エネルギー省、830億ドル以上の条件付き融資誓約を再編・改定・廃止

エネルギー省(Department of Energy)は1月22日、エネルギー支配融資局(Energy Dominance Financing: EDF)が、バイデン前政権による融資ポートフォリオから環境に関する融資や条件付き融資誓約(合計830億ドル以上)を再編・改定・廃止していると発表した。これは、前政権による1,040億ドル(元本額)の融資義務に関して行われた1年間の見直しを受けて実施されたものである。EDFは旧「融資プログラム局(Loan Programs Office: LPO)」の新名称で、これまでに、政府助成を受けた約95億ドルの風力及びソーラープロジェクトを廃止し、それらを天然ガス及び原子力エネルギーの改良に投資した。また、バイデン前政権による1,040億ドル(元本額)の融資義務のうち、約300億ドルが解除済みまたは解除の過程にあり、530億ドルが見直しの対象になっている。 Department of Energy “Energy Department Reins in Over $83 Billion in Biden-Era Loans and Conditional Commitments” (01/22/26) https://www.energy.gov/articles/energy-department-reins-over-83-billion-biden-era-loans-and-conditional-commitments

NIH助成研究におけるヒト胎児組織の使用を終了

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は1月22日、NIH助成を受ける研究でヒト胎児組織の使用を終了するとする新方針を発表した。方針は即時発効され、今後はNIH助成金を選択的中絶によるヒト胎児組織を利用する研究実施に充当することはできない。この方針は、NIHの内部研究プログラム及びNIHが支援する外部研究に適用され、助成金だけでなく、共同研究や研究開発契約等も含まれる。NIHの支援を受けた研究でヒト胎児組織を使用したプロジェクトは2019年以来一貫して減少しており、2024年度はわずか77件であった。 National Institutes of Health “NIH Announces Major Policy Shift to End Use of Human Fetal Tissue in NIH-Supported Research” (01/22/26) https://www.nih.gov/news-events/news-releases/nih-announces-major-policy-shift-end-use-human-fetal-tissue-nih-supported-research

PNNL、既存及び予測されるデータセンターをマッピング

パシフィックノースウェスト国立研究所(Pacific Northwest National Laboratory)の研究者は、既存のデータセンター及び今後予想される新規のデータセンターの所在地の全国的分布を示したマップ「データセンター・アトラス(Data Center Atlas)」を開発した。同マップは、利用者が無料でダウンロードできる公共ツールである。プロジェクトチームは、データセンターに関するオープンソースのデータを収集し、それらを統合して、米国内のデータセンターの所在地をストリートレベルで示す地図を作成した。加えて、高速インターネット用光ファイバーや電力、水など、データセンターの立地に重要な支援インフラを重ね合わせた。アトラスのユニークな点は、現在のデータセンターの所在地を確認できるだけなく、今後、新たなハイバースケール・データセンターが建設されそうな可能性が高い地域を示す予測機能があることである。 PNNL “Mapping the Future of Data Centers: A New Public Tool Illuminates What’s Next” (01/21/26) https://www.pnnl.gov/publications/mapping-future-data-centers-new-public-tool-illuminates-whats-next

エネルギー省、米国産業イノベーションの進展に1億5,500万ドル

エネルギー省(Department of Energy)の重要鉱物及びエネルギーイノベーション局(Office of Critical Minerals and Energy Innovation)は1月22日、国立研究所が米国産業の競争力と効率性の向上につながる技術を開発する能力を強化するため、16件のプロジェクトを選出したと発表した。受益プロジェクトは、エネルギー集約型産業及び分野横断型技術の2つの分野で産業重要課題に対処する。受益プロジェクトの一例として、①ローレンスバークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)によるデータセンター冷却用テストベッド・ネットワークの形成や、②国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory)及びパートナー機関による、革新的な産業用燃焼システムの開発加速を目的として業界が利用できるテストベッド施設の設立及び運営等が含まれる。 Department of Energy “Energy Department Announces $155 Million to Advance American Industrial Innovation” (01/22/26) https://www.energy.gov/cmei/articles/energy-department-announces-155-million-advance-american-industrial-innovation

EV充電管理で設備更新の10年延期も可能に ブラトル・グループ

大手コンサルティング企業のブラトル・グループ社(The Brattle Group)は1月、電気自動車(EV)への充電管理ソリューション導入により、電力システム全体のコストを1台あたり年間最大400ドル削減できるとの調査結果を発表した。エネルギーハブ社(EnergyHub)のソリューションを用いた実証実験によると、アルゴリズムによる最適な電力制御により充電ピークを最大55%削減することができ、既存の配電網におけるEV台数の受け入れ能力を最大3.2倍に引き上げることがわかった。これにより、電力会社は高額なインフラ整備を最大10年間延期することが可能になり、EV利用者のみならず全ての電気料金負担者に大きな経済的メリットをもたらすという。従来の時間帯別料金制度では、割安な時間帯に需要が集中する「スナップバック現象(Snapback Effect)」が課題であったが、新システムは負荷を平滑化しつつ、利用者が希望する充電量を100%確保できる。同社は、この技術がEV普及下での電力負担対応に極めて重要な役割を果たすと説明している。 The Brattle Group “Demonstrating the Full Value of Managed Electric Vehicle Charging” (01/2026) https://www.brattle.com/wp-content/uploads/2026/01/Demonstrating-the-Full-Value-of-Managed-Electric-Vehicle-Charging.pdf 参照記事: Utility Dive “Managed EV charging can save utilities and ratepayers money: report” (01/21/26) https://www.utilitydive.com/news/utilities-that-actively-manage-ev-charging-can-expand-hosting-capacity-red/810148/

国防総省、中小企業向けプログラムの大規模見直しに着手

NEXTGOV/FCWは1月22日、国防総省(Department of Defense)がDEI(多様性・公平性・包摂性)関連とされる中小企業向け8(a)プログラムの契約を全面的に見直し、数十億ドル規模の契約削減に乗り出したと報じた。ピート・ヘグセス国防長官(Pete Hegseth)は、2,000万ドル以上の全8(a)契約を対象に、軍事力強化への貢献度を示す「致死性」基準による審査を実施すると発表した。同長官は、数十年の歴史を持つ中小企業庁(Small Business Administration: SBA)のこのプログラムを「詐欺の温床」と批判し、「DEIという人種に基づく契約」と指摘した。同省は他省庁の10倍にあたる8(a)契約を利用しており、2025年度には単独調達で97億ドル、競争入札で58億ドルの契約を締結していた。この見直しに対し同長官は「中小企業を傷つけるものではなく、21世紀の脅威に対応する調達システムへの変革の一環」であると説明した。審査では、戦争遂行能力への貢献度と、実際に業務を遂行する企業への直接発注かどうかの2点を重点的に確認するという。 NEXTGOV/FCW “Pentagon launches wide 8(a) review, targeting billions in awards” (01/22/26) https://www.nextgov.com/acquisition/2026/01/pentagon-launches-wide-8-review-targeting-billions-awards/410857/?oref=ng-skybox-hp

安全保障審査で差別防止策の評価を勧告 GAO報告書

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は1月21日、研究資金の安全保障審査において、中国系やアジア系研究者への差別を防ぐための保護措置を連邦政府機関が評価すべきとする報告書を発表した。国防総省(Department of Defense)、エネルギー省(Department of Energy)、航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の5機関は、外国、特に中国からの影響に対処する研究安全保障プロセスを実施しているが、差別防止のための5つの保護措置の導入状況にばらつきがあることが判明した。これを受け、NASAとNSFに対しリスク軽減プロセスの文書化を、5機関すべてに対して現在の保護措置が差別防止に十分かどうかの評価を行うよう、計7つの勧告を行った。NASAとNIHは勧告に同意し、NSFは検討すると回答したが、エネルギー省は差別禁止を確保した独自プロセスがあると反論した。国防総省はコメントを控えた。 GAO “Research Security:Agencies Should Assess Safeguards Against Discrimination” (01/21/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-107544

