Day: February 6, 2026
トランプ大統領の鉱物確保努力が低炭素への移行を助ける可能性
トランプ大統領は様々な方面から重要鉱物の確保強化に取り組んでいるが、これは米国の低炭素産業に長期的な恩恵をもたらす可能性がある。蓄電池や再生可能関連の製造業、先端電力網等は、重要鉱物への確実なアクセスを必要とするためである。米国がこの分野を支配する中国への対抗を模索する中、2月4日に国務省(Department of State)主催で行われた多国間鉱物会議で、JDバンス副大統領は、同盟国及びパートナーによる重要鉱物貿易圏の構築を呼びかけた。これは、政府による官民連携の重要鉱物備蓄計画や許認可の迅速化、鉱物企業の株式取得といった動きに続くものである。鉱物プログラムを実施する非営利組織の代表者は、「下流部門を供給問題の影響から守り、同盟国を結集させる取り組みは、今後の需要増が期待される蓄電池や新エネルギー技術を含め、重要鉱物への依存度が高い全ての産業に影響をもたらすだろう」と期待を示した。 Axios “Why Trump’s minerals push could help low-carbon transition” (02/05/26) https://www.axios.com/2026/02/05/trump-minerals-push-low-carbon-transition
「フィジカルAI」到来間近、供給網整備が課題 CSET報告
安全保障・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology: CSET)は2月、人工知能(AI)とロボティクスが融合する新領域「フィジカルAI(Physical AI)」に関する調査報告書を発表した。同技術がチャットGPT(ChatGPT)に続く歴史的な転換点になるとし、自律走行車や人型ロボットの普及により関連市場が2050年までに5兆ドル規模へ成長する可能性があるという。エヌビディア社(NVIDIA)社やテスラ社(Tesla)、アマゾン社(Amazon)、またロボティクス部門を再編したオープンAI社(OpenAI)社などが開発を加速させる一方で、報告書は、現在のAIモデルが3次元空間を理解できず、ロボットの自律運行に必要な供給網や製造基盤が成熟していないという。またバッテリーやセンサーなどのハードウェアはソフトウェアに比べて発展が遅く、利益率の低さから革新的な新興企業が参入しにくい産業構造であることに加え、各ロボット企業の独自方式採用により、部品の標準化も進まず、製造の大規模化と量産化が阻害されていると課題を示した。 CSET “Physical AI A Primer for Policymakers on AI-Robotics Convergence” (02/XX/26) Physical AI
陸軍、自律型化学兵器除染ドローン開発を計画
ディフェンスニュース(DefenseNews)は2月4日、陸軍が化学・生物兵器の除染作業を自動化するドローン及び地上ロボットの導入を検討していると報じた。汚染車両や重要インフラの洗浄をロボットが担う「自律型除染システム(Autonomous Decontamination System: ADS)」の導入により、兵士の被曝リスクを最小限に抑えつつ、人員と資源の最適化を図る。これに伴い、陸軍は情報提供依頼書(Request for Information: RFI)を通じて、汚染箇所の特定から薬剤の精密散布、事後の除染評価を遂行する民間技術を2月20日まで募集する。機動力の高い自立型システム構築に向け、開発は化学・生物・放射性物質・核保護共同プロジェクトマネージャー(Joint Project Manager for Chemical, Biological, Radiological, and Nuclear Protection: JPM CBRN Protection)が主導していくという。また、ストライカー装甲車の偵察機能を強化する整備も並行して進めるが、関連訓練の実地などについては、指揮官の裁量に委ねる方針が示された。 DefenseNews “The US Army is seeking autonomous drones to clean up chemical weapons” (02/04/26) https://www.defensenews.com/news/your-military/2026/02/03/the-us-army-is-seeking-autonomous-drones-to-clean-up-chemical-weapons/
世界公務員のAI利用率7割超も、政府活用に課題 ITIF調査
情報技術イノベーション財団(Information Technology & Innovation Foundation:ITIF)は2月5日、世界の公務員の7割以上が業務で人工知能(AI)を利用する一方で、政府がAIを効果的に活用できていると考える割合はわずか18%にとどまるとの調査結果を発表した。パブリック・ファースト社(Public First)がグーグル社(Google)の協力を得て、アジアや欧州、米国を含む10カ国の公務員3,335人を対象に実施した「2026年公務員AI採用指数(Public Sector AI Adoption Index 2026)」調査によると、回答者の80%がAIを「自身の能力を高めるもの」と肯定的に捉えるも、明確な指針やリーダーシップの欠如が活用の障壁となっていることがわかった。シンガポールやサウジアラビア、インドが日常的なAI活用を推進し積極的な普及を進める一方で、日本やドイツ、フランスは導入に慎重でリスク回避の傾向が強いという。専門家はAIをいかに日々の業務へ落とし込めるかが成果の鍵とし、導入障壁の除去により、市民へより良い公共サービスが提供できるとしている。 ITIF “Over 70% of Public Servants Worldwide Use AI, While Government Frameworks Are Still Evolving” (02/05/26) https://itif.org/publications/2026/02/05/over-70-of-public-servants-worldwide-use-ai-while-government-frameworks-are-still-evolving/
国防総省は技術投資、管理・監督体制の抜本的改善を GAO提言
