Day: February 19, 2026

コロンビア級原子力潜水艦の1番艦 2028年に納入の見込み

海軍(Navy)の高官によれば、コロンビア級(Columbia-class)の弾道ミサイル搭載型潜水艦の1番艦である「ディストリクト・オブ・コロンビア(District of Columbia)」の進捗状況は現在66%で、2028年に納入される見込みであるという。2番艦となる「ウィスコンシン(Wisconsin)」は35%、3番艦となる「グロトン(Groton)」は10%となっている。コロンビア級の原子力潜水艦は長年に亘り、海軍の最優先事項と位置付けられ、前身級となるオハイオ級(Ohio-class)と同様、核兵器が搭載される予定である。米国の造船業は、労働力問題とスケジュールの遅延に悩まされており、第2期のトランプ政権は海軍力の強化に注力している。 Axios “First Columbia-class sub delivery expected in 2028” (02/18/26) https://www.axios.com/2026/02/18/navy-columbia-submarine-construction-west

「センチネル」大陸間弾道ミサイルへの移行が直面する重要リスクと機会 GAO報告

空軍(Air Force)は、米国の戦略的核抑止力の一環として、50年前に配備されたミニットマンIII(Minuteman III)大陸間弾道ミサイル(intercontinental ballistic missile)システムを、新型で改良版のセンチネル(Sentinel)システムへ移行する計画を進めているが、その開発は、予定よりも大幅に遅れ、想定以上に高費用となっている。空軍は2024年に、センチネルプログラムは、費用増加に関する法定基準を超過したと議会に通知し、これにより法律で義務付けられた見直しプロセスが開始された。あわせて、主要な防衛調達プログラムの製造・導入に先立ってシステム開発及び実証へと進むことを認める「マイルストーンB承認(Milestone B approval)」が取り消された。空軍は現在、費用問題の改善を目指し、プログラムの再編に取り組んでおり、本プログラムの最低費用を1,410億ドルとしているが、実際の費用は不明である。本件について報じた政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は、「空軍が新たにマイルストーンB承認を取得する過程は、法定基準の超過をもたらしたプログラムの欠点を是正する機会ともなる」と指摘する。 Government Accountability Office “National Security Snapshot: Intercontinental Ballistic Missile Modernization Faces Critical Risks and Opportunities” (02/18/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-108755

GAO、連邦政府のマーチイン権に関するNISTのガイダンス草案について報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は2月18日、連邦機関によるマーチイン権(march-in rights)の行使について米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)が2023年に発表したガイダンス草案の現状を報告した。マーチイン権とは、連邦資金を受けた研究が発明に繋がった際、一定の条件下で、資金拠出機関が資金受給者に、発明の開発を目的として第三者へのライセンス付与を求めることができる権利であるが、これまでに行使されたことはない。NISTは2023年に本件に関するガイダンス草案を発表し、「連邦政府がマーチイン権の行使について検討する際、連邦資金を受けた研究から生まれた製品の価格を判断要素とすることができる」との提案を行った。ガイダンス草案に寄せられたパブコメの約9割は草案への支持を表明しているが、2025年12月現在、NISTは、「省庁間の同意が得られない」としてガイダンスの最終取りまとめ日程を設定できていない。 Government Accountability Office “Intellectual Property: Information on Draft Guidance to Assert Government Rights Based on Price” (02/18/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-107885

NIST、「AIエージェント標準イニシアチブ」を発表

米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)の人工知能(AI)標準イノベーションセンター(Center for AI Standards and Innovation: CAISI)は2月17日、「AIエージェント標準イニシアチブ(AI Agent Standards Initiative)」の立ち上げを発表した。これは、次世代AIとされるAIエージェント(自律的な作業能力を持つAI)が、信頼を持って広く利用され、ユーザーに代わって安全確実な形で機能し、デジタルエコシステム全般での円滑な相互運用が可能になることを確実にするためのイニシアチブである。CAISIは、NISTの情報技術研究所(Information Technology Laboratory: ITL)等の連邦パートナーと連携し、業界主導のAI標準及びプロトコルで構成される新興エコシステムの育成を支援しつつ、この先駆的な技術分野での米国支配を確固たるものにすることを目指す。 National Institute of Standards and Technology “Announcing the “AI Agent Standards Initiative” for Interoperable and Secure Innovation” (02/17/26) https://www.nist.gov/news-events/news/2026/02/announcing-ai-agent-standards-initiative-interoperable-and-secure

日米貿易合意に基づき日本が対米投資 ラトニック商務長官が声明

トランプ大統領は、日米貿易合意の一環として行われる日本の対米投資(5,500億ドル)について、最初の3件のプロジェクトを承認した。これらは、発電、石油及び天然ガス、先端製造という米国の主要経済部門における360億ドル規模の投資誓約となる。具体的には次の3件。①オハイオ州における史上最大規模の天然ガス火力発電施設(330億ドル)、②テキサス州及びメキシコ湾岸地域における沖合原油輸出ターミナル(21億ドル)、③ジョージア州における高圧高温方式の人工ダイヤモンド砥粒製造施設(約6億ドル)。これら3件のプロジェクトを通じて数千件の良質な米国雇用が創出される見込みで、米国内インフラの整備に日本が資本を提供する。日本が投資利益を得られる一方、米国は戦略的資産の獲得、産業能力の拡大、エネルギー覇権の強化を実現できる構造となっている。 Department of Commerce “Statement from Secretary Howard Lutnick: MASSIVE AMERICA FIRST TRADE WIN” (02/17/26) https://www.commerce.gov/news/press-releases/2026/02/statement-secretary-howard-lutnick-massive-america-first-trade-win 参考:Department of Commerce “Fact Sheet: U.S. — Japan Trade Deal” (02/17/26) https://www.commerce.gov/news/fact-sheets/2026/02/fact-sheet-us-japan-trade-deal

国防総省、商業衛星で静止軌道監視強化 参加企業募集

ディフェンスニュース(DefenseNews)は2月18日、国防総省(Department of Defense)が経済的な商業衛星を活用して静止軌道(Geosynchronous orbit: GEO)上の衛星を高解像度で監視するプロジェクトを推進すると報じた。軌道上での衛星追跡と接近検査への衛星補充が目的で、10キロメートル以上の距離からESPA 大型サイズの目標衛星とそのスタートラッカー(恒星センサー)や通信・ミッションペイロードを鮮明に撮影でき、太陽光を最大化するためのGEO高度上・下への機動も可能な衛星を求めている。契約後2年以内に打ち上げ、3年で運用に移行し、4年目には週1回の走行・移動や傾斜軌道ミッション実証を想定しており、同プロジェクト参加企業に対し、3年以上のGEO運用可能性、発射適合性、統一Sバンド(Unified S-Band)通信使用に加え、燃料補給など衛星の長期利用も視野に入れつつ、30日ごとの目標物体への接近を10年間継続した場合の費用やスルーレート、解像度などに関する詳細を、3月3日までに提出するよう求めている。 DefenseNews “DOD eyes commercial satellites that can spy on other satellites” (02/18/26) https://www.defensenews.com/space/2026/02/18/dod-eyes-commercial-satellites-that-can-spy-on-other-satellites/

エネルギー効率化・柔軟性導入で電力需要を抑制 ACEEE提言

米国エネルギー効率経済評議会(American Council for an Energy-Efficient Economy: ACEEE)は2月4日、急増する電力需要対応に向け、エネルギー効率化と電力利用の柔軟性向上への投資拡大が最も効果的で、ガス火力発電所新設の半分のコストで対応できると発表した。住宅や企業向けプログラムによるエネルギー削減コストは21ドル/メガワット時(MWh)で新規ガス火力建設の45~108ドル/MWhを大きく下回る。またEV充電や給湯の時間シフトなどを行えば、2040年までに約70GW分の電力需要を軽減できるとし、この施策導入により今後10年でピーク需要を60~200GW削減することも可能であるという。新規プラントや送配電網整備は許認可や機器調達、系統接続に5年以上かかるが、効率基準強化やデカップリング導入などの規制強化に加え、大口需要家が自らの需要を管理することで、これらの効果を元に電力会社が供給・需要のバランスの最適化につなげることが可能になり、コストを抑えつつ、需要急増への対応が可能になると提言した。 ACEEE “Study: Energy Efficiency Can Address Surging Electricity Needs at Half the Cost of Gas Plants” (02/04/26) https://www.aceee.org/press-release/2026/02/study-energy-efficiency-can-address-surging-electricity-needs-half-cost-gas 参照記事: Utility Dive “Efficiency, demand flexibility can meet growing data center loads — and do so cheaply: ACEEE” (02/18/26) https://www.utilitydive.com/news/efficiency-demand-flexibility-meet-growing-data-center-loads-and-che/812410/

イリノイ州、データセンターへの優遇措置を停止 原子力開発へ転換

アクシオス(Axios)は2月19日、イリノイ州のJBプリツカー知事(JB Pritzker)が、データセンターに対する税制優遇措置を2年間停止する方針を表明したと報じた。州内にはすでに222カ所の施設があり、同知事はデータセンターの急拡大が州内世帯の電気料金を押し上げる上、電力の安定供給を損なうリスクがあるとし、住民の生活と環境保護を優先する構えを示した。これに対しデータセンター連合(Data Center Coalition)は、経済的優位性の喪失や雇用への悪影響を懸念する声明を出し、反対する姿勢を示している。一方で、知事は次世代の原子力発電所開発により将来的な電力不足を補う計画を明らかにした。同州の電力独立行政機関(Illinois Power Agency)や商務委員会(Illinois Commerce Commission)に対し、2ギガワット(GW)規模の発電能力確保に向けた適地選定と規制枠組みの構築を命じている。2033年に着工する予定で、クリーンエネルギーの増産を通じて、高騰する電力価格の抑制と安定した供給体制の構築を目指すという。 Axios “Illinois freezes data center tax incentives amid energy concerns” (02/19/26) https://www.axios.com/local/chicago/2026/02/18/illinois-freezes-data-center-tax-incentives-pritzker-trump-energy