バイデン政権、胎生組織研究に関する規制を撤廃

バイデン政権は、人工中絶による人間の胎生組織を使った医療研究への連邦資金を禁止したトランプ前政権の措置を撤回する。国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は4月16日付けの通知で、NIH内部の研究者によるこうした研究と、外部研究者からの資金要請の障害となっていた一連の倫理審査の双方を撤廃することを発表した。厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)のハビエル・ベセラ長官(Xavier Becerra)は、特別な審査を必要とする新たな倫理的問題はないと判断したという。 Science “Biden administration scraps human fetal tissue research restrictions” (4/16/21)

NIH、新たなインフルエンザ研究ネットワークに資金拠出

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)傘下の国立アレルギー・感染症研究所(National Institute of Allergy and Infectious Diseases: NIAID)は、インフルエンザの自然史(natural history)、感染、病原性について研究し、インフルエンザの発生に対処する国際研究インフラを提供することを目的として、新たな研究所ネットワークを確立した。このプログラムは、「インフルエンザの研究と対応のためのセンター・オブ・エクセレンス(Centers of Excellence for Influenza Research and Response: CEIRR)」と呼ばれ、NIIADによる大学や研究病院など5つの機関への契約を通じて7年間の支援を受ける予定である。初年度の契約は合計約2,400万ドル。CEIRRは、これまでの「インフルエンザの研究と偵察のためのセンター・オブ・エクセレンス(Centers of Excellence for Influenza Research and Surveillance: CEIRS)」(今年3月31日に契約終了)の後続プログラムとなる。 National Institutes of Health “NIH funds new influenza research network” (4/14/21)

2035年までに全ての新車が電気自動車になる可能性あり

カリフォルニア大学バークレー校(University of California at Berkeley)が発表した報告書「バッテリーの価格急落と劇的な向上が、クリーン輸送の未来を加速(Plummeting Costs & Dramatic Improvements In Batteries Can Accelerate Our Clean Transportation Future)」によれば、技術とバッテリーの急速な進展により、2035年までに米国内で販売される全ての新車が電気自動車になる可能性があり、これにより、自動車保有者は数兆ドルを節約できるほか、気候危機を鈍化させる努力に大きな弾みがもたらされるという。報告書は、「2035年に全ての新車が電気自動車になる」というターゲットを達成するためには、政府の介入が必要であることを明確に示しており、通常通りの政策では2035年に電気自動車となる割合はターゲットの半数以下と予測している。このため、まず電気自動車購買を推進するためのインセンティブが必要であり、その後、急速充電インフラの早急な整備が必要となるとしている。 Guardian “Advances mean all new US vehicles can be electric by 2035, study finds” (4/15/21)

NSF、高インパクト研究を増強させることを目的とした「高額研究ビジョン同盟」を始動

米国の経済競争力は、科学的及び技術的発見のペースと直接結びついており、それには、持続的かつ長期的な支援と敏捷性が求められる。米国が研究とイノベーションの最前線と世界経済のリーダー的位置づけを維持できるよう、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の工学総局(Directorate for Engineering)は4月7日、「工学研究ビジョン同盟(Engineering Research Visioning Alliance: ERVA)」を始動した。ERVAは、工学コミュニティの声をまとめ、社会に恩恵をもたらす革新的研究の機会と優先事項を特定することに取り組むもので、この種の組織としては初のものとなる。ERVAは、NSFから5年間で800万ドルの助成金を受益する。 ERVA “NSF launches Engineering Research Visioning Alliance as Force Multiplier for High-Impact Research” (4/7/21)

バージニア州、州全体でIoTサイバーセキュリティ・コンペを実施へ

バージニア州のラルフ・ノーサム知事(Ralph Northam)は4月13日、バーチャル式に行われた「スマート・シティ・コネクト(Smart Cities Connect)」会議の初日に講演し、州全体で「モノのインターネット(IoT)」機器を保護するサイバーセキュリティ・ソリューション設計コンペを開始すると発表した。同知事によれば、コンペは、バージニア州の州サイバー・イニシアチブ(Commonwealth Cyber Initiative)を通じて行われ、大学教員、大学生、大学院生が対象となる。参加者は、新たなイノベーションに関してサイバーセキュリティ専門家と協力して取り組み、勝利チームは製品を市場化するための支援を受けることができる。コンペは5月3日に正式に開始され、18か月間の予定で行われる。ノーサム知事は講演の中で、IoT機器の大規模な普及が予想されているが、こうしたコネクティビティにはサイバーセキュリティ上の課題が伴うと述べた。 Smart Cities Dive “Virginia launches statewide IoT cybersecurity contest” (4/14/21)

米国のR&D支出は2018年に510億ドル増の6,060億ドルに到達

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の国立科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)が発表したデータによれば、米国内で2018年に実施された研究開発(R&D)支出は合計6,061億ドル(前年比510億ドル増)であった。また、2019年は6,560億ドルとなる見通しである。米国におけるR&D支出は、2010-17年に大幅な増加を示し、同期間における前年比の平均は210億ドル増であった。これは、2008-2010年に大不況(Great Recession)の影響で実質ほぼ横ばいであったのと対照的である。インフレ調整後の数値で見ると、米国のR&D支出の年間平均成長率は、2010-2018年は3.3%で、国内総生産(GDP)の成長率(2.3%)よりやや高い。また、米国のR&Dの対GDP比は、2018年は2.94%で、2019年は3.06%と試算されている。 National Center for Science and Engineering Statistics “U.S. R&D Increased by $51 Billion, to $606 Billion, in 2018; Estimate for 2019 Indicates a Further Rise to $656 Billion” (4/13/21)

DARPA、プログラムを外国や悪質なインサイダーの影響から保護する契約事業者を模索

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、DARPAによる取り組みが悪質な内部者や外国の干渉から保護されることを確実にするための契約事業者を必要としている。最近発表された「DARPAプログラム安全保障サービス(DARPA Program Security Services)」と題した情報の要請(Request for Information: RFI)によれば、DARPAは、プログラムの安全保障を支援する契約事業者を模索しており、その市場調査の第一段階に入った。プログラム安全保障サービス契約は、プログラム安全保障代表者(program security representative: PSR)に焦点が当てられている。PSRは、最高のシークレット・クリアランス(secret clearance)(最高機密の取り扱い許可)を持つ者で、様々な機密情報及び情報セキュリティ・レベルで業務する能力を有する。このポジションは、慎重を要するデータが、セキュアで適切な人物とのみ共有され、内部の脅威によって漏洩・改ざんされることがないよう確実にするため、DAPRAの研究者やパートナー向けのセキュリティ・プロトコルを開発するなどする。 Nextgov “DARPA Needs Help Securing Its Programs From Foreign Influence and Malicious Insiders” (4/12/21)

バイデン政権、中国人民軍の兵器開発を援助している中国企業に輸出管理を適用

バイデン政権は4月8日、「核兵器及びその他の先端軍事兵器の開発の助けとなるスパコンを構築する中国政府の取り組みに関与している」として、中国の企業及び政府研究所の合計7機関を、米国輸出管理の対象とした。商務省(Department of Commerce)の高官によれば、これら7機関は全て、エクサスケール・コンピュータを含むスパコンの構築及び使用を目的とした中国イニシアチブに関与している。中国の一連の事業体を商務省の「事業体リスト(Entity List)」に加えるという措置は、トランプ前政権下に始まった取り組みだが、政権交代で時間切れとなり、残りの事業体の承認は次の政権へ委ねられていた。今回の発表はその責任を果たしたことになる。 Washington Post “Biden administration slaps export controls on Chinese firms for aiding PLA weapons development” (4/8/21)

CBO、製薬業界における研究開発について報告

議会予算局(Congressional Budget Office: CBO)は今般、「製薬業界における研究開発(Research and Development in the Pharmaceutical Industry)」と題する報告書を発表した。報告書は、処方箋薬の研究開発(R&D)及び新規の処方箋薬を市場へ投入する際の支出のトレンドを分析している他、製薬会社がどの程度R&Dに資金を投入するかを決定する要素についても調査している。R&D及び新規医薬品の市場投入に関する支出は、いずれも過去20年間に増加した。また、製薬会社がR&Dにどのぐらいの資金を投じるかは、予想される売上額、予想される開発費、医薬品の需給に影響する政策によって決定されるという。 Congressional Budget Office “Research and Development in the Pharmaceutical Industry” (4/8/21)

宇宙軍、技術の開発と入手を監督する新たな司令部を設立へ

米宇宙軍(U.S. Space Force)は4月8日、ロサンゼルスに宇宙システム司令部(Space Systems Command: SSC)を設立する計画の詳細を発表した。同司令部は、次世代技術の開発と、衛星及び発射サービスの調達を監督する。SSCは、宇宙及びミサイル・システム・センター(Space and Missile Systems Center)と宇宙軍の発射部門が現在行う責務を引き継ぐ。これにより、SSCは約1万人の労働力を監督することになる。政府高官によれば、新たな司令部(SSC)は、宇宙及びミサイル・システム・センターを改称するだけではなく、米軍全般の宇宙プログラムを調整するより広範な責務を持つ。SSCは今夏の立ち上げを予定しているが、具体的なスケジュールは、バイデン大統領が指名する中将司令官が上院に承認される時期次第である。 Space News “Space Force to establish a new command to oversee technology development and acquisition” (4/8/21)