Day: February 11, 2026

下院、ロボティクス競争力強化に向けた委員会設立法案を提出

FedScoopは2月5日、ロボット技術における米国の優位性維持を目的とする国家委員会設置法案が超党派下院議員により提出されたと報じた。ジェイ・オバーノルテ下院議員(Jay Obernolte、カリフォルニア州選出共和党)、ジェニファー・マクレラン下院議員(Jennifer McClellan、バージニア州選出民主党)、ボブ・ラッタ下院議員(Bob Latta、オハイオ州選出共和党)が提出した商務省(Department of Commerce)主導の「ロボティクスに関する国家委員会法(National Commission on Robotics Act)」では、18名で構成される「米国ロボティクス・リーダーシップ委員会(Commission on American Leadership in Robotics)」の創設が謳われている。政策提言を行うことを目的とする組織で、最終報告書提出から18カ月後に解散する。また官民共同で「ロボティクス競争力パートナーシップ」も立ち上げる。これに先立ち、上院では昨年11月、中国、ロシア、イラン、北朝鮮が開発したロボットの連邦政府機関による調達を禁止する法案も提出され、同分野における立法取り組みが活発化している。 FedScoop “House lawmakers lay groundwork to create robotics commission” (02/05/26) House lawmakers lay groundwork to create robotics commission

AIによる社会課題解決を目指す賞金コンペ法案、議会で再提出

FedScoopは2月10日、人工知能(AI)を活用して社会課題を解決する賞金コンペを米国科学財団(National Science Foundation: NSF)が実施するとする法案が超党派議員によって再提出されたと報じた。2024年に初提出された「AI助成チャレンジズ法案(AI Grand Challenges Act)」をコリー・ブッカー上院議員(Cory Booker、ニュージャージー州選出民主党)マイク・ラウンズ上院議員(Mike Rounds、サウスダコタ州選出共和党)ら超党派議員5名が発議した。健康やエネルギー、国家安全保障などの分野における複雑な課題をAI活用で問題解決する研究者や起業家を対象とするもので、資金を官民拠出で賄うとし、100万ドルからの支援に加え、がん検出・治療分野には1,000万ドル以上を授与する内容となっている。法案は有害コンテンツ作成や自動化により仕事が奪われる現状の打開に向け、民間とは異なる価値観でAIの可能性を社会に還元することを目的としたもので、バイアス軽減などのAI固有課題も対象としている。 FedScoop “Lawmakers take another shot at NSF-run prizes for using AI to solve problems” (02/10/26) Lawmakers take another shot at NSF-run prizes for using AI to solve problems

G20加盟国、生物学的安全性評価にばらつき GAO報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は2月10日、G20加盟国の生物学的安全性に関するガイドライン文書が、米国と比較して大きなばらつきがあるとする報告書を発表した。GAOが特定した米国の10の主要構成要素と比較したところ、ほぼ全ての国が米国と類似した評価システムであったが、エボラウイルスなどの高リスク病原体に対する予防措置については、オーストラリア、カナダ、中国のみが米国と同等レベルであったという。細菌やウイルスなど病原体を研究・保管する研究施設での事故回避に向け、GAOは各国によるガイダンス整備の重要性を訴えており、特に州や準州政府が動物疾病の発生対応など生物学的安全性管理を積極的に行っているオーストラリアの例を挙げ、国家レベルによるバイオ安全性管理の重要性について指摘した。なお、同調査は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックへの連邦政府の対応を監視するCARES法(CARES Act)規定に基づき行われた。 GAO “Biosafety and Biosecurity: Comparing the U.S. and Selected G20 Members” (02/10/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-107338

運輸省、EV充電プログラムにバイ・アメリカ要件100%適用へ

運輸省(Department of Transportation)は2月10日、電気自動車(EV)充電器に関する国産品優遇措置、バイ・アメリカ(Buy America)要件を国内製造比率55%から100%に引き上げる新提案を発表した。ショーン・ダフィー運輸長官(Sean P. Duffy)は、国内製造業の強化、雇用創出、企業の競争力向上、国家安全保障上の懸念への対処が可能になるとし、トランプ政権は官僚的手続きを削減したことで、前政権に比べ既に約2倍の充電ポートを完成させたと強調した。新要件が最終決定されれば、連邦助成を受けるEV充電器プロジェクトに即座に適用される見通しで、連邦道路局(Federal Highway Administration: FHWA)も、米国の産業基盤強化への取り組みを表明している。同省は、現在の製造業者には米国内でEV充電器を生産する能力があると判断し、この取り組みによりサイバーセキュリティ上、脆弱性の懸念がある外国製部品から米国民を保護することも可能になるとし、国内生産移行に向け政府の強力な支援を改めて強調した。 Department of Transportation “Trump’s Transportation Secretary Sean P. Duffy Updates EV Charger Program to Include Buy America Requirements” (02/10/26) https://www.transportation.gov/briefing-room/trumps-transportation-secretary-sean-p-duffy-updates-ev-charger-program-include-buy

国防総省、オープンAI社と提携 全職員300万人に展開へ

国防総省(Department of Defense)は2月9日、既存の統合AI基盤「GenAI.mil」にオープンAI社(OpenAI)のチャットGPT(ChatGPT)を統合すると発表した。オープンAI社製の最先端大規模言語モデルが、安全な環境下での任務遂行と即応性の向上に活用されているとし、同省は全職員を対象とした包括的な研修プログラムを継続する。最先端AI機能を日常業務の標準とする体制を整備することが目的で、昨年12月の人工知能(AI)基盤導入以来、全軍で100%の稼働率維持が可能になったという。このように同省における標準的なAI基盤として定着しつつあることから、全職員300万人が利用できるよう運用を拡大する。この取り組みはトランプ大統領の「AI行動計画(AI Action Plan)」に基づくもので、1月に発表した同省の「AI加速戦略(AI Acceleration Strategy)」に沿い、AIエコシステムの構築を進めている。 Department of Defense “GenAI.mil’s Rapid Expansion Continues With OpenAI Partnership” (02/09/26) https://www.war.gov/News/Releases/Release/Article/4401775/genaimils-rapid-expansion-continues-with-openai-partnership/

国防総省、基地司令官のドローン迎撃権限を大幅拡大

国防総省(Department of Defense)は2月11日、国内における無人航空機システム(Unmanned Aircraft Systems: UAS)の脅威に対し、基地司令官が迅速かつ明確に防衛行動をとれるよう権限を大幅に拡大する新方針を発表した。国防長官が昨年12月8日に署名した政策覚書「国土における無人航空機システム対策に関する最新ガイダンス(Updated Guidance for Countering Unmanned Aircraft Systems in the Homeland)」は従来の約10件の古い覚書を統合し、複雑化するドローン脅威に対応する内容で、新方針は「防御境界の拡大」「基準・ガイダンスの更新」「情報共有の強化」の3本柱で構成されている。司令官が基地の境界線を超えて防衛行動を取ることを認めるもので、「脅威」の定義には無許可の監視活動も含めると明確化した。また、従来の複雑なゾーン区分の簡素化に加え、連邦政府機関間のデータ共有も促進する。同省は「事案発生を待つことはできない」として、各司令官に対し60日以内に施設固有の運用手順を策定するよう求めている。 Department of Defense “C-UAS POLICY IN THE U.S. HOMELAND” (02/10/26) https://media.defense.gov/2026/Feb/10/2003873921/-1/-1/1/FACT-SHEET-C-UAS-POLICY-IN-THE-US-HOMELAND.PDF

国防総省、武器移転関連組織を再編

国防総省(Department of Defense)は2月10日、武器売却プロセスの一本化と迅速化に向け、国防安全保障協力局(Defense Security Cooperation Agency: DSCA)と国防技術安全保障局(Defense Technology Security Administration: DTSA)を調達・維持担当次官室(Acquisition and Sustainment: A&S)傘下に再編すると発表した。重要な調達や産業基盤政策の策定、武器移転などの機能を一組織として統合し効率性を高めることが目的で、この再編により武器移転に関する権限系統を明確化し、初期の取得段階から最終的な納入まで一貫した監督を可能にする。大統領が掲げる「米国第一主義武器移転戦略(America First Arms Transfer Strategy)」に基づいた取り組みで、同盟国が自己防衛できるよう殺傷兵器や先進能力を提供することも狙いとした。技術安全保障を考慮しつつ、世界的な需要予測を強化し、米国の技術的優位性を保護しつつ同盟国のニーズに応えるとし、同盟国の投資活用を通じた米国の雇用創出と防衛産業基盤の活性化も目指す意向を示している。 Department of Defense “Department of War Finalizes Realignment of the Defense Security Cooperation Agency and the Defense Technology Security Administration” (02/10/26) https://www.war.gov/News/Releases/Release/Article/4402680/department-of-war-finalizes-realignment-of-the-defense-security-cooperation-age/

