能性のある項目をフラグ付けして、最終的に職員が審査する仕組みで、トランプ政権によるDEIプログラム廃止と性別イデオロギー対策の大統領令に基づき、2025年3月から児童家庭局(Administration for Children and Families: ACF)で実施されている。これにより政府全体で数十億ドルの助成金が凍結または打ち切られ、多くの機関で関連プログラムの削除や改訂が進められた。パランティア社は政権下で契約を拡大し、移民関税執行局(Immigration and Customs Enforcement : ICE)など他の政府機関にもAIシステムを提供しているという。 Wired “HHS Is Using AI Tools From Palantir to Target ‘DEI’ and ‘Gender Ideology’ in Grants” (02/02/26) https://www.wired.com/story/hhs-is-using-ai-tools-from-palantir-to-target-dei-and-gender-ideology-in-grants/
エネルギー省、先進炉のNEPA手続き除外を発表
ニュークリアーニュースワイヤー(NuclearNewswire)は2月3日、エネルギー省(Department of Energy)が先進原子炉の認可、立地、建設、操業、再認可、廃止措置に関して国家環境政策法(National Environmental Policy Act: NEPA)の手続き適用を除外する規定を新たに設けると報じた。従来は環境影響評価書(Environmental Impact Statement: EIS)の作成が必要だった一部の先進炉プロジェクトについて、その準備が不要になる可能性があるが、個別案件ごとの判断となり、核分裂生成物の保有量、燃料の種類、炉の設計、運転計画などから放射性物質または有害物質の放出による有意な環境影響が生じないことを立証する必要がある。昨年5月の核関連大統領令に基づくもので、同省は国防総省(Department of Defense)、原子力規制委員会(Nuclear Regulatory Commission: NRC)、大統領府環境品質会議(Council on Environmental Quality: CEQ)と協議した上で決定事項となっている。 NuclearNewswire “DOE announces NEPA exclusion for advanced reactors” (02/03/26) https://www.ans.org/news/2026-02-02/article-7727/doe-announces-nepa-exclusion-for-advanced-reactors/
ロスアラモス研究所、量子コンピューティング研究を統合
ロスアラモス国立研究所(Los Alamos National Laboratory)は2月3日、量子コンピューティング分野の研究体制強化に向け、量子コンピューティング・センター(Center for Quantum Computing)を新設したと発表した。ロスアラモスのダウンタウンを本部とし、国家安全保障アプリケーション、量子アルゴリズム、量子コンピュータ科学、人材育成など、同研究所の量子コンピューティング研究分野を結集する。エネルギー省(Department of Energy)や国防総省(Department of Defense)、ニューメキシコ州の取り組み支援が目的で、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency: DARPA)量子ベンチマーキング・イニシアチブや量子科学センターなど複数の政府プロジェクト推進に向け約36人の専門家が一堂に会する。量子計算の理論基礎と商用量子コンピュータのプログラミングを学ぶ10週間のサマースクール「Quantum Computing Summer School(量子コンピューティング・サマースクール)」も開催し、年間25人の学生を受け入れる見通しである。 LANL “Los Alamos forms quantum computing-focused research center” (02/03/26) https://www.lanl.gov/media/news/0203-quantum-computing-focused-research-center
CSIS、経済発展伴う就労ビザ改革提言 高額手数料廃止など
