Day: February 24, 2026
NAI、2025年特許取得大学・世界トップ100を発表
米国発明アカデミー(National Academy of Inventors: NAI)は2月12日、2025年に米国の実用特許を取得した世界の大学上位100校をまとめた「世界大学ランキング(Top 100 Worldwide Universities Granted U.S. Utility Patents List)」を発表した。ランクインした100校による総特許取得数は9,300件を超え、そのうちNAI加盟機関がリストの56%を占めており、5,600件以上の特許を保持している。ポール・サンバーグ会長(Paul R. Sanberg)は知的財産保護が技術の実用化を確実にする重要性を強調しており、特許商標庁(United States Patent and Trademark Office: USPTO)の統計に基づき毎年作成されている本ランキング発表を通じて、学術機関が世界のイノベーションにおいて重要な地位にあることを示した。同アカデミーは今春、国内大学や非営利研究機関に特化したリストも順次公表する予定で、一連の発表により教育機関による技術移転の価値を広く世に知らしめる狙いがある。 NAI “NAI Announces Top 100 Patenting Universities Worldwide of 2025” (02/12/26) https://academyofinventors.org/nai-announces-top-100-patenting-universities-worldwide-of-2025/
人事管理局、学生の正規採用促す新規則を最終決定
ガバメント・エクゼクティブ(Government Executive)は2月18日、人事管理局(Office of Personnel Management:OPM)が、在学中の学生を非常勤として雇用し、卒業後に正規職員へ登用する仕組みを強化する新規則を最終決定したと報じた。2019年及び2020年の国防権限法(National Defense Authorization Act:NDAA)に基づき、過去10年間で減少傾向にある若手人材の確保を目的とするもので、各省庁は学部生や大学院生に対してGS-11級以下の給与で雇用することが可能となり、学業との両立に配慮した柔軟な勤務形態も認められる。また、OPMは各機関がこの権限で採用できる人数の上限について、前年度の学生採用総数の15%までとする基準を明確化した。パスウェイズ・インターンシップ(Pathways Internship Authority)などの既存プログラムによる採用分もこの上限枠に含まれる。一方で、バイデン前政権下の暫定規則に含まれていた議会への詳細な報告義務については、法定期間の終了に伴い削除されたが、OPMは引き続き、各機関の採用活動監視を継続する。 Government Executive “OPM finalizes Biden-era reg revamping federal hiring of college students” (02/18/26) https://www.govexec.com/workforce/2026/02/opm-finalizes-biden-era-reg-revamping-federal-hiring-college-students/411514/
国防総省、科学・技術・イノベーション委員会を新設
国防総省(Department of Defense)は2月13日、科学・技術・イノベーション委員会(Science, Technology, and Innovation Board: STIB)を新設すると発表した。新委員会は、既存の国防イノベーション委員会(Defense Innovation Board:DIB)及び国防科学委員会(Defense Science Board:DSB)を統合するもので、STIBは連邦諮問委員会法(Federal Advisory Committee Act : FACA)に基づき、科学技術やイノベーション分野に関する独立した助言を国防長官らに提供していく。委員会は最大40人で構成され、人工知能(AI)やミサイル防衛、無人機など先端分野を含む広範な技術課題を扱う。弾道・極超音速ミサイルなどの脅威が高まる中で、軍の抑止力と即応性を強化するためには外部有識者の知見が不可欠とした。連邦議会の下院科学委員会が、AI規制の調査を求めるなど政府全体で技術管理の枠組み作りが進む中、新会議は官民の知見を結集して次世代の防衛体制構築を目指す姿勢を示した。 Federal Register “Establishment of Department of War Federal Advisory Committee-Science, Technical, and Innovation BoardF” (02/19/26) https://www.federalregister.gov/documents/2026/02/19/2026-03215/establishment-of-department-of-war-federal-advisory-committee-science-technical-and-innovation 参照記事: AIP “House Science Republicans request review of AI laws” (02/19/26) https://www.aip.org/fyi/the-week-of-feb-23-2026
NIST、外国人研究者受け入れ制限 民主党が説明要求
米国物理協会(American Institute of Physics: AIP)は2月23日、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology: NIST)が大学院留学生や博士研究員の研究滞在を最長3年に制限する方針を進めていることに対し、下院科学委員会(House Science Committee)の民主党議員らが説明を求めていると伝えた。ボルダー・レポーティング・ラボ(Boulder Reporting Lab)の報道によると、この制限により留学生によるNISTでの博士号取得が事実上不可能になるとし、民主党は研究安全保障の観点から「合理的かつ適切な範囲を著しく逸脱している」と書面で批判している。同党議員らは、方針の具体的文書や職員への周知状況について1月下旬に質問状を送付し、2月13日を回答期限としたが、回答は得られていないという。一方、NISTは一部メディアに対し、本方針は国家安全保障に関する大統領覚書及び同研究所の研究セキュリティ枠組みに沿った「意思決定基準の更新案」であり、現在も策定段階にあると説明した。 AIP “House Science Democrats probe new NIST restrictions on foreign researchers” (02/23/26) https://www.aip.org/fyi/the-week-of-feb-23-2026
エネルギー省、AI重視の科学諮問委を新設
サイエンス誌(Science)は2月20日、エネルギー省(Department of Energy)科学局(Office of Science)の助言機関が再編され、科学局諮問委員会(Office of Science Advisory Committee : SCAC)が新たに設置されたと報じた。昨年末に解散された科学局の6つの分野別委員会に代わるもので、委員長にはSLAC国立加速器研究所(SLAC National Accelerator Laboratory)元所長でスタンフォード大学(Stanford University)元学長のパーシス・ドレル氏(Persis Drell)が就任した。新委員会は21人で構成され、技術的に有能な人材がそろったと評価された一方、大学長や産業界幹部が増え、特に核物理学や環境科学の専門家が不在で、加速器科学者も含まれていないという。一方、計算機科学者は5人を占め、AI統合構想「ジェネシス・ミッション(Genesis Mission)」への傾斜が鮮明となった。委員会は各プログラムの個別助言よりも全体方針や大型計画の優先順位判断を担うとみられ、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の監督機関である国家科学審議会(National Science Board:NSB)に類似したものとの見方もある。 Science “New energy department science advisory committee reflects Trump’s AI push” (02/20/26) https://www.science.org/content/article/new-energy-department-science-advisory-committee-reflects-trump-s-ai-push
NIH助成の採択率急落 若手研究者に打撃
サイエンス誌(Science)は2月20日、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の研究助成採択率が2025年に大幅に低下し、若手研究者が大きな影響を受けていると報じた。NIHの基幹助成であるR01助成金の採択者数は2024年の7,720人から2025年は5,885人に減少した。学位取得後10年以内の若手研究者(Early-Stage Investigators: ESI)の申請者数は2024年の5,446人から翌年には6,065人へと増加したが、採択率は26%から19%に落ち込み、採択者数も1,423人から1,144人へ減少した。行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)が導入した複数年助成を初年度に一括計上する方針が背景にあり、予算固定により新規採択への配分が厳しくなっている。NIHは制度変更が影響した可能性を認め、ESI支援強化方針を示したが、ジェイ・バタチャリア所長(Jayanta “Jay” Bhattacharya)は議会証言で政策が主因とは限らないと発言している。 Science “NIH research grant funding rates plummeted in 2025” (02/20/26) https://www.science.org/content/article/nih-research-grant-success-rates-plummeted-2025