2024年度の大学研究開発費、過去最高の1,177億ドルに

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)傘下の国立科学工学技術統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics: NCSES)は2月10日、2024年度の大学研究開発(R&D)費が前年度比8.1%増の1,177億ドルに達し、過去最高を記録したと発表した。89億ドルの増加分のうち連邦政府支援が50億ドルを占め、中でも厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)が最大の資金源となり、前年度から24億ドル増の355億ドルを拠出した。また、国防総省(Department of Defense)からの資金も10億ドル以上増加し、102億ドルに達した。分野別では、ライフサイエンス分野が全体の約半分を占め、特に保健科学や生物・生物医学が大きく伸びた。大学の内部資金による研究開発費も25億ドル増加し、研究活動を支える重要な柱となった。研究開発費が10億ドルを超える大学は37校にのぼり、上位30校で全体の42%を占めるなど、一部の大学に研究活動が集中する傾向が続いている。 NSF “Universities Report 8.1% Growth in R&D Expenditures in FY 2024, Reaching Over $117 Billion” (02/10/26) https://ncses.nsf.gov/pubs/nsf26305

NIST、中小企業の革新的研究に319万ドル支援

米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology: NIST)は2月10日、人工知能(AI)やバイオテクノロジー、半導体、量子技術などの分野で革新的な研究に取り組む中小企業8社へ総額319万ドルを支援すると発表した。中小企業イノベーション研究(Small Business Innovation Research: SBIR)プログラムの一環で、主に短波赤外線(Short-Wave Infrared: SWIR)分光イメージングを用いた医薬品製造の品質管理や、脂肪肝組織を模倣した医療画像検査用ファントム(模型)の開発、シリコン製の腕時計型デバイスによる有機フッ素化合物(Per- and PolyFluoroAlkyl Substances: PFAS)ばく露測定の高精度化などの開発を支援する。また、次世代技術の基盤強化につながる量子ドットを用いたノイズのない光子源の実用化や非接触型生体モニタリング技術の商用化、制御技術(Operational Technology: OT)分野におけるAIによるサイバーハイジーン(サイバー衛生)評価ツールの構築に加え、センサーなしで家庭のエネルギー消費を推定するシステムの開発も推進するという。 NIST “NIST Allocates Over $3 Million to Small Businesses Advancing AI, Biotechnology, Semiconductors, Quantum and More” (02/10/26) https://www.nist.gov/news-events/news/2026/02/nist-allocates-over-3-million-small-businesses-advancing-ai-biotechnology

研究者の欧州移住が加速 学術環境悪化で

ネイチャー誌(Nature)は2月6日、米国から欧州へ研究拠点を移転する研究者が増え、欧州研究評議会(European Research Council)への助成金申請が前年比120%増加したと報じた。特に上級研究者による助成金申請は23件から114件と約5倍に達し、大学への攻撃や学術の自由への脅威などトランプ政権下で米国の学術環境が急速に悪化していることが背景にあると伝えている。また多くの上級研究者が欧州出身で、米国システムからの脱出手段として同評議会を利用しているとの分析も紹介し、こうした傾向はマリー・スクウォドフスカ・キュリー・アクション(Marie Skłodowska-Curie Actions: MSCA)への応募が65%増えたことからも裏付けられるとした。「科学のために欧州を選んで(Choose Europe for Science)」キャンペーンも追い風となっているが、受給率が8%まで低下するなど資金不足による競争激化が深刻な懸念材料となっているとし、人材流入の機会活用には第10次フレームワークプログラム(Framework Programme 10)での予算増強が不可欠とも指摘した。 Nature “US grant applicants surge at prestigious European research agency” (02/06/26) https://www.nature.com/articles/d41586-026-00362-w