ネイチャー誌(Nature)は2月6日、米国から欧州へ研究拠点を移転する研究者が増え、欧州研究評議会(European Research Council)への助成金申請が前年比120%増加したと報じた。特に上級研究者による助成金申請は23件から114件と約5倍に達し、大学への攻撃や学術の自由への脅威などトランプ政権下で米国の学術環境が急速に悪化していることが背景にあると伝えている。また多くの上級研究者が欧州出身で、米国システムからの脱出手段として同評議会を利用しているとの分析も紹介し、こうした傾向はマリー・スクウォドフスカ・キュリー・アクション(Marie Skłodowska-Curie Actions: MSCA)への応募が65%増えたことからも裏付けられるとした。「科学のために欧州を選んで(Choose Europe for Science)」キャンペーンも追い風となっているが、受給率が8%まで低下するなど資金不足による競争激化が深刻な懸念材料となっているとし、人材流入の機会活用には第10次フレームワークプログラム(Framework Programme 10)での予算増強が不可欠とも指摘した。
Nature “US grant applicants surge at prestigious European research agency” (02/06/26)
https://www.nature.com/articles/d41586-026-00362-w