休止状態の炭素捕獲プロジェクトと関連する発電所が無期限閉鎖に

NRGエナジー社(NRG Energy Inc.)の広報担当者は1月29日、石炭火力発電所から排出される炭素を捕獲する米国内で唯一のプロジェクト(昨年運用休止)と関連する発電所を無期限に閉鎖すると発表した。同社は1月27日、テキサス州のグリッド・オペレーターであるERCOT社に、ペトラ・ノヴァ(Petra Nova)のガス・プラントは6月26日付けで無期限休止となると通知したという。NRGエナジー社の広報担当者は、「本件は一定期間検討された上での判断である。ユニットは、いつの日か炭素捕獲システムが再開された時のために保存される」と述べた。炭素捕獲施設は昨年5月、新型コロナウィルス感染症のパンデミックによる石油価格の崩壊を受け、非経済的となったことから休止された。 Yahoo Fiance “Power plant linked to idled U.S. carbon capture project will shut indefinitely -NRG” (1/29/21)

エクソンモービル社、炭素捕獲及びその他の排出低減プロジェクトに30億ドル投資へ

エクソンモービル社(ExxonMobil)はこれまで、気候変動軽減に向けた十分な取り組みを行っていないと長い間批判されてきたが、2月1日、排出を低減するエネルギー・プロジェクトに向こう5年間で30億ドルを投資すると発表した。最初は、産業プラントから排出される二酸化炭素を捕獲し、貯留するという分野に取り組むという。エクソンモービル社は、「エクソン・モービル低炭素ソリューション(ExxonMobil Low Carbon Solutions)」と呼ばれる新規ビジネスを立ち上げ、世界中で20件の炭素捕獲プロジェクトに取り組んでいると発表した。 New York Times “Exxon Mobil to invest $3 billion in carbon capture and other projects to lower emissions.” (2/1/21)

モルガン・スタンレー社、「2033年までに石炭は米力電力システムから排除される」と予測

モルガン・スタンレー社(Morgan Stanley)によれば、炭素フリーの電力システムが力強く推進される中、2033年までに石炭は米国の電力グリッドから消える見通しである。報告によれば、化石燃料は概ね再生可能資源に取って代わられ、同資源は2030年までに米国の電力の39%、2035年までに55%を供給する見込みである。こうした移行の背景には、ユーティリティ機関に炭素排出の排除を法律によって義務付ける州政府が増えていることが挙げられる。2021年は、天然ガス価格の上昇により、石炭の供給は若干増える見込みであるが、短期的な跳ね返りも、よりクリーンな電力へと向かう世界的なシフトを覆すことはなく、また、バイデン大統領による環境に優しい電力システムへのコミットメントも大きな後押しとなることが予測されている。 Bloomberg “https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-02-01/coal-to-exit-from-u-s-power-system-by-2033-morgan-stanley-says” (2/1/21)

中国人学生を対象とした米国のビザ制限に関する評価

大統領府は2020年5月、過去に中国の「軍と民生の融合(military-civil fusion: MCF)」戦略を実践もしくは支援した中国機関に関連性を持つ中国人の大学院生及び研究者が米国の大学で勉強もしくは働くことを禁止する布告(Proclamation)を行った。セキュリティ・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology: CSET)は今般、本件について「中国人学生に関する米国のビザ制限の範囲の評価(Assessing the Scope of U.S. Visa Restrictions on Chinese Students)」と題する報告書を発表した。報告書は、「布告は、主要な条件及び概念が定義されていないことから、その範囲が不明となっている」とした上で、布告に関する仮定を提示した上で、「布告によって、米国のSTEM修士課程に入学する中国人学生の5分の1(年間3,000~5,000人)が影響を受ける」と試算している。 Center for Security and Emerging Technology “Assessing the Scope of U.S. Visa Restrictions on Chinese Students” (February 2021)

国防総省、レア・アース元素の国内産業基盤強化を目的としたアワードを発表

国防総省(Department of Defense)は、中国以外で最大のレア・アース元素採鉱・加工企業であるライナス・レア・アース社(Lynas Rare Earths Ltd)に対し、国防生産法(Defense Prodcution Act: DPA)3条(Title III)に基づく技術投資契約を発注した。軽レア・アース元素(light rare earth element: LREE)の国内加工能力を確立することが狙いで、LREEは、様々な国防及び商業利用に重要な物質である。本プロジェクトが完了すると、ライナス社はレア・アース元素の酸化物について、世界供給量の約25%を生産することになる。ライナス・レア・アース社は子会社を通じて、テキサス州ホンドにLREE分離能力を有する施設を建設する。国防総省は、本プロジェクトに3,040万ドルを拠出する。 Department of Defense “DOD Announces Rare Earth Element Award to Strengthen Domestic Industrial Base” (2/1/21)