戦略国際問題研究所(Center for Strategic & International Studies: CSIS)は2026年2月2日、トランプ政権の就労ビザ(H-1B)改革に対する実用的な改善策を発表した。熟練技術者の海外流出加速により国の経済的競争力が損失しているとして、CSISは優先セクター・地方・小企業向けビザ配分や雇用移動の自由化に加え、年間8万5,000件の発給上限への拡大や手数料廃止などの施策によりイノベーションを促進し、GDPを押し上げることができると提言している。政権はビザの新規申請手数料10万ドルの設定に加え、所得と技能が高い人ほどビザ獲得に有利な仕組みを導入したが、中小企業やスタートアップにとって不利で、人工知能(AI)やバイオテクノロジーなどの戦略産業は重要な人材を失いつつあるという。また勤続年数の優先も、若手STEM人材、地方経済の労働力不足を悪化させる恐れがあると指摘した。STEM労働者の25%を占める移民へのビザ拡大により年間75億~318億ドルの経済効果を生むとし、これを経済エンジンとする政策転換を呼びかけている。 CSIS “Practical H-1B Reforms to Serve U.S. Economic Interests” (02/02/26) https://www.csis.org/analysis/practical-h-1b-reforms-serve-us-economic-interests
エネルギー省、間接費率上限の正当性を主張
米国物理協会(American Institute of Physics: AIP)は2月9日、エネルギー省(Department of Energy)が間接費率の上限設定に関する以前の取り組みを法廷で主張し続けていると伝えた。同省は裁判所への提出書類で、元のメモが先月の間接費率に関する変更を阻止する法律の成立前に出されたため、依然として合法であると主張している。同省は以前、この法律の成立を理由に上限設定の撤回を表明していたが、撤回後も元の措置の有効性を主張する姿勢を崩していない。 AIP “Also on our radar, 4 from the top” (02/09/26) https://www.aip.org/fyi/the-week-of-feb-9-2026
トランプ政権、連邦職員の新雇用区分「スケジュール政策・キャリア」を導入
米国物理協会(American Institute of Physics: AIP)は2月9日、トランプ政権が連邦職員の雇用保護を大幅に削減する新たな雇用区分の導入を決定したと伝えた。第1期トランプ政権で物議を醸した「スケジュールF」を改称した「スケジュール政策・キャリア(Schedule Policy/Career)」と呼ぶ雇用区分で、人事管理局(Office of Personnel Management: OPM)が3月9日から施行する。この新区分導入により、「政策に影響を与える」職務に従事する数万人の連邦職員が再分類される可能性があり、従来の雇用保護や人事制度保護委員会への不服申し立て権を失うことになるという。これに対し、全米政府職員組合(American Federation of Government Employees: AFGE)は「専門的で非党派的かつ実力主義で運営されている公務員制度への攻撃」と批判し、法的措置を検討している。また、クリス・バンホーレン上院議員(Chris Van Hollen、メリーランド州選出民主党)らも懸念を表明、連邦職員保護の強化を求める動きが活発化している。 AIP “Trump administration moves forward with rebranded Schedule F” (02/09/26) https://www.aip.org/fyi/the-week-of-feb-9-2026
CIA、技術調達の迅速化へ新枠組み導入
NEXTGOV/FCWは2月9日、中央情報局(Central Intelligence Agency: CIA)が民間部門からの技術調達プロセスを抜本的に見直し、最先端技術の迅速な導入を図る新たな調達枠組みを発表したと報じた。ベンダー審査システムを集約化し、合理化したIT認可プロセス導入により、任務要件の策定から運用許可取得までの時間を大幅に短縮する。中国などの外国勢力からの経済・安全保障上の脅威が高まる中、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency: DARPA)出身のエフスタシア・フラゴギアニス氏(Efstathia Fragogiannis)が取り組みを主導する。政府の従来の調達タイムラインの遅さが革新的企業の参入障壁となり、必要な新技術への迅速なアクセスが阻害されていることへの対応で、CIAは速度、機敏性、革新文化への根本的転換が必要とし、これまでの人的諜報機関の本質を保ちつつ、人工知能(AI)からバイオ・金融技術、マイクロエレクトロニクスなど幅広い分野での商業連携を拡大していく方針を示した。 NEXTGOV/FCW “CIA announces new acquisition framework to speed tech adoption” (02/09/26) https://www.nextgov.com/acquisition/2026/02/cia-announces-new-acquisition-framework-speed-tech-adoption/411285/?oref=ng-homepage-river
トランプ政権下で環境法執行が大幅減少 監視団体が報告
非営利団体の環境保全プロジェクト(Environmental Integrity Project:EIP)は2月5日、第2期トランプ大統領の政権1年目における環境汚染企業に対する連邦政府の法執行件数が、前政権比76%減の16件まで急減したと発表した。これは第1期トランプ政権1年目の86件と比べても大幅な減少である。環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)のリー・ゼルディン長官(Lee Zeldin)は3月、「米国史上最大の規制緩和」として31項目の環境規制撤廃を発表しており、新たな「コンプライアンス優先」政策では正式な執行措置より、企業との協力を重視する方針を打ち出していることが背景にある。こうした中、司法省(Department of Justice)の環境部門では過去1年で弁護士の3分の1が離職し、EPAでも人体への健康被害に関して監視していた数百人の職員が解雇された。ハーバード大学法科大学院のエリカ・クランツ氏(Erika Kranz)はこの状況を「政権による環境・公衆衛生保護軽視の助長につながる」と懸念を示している。 EIP “Declining Environmental Enforcement in Trump’s Second Term” (02/05/26) https://environmentalintegrity.org/wp-content/uploads/2026/02/EPA-Enforcement-Report-EMBARGOED-for-2.5.26.pdf 参照記事: Ars Technica “Under Trump, EPA’s enforcement of environmental laws collapses, report finds” (02/07/26) https://arstechnica.com/science/2026/02/under-trump-epas-enforcement-of-environmental-laws-collapses-report-finds/
中国の先端産業R&D投資に勢い コスト調整後では形勢逆転も
情報技術イノベーション財団(Information Technology & Innovation Foundation:ITIF)は2月9日、中国企業の先端産業における研究開発(R&D)投資が急速に拡大し、米国の技術経済的優位性が脅かされているとする報告書を発表した。ITIFによると、航空宇宙・防衛、電気機器、バイオ医薬品など9つの先端産業分野で、米国企業は依然として全体的な投資額では優位に立つものの、経済規模や賃金格差を調整した比較では、中国企業との差が急速に縮小していることがわかった。特に中国のR&D人件費が米国より大幅に安価なため、同じ投資額でも2.3倍の研究者を雇用できる点が大きいと指摘した。またコスト調整後の分析では、バイオ医薬品とソフトウェア・サービス以外の7分野で、中国が米国を上回る実質的なR&D投資を行っているという。ITIFは、中国は米国の経済力と国家安全保障を支える先端産業を体系的に支配しようとしているとし、政府に中国による重商主義へ対抗する政策措置に加え、R&D税制優遇の拡充などの対策を強化するよう求めている。 ITIF “China Is Rapidly Catching Up in Advanced Industry R&D as US Advantage Narrows, New Report Finds” (02/09/26) https://itif.org/publications/2026/02/09/china-is-rapidly-catching-up-in-advanced-industry-r-and-d-as-us-advantage-narrows-new-report-finds/
国防総省、ハーバード大学との学術提携を解消
国防総省(Department of Defense)は2月6日、ハーバード大学(Harvard University)との学術提携を解消すると発表した。ピート・ヘグセス国防長官(Pete Hegseth)は、軍人を同大学に派遣することで軍人階級への理解促進を図っていたが「グローバリストや急進的なイデオロギーを持った将校が多く戻ってくるようになった」とし、将来の軍幹部養成において同大学への派遣は目的に適さないと判断したことを明らかにした。具体的には、2026-2027年度から大学院レベルの軍事教育、フェローシップ、認定プログラムを中止するが、現在受講中の軍人は課程を修了できる。また同長官は、ハーバード大学の中国共産党との研究協力や、ハマスを称賛し反ユダヤ攻撃を許容する学内環境を問題視しているとも指摘し、今後数週間でその他の大学との関係も検討する方針を示した。 Department of Defense “War Department Cuts Ties With Harvard University” (02/06/26) https://www.war.gov/News/News-Stories/Article/Article/4399812/war-department-cuts-ties-with-harvard-university/