Day: February 2, 2026

エネルギー省、18億ドルのクリーンエネ融資を撤回

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は1月29日、エネルギー省(Department of Energy)がアリゾナ州最大の電力会社アリゾナ・パブリック・サービス社(Arizona Public Service: APS)に対する18億ドルのクリーンエネルギー融資を取り消したと伝えた。トランプ政権によるバイデン前政権時代の一連の融資約束見直しによるもので、同融資はAPS社の送電網の更新や再生可能エネルギー、蓄電システムの資金に充てられる予定であった。政府は風力や太陽光などのエネルギープロジェクトへの支援を打ち切り、天然ガスや原子力の改良に投資を振り向ける方針を示しており、同省によるとこれまで総額830億ドルに上る融資が再構築、修正、または廃止され、同プロジェクトはそのうちの一つであるという。他にもジャージー・セントラル・パワー&ライト社(Jersey Central Power & Light: JCP&L)への融資などが取り消されているが、同省広報室は今後も新たな融資取り消しが予定されていることを明らかにしている。 Utility Dive “DOE nixes $1.8B loan to Arizona Public Service for transmission, renewables and storage” (01/29/26) https://www.utilitydive.com/news/doe-nixes-18b-loan-to-arizona-public-service/810890/

トランプ政権、「開かれた政府パートナーシップ」から脱退

FedScoopは1月30日、トランプ政権が国際組織「開かれた政府パートナーシップ(Open Government Partnership: OGP)」から正式に脱退したと報じた。脱退理由について、一般調達局(General Services Administration: GSA)は同組織による「LGBTQ+擁護、フェミニズム、気候変動への警鐘」といった分裂を招くイデオロギー的アジェンダ推進を指摘し、これらの活動が国の国家主権を侵食し、OGPの信頼性を損なったと主張した。この決定は政権による多様性・公平性・包摂性(DEI)を連邦政府から排除する広範な取り組みの一環とみられ、OGPは声明で失望を表明した一方、米国ガバナンス研究所(American Governance Institute: AGI)は「民主主義に反する」と強く非難した。これに対しGSAは、脱退によって納税者からの資金を国家の優先事項により効果的に振り向けることができると説明している。米国は2011年のOGP創設国の一つで国際開発局(US Agency for International Development: USAID)などを通じ多額の資金を提供してきた。 FedScoop “Trump administration withdraws U.S. from global open government initiative” (01/30/26) Trump administration withdraws U.S. from global open government initiative

NIST、交通インフラ向けサイバー防御枠組み草案を公開

NEXTGOV/FCWは1月29日、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology: NIST)がサイバー防御枠組みの草案を公開したと報じた。近年の交通機関へのサイバー攻撃の高まりを受け、同局傘下の国立サイバーセキュリティ・センター・オブ・エクセレンス(National Cybersecurity Center of Excellence: NCCoE)が「交通サイバーセキュリティ枠組みコミュニティ・プロファイル(Transit Cybersecurity Framework Community Profile)」を作成した。対策が遅れていた交通システムに特化し、移動インフラや旧技術など交通システム特有のリスクに対応するもので、乗客の安全や運行継続に直結する信号や、列車制御システムなどの防御を優先するよう推奨している。あらゆる規模の交通機関に適用が可能であるが、事業者や供給業者間の協力体制の重要性を強調しており、この草案に関する改善点などについての意見を2月23日まで募集している。 NEXTGOV/FCW “NIST releases a new draft cybersecurity framework for systems that never stop moving” (01/29/26) https://www.nextgov.com/cybersecurity/2026/01/nist-releases-new-draft-cybersecurity-framework-systems-never-stop-moving/411074/?oref=ng-home-top-story

超党派組織「EIAフォーラム」が発足

エネルギー・インフラ連携フォーラム(Energy Infrastructure Alliance Forum: EIAF)は1月30日、国内エネルギーインフラ構築とイノベーション推進に取り組む無党派新組織「EIAフォーラム」を立ち上げたと発表した。これに伴い、エネルギー優位性資金調達局(Office of Energy Dominance Financing: EDF、旧ローン・プログラム局:LPO)によるエネルギー政策を検証するホワイトペーパーも発表した。トランプ大統領の減税・歳出削減法に基づき拡大されたEDFの権限を活用し、原子力エネルギーの拡大や、人工知能(AI)の電力需要・重要鉱物供給網の確保、電力網のレジリエンス向上に向けた取り組みを支援するためのロードマップで、これに併せ、EIAFはエネルギー優位性資金調達プログラム(Energy Dominance Financing Program, Section 1706)も新設した。同組織は、エネルギーインフラ開発支援に向けた取り組みを促進するために設立されたとし、「商業化の死の谷(次段階への障壁)」回避に向け、連邦資金による支援が不可欠であると強調している。 EIA Forum “New Energy Infrastructure Alliance Forum Launches to Advance America’s Energy Dominance Through Strategic Federal Financing” (01/30/26) https://eiaforum.org/insights/introducing-eia-forum

2025年の科学会合、一部は参加者が減少、一部は前年の水準を維持

サイエンス誌(Science)は2025年3月に、「米国で行われる科学系会合への出席者が大幅に減少するのではないか」との懸念を報じた後、20件以上の米国科学系団体を対象に、実際の会合参加者状況について尋ねるアンケート調査を実施した。それによれば、回答した16機関のうち、「出席者数が数パーセントポイント以上減少した」と回答したのはわずか5機関であった。しかしこれは全体像のごく一部であり、サイエンス誌が問い合わせした団体の約3分の1が、出席者の動向に関する情報を提供しておらず、これらの団体が出席者数の減少を公表したくないと考えている可能性がある。出席者数の減少を報告した5団体の多くが、「米国内外からの出席者が減少した」と回答している。出席者数の減少が報告された年次科学会合に出席した科学者は、「会合内容に変化は感じられず、活気のある会合であった」と述べている。しかし、会合出席者の減少は、会合を開催する団体に財政的困難をもたらす可能性がある。 Science “Trump slump? Attendance plummets at some science meetings, but others hold steady” (01/30/26) https://www.science.org/content/article/trump-slump-attendance-plummets-some-science-meetings-others-hold-steady

国防総省、ゲルマニウム金属の国内精製能力強化に1,810万ドルを投資

国防総省(Department of Defense)は1月29日、去る2025年12月15日に国防生産法(Defense Production Act)第III章(Title III)に基づく1,810万ドルの資金を5Nプラス社(5N Plus Inc.)に投資したことを発表した(前回の政府閉鎖の影響で本件の発表が遅延した)。5Nプラス社はこの投資を元に、ユタ州にある同社のゲルマニウム金属精製能力を大幅に拡大し、光学及び太陽電池向けゲルマニウム結晶の供給網を支援する。防衛メーカーは、赤外線光学機器や暗視システム、監視用ウィンドウ、その他の電気光学/赤外線機器にゲルマニウムを使用している。ゲルマニウムはまた、軍事及び民生の衛星に電力を供給する太陽電池にとって不可欠な材料である。 Department of Defense “Department of War Invests $18.1M to Increase U.S. Refining Capacity for Germanium Metal” (01/29/26) https://www.war.gov/News/Releases/Release/Article/4393075/department-of-war-invests-181m-to-increase-us-refining-capacity-for-germanium-m/

ARPA-HのBIOGAMIプログラム タンパク質の文法を書き換えて神経変性疾患を予防

医療高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency for Health:ARPA-H)の「タンパク質の凝集制御及び介入のための生体分子文法(BIOmolecular Grammar for protein Aggregation Modulation and Intervention: BIOGAMI)」プログラムは、タンパク質の誤った折りたたみや凝集をごく早期に検知・制御することで、永続的な損傷が発症する前に神経変性疾患を根絶することをビジョンとしている。具体的には、タンパク質の動きにつながる基本的なパターンや信号である分子文法(molecular grammar)を書き換えることで、(疾病の原因を誘発する経路ではなく)健康的な経路を進むようにすることを目指す。成功すれば、BIOGAMIによって開発されたツールにより、タンパク質の問題をごく初期に発見・修正することで、アルツハイマー病やその他の脳機能不全を止めることができると期待されている。 ARPA-H “BIOGAMI: Rewriting protein “grammar” to stop neurodegenerative disease before it starts” (01/30/26) https://arpa-h.gov/news-and-events/rewriting-protein-grammar-stop-neurodegenerative-disease-it-starts

ロッキー国立研究所、米国内の地熱システムデータセットに5件の事例を追加

エネルギー省(Department of Energy)の地熱局(Office of Geothermal)は、地熱による様々な冷暖房用途に関する5件のケーススタディを発表した。これらは、ロッキー国立研究所(National Laboratory of the Rockies)が調査・執筆したもので、既存の「地熱ヒートポンプケーススタディ(Geothermal Heat Pump (GHP) case studies)」データベースに追加された。同データベースには現在、20件以上の事例が含まれている。今回新たに追加された事例は、ジョージア州フェイエットビル郊外にあるトリリス町(米国最大の地熱住宅コミュニティの一つで、住宅750戸が冷暖房に個別の地熱システムを利用)やウェストバージニア州にあるスプリングミルズ小学校(冷暖房システムを地熱ヒートポンプシステムに改修)の他、空港(ケンタッキー州)、コミュニティカレッジ(ニューメキシコ州)、食料品店(オクラホマ州)の5件。 National Laboratory of the Rockies “From Airports to Elementary Schools, New Examples of Geothermal Heating and Cooling Sites Emerge” (01/29/26) https://www.nrel.gov/news/detail/program/2026/from-airports-to-elementary-schools-new-examples-of-geothermal-heating-and-cooling-sites-emerge