国防総省、オンラインAIマーケットプレイス構築を発注

国防総省(Department of Defense)は、人工知能(AI)調達のためのオンライン・マーケットプレイスの創出において、大きな一歩を踏み出した。具体的に、国防総省傘下の合同人工知能センター(Joint Artificial Intelligence Center: JAIC)の陸軍契約司令部(Army Contracting Command)が1月20日、同省におけるAI能力の早急な調達及び導入を目的としたオンラインポータルを構築・管理するため、インディアナ・イノベーション研究所(Indiana Innovation Institute: IN3)に代替契約権限(other transaction agreement: OTA)アワードを授与した。契約金額は明らかにされていない。オンラインポータルのプロトタイプは、AI調達に特化し、「トレードウィンド(Tradewind)」と呼ばれることになる。これは、ベンチャーや学術機関が政府と直接つながる経路をもたらし、国防総省が商業的に利用可能な技術を「協調的エコシステム」の一環として購入することが容易になる。 FCW “Pentagon awards OTA for online AI marketplace” (2/1/21)

カリフォルニア州自動車省、バイドゥ社に無人走行自動車試験走行を認可

カリフォルニア州自動車省(California Department of Motor Vehicles: DMV)は1月27日、バイドゥUSA社(Baidu USA LLC、百度社)に、無人走行自動車をサニーベイル地域の公道を試験走行させることを認める認可を付与した。バイドゥ社は2016年以来、緊急時用のドライバーを乗車させた上で自動運転車を試験することを認められていたが、今回の認可により、州内サンタクララ郡のサニーベイル内の特定の公道をドライバーが乗車しない形で3台の自動運転車を試験走行することが認められた。州内で無人走行自動車の試験走行を認められたのは、バイドゥ社が6社目。 California Department of Motor Vehicles “DMV authorizes Baidu to test driverless vehicles in Sunnyvale” (1/27/21)

GAO、SBIRに関する調査報告を公表

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は1月29日、「中小企業技術革新制度:3機関が投資企業及びファンドが過半数を占める企業にアワードを提供(Small Business Innovation Research(SBIR): Three Agencies Made Awards to Businesses Majority-Owned by Investment Companies and Funds)」と題する報告書を公表した。2013年以降、ベンチャーキャピタルやヘッジファンド、未公開株式投資会社が所有する中小企業の一部がSBIRに参加できるようになっている。GAOの調査によれば、2019及び2020年度の間に、①3つの連邦機関(国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)、国防総省(Department of Defense)傘下の海軍省(Department of the Navy)、教育省(Department of Education))がこれらの企業にアワードを提供した、②アワードの合計金額は3,160万ドル、③このうち、NIHによるアワードが最多、であった。アワードを提供した理由として、「これらの企業は、民間投資を引き付けていない分野でイノベーションと迅速な研究をもたらす可能性があると確信した」ことが挙げられている。 Government Accountability Office “SMALL BUSINESS INNOVATION RESEARCH: Three Agencies Made Awards to Businesses Majority-Owned by Investment Companies and Funds” (1/29/21)

GAO、「エネルギー省はパフォーマンス計画改善により技術移転強化が可能」と報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は今般、「エネルギー省:パフォーマンス計画の改良によって技術移転を強化できる(Department of Energy: Improved Performance Planning Could Strengthen Technology Transfer)」と題する報告書を発表した。エネルギー省傘下の国立研究所で開発された新たなエネルギー技術をラボから民間企業へ移転させることは必ずしも容易ではなく、「死の谷(Valle of death)」などの障害によって移転が止まる可能性はある。GAOは本報告の中で、エネルギー省は、こうした障害に対処するための策を講じてはいるものの、技術移転努力の進捗状況の測定を改善することは可能であるとした。このうえで、GAOは、エネルギー省に対して、①省内の研究者が技術移転のパートナーを効果的に特定し、協調するために必要なスキルを有しているかを評価し、スキルの溝に対処する研修を提供すること、②技術移転実行計画の目的へ向けた進捗状況を評価するため、客観的で定量的で測定可能なパフォーマンス目標を開発すること、を勧告している。 Government Accountability Office “DEPARTMENT OF ENERGY: Improved Performance Planning Could Strengthen Technology Transfer” (2/1/21)

キム・ブディル氏、ローレンス・リバモア国立研究所の所長に選出

キム・ブディル氏(Kim Budil)がローレンス・リバモア国立研究所(Lawrence Livermore National Laboratory: LLNL)の次期所長に任命された。LLNLを管理するローレンス・リバモア国立安全保障会社(Lawrence Livermore National Security, LLC: LLNS)のシャーレーン・ゼッテル理事長(Charlene Zettel, chair)が1月28日にLLNLの職員向けに発表した。ブディル氏は3月2日付けで所長に就任する。同氏は、1952年に設立された同研究所の13代目所長となり、また女性初の所長となる。LLNSの社長(president)も務める。同社長及びLLNLの12代所長を務めていたビル・ゴールドスタイン氏(Bill Goldstein)は昨年7月に退任の意向を表明していた。ブディル氏は、そのキャリアを通じて、LLNL及びカリフォルニア大学(University of California)全般で様々な任務を務めていた。所長に任命される前は、LLNLの兵器及びコンプレックス統合(Weapons and Complex Integration)の首席副所長(principal associate director)であった。 News Wise “Kim Budil Selected as Director of Lawrence Livermore National Laboratory” (1/28/21)