パーデュー大学、多数の中国人大学院生の入学を取り消し

パーデュー大学(Purdue University)は、中国人の大学院生の入学を削減する措置を講じており、これは主要研究大学としては前代未聞のステップである。2025年12月の「ラファイエット・ジャーナル&クーリエ(Lafayette Journal & Courier)」及びパーデュー大学の学生新聞は、情報筋によると、「パーデュー大学は、中国やその他の敵対国からの大学院入学希望者を入学させないよう教員に圧力をかけている。本件は、口頭で伝えられた方針で、大学側は正式な文書化を避けている」と報じた。同大学のこの方針は、米国の大学に中国人学者に対する監視を強化するよう求める議会とトランプ大統領の圧力を受けてのものであるが、大学の対応はその要求を遥かに超えている。この方針により、パーデュー大学では昨春に、中国出身者が大半を占める100名以上の大学院生に対して学部から通達されていた合格通知を大学が取り消す事態となったようである。また最近では、教員が自身の研究室で研究アシスタントとして雇用したいと考えていた学生が博士課程への入学を認められないという状況も生じている。一部の教員は、「大学はトランプ政権と議会からの圧力に過剰に反応している」と考えている。 Science “Purdue blocks admission of many Chinese grad students in unwritten policy” (01/16/26) https://www.science.org/content/article/purdue-blocks-admission-many-chinese-grad-students-unwritten-policy

ソーラー発電が今後2年間の電力生産増を促進 EIA予測

エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)が1月16日に発表した短期エネルギー見通し(Short Term Energy Outlook: STEO)によれば、米国の電力生産は、2026年に1.1%、2027年に2.6%増加する見込みであるという。需要に応じて制御が可能な3つの主要発電源(天然ガス、石炭、原子力)が2025年の全発電の75%を占めたが、その割合は2027年には約72%に低下する見通しである。STEOは、ソーラー及び風力発電の合計の割合が2025年の約18%から2027年には約21%に増加すると予測している。また、米国内の発電源としてユーティリティ規模のソーラー発電が急速に増加しており、発電容量は、2025年の2,900億キロワット時(kWh)から2027年には4,240億kWhに増加する見込みであるという。 Energy Information Administration “Solar power generation drives electricity generation growth over the next two years” (01/16/26) https://www.eia.gov/todayinenergy/detail.php?id=67005

エネルギー省、科学工学におけるAI進展のための労働力育成等について情報要請

エネルギー省(Department of Energy)は1月16日、ジェネシス・ミッション(Genesis Mission)の技術的課題に対応するための戦略と、科学工学における人工知能(AI)の進展を目的とした米国の有技能労働者の育成について、官民からの情報提供を要請している。具体的には、同省、高等教育機関、業界、慈善組織の間の研究連携を構築するイノベーションや、科学工学向け人材育成パイプラインのためのAIを確立する方策について情報を求めている。人材育成パイプラインは、学士、修士、博士、ポスドクの各段階が対象で、AIと科学工学系分野の双方における二重の専門能力の確立に重点を置く。これらの能力は、急速に拡大する民間及び政府部門の雇用や、高度な学位取得へ向けた教育プログラムで応用・活用されていくと考えられる。 Department of Energy “Department of Energy Seeks Input on Advancing AI for Science and Engineering Workforce Development and Genesis Mission Challenges” (01/16/26) https://www.energy.gov/science/articles/department-energy-seeks-input-advancing-ai-science-and-engineering-workforce

エネルギー省、国家石炭評議会の初会合を開催 石炭の役割を再確認

クリス・ライト・エネルギー長官(Chris Wright)は1月15日、バイデン前政権が2021年に廃止した国家石炭評議会(National Coal Council)の設立憲章を復活させ、初会合を招集した。会合では、米国の国家及び経済安全保障における石炭の重要な役割が再確認された。新たな設立憲章の下で国家石炭評議会が招集されたことで、石炭の政策や技術、市場に関する検討に情報を提供する諮問組織としての評議会の位置付けが復活し、「米国の美しいクリーン石炭産業の活性化(Reinvigorating America’s Beautiful Clean Coal Industry)」と題する大統領令の進展につながる。国家石炭評議会は今後数か月以内に、4件の地域石炭作業部会を開催し、業界からの意見収集を行う。 Department of Energy “Energy Department Convenes First National Coal Council Meeting Under Renewed Charter, Reaffirming Coal’s Role in Unleashing American Energy” (01/15/26) https://www.energy.gov/articles/energy-department-convenes-first-national-coal-council-meeting-under-renewed-charter

トランプ政権、大規模発電所再建へ向けた計画を概説 国家エネルギー優位性評議会(National Energy Dominance Council: NEDC)は1月15日、中部大西洋地域の州知事との間で、PJMインターコネクション社(PJM Interconnection)に対して150億ドル以上の信頼性の高いベースロード発電を構築することで住宅顧客により廉価な電気代を提供し、電力系統の信頼性を強化するよう求めることで合意した。合意はPJMに対して、①新規発電所に15年間の収入の確実性を提供することで、信頼性の高い発電の開発を加速させる、②PJMの容量市場で既存の発電所へ支払う金額に上限を設け、電気料金負担者を保護する、③データセンターには、実際に電力を使用するか否かにかかわらず、新設される発電設備の費用負担を義務づける、等を要請している。NEDCは更に、PJMに対して、中部大西洋地域全体で急騰する電力価格と増大する信頼性リスクに対処するため、緊急調達競争入札を実施するよう要請している。NEDCは、ダグ・バーガム内務長官(Doug Burgum)が議長を、クリス・ライト・エネルギー長官(Chris Wright)が副議長を務めている。 White House “FACT SHEET: Trump Administration Outlines Plan To Build Big Power Plants Again” (01/16/26) https://www.energy.gov/articles/fact-sheet-trump-administration-outlines-plan-build-big-power-plants-again White House “Trump Administration Calls for Emergency Power Auction to Build Big Power Plants Again” (01/16/26) https://www.energy.gov/articles/trump-administration-calls-emergency-power-auction-build-big-power-plants-again

データセンター企業に電力費負担増を求める動き、全米各州・連邦議会で広がる

ニューヨーク・タイムズ紙(The New York Times)は1月15日、フロリダ、オクラホマ、ニューヨーク、カリフォルニアなど12州の超党派議員が、データセンター運営企業に、より多くの電力費用を負担させる法案や対策を検討していると報じた。人工知能(AI)開発によりデータセンターが急増し電気料金を押し上げているとし、2028年までに全米の電力消費の最大12%へと倍増する可能性があることから、クリス・バンホーレン上院議員(Chris Van Hollen、メリーランド州選出民主党)が電力網の拡張費用をIT企業が公平に負担することを保証する法案を提出した。これに対しマイクロソフト社(Microsoft)などは追加負担に前向きな姿勢を示す一方、一部企業は既に負担を負っていると反発し、個人、一般企業、大規模利用者間でどうコスト配分すべきかについて合意は得られていない。特に全米最大の電力市場のPJM管内では電気料金が急上昇しており、特にメリーランド、ニュージャージー、バージニアの3州は料金が前年比11~16%上昇している。 HPCwire ” State and Federal Lawmakers Want Data Centers to Pay More for Energy” (01/15/26) https://www.nytimes.com/2026/01/15/business/energy-environment/data-center-energy-electricity-costs.html

世界のAI支出、2026年に2.5兆ドル ROI予測可能性が課題

HPCワイヤー(HPCwire)は1月15日、ガートナー社(Gartner)が世界の人工知能(AI)支出が2026年に2兆5,200億ドルに達し、前年比44%増になるとの予測を発表したと報じた。同社によると「AI導入は資金投資だけではなく、人材や組織プロセスの習熟度によって決定される」とし、「成熟した組織ほど不確かな可能性よりも実証済みの成果を重視するようになる」との分析結果を示した。また2026年はAI開発が「幻滅期」にあるとし、新規の野心的な(ムーンショット型)プロジェクトではなく、既存のソフトウェア・プロバイダーによって企業に販売されることが多くなるという見解を示した。AI基盤構築だけでAI最適化サーバーへの支出が49%増加し、AI支出全体の17%を占める見込みに加え、技術プロバイダーによるAI基盤構築により、AIインフラへの支出も4,010億ドル増加するとしている。同社は、企業がAIスケールアップするには、ROIの予測可能性を向上させる必要があるとしている。 HPCwire “Gartner Says Worldwide AI Spending Will Total $2.5T in 2026” (01/15/26) Gartner Says Worldwide AI Spending Will Total $2.5T in 2026

艦船運用試験、現場組織の参画とデジタルツール活用を GAO勧告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は1月15日、海軍艦船の運用試験において、現場組織の参画不足とデジタル試験基盤の未整備が、試験の適時性と有用性を阻害しているとする報告書を発表した。GAOは、艦船運用に携わる艦隊組織が試験計画に一貫して関与しておらず、現場のフィードバックを得ず評価していることを指摘した。また、デジタルツインなどの技術の活用により、実地試験前に問題を発見・対処することで時間と費用を節約できるものの、こうした技術の開発・維持に関する包括的計画が欠如していると分析した。さらに、ミサイル攻撃から艦船を守る自衛システムの試験に使用する老朽化した自衛試験艦(self-defense test ship)の代替計画が不明確であることも問題視し、海軍に対し、現場組織の試験計画への参画確保、自衛試験能力の維持計画策定、デジタル試験基盤への投資計画確立の3項目を勧告したが、海軍は第1項目に反対、第2項目に部分的同意、第3項目に同意する姿勢を示している。 GAO “Navy Shipbuilding: Improving Warfighter Engagement and Tools for Operational Testing Could Increase Timeliness and Usefulness” (01/15/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-108781

米国医学アカデミー所長に、ベルタニョッリ氏を選出

米国医学アカデミー(National Academy of Medicine: NAM)は1月15日、モニカ・ベルタニョッリ氏(Monica Bertagnolli)を次期所長に選出したと発表した。2014年から所長を務めたビクター・ズォウ氏(Victor J. Dzau)の後任で、7月1日付で就任し、6年間の任期を務めることになる。外科腫瘍学専門の医師であるベルタニョッリ氏は、これまで国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)や国立がん研究所(National Cancer Institute: NCI)で所長を歴任した。ハーバード医科大学(Harvard Medical School)では指導的役割を果たし、主に臨床データの標準化を図る「mCODE」イニシアチブやNIHの「DataCOUNTS」プログラムを主導するなど、データ駆動型の学習型医療システムの構築に尽力した。また地方や過疎地域の住民による臨床試験への参加促進を提唱するなど、医療の公平性の向上を重視する姿勢を示している。同アカデミーへの女性所長就任は、1970年に前身の医学研究所(Institute of Medicine: IOM)として設立されて以来初で、歴史的な節目となる。 National Academy of Medicine “Monica Bertagnolli Elected President of the National Academy of Medicine ” (01/15/26) https://nam.edu/news-and-insights/monica-bertagnolli-elected-president-national-academy-of-medicine/

国防総省、機密データ保護に向けた新認証制度導入

国防総省(Department of Defense)は1月15日、軍関係者の個人情報を含む機密データの保護強化に向け、サイバーセキュリティ成熟度モデル認証(Cybersecurity Maturity Model Certification: CMMC)の実施を開始したと発表した。すでに2025年11月から導入が進められているこの制度は、同省と契約を結ぶ数千の民間企業を対象に、取り扱うデータを保護するための検証済みのセキュリティ対策の導入を義務付ける厳格な枠組みを確立するものとなっている。具体的には、セキュリティ要件により3段階に区分されており、契約企業は取り扱う情報の重要性やリスクに応じて、要件への適合性を示す年次自己評価や、第三者機関による3年ごとの厳格な認証監査を受けることが義務付けられている。特に、軍人とその家族が長期的な配置転換を行う過程などで、極めて重要な個人識別情報をサイバー攻撃の脅威から守ること目的としており、防衛産業基盤全体における情報管理体制の強化を図る。 Department of Defense “War Department Enacts New Cybersecurity Program to Safeguard Service Member Data” (01/15/26) https://www.war.gov/News/News-Stories/Article/Article/4380469/war-department-enacts-new-cybersecurity-program-to-safeguard-service-member-data/