国立エネルギー技術研究所(NETL)と米国地質調査所(USGS)がレアアース元素の研究を強化する合意に署名

エネルギー省(Department of Energy)傘下の国立エネルギー研究所(National Energy Technology Laboratory: NETL)と米国地質調査所(U.S. Geological Survey: USGS)は、レアアース元素(rare earth element: REE)と重要鉱物(critical mineral: CM)を含有する地質サンプルを共有する覚書(memorandum of agreement: MOA)に署名した。この合意は、両機関におけるREE及びCM研究が強化され、米国がREEの海外への依存から独立しようと取り組む中、クリーンエネルギー技術の重要なコンポーネントの国内製造が将来へ向けて確実に行われる助けとなることが期待されている。NETLは約10年にわたり、内部研究と外部パートナーシップを通じて、新規で非在来型のREE源の国内供給を確保することに向けて取り組んでいる。今回のMOAは、こうした努力の全ての側面に恩恵をもたらし、新規で質の高い大規模データはNETLのREE堆積資源評価手法(REE Sedimentary Resource Assessment Method: REE-SED)に関する研究に特に有益となるとされている。 National Energy Technology Laboratory “NETL, U.S. GEOLOGICAL SURVEY SIGN AGREEMENT TO BOLSTER RARE EARTH ELEMENT RESEARCH” (4/8/21)

CSET、米国のAI労働市場のダイナミクスについて報告

セキュリティ・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology: CSET)は今般、「米国の人工知能労働力:労働市場のダイナミクス(U.S. AI Workforce: Labor Market Dynamics)」と題する報告書を発表した。現在、米国のAI労働力に関する良質なデータが欠落しており、この優れた人材層を増加及び育成することを目的とした政策が最大限に活かされることを拒んでいるという。報告書は、米国のAI労働力の現状に関する新しい分析に基づくファインディングと共に、AI人材不足を巡る継続的な懸念への洞察を提示している。 Center for Security and Emerging Technology “U.S. AI Workforce: Labor Market Dynamics” (April 2021)

米国内初の量子スタートアップ・アクセラレータ「デュアリティ」がシカゴで始動

シカゴ大学(University of Chicago)のポルスキー・アントレプレナーシップ&イノベーション・センター(Polsky Center for Entrepreneurship and Innovation)とシカゴ量子エクスチェンジ(Chicago Quantum Exchange)は4月7日、量子科学及び技術に焦点を当てたスタートアップ企業のみを対象とした、米国内で初めてとなるアクセラレータ・プログラム「デュアリティ(Duality)」の始動を発表した。デュアリティの目的は、量子スタートアップ企業が、ラボと市場の間にある溝を渡ることを支援することである。デュアリティは、ポルスキー・センターとシカゴ量子エクスチェンジが主導し、創立パートナーとしてイリノイ大学アーバナ-シャンペーン校(University of Illinois Urbana-Champaign)、アルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)、P33が参加する。デュアリティは、企業及び学術機関パートナーの広範なエコシステムから、今後10年間に少なくとも2,000万ドルの投資を受け、シカゴ地域で年間最高10社のスタートアップ企業の成長を支援する。 Chicago Quantum Exchange “Nation’s first quantum startup accelerator, Duality, launches at the University of Chicago’s Polsky Center and the Chicago Quantum Exchange” (4/7/20)

ロスアラモス国立研究所、新たなアントレプレナーシップ・プログラムの参加者を募集

先端マテリアルや先端コンピューティング、人工知能、バイオテクノロジー、航空技術を使って国家安全保障の課題の解決に取り組むイノベーターやスタートアップ企業は、ロスアラモス国立研究所(Los Alamos National Laboratory: LANL)による2年間のアントレプレナーシップ・フェローシップに応募することができる。このフェローシップは、ロスアラモス商務・開発コーポレーション(Los Alamos Commerce and Development Corporation)が運営管理する「ニューメキシコ・ラボ組み込み型アントレプレナーシップ・プログラム(New Mexico Lab-Embedded Entrepreneurship Program: NM LEEP)」の一部である。プログラムでは、ニューメキシコ州北部への2年間の移転が含まれ、年間最高10万ドルの給付金、健康保険、渡航費が支給され、各プロジェクトはLANL及びその大規模ネットワークとの共同作業による技術進展支援として年間10万ドルを受益する。こうしたプログラムは、アルゴンヌ(Argonne)、ローレンス・バークレー(Lawrence Berkeley)、オーク・リッジ(Oak Ridge)の各国立研究所でも行われている。 Los Alamos National Laboratory “Embed your start-up in the ‘Secret City’” (4/7/21)

