「電気自動車はガソリン式自動車よりも走行距離が少ない」との報告

米国経済研究局(National Bureau of Economic Research: NBER)が2月8日に発表した論文によれば、カリフォルニア州における電気自動車(EV)の年間平均走行距離は平均5,300マイルで、全国的なガソリン式自動車の走行距離(同1万2,000マイル)の約半分であること、また、世帯におけるEV充電のための電気使用量は1日当たりおよそ2.9キロワット時で、カリフォルニア州エネルギー委員会(California Energy Commission)の試算(同7~8キロワット時)と比べると大幅に低い。ただし、論文の調査の対象となったEVは2017年度までの3年間の平均で、当時はEVはさほど普及していなかったという点がデータの限界要素として挙げられている。論文は、EVの走行距離がこれほど限定的になっている理由については検討していないが、研究者は、①公共の充電スタンドが少なく、ドライバーは走行距離に不安を感じている、②複数の車を所有する家庭はEVを補助的車としてとらえている、などの考えを提示している。 EE News “Study reveals EV secret: They are driven less than gas cars” (2/8/21)

DARPA、宇宙空間での頑強な製造計画を追求

商業宇宙企業によるロケット発射の成功が勢いづく中、宇宙空間へのアクセスは、政府と民間の双方にとり、より一般的なものとなりつつある。しかし、現代のロケットには、軌道へ運び届ける積載量に限界がある。サイズ上の制約は、環境もしくはミッションの変化に適合できる大規模でダイナミックな宇宙システムを開発及び導入する上で妨げとなっている。こうした問題に対処するため、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は2月5日、「新規の軌道及び月面製造、マテリアル、大規模で効率的な設計(Novel Orbital and Moon Manufacturing, Materials and Mass-efficient Design: NOM4D)」プログラムを発表した。このプログラムは、「NOMAD」と呼称され、宇宙軌道及び月面上での大型構造体の製造を目的として、適合型の地球外製造のパイオニア技術を模索する。 Defense Advanced Research Project Agency “Orbital Construction: DARPA Pursues Plan for Robust Manufacturing in Space” (2/5/21)

DARPA、「ロングショット」プログラムの無人航空車両の設計を開始

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は今般、複数の空対空兵器能力を備えた空中発射式の無人航空車両(unmanned air vehicle: UAV)の開発に取り組む「ロングショット(LongShot)」プログラムの下、ゼネラル・アトミクス社(General Atomics)、ロッキード・マーティン社(Lockheed Martin)、ノースロップ・グラマン社(Northrop Grumman Corporation)に、予備的なフェーズI設計業務の契約を発注した。関与できる範囲を大幅に拡大し、ミッションの有効性を高め、有人航空機のリスクを削減する新規のUAVを開発することが目的である。 Defense Advanced Research Project Agency “DARPA Initiates Design of LongShot Unmanned Air Vehicle” (2/8/21)

パリ気候協定の主要な目標を達成するには諸国は気候誓約を80%強化する必要あり

コミュニケーションズ・アース&エンバイロンメント(Communications Earth & Environment)に2月9日に発表された論文によれば、2015年のパリ気候協定の一環として各国が行った排出削減の誓約は極めて不十分で、気候変動の最も壊滅的な影響を回避するためには、世界は温室効果ガスの排出削減目標を約2倍にする必要があるという。論文によれば、各国が現在行っている誓約を達成したとしても、地球の気温上昇を産業革命前と比較して摂氏2度以下に抑えられる可能性は、わずか約5%である。論文の執筆者は、「世界がより持続可能な軌道に乗るためには、世界的な排出を着実に減少(年間平均約1.8%)させる必要がある。2つと同じ国はないが、その数値は、パリ気候協定下の誓約に比べ、更に約80%以上の野心的な排出削減が必要となる」と述べている。 Washington Post “Countries must ramp up climate pledges by 80 percent to hit key Paris target, study finds” (2/9/21)

気候変動対策を遅らせると数兆ドルの代償を伴うとの報告

政策調査会社のエネルギー・イノベーション社(Energy Innovation)が2月3日に発表した報告書「遅延の代償(The Cost of Delay)」は、気候危機への対策を遅らせれば遅らせるほど、その代償が高くつくことを示している。報告書は、2050年までに温室効果ガスのネットゼロに到達するための2つのシナリオを分析したもので、1つは、米国が脱炭素に向けた積極的な努力を今から開始するとシナリオで、もう1つは2030年まで開始を待つというシナリオ。今から脱炭素の努力を開始すると、その費用は年間3,200億ドルで合計4兆5,000億ドルとなる。2030年まで開始を待つと、その費用は年間7,500億ドルで2050年までに約8兆ドルに達するという。 GIZMODO “Waiting to Address Climate Change Will Cost Trillions of Dollars” (2/3/21)

バイデン政権の気候顧問、「政権チームはユーティリティ機関、自動車メーカーと排出について協議」と発言

バイデン政権のホワイトハウス国内気候変動顧問のジーナ・マッカーシー氏(Gina McCarthy)は、「バイデン政権は、ユーティリティ機関、自動車部門との間で、温室効果ガスの排出削減について協議を始めた」と発言した。この協議は、マッカーシー氏が陣頭指揮を執り、全ての連邦機関が2035年までに米国電力部門の脱炭素化を、そして2050年までに経済全体での脱炭素化を目指すという広範な取り組みの一部である。同氏の最初の主要なタスクは、バイデン大統領が4月22日に世界の指導者を招いて開催する気候サミットの前に、パリ気候協定の下での2030年の排出削減目標を設定することである。 Reuters “Biden team in talks with utilities, car companies about emissions: climate adviser” (2/3/21)

石炭火力発電所、パンデミック下で打撃を受ける

ドイツのポツダム気候影響研究所(Potsdam Institute for Climate Impact Research)が作成し、2月8日付けのネイチャー気候変動誌(Nature Climate Change)に出版された論文「新型コロナウィルス感染症に誘発された電力の低需要と市場勢力により二酸化炭素排出が大きく削減される(COVID-19-induced low power demand and market forces starkly reduce CO2 emissions)」によれば、COVID-19のパンデミックの間、発電に占める石炭の割合は、その他の発電源に比べてより大きく減少した。石炭発電からの移行は、二酸化炭素の世界的な排出に大きな影響をもたらしており、再生可能エネルギーへの世界的なシフトが加速される可能性がある。報告書は、米国、欧州、インドにおける排出と電力需要を分析したもの。 New York Times “Coal-Fired Power Took a Beating During the Pandemic, Study Finds” (2/8/21)

エネルギー情報局、米国の発電混合における再生可能の割合は2050年までに倍増すると予測

米エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)は、「2021年年間エネルギー見通し(Annual Energy Outlook 2021)」を発表し、その中で、米国の発電混合における再生可能資源の割合は、2020年の21%から2050年には42%に増加すると予測している。その成長の大半は、風力とソーラー発電が占める。原子力と石炭火力による発電が減少し、天然ガスによる火力発電の割合は比較的一貫する中、再生可能資源の割合が増加すると考えられている。2030年までに、再生可能資源は集合的に天然ガスを抜いて米国における発電の主要源になるとみられる。 Energy Information Administration “EIA projects renewables share of U.S. electricity generation mix will double by 2050″ (2/8/21)

GAO、「OMBは研究政策委員会設立のための策を講じるべき」と報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は2月3日、「連邦研究グラント:行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)は研究政策委員会設立のための策を講じるべき(Federal Research Grants: OMB Should Take Steps to Establish the Research Policy Board)」と題する報告書を発表した。議会は、2016年に成立した「21世紀の治療法(21st Century Cores Act.)」で、OMBに対し、連邦研究要件に関連する規制の影響について情報を提供し、要件の整理と合理化に関する助言を行う研究政策委員会を設立するよう義務付けた。しかしOMBはいまだ委員会を設立しておらず、委員会の権限は2021年9月30日で失効する。GAOは、議会が研究政策委員会の権限期間を延長することを検討することを提案し、OMB長官は研究政策委員会を設立し、委員会の活動を議会へ報告するよう勧告している。 Government Accountability Office “FEDERAL RESEARCH GRANTS: OMB Should Take Steps to Establish the Research Policy Board” (2/3/21)

「米国のトップAIスタートアップに投資する企業投資家」報告

セキュリティ・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology: CSET)は今般、「米国のトップAIスタートアップに投資する企業投資家(Corporate Investors in Top U.S. AI Startups)」と題する報告書を発表した。米国の人工知能(AI)スタートアップのエコシステムにおいて、企業投資家は重要なプレイヤーとなっており、米国のトップAIスタートアップの71%に資金を投じている。報告書は、上位の企業投資家及び企業の資金を受益するスタートアップのトレンドについて分析を行っている。 Center for Security and Emerging Technology “Corporate Investors in Top U.S. AI Startups” (February 2021)