米国銀行、ビジュアルAIツールを導入して顧客と社員をモニター

10名以上の銀行及び技術の関係者がロイター社(Reuters)に語ったところによれば、米国内の複数の銀行が、顧客の好みを分析し、社員をモニターし、ATMの付近に位置する人を見つけるカメラ・ソフトウェアの導入を開始している。その一方で、銀行は、こうした監視強化に対する反発の可能性も懸念している。既に、シティ・ナショナル・バンク・オブ・フロリダ(City National Bank of Florida)やJPモルガン(JPMorgan)、チェース(Chase)、ウェルスファーゴ銀行(Wells Fargo)といった主要金融機関では、ビジュアルAIツールの試験・導入を行っており、米国の金融機関では、顔認識及び関連AIシステムに対する期待を高めている。厳格な規制の対象となる銀行部門でビジュアルAIツールが広範に利用されれば、他の部門においても同様のツールが普及するきっかけになると考えられている。 Venture Beat “U.S. banks deploy visual AI tools to monitor customers and workers” (4/19/21)

人材不足が組織におけるAI導入遅延をもたらす

人工知能(AI)の人気は高まり続けているが、組織がAIシステムを導入する際に直面する障害が原因となり、AIの慣行と成熟化は停滞している。オライリー社(O’Reilly)が3,500名以上の企業リーダーを対象に行ったアンケート調査の結果報告書、「組織におけるAI導入(2021年)(2021 AI Adoption in the Enterprise)」によれば、技能を有する人材の不足と採用の難しさが、AIにおける試練の1位となっている。回答者の19%が、本件を「大きな障害」としており、人材不足問題が続いていることが明らかになっている。2番目の「大きな障害」には、質の高いデータが欠落している点が挙げられている。また、KPMG社のアンケート調査では、数多くの組織がAI投資を増加させており、それは現在、企業幹部が「早く行動しすぎたのではないか」と懸念するまでになっているという。 Venture Beat “Survey finds talent gap is slowing enterprise AI adoption” (4/19/21)

大統領府、トランプ前政権により気候報告書リーダーに任命されていた科学者を異動

大統領府は、昨年11月に大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)のケルビン・ドログマイヤー長官(Kelvin Droegemeier)(当時)の推薦により、気候変動の影響に関する米政府報告書の作成を監督する役割に選出されていた大気科学者、ベッツィー・ウェザーヘッド氏(Betsy Weatherhead)を、その役割から外し、内務省(Department of Interior)傘下の米国地質調査所(U.S. Geological Survey: USGS)へ異動させた。報告書の研究プログラムを監督するOSTPの高官がウェザーヘッド氏の異動を決定したという。現在、OSTPで気候問題を主導しているのは、ジェーン・ルブチェンコ氏(Jane Lubchenco)である。情報筋によれば、ウェザーヘッド氏と、報告書の方向性に関する研究プログラムに参加する13機関の一部の高官の間で、摩擦があったという。ウェザーヘッド氏は、気候変動の深刻さに疑問を呈する人物ではなかったことから、昨年11月に同氏が報告書の主導者に選出されたことには懸念が出ていた。 Washington Post “White House removes scientist picked by Trump official to lead key climate report” (4/18/21)

DARPA、「月と地球の間の機敏な活動を目的としたロケット実証(DRACO)」のフェーズ1チームを選出

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は今般、「月と地球の間のアジャイルな運用を目的としたロケット実証(Demonstration Rocket for Agile Cislunar Operations: DRACO)」プログラムのフェーズ1を実施する契約事業者を選出した。DRACOプログラムの目標は、2025年に低地球軌道上で原子力エネルギー推進(nuclear thermal propulsion: NTP)を実証することである。今回選出されたのは、ゼネラル・アトミックス(General Atomics)、ブルー・オリジン(Blue Origin)、ロッキード・マーティン(Lockheed Martin)の3社である。アジャイルな運用は、国防総省(Department of Defense)の陸海空活動の中核的な原則であるが、宇宙空間領域では、現行の電力及び化学による宇宙空間推進システムの限界から課題となっている。DRACOのNTPシステムには、こうした限界を克服できる可能性がある。DRACOプログラムのフェーズ1は、2つのトラックで18か月間行われる予定である。 Defense Advanced Research Project Agency “DARPA Selects Performers for Phase 1 of Demonstration Rocket for Agile Cislunar Operations (DRACO) Program” (4/12/21)

代表的なカーネギー研究所本部のカタール政府への売却を巡り、科学界に懸念

カーネギー研究所(Carnegie Institution for Science: CIS)が、ワシントンDCにある本部ビルをカタール政府へ売却するという判断をしたことについて、120年の歴史を持つ組織の再編に対する不満や、運営管理部門に対する不満が勃発しつつある。CISのエリック・アイザックス会長(Eric Isaacs, President)が4月2日に、CISは本部ビルをカタール政府へ売却すると発表したことを受け、140名以上のカーネギーの科学者や学生、スタッフが、アイザックス会長及び評議員会(board of trustees)へ書簡を送り、カタール政府による人権問題を指摘した上で、別の買収者を見つけるよう要請した。しかし、アイザックス会長と評議員会の副委員長であるデイビッド・トンプソン氏(David Thompson)は、「再編には、カリフォルニア工科大学(California Institute of Technology: Caltech)とのグローバルな生態学に焦点を当てた共同作業が含まれ、これらはCISの卓越した科学を促進すると期待している。それへの資金拠出として本売却は必須である」との姿勢である。 Science “Uproar over sale of iconic Carnegie institution headquarters to Qatar exposes deeper tensions” (4/16/21)

