上下両院による最終歳出法案がまとまる 大統領予算案の削減に反発

連邦上下両院の歳出委員会は1月20日、複数の連邦機関を対象とした最終の超党派歳出法案を発表した。それによれば、委員会は国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の予算について、トランプ大統領が提案した40%削減を拒否し、代わりに4億1,500万ドル押し上げ、472億ドルとした。また、医療高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency for Health:ARPA-H)の予算(大統領予算案は37%削減を提案)を維持した。更に、NIHを再編して研究所数を削減し、厚生省(Department of Health and Human Services)の複数の機能を新たな「健全な米国庁(Administration for a Healthy America)」へ移行するという大統領案も却下した。本歳出法案にはこの他にも、NIHが新規助成予算の半分を新たな複数年契約の助成金として提供することを禁ずる等の政策指示が盛り込まれた。法案はまた、NIHが助成受給機関へ支払う間接費率を削減することを禁止している。 Science “Final funding bill for NIH pushes back against Trump cuts” (01/20/26) https://www.science.org/content/article/final-funding-bill-nih-pushes-back-against-trump-cuts

SEMI財団、労働省から全国見習い制度スポンサーとして承認

SEMI財団(SEMI Foundation)は1月20日、労働省(Department of Labor)から全国見習い制度スポンサー(National Apprenticeship Sponsor)として正式に承認されたと発表した。半導体労働者の育成拡大を目指す。今回の指定は、戦略的業界で対応力と競争力を備えた有技能労働力を構築するツールとして登録見習い制度を重視する米国の広範な人材及び労働力育成戦略に沿うものである。SEMI財団は全国見習い制度スポンサーとして、新興の業界のニーズに対応しつつ、雇用主と共に、労働者に明確で価値の高いキャリアパスを提供する見習い制度の設計・登録・拡大に取り組む。財団は今後数か月に亘り、企業が見習い制度について理解を深め、活用できるよう、ウェブセミナーや企業間の情報交換会等を主催する予定である。 SEMI “SEMI Foundation Approved by the U.S. Department of Labor as a National Apprenticeship Sponsor to Expand Semiconductor Workforce Pathways” (01/20/26) https://www.semi.org/en/SEMI-Foundation-Approved-by-the-U.S.-Department-of-Labor-as-a-National-Apprenticeship-Sponsor-to-Expand-Semiconductor-Workforce-Pathways

ARPA-H、リンパ系画像診断・ゲノミクス・表現型解析技術に1億3,570万ドル拠出

医療高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency for Health:ARPA-H)は1月20日、リンパ系画像診断・ゲノミクス・表現型解析技術( Lymphatic Imaging, Genomics, and pHenotyping Technologies: LIGHT)プログラムの受益機関として11件の研究開発チームを選出した。これらのチームのリンパ系研究に5年間で最大1億3,570万ドルを拠出し、初となる包括的な診断ツールキットの開発を目指す。一般的な身体検査の一環として、医療ケア提供者が既存の手法よりも早期にリンパ系の問題を検知できるようにすることが狙いである。 ARPA-H “ARPA-H awards up to $135.7M to illuminate the body’s hidden highway” (01/20/26) https://arpa-h.gov/news-and-events/arpa-h-awards-1357m-illuminate-bodys-hidden-highway

中国、トランプ新型戦艦を「格好の標的」と指摘

ディフェンスニュース(DefenseNews)は1月17日、トランプ大統領の名にちなんだ「トランプ級」新型戦艦構想に対し、中国が対艦ミサイル兵器の「格好な標的」になると評したと報じた。人民解放軍海軍軍学研究院(People’s Liberation Army Naval Military Academic Research Institute)の張軍社(Zhang Junshe)研究員による、大量の弾薬を搭載した大型艦船は、より脆弱で攻撃されやすいという見解が、中国共産党系メディアの環球時報に掲載されたという。これに対し同戦艦を「黄金艦隊」の中核と位置付ける海軍は、海上戦力向上に不可欠と主張している。一方、戦略国際問題研究所(Center for Strategic and International Studies: CSIS)は、最初の艦船「USSデファイアント(USS Defiant)」の建造に150億ドル、追加艦船は100億ドルが必要として実現可能性が低いとの見解を示した。ジョン・フェラン海軍長官(John Phelan)は、計画の遅延や予算の超過などはあるとした上で、新計画が造船能力の向上につながると期待を表明している。 DefenseNews “China calls Trump battleship ‘easier target’ amid mixed US reception” (01/17/26) https://www.defensenews.com/news/pentagon-congress/2026/01/16/amid-mixed-reception-china-calls-trump-battleship-an-easier-target/

次世代戦闘機に大幅増額 議会が8,390億ドル国防歳出法案に合意

ディフェンスニュース(DefenseNews)は1月21日、議会が8,390億ドル規模の2026年度国防歳出法案を承認したと報じた。空軍の次世代戦闘機F‑47に30億ドル、海軍のF/A‑XXに9億7,200万ドルを計上し、大統領予算案を大きく上回る内容となった。また、ピート・ヘグセス国防長官(Pete Hegseth)が懐疑的な姿勢を示していたE‑7 ウェッジテイル(Wedgetail)計画についても、11億ドルの拠出が決定し、継続が決まった。一方、F‑35調達は大統領予算案に沿って47機へ縮小し、合計76億ドルを充てつつ、F‑35及びF135エンジンの予備部品には4億4,000万ドルを配分する。さらに、EA‑37Bコンパス・コール(Compass Call)の増強として4億7,400万ドルを計上し、B‑21レイダー(Raider)には19億ドルを投じる。海軍関連では、コロンビア級及びバージニア級潜水艦を含む17隻の建造に272億ドルを割り当て、両潜水艦計画には追加で59億ドルを上積みする。また、LGM‑35A Sentinel大陸間弾道ミサイル(ICBM)計画も満額での資金提供を盛り込んだ。 DefenseNews “US lawmakers release $839B compromise defense spending bill” (01/21/26) https://www.defensenews.com/congress/2026/01/20/us-lawmakers-release-839b-compromise-defense-spending-bill/

防衛技術投資、過去最高を更新

ディフェンスニュース(DefenseNews)は1月20日、世界の防衛技術分野へのベンチャー投資が2025年に過去最高を記録し、とりわけ自律型システムと人工知能(AI)への資金流入が加速したと報じた。調査会社の調べによると、防衛技術関連のVC投資額は前年比大幅増の491億ドルに達し、エクイティ投資も179億ドルへと倍増した。背景には、ウクライナ戦争でのドローンやAIの実戦投入が効果を示し、投資家が防衛領域を積極的に評価したことによるという。またアンドゥリル社(Anduril)やサロニック社(Saronic)、ヘルシング社(Helsing)による巨額調達が市場を牽引し、欧州でも投資件数の伸びが顕著であった。2026年は量産体制確立への移行や製造能力の拡張が競争軸になるとし、大手防衛企業によるスタートアップ買収加速も予想されている。2025年の製造関連投資も47億ドルへ増加し、ドローンや宇宙システム、電子・センサー分野が中心となり、エヌビディア社(Nvidia)のグロッグ社(Groq)買収など、買収によるエグジット(出口)も急増した。 DefenseNews “Defense tech startups had their best funding year ever in 2025” (01/20/26) https://www.defensenews.com/industry/2026/01/20/defense-tech-startups-had-their-best-funding-year-ever-in-2025/

OTセキュリティ指針で国際協調

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は1月20日、同盟国を含む7カ国の政府機関が重要インフラ事業者向けにガイドラインを公開したと報じた。ネットワーク分離やログ管理、強固な認証など運用技術(Operational Technology: OT)環境の安全確保を強化するもので、旧式機器の廃止や、障害発生時でも稼働を維持できる設計計画を促す内容となっている。境界防御においても未使用ポートの閉鎖や多要素認証、第三者事業者に対する同等のセキュリティ要件の適用を勧告しているほか、不要な通信を制限するネットワーク分割によりハッカー侵入後の移動範囲抑制や、通常時の通信状況を把握して異常検知を迅速化するログ管理の重要性も示した。この取り組みは、人工知能(AI)の安全な開発指針やOT資産インベントリ構築指針、OT環境でAIを用いる際の注意点など、新しい技術や中核技術を扱う上で欠かせないセキュリティ対策の重要性を示す、過去数年間に亘る国際協調の取り組みの一環となっている。 Utility Dive “US and allies collaborate on operational technology security guidance” (01/20/26) https://www.utilitydive.com/news/us-and-allies-collaborate-on-operational-technology-security-guidance/810002/

中国組織による米国のコンピュータ資源へのアクセスを懸念 米議員がNSFへ書簡

下院の中国共産党特別委員会(House Select Committee on the Chinese Communist Party)のジョン・ムーレナー委員長(John Moolenaar, ミシガン州選出共和党)は、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)のプログラムの抜け穴を使って中国の組織が、米国の資金を受けている高性能コンピューティングインフラの状況を把握することが可能になっていると考えられる点について懸念している。同委員長は1月15日、NSFのブライアン・ストーン暫定長官(Brian Stone)宛てに書簡を送り、中国と関係のある事業体がNSFの「先端サイバーインフラストラクチャ調整エコシステム:サービス&サポート(Advanced Cyberinfrastructure Coordination Ecosystem: Service & Support: ACCESS)」プログラムにアクセスすることを却下するよう求めた。ACCESSは全国のスパコンシステム群で、学術機関やその他の研究者が無料で利用できるもので、米国の組織や国立研究所が、国家安全保障や経済研究分野で頻繁に利用している。書簡によれば、ACCESSを利用する研究者や教育者は米国を拠点としていなくてはならないが、米国を拠点とする適格の主任研究者(PI)をプロジェクトの協力者として追加すれば、中国と関係のある事業体でも利用が可能になるという。 Nextgov FCW “Lawmaker worries NSF program loophole enables Chinese institutions to access US-backed computing resources” (01/16/26) https://www.nextgov.com/cybersecurity/2026/01/lawmaker-worries-nsf-program-loophole-enables-chinese-institutions-access-us-backed-computing-resources/410759/?oref=ng-homepage-river

連邦議会、重要鉱物備蓄の創出を狙いとした超党派法案提出

連邦議会上院のジーン・シャヒーン議員(Jeanne Shaheen, ニューハンプシャー州選出民主党)及びトッド・ヤング議員(Todd Young, インディアナ州選出共和党)は、同下院のロブ・ウィットマン議員(Rob Wittman, バージニア州選出共和党)及びジョン・ムーレナー議員(John Moolenaar, ミシガン州選出)と共に、1月15日、重要鉱物の国内供給網支援を目的とした超党派法案を上下両院で提出した。新法案「米国の必須・重要資源及び元素の鉱物確保法案(Securing Essential and Critical U.S. Resources and Elements (SECURE) Minerals Act)」は、独立政府法人として「戦略的対応力備蓄(Strategic Resilience Reserve: SRR)」を設立する。SRRは、大統領が任命し上院が承認する7名の理事によって構成される理事会が運営し、米国が中国に依存している鉱物等について、価格の安定化や国内及び同盟国の生産能力及びリサイクルの拡大等に取り組む。シャヒーン議員は、「戦略的石油備蓄(Strategic Petroleum Reserve)やCHIPS・科学法(CHIPS and Science Act)によってエネルギーや半導体の国内供給力が強化されたように、この超党派法案は、米経済を外部の脅威から保護し、良好賃金雇用を国内に創出する上で重要な役割を担うだろう」と述べる。 Jeanne Shaheen, US Senator for New Hampshire “Sens. Shaheen and Young, Reps. Wittman and Moolenaar Introduce New Bipartisan Bill to Increase Domestic Supply of Critical Minerals, Create a …
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今後、AIデータセンターに電力を供給する主要エネルギー源は天然ガスか

アクシオス社(AXIOS)は1月16日、人工知能(AI)の中心地とされる中部大西洋地域及び中西部のデータセンターの電力需要は、2030年までに20ギガワット(GW)近くまで増加する可能性があり、その最大の電力供給源としての役割を天然ガスが担うと予測されると報じた。それでも2030年の電力需要の約半分が不足すると考えられている。本件は、ブルムバーグNEF社(BloombergNEF)が発表した「供給信頼度対応能力(Effective Load Carrying Capability: ELCC)」(各エネルギー資源の発電信頼度を測る指標)に基づくものであるが、発電容量の追加かデータセンターの縮小のいずれかによってこの電力不足が解消しない場合、社会は、電力価格の急騰もしくは最悪の事態として電力ゼロというリスクに直面するという。ただしアクシオス社は、「大量の電力を手頃な費用で数日間以上貯蔵できる長期エネルギー貯蔵が普及すればその状況が変わる可能性はある」としている。 Axios “Here’s what kind of energy is fueling AI” (01/16/26) https://www.axios.com/2026/01/16/energy-power-ai-data-centers-projections