蓄電池導入量、過去最大57.6GWhに SEIA報告
太陽エネルギー産業協会(Solar Energy Industries Association: SEIA)は2月23日、2025年の米国新規エネルギー貯蔵容量が過去最大の57.6ギガワット時(GWh)に達したと発表した。分析によると、2025年末時点で累計137GWhの大規模蓄電設備が導入され、商工業向けは19GWh、住宅向けは9GWhとなった。新設分のうち約30GWhは単独型蓄電設備で、太陽光発電併設型は20GWhを占めた。住宅用も前年比51%増の3.1GWhと大幅に増加し、マサチューセッツ州やテキサス州などでの仮想発電所(VPP)プログラム拡大が追い風となっている。新設容量の約3分の2はトランプ大統領が勝利した州に設置され、テキサス州が2026年にもカリフォルニア州を抜き最大市場になる見通しである。電気自動車向けから定置用への生産転換も進み、定置用リチウムイオン電池セルの国内生産は21GWh超に拡大し、蓄電システムの製造能力は69.4GWhに達した。SEIAは、連邦政策による圧迫が続けば価格上昇と系統脆弱化を招くとし、蓄電が課題解決の鍵になると強調している。 SEIA “NEW REPORT: U.S. Adds 58 GWh of New Energy Storage Capacity in 2025, Largest Single Year of New Battery Capacity on Record” (02/23/26) NEW REPORT: U.S. Adds 58 GWh of New Energy Storage Capacity in 2025, Largest Single Year of New Battery Capacity on Record
内務省、NEPA手続きを大幅改革 審査を迅速化へ
内務省(Department of the Interior)は2月23日、国家環境政策法(National Environmental Policy Act: NEPA)の手続きを大幅に見直し、規制の簡素化と審査の迅速化を図る最終改革を発表した。従来のNEPA関連規則の80%超を撤廃し、その大半を省内のNEPA実施手続きハンドブックへ移管することで、柔軟かつ効率的な運用を可能にすることが目的である。今回の措置は、環境諮問委員会(Council on Environmental Quality: CEQ)がNEPA規則を撤回した流れを受けた政府全体の規制改革の一環で、ダグ・バーグム内務長官(Doug Burgum)は、NEPAが長年に亘りエネルギーやインフラ事業を阻害してきたことを強調した。これによりエネルギー開発や重要鉱物、牧畜許可、山火事対策、水資源事業など公共地での幅広い事業で審査期間とコストの削減が見込まれるとし、国民の納税負担も数億ドル規模で軽減されていくと試算した。ただ、環境影響評価そのものの廃止ではなく、部族政府や州・地方政府との協議を含む法令順守は継続する。 DOI “Trump Administration Delivers Historic NEPA Reform, Unleashing Resources on America’s Public Lands” (02/23/26) https://www.doi.gov/pressreleases/trump-administration-delivers-historic-nepa-reform-unleashing-resources-americas
約11GW規模の石炭・天然ガス火力発電所閉鎖 閉鎖延期は継続か
エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)は2月23日、2026年における電力会社の大規模発電設備閉鎖計画が約11ギガワット(GW)規模に上ると発表した。内訳は石炭火力が58%、天然ガス火力が42%を占め、石炭だけで6.4GWと2025年末時点の石炭設備容量の約4%に相当する規模となる。一方、2025年の閉鎖は12.3GWが計画されていたが、実際は2008年以来の低水準となる4.6GWにとどまった。エネルギー省(Department of Energy)が複数の石炭火力に運転延長を命ずる緊急命令を出したことが背景にある。主な石炭火力ではミシガン州のJ.H.キャンベル(J.H. Campbell、1,331メガワット: MW)やテネシー州のカンバーランド2号機(Cumberland Unit 2、1,231MW)が閉鎖予定で、天然ガスは4.6GWで2025年末時点の設備約1%にあたる。大部分は効率の低い旧式の蒸気タービンで、カリフォルニア州のAESアラミトスとハンティントンビーチの計1,368MWが最大規模となっており、高効率の複合サイクルに置き換えられる予定である。 EIA “Retirement delays of U.S. electric generating capacity may continue in 2026” (02/23/26) https://www.eia.gov/todayinenergy/detail.php?id=67206