政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は2月5日、国防総省(Department of Defense)の先端技術への投資管理と監督体制に課題があり、迅速な改善措置が必要との調査報告書を発表した。技術開発を統括する研究・工学担当国防次官室(Office of the Under Secretary of Defense for Research and Engineering: OUSD R&E)の指針と各軍戦略に乖離が生じ、中国やロシアに対する技術的優位性の維持を阻害する恐れがある。また、2026年度歳出法案における技術管理・監督向け約1,800億ドルの要求も、同室には各軍予算の全体戦略への合致を認証する法的権限がない。このため極超音速技術向け26億ドルや人工知能(AI)・自律性分野への21億ドルの投資が政府優先事項と一致しないリスクがあるという。そこでGAOは議会に対し予算認証権限の同室への付与の検討を勧告し、国防総省には各軍が国防科学技術戦略に合致した戦略を策定し、これに基づく適切な投資額を調整するよう指導することを求め、同省はこれらの勧告に同意した。 GAO “Defense Research and Engineering: Action Needed to Improve Management and Oversight of Technology Investments” (02/05/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-107664
大学向け科学技術連邦助成額、ジョンズ・ホプキンス大が首位
米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は2月5日、2014〜2023年度の連邦政府による科学技術研究への大学資金配分で、ジョンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins University)の首位独占が継続していると発表した。2023年度の連邦政府による1,110の高等教育機関向け科学技術支援は490億ドルに達し、その配分が特定の大学に集中しており、特に上位10機関が全体の20.1%にあたる99億ドルを占めているという。さらに上位100機関が全体の78.4%の384億ドルを獲得しているとし、資金配分の不均衡が顕著であることが判明したという。特にジョンズ・ホプキンス大学への配分は21.24億ドルで、続くミシガン大学(University of Michigan)の9.66億ドルに約1.2億ドル上回る額で、この差は2014年度の7.64億ドルから大幅に拡大している。なお、2020〜2021年度のコロナ禍では補正予算の配分により全国大学の順位が大きく変動したが、2022年度以降はパンデミック前の状況に回帰する傾向がみられる。 NSF “Federal Funding for Science and Engineering: Trends in Rankings Among Top Universities, FYs 2014–23” (02/05/26) https://ncses.nsf.gov/pubs/nsf26310
エネルギー省融資局長にグレッグ・ベアード氏就任
エネルギー省(Department of Energy)は2月3日、エネルギー優位性融資局(Office of Energy Dominance Financing)の局長にグレッグ・べアード氏(Greg Beard)が就任すると発表した。2025年4月から同局の上級顧問としてポートフォリオの見直しと再構築を主導してきたベアード氏は、1月29日付で局長に昇格した。今後は国のエネルギー安全保障と電力網の信頼性向上向け新規プロジェクトの融資を統括していく。同氏は、これまでアポロ・グローバル・マネジメント社(Apollo Global Management)やリバーストーン・ホールディングス社(Riverstone Holdings)での要職に従事し、仮想通貨マイニングと発電を統合する企業を創業するなど、エネルギー関連投資に30年以上に携わってきた。今回の就任に際し、ベアード氏はトランプ大統領とクリス・ライトエネルギー長官(Chris Wright)の政策を支持していく姿勢を示しており「世界最大のエネルギー融資機関として、国のエネルギー優位性復活という使命に全力で取り組む」とコメントしている。 Department of Energy “Greg Beard Appointed as Office of Energy Dominance Financing (EDF) Director” (02/03/26) https://www.energy.gov/edf/articles/greg-beard-appointed-office-energy-dominance-financing-edf-director
エネルギー省、使用済み核燃料リサイクル技術開発に1,900万ドル交付
エネルギー省(Department of Energy)は2月5日、国内使用済み核燃料のリサイクル技術を推進するため、5社に合計1,900万ドルを超える資金を交付したと発表した。国の経済成長促進に向け、エネルギー独立性を確保するために、使用済み核燃料の価値を最大限に引き出そうとする取り組みで、電力供給安定化に向けエネルギー生産を最大化し、海外からの濃縮ウラン依存を脱却する。具体的には、使用済み核燃料をリサイクルすることで、資源利用率を95%向上させ、廃棄物を90%削減していくとし、アルファ・ヌア社(Alpha Nur)や、キュリオ・ソリューション社(Curio Solutions)、フリべ・エナジー社(Flibe Energy)、オクロ社(Oklo)、シャイン・テクノロジーズ社(Shine Technologies)などの企業が選ばれた。各社はそれぞれ使用済み燃料の経済的及び技術的課題に取り組んでいく。各プロジェクトは最大3年間実施され、企業は最低20%の費用を自己負担する必要がある。 Department of Energy “DOE’s Office of Nuclear Energy Awards $19 Million to Advance Recycling of Used Nuclear Fuel” (02/05/26) https://www.energy.gov/ne/articles/does-office-nuclear-energy-awards-19-million-advance-recycling-used-nuclear-fuel