スターバックス社、アリゾナ州立大学との協力による「地球と人の前向きな研究施設」を発表

長期的な協力関係を持つスターバックス社(Starbucks)とアリゾナ州立大学(Arizona State University: ASU)は、新たな研究及び迅速なイノベーション施設となる「人と地球の未来のためのASU-スターバックス・センター(ASU-Starbucks Center for the Future of People and the Planet)」を設立し、スターバックス店舗の設計、建設、運営に関する新たな手法の発見に取り組む。同センターは2021年12月にASUのテンぺ校に設立され、「アイデアを行動に移す」という原則の下、ASUの応用研究と大学構内のスターバックス試験店によるエコシステムがこれを支える。初年度は、①より環境に優しい店舗、②食品とウェルネス、③コミュニティの向上、④イノベーション試験店舗、に焦点を当てた活動が行われる。 Starbucks “Starbucks announces new planet and people positive research facility in partnership with Arizona State University” (4/15/21)

バイデン政権、COVID-19変異株対策に17億ドルの投資を発表

バイデン政権は、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の変異株の検知、監視、軽減を向上させるため、米国救済計画(American Rescue Plan)から17億ドルを投じ、疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)や州政府、その他の行政区がより効果的にこれらの変異株に対処できるよう支援する。新興のCOVID-19変異株への対応で重要な要素は、米国内のゲノム・シークエンス(COVID-19のDNAを解読し、致死的となり得る変異を検知するプロセス)を向上させることである。今回発表された資金提供の具体的な内容は、①ゲノム・シークエンスの能力拡大を目的とした10億ドル、②4億ドルのイノベーション・イニシアチブ支援(革新的なゲノム疫学のセンター・オブ・エクセレンスの立ち上げを含む)、③国家バイオインフォマティクス・インフラ(National Bioinformatics Infrastructure)を構築・支援するための3億ドル、となっている。 White House “Fact Sheet: Biden Administration Announces $1.7 Billion Investment to Fight COVID-19 Variants” (4/16/21)

アップル社、パートナーと共に、気候変動への自然ソリューションを加速するため、2,000万ドルの復元基金を開始

アップル社(Apple)は4月15日、「復元基金(Restore Fund)」と呼ばれる炭素排除イニシアチブを発表した。大気中の炭素を排出(吸収)することを目的とした森林プロジェクトに投資を行いつつ、投資家に金銭的リターンをもたらすものである。アップル社は、コンサベーション・インターナショナル社(Conservation International)及びゴールドマン・サックス社(Goldman Sachs)と共に開始するこのイニシアチブに2,000万ドルの基金を拠出し、大気中から年間少なくともの100万メトリックトンの二酸化炭素を排出することを狙いとする。これは、2030年までにバリューチェーン全体で炭素ニュートラルになるというアップル社の広範な目標への取り組みの一部である。同社は2030年までにサプライチェーン及び製品の排出の75%を直接排除する計画であり、この基金は残りの25%に対応する一助となる。パートナーシップは、企業にとって魅力的な形で森林による炭素の吸収という自然のソリューションの可能性を活用することを目指す。 Apple “Apple and partners launch first-ever $200 million Restore Fund to accelerate natural solutions to climate change” (4/15/21)

米国市民権・移民業務局(USCIS)、移民審査の事前処理を自動化

連邦政府の最高技術責任者(CTO)であるロブ・ブラウン氏によれば、米国市民権・移民業務局(United States Citizenship and Immigration Services: USCIS)は、移民審査の事前処理機能を自動化し、移民審査官を支援することを目指している。同氏によれば、自然言語処理は、審査官が名前を拾い集める助けとなり、申請者のストーリーが整合しない際は不正の可能性を警告し、機械学習は、バイオグラフィック及びバイオメトリックのデータを精査してUSCISの恩典給付及に該当する人を特定し、ネットワーク分析によって申請者と雇用主との関係を結びつけることになる。新たなツールは、移民審査における補強証拠を調査し、審査官が申請者に恩典(グリーンカードなど)を付与するかどうかの判断を容易にするものとなる。 Fedscoop “USCIS automating pre-processing of immigration cases” (4/15/21)

サンディア国立研究所のCRADAとライセンス、2000年以来数十億ドルの経済効果を創出

最近発表された報告書によれば、サンディア国立研究所(Sandia National Laboratories)と外部のパートナーによる共同研究開発契約(cooperative research and development agreement: CRADA)及び特許ライセンス合意は、過去20年間にわたり、数十億ドルの経済効果をもたらし、毎年数万件の高賃金雇用を支えた。2000~2010年の間に223社との間でCRADAとライセンス合意が署名され、それは合計959億ドルの経済効果と、2020年までに537億ドルの新製品・サービスの売上につながったと試算されている。更に、2000~2020年の間の売上は、平均して毎年2万600件以上の雇用を支え(20年間で43万4千人以上)、平均給与は6万9千ドルとなっている。 Sandia National Laboratories “CRADAs, licenses lead to billions in economic impact since 2000” (4/15/21)