DARPA、量子コンピューティングを進展させるプログラムを立ち上げ

​国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、「ノイズがあって中規模の量子機器による最適化(Optimization with Noisy Intermediate-Scale Quantum: ONISQ)」プログラムのフェーズ1に参加する7件の大学及び企業を選出した。フェーズ1は3月に開始され、18か月間行われる。ONISQは、中規模の量子機器と古典的なコンピューティング・システムを組み合わせて、「組み合わせ最適化問題」として知られる一連の困難な問題の解決に取り組むというハイブリッド概念を追求する。選出されたのは、ジョージア工科大学応用研究所(Georgia Tech Applied Research Corporation)、コールドクアンタ社(ColdQuanta, Inc.)、テネシー大学(University of Tennessee)など7大学・社。​ ​ Defense Advanced Research Project Agency “DARPA Kicks Off Program to Advance Quantum Computing” (5/11/20) ​

米政府、米企業がファーウェイ社と5G標準開発で共同作業することを承認する規則を草案​

情報筋によれば、商務省(Department of Commerce)は、次世代となる5Gネットワークの標準を確立する作業において、米国企業が中国のファーウェイ社(華為技術、Huawei)と共に取り組むことを容認する新たな規則を制定する見込みである。商務省が昨年5月にファーウェイ社を事業者リスト(entity list、いわゆるブラックリスト)に加えたことで、米国企業がどのような技術や情報をファーウェイ社と共有できるのかが不透明になっており、このため、多くの米国企業は標準開発で同社と関与することを停止している。それから約1年が経過した現在、商務省は、米企業がファーウェイ社がメンバーとなっている標準開発機関に参加することを事実上認める規則を草案しているという。規則の草案は商務省で最終的な見直しが行われた後、その他の関連省庁の承認が必要となる。​ ​ Reuters “Exclusive: U.S. drafts rule to allow Huawei and U.S. firms to work together on 5G standards – sources” (5/6/20)

FDA、コロナウィルス検知を目的とした初の抗原検査を承認​

​食品医薬品局(Food and Drug Administration: FDA)は5月8日、コロナウィルスの感染の有無を早急に検知する初の抗原検査を承認した。開発したのは、サンディエゴにあるキデル社(QUidel Corporation)で、FDAは同検査に緊急使用許可を付与した。コロナウィルス検査として一般的に利用されているPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)検査と異なり、抗原診断は検査サンプルのウィルスの断片を短時間で検知する。抗原検査は極めて正確に陽性を検知するが、全ての活動性感染を検知できるわけではなく、PCR検査に比べると偽陰性を示す可能性が高い。また、陽性結果となった場合、より時間はかかるが正確なPCR検査を受けて確認する必要がある。専門家は、新型コロナウィルス感染症のための抗原検査の承認は、医療従事者や公衆衛生当局に大規模かつ早急な検査ツールを提供することになり、検査努力の強化につながると述べている。​ ​ New York Times “F.D.A. Approves First Antigen Test for Detecting the Coronavirus” (5/9/20) ​

合同人工知能センター(JAIC)、予測可能な維持管理イニシアチブへの支援を模索 ​

合同人工知能センター(Joint Artificial Intelligence Center: JAIC)が最近行った「情報の要請(request for information)」によれば、JAICは、「予測可能な維持管理(predictive maintenance)」イニシアチブにおけるデータの収集及びより良い分析への支援を模索している。要請は、JAICが機械修理スケジュールを立てる際の最も効率的な方法の開発に関する複数の課題を指摘した上で、航空機に関するホリスティック(全体的な)歴史的データの収集について業界からのインプットを模索している。これらのデータは、アルゴリズムに組み込まれ、機体をいつ維持管理のために休止させるかをピンポイントで示すことができるようになる。総合的な目標は、軍用機の準備体制強化を目的として、歴史的データ及び人工知能(AI)の収集、維持管理、使用を改良することである。​ ​ Fed Scoop “JAIC seeks help on preventative-maintenance initiative” (5/11/20) ​ ​

アマゾン社、国防総省のJEDI募集改定版について直接抗議​

​国防総省(Department of Defense: DOD)による「合同エンタープライズ国防インフラ(Joint Enterprise Defense Infrastructure: JEDI)」クラウド契約(10年間で最大100億ドル)は昨年10月、マイクロソフト社(Microsoft)が受注したが、アマゾン・ウェブ・サービス社(Amazon Web Services: AWS)はその決定を不服として連邦請求裁判所に提訴し、3月には、DODとマイクロソフト社のクラウド構築を阻止する暫定禁止命令を勝ち取っていた。DODは4月に、JEDI契約の具体的な側面について再検討することを連邦請求裁判所(Court of Federal Claims)に申請し、裁判所はこれを認めた。しかし、AWSは、JEDIクラウド契約の具体的な技術要件の改定について、その「野心的な側面」をDODに直接異議申し立てした。AWSは、「我々は、裁判所が『欠陥がある』と認めた契約判断について、公正かつ客観的な見直しが行われることを望む」と述べている。AWSは、JEDIの具体的な側面について再考したいというDODの動議にも、「DODの要請は、AWSが指摘した6つの技術的間違いが考慮されていない」として、抗議していた。​ Federal Times “Amazon challenges the Pentagon’s revised JEDI solicitation directly to the department” (5/8/20) ​

トランプ政権とチップ・メーカー、半導体の米国内自給を模索​

​コンピューター・チップなど重要技術の生産をアジアに依存していることへの懸念が高まり、トランプ政権と半導体企業は、米国内でチップ生産工場を立ち上げるための展開を模索している。米国内に最先端のチップ工場ができれば、業界の様相は変わり、多くの米国企業が数十年間にわたってアジアへの拡大を続けてきた後の国内回帰となるだろう。米国高官及び企業幹部は、世界のサプライ・チェーンを混乱から防ぐことについて長期的な懸念を持っていたが、今回の新型コロナウィルス感染症のパンデミックにより、その懸念が強調される形となった。政権高官は、特に台湾への依存を懸念している。台湾積体電路製造(Taiwan Semiconductor Manufacturing Co.: TSMC)は、世界最大の契約チップ・メーカーで、最速かつ最先端のチップを製造できる世界で3社の一つである。情報筋の話によれば、トランプ政権の高官は、インテル社(Intel Corp.)及びTSMCとの間で、米国内での工場生産について協議している。また、一部の政府高官は、テキサス州オースチンにあるサムスン電子(Samsung Electronics Co.)のチップ工場が契約製造事業を拡大してより先端のチップを製造できるよう、支援することにも関心を示している。​ ​ Wall Street Journal “Trump and Chip Makers Including Intel Seek Semiconductor Self-Sufficiency” (5/11/20) ​

エネルギー省、エネルギー貯蔵技術開発の研究に600万ドルを提供へ​

​エネルギー省(Department of Energy)の化石エネルギー局(Office of Fossil Energy: FE)は、「化石発電のためのたエネルギー貯蔵(Energy Storage for Fossil Power Generation)」と題する資金提供公募(FOA)の下、コスト分担型の研究開発プロジェクトに最高600万ドルの連邦資金を提供すると発表した。エネルギー貯蔵と化石エネルギー資産を組み合わせることで、資産所有者や電力グリッド、消費者に、信頼性と費用面でより良いエネルギー供給、環境的によりクリーンなパフォーマンス、より強力なエネルギー・インフラなど、様々な恩恵がもたらされる。今回のFOAでは、①工学規模のプロトタイプ設計に関する研究、②コンポーネント・レベルの研究開発、③革新的な概念及び技術、の3点が関心のあるエリア(Area of Interest: AOI)として挙げられている。受益プロジェクトの管理は、国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory: NETL)が行う。​ ​ Department of Energy “U.S. Department of Energy to Provide $6M for Research to Develop Energy Storage Technologies” (5/11/20) ​

コロラド州、更に多くの電気自動車走行を目指す計画を発表 ​

コロラド州エネルギー局(Colorado Energy Office)は4月23日、「2020年電気自動車計画(2020 Electric Vehicle Plan)」の更新版を発表した。中型及び大型自動車の電気化について初めて概説している他、州政府が使用する電気自動車の数を増やすという目標が繰り返されている。同州は2018年に、「2030年までに州内で94万台の普通乗用車の電気自動車(EV)が走行することを目指す」という目標を掲げた。2020年電気自動車計画のその他の部分には、州内の充電スタンドに関する分析が含まれる。しかし、これらの目標は、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)問題が発生する前に草案されたものであることから、今後は多くの問題点が伴うことが予想される。石油価格は下落し、コロラド州の予算はCOVID-19を原因とするビジネス閉鎖により分刻みで縮小し続けているようで、州は、2020年電気自動車計画で設定した目標の達成に向け、大きな障害に直面する可能性が高い。​ ​ U.S. News “Colorado Unveils Plan to Get More Electric Vehicles on Roads” (4/25/20) ​

米国科学審議会(NSB)、今後十年間の米国の発見とイノベーションを促進する報告書を発表​

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の政策策定委員会である米国科学審議会(National Science Board: NSB)は5月5日、新たな報告書「ビジョン2030(Vision 2030)」を発表した。報告書は、米国の医療/安全保障/経済繁栄の支えとなる米国の科学工学活動への脅威を特定した上で、「米国が世界的な科学工学のリーダーシップを維持し、学生や研究者、労働者、アントレプレナーに比類なき機会を提供する」というビジョンを提示している。そして、「これらのビジョンの実現には、米国の科学工学のエコシステムにおけるすべての事業体が行動することが求められる」とし、NSBがNSF及びその他の科学工学活動のリーダーと協力して取り組む様々な行動へのコミットを示した。具体的には、①NSFの組織的見直しと変更の勧告、②大学・業界・州関係者を招集し、パートナーシップやNSFの資金提供を受けた研究の移行に関するベストプラクティスや障害の特定、③STEM能力を持つ米国民育成のための新連邦プログラムに関する議会及び政権との関与、④国際協力などの育成を目的としたNSFの戦略及びパートナーシップの開発及び拡大、が含まれる。 ​ National Science Board “Driving the next decade of American discovery and innovation” (5/5/20) ​

トランプ大統領、米国の電力システムを防御する大統領令に署名​

トランプ大統領は5月1日、米国の電力システムをサイバー及びその他の攻撃から防御する大統領令に署名した。これは、いずれ、中国とロシアからの一部の輸入に障壁をもたらす可能性がある。大統領は、米国電力システムへの脅威は国家緊急事態であると宣言し、これによって政府はエネルギー・インフラの調達政策に関するタスク・フォースの設立などの措置を講じることが可能になる。大統領令によって、エネルギー省(Department of Energy)の長官は、その他の高官と協議の上、米国電力システムに妨害のリスクを呈していると判断される敵対国からの電力機器の調達、輸入、移動、導入を禁止することができる。大統領令は、具体的な国名を挙げていないが、先に発表された2019年世界脅威評価(2019 Worldwide Threat Assessment)は、「中国、ロシア、その他の国は米国インフラを偵察するためサイバー技法を使用している」と述べている。​ ​ Reuters “Trump signs order to protect the U.S. electricity system: Energy Department” (5/1/20) ​