米国、EU不参加でAIサプライチェーン確保へ新たな同盟構築

ベルギーのメディア、サイエンス・ビジネス(Science Business)は1月15日、米国が主導する人工知能(AI)のサプライチェーン確保に向けた技術同盟「パックス・シリカ(Pax Silica)」から欧州連合(EU)が外れていると報じた。中国を回避する目的で設立されたこの同盟には、日本、韓国、シンガポール、イスラエル、カタール、英国、アラブ首長国連邦らが参加しており、2月にはインドも加わる見込みであるが、半導体製造において重要なASML社の本拠地オランダを含め、EU全体が不参加となる見込みであるという。不参加に関する詳細は明らかになっていないが、国務省(Department of States)は、AI規制に関する方針の違いを指摘している。米国はAI技術規制を緩和する一方、EUは包括的なAI法を成立させている。またEUが米国の武力によるグリーンランド占領の可能性に危惧しており、関係は歴史的な低水準にあるという。これらを踏まえ、米国の地政学的姿勢やEUとの他の外交問題も絡み、EUが参加を見送った可能性があると記事は分析している。 Science Business “US creates tech alliance to secure AI supply chain, without the EU” (01/15/26) https://sciencebusiness.net/news/international-news/us-creates-tech-alliance-secure-ai-supply-chain-without-eu

バイオ規制の現代化で中国に対抗、国家安全保障委員会が83の政策提言を発表

国家安全保障委員会(National Security Commission on Emerging Biotechnology: NSCEB)は1月13 日、バイオテクノロジー分野での優位性確保に向け、規制プロセスを現代化・合理化する83の政策提言を発表した。この提言は従来の行動計画を基に策定され、政府全体に関わる30項目と、医療・植物・微生物・動物の4分野に特化した53項目の計83項目で構成されている。NSCEBは、現行の不透明な規制がイノベーションの海外流出を招いている現状を指摘した上で、米国が次世代技術の標準を確立すべきであると主張した。また、規制改革は単なる基準の緩和ではなく、科学的知見と戦略的現実に即した調整で、経済強化の確保にも不可欠であると強調している。このため、まずは審査の重複を解消し、バイオ医薬品や精密工学を用いた微生物、農業生産性を高める動植物の商業化を加速させる方針で、委員会はこの合理化を通じて国内の産業基盤を強化し、安全性を確保しつつ新技術の市場投入を早めることで、国家安全保障の維持を図る考えである。 NSCEB “NSCEB Aims for Modernized Regulatory System to Propel U.S. Ahead of China in Biotech Competition” (01/13/26) https://www.biotech.senate.gov/press-releases/nsceb-aims-for-modernized-regulatory-system-to-propel-u-s-ahead-of-china-in-biotech-competition/

科学的地位に対する党派間認識差が拡大 ピュー・リサーチ・センター調査

ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)は1月15日、米国の科学的地位に関する世論調査結果を発表し、二大政党間で現状認識に大きな隔たりが出ていることを明らかにした。調査によると、民主党と共和党の双方が科学における世界での主導権維持を重要視しているものの、民主党支持者の65%が「米国は他国に対し遅れをとっている」と回答し、2023年から28ポイント急増した。対照的に、共和党支持者で同様の懸念を示す割合は32%にとどまり、自国の進展に対する評価は二分された。公的な研究投資については、全体の84%が価値を認めているが、共和党の54%が民間投資のみで十分な科学的進歩が可能と考える一方、民主党の79%は依然として政府投資が不可欠とした。科学への貢献度に関しても、民主党は大学を高く評価しているが、共和党は民間企業の役割をより重視する傾向が顕著となった。政府が予算削減や人工知能(AI)強化を推進する中、科学の将来像をめぐる国民の視点の違いが、これまで以上に鮮明に浮き彫りとなっている。 Pew Research Center “Do Americans Think the Country Is Losing or Gaining Ground in Science?” (01/15/26) Do Americans Think the Country Is Losing or Gaining Ground in Science?