科学同盟、基礎研究への連邦投資の経済効果を分析

科学同盟(The Science Coalition)は4月12日、第4弾となる「経済成長の活性化(Sparking Economic Growth)」報告書を発表した。それによれば、大学研究への連邦資金拠出は、53のスピンオフ企業の誕生をもたらし、約10万人の雇用を支え、2015年から2019年の間に米国の国内総生産(GDP)に13億ドル以上寄与した。報告書は、連邦研究機関と研究大学の間の強力なパートナーシップに根付く企業にスポットライトを当てており、経済成長の活性化や雇用創出、イノベーションの育成を目的とした基礎研究投資の継続的な価値が浮き彫りになっている。 The Science Coalition “The Science Coalition Releases Signature Report Detailing Economic Impact of Federal Investment in Fundamental Research” (4/12/21)

GE、モバイル機器に搭載可能なCOVID-19ウィルス検知センサーを開発

ゼネラル・エレクトリック社(General Electric)は、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)から、表面上にある新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のナノ粒子の存在を検知でき、モバイル機器に埋め込みが可能な小型センサーを開発するための助成を受益した。研究チームによると、「この小型技術には、通常、研究所で見られるような大型の分析機器と同じ検知能力が搭載されている」といい、研究チームは、助成を通じて、これから2年間、指先サイズのセンサーの改良に取り組む。いずれはモバイル機器に組み込まれることが期待されている。 Endgadget “GE is working to put COVID-19 virus-detecting sensors in phones” (4/9/21)

DARPA、低温チップで高性能コンピューティングを強化

高性能コンピューティング(high performance computing: HPC)は、様々な国防応用を実現する重要な要素であり、歴史的にHPCの進展は、新世代の集積回路(IC)技術と、トランジスタ密度や性能、エネルギー効率の向上によって促進されてきた。しかし、「現在、ムーアの法則(Moore’s Law)に基づく拡張の限界に到達しつつあり、コンピューティング性能を向上させるための出力密度を更に拡張することは困難。実行可能なソリューションは、低温コンピューティング(cold computing)である」と、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)のマイクロシステム技術局(Microsystems Technology Office: MTO)では考えている。こうした中、DARPAは、「低温ロジック技術(Low Temperature Logic Technology: LTLT)」プログラムを立ち上げ、HPCにおける効率性の限界を克服することを目的として超低温で作動する機器技術を開発することを目指している。 Defense Advanced Research Project Agency “Heating up High Performance Computing with Low Temperature Integrated Circuits” (4/8/21)

DARPA、量子コンピュータの有用性を定量化する取り組み

万能で無停止型の量子コンピュータの登場は十年以上先かもしれないが、無停止型量子システムへ向けた取り組みで欠けているのは、大型の量子コンピュータが実際に登場した時に、それがどれほど有益もしくはトランスフォーマティブかを定量化する有意義な指標である。国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は今般、量子コンピューティングの進展を測定し、具体的な目標へ向けた現在の研究を促進するための規格標準を提供することを目的として、「量子ベンチマーキング(Quantum Benchmarking)」プログラムを発表した。量子ベンチマーキング・プログラムは、①量子コンピュータの主要な指標の再考、②指標をテスト可能なものとする、③具体的なタスクに求められる量子資源と従来型資源をの試算、により量子コンピュータの有用性を予測することを狙いとしている。 Defense Advanced Research Project Agency “Quantifying Utility of Quantum Computers” (4/2/21)

希少なオープンアクセス量子コンピュータが稼働

エネルギー省(Department of Energy)傘下のサンディア国立研究所(Sandia National Laboratories)で、「量子科学コンピューティング・オープン・ユーザー・テストベッド(Quantum Scientific Computing Open User Testbed: QSCOUT)」を一般が利用できるようになった。量子コンピュータは、今後数十年間で主要な技術的ドライバーとなる位置づけにあるが、そのためには科学者が量子機械を使った実験を行う必要がある。しかし、現在その機械を有している大学や企業はほとんどない。こうした中、科学者はサンディア国立研究所のQSCOUTを利用できるようになった。QSCOUTは、①無料かつオープンアクセスのテストベッドである、②イオン・トラップ型技術で構築されている、③ユーザーの研究に通例以上の管理権限が認められるプラットフォームとなっている、という点で、希少な装置となっている。サンディア国立研究所は先月、インディアナ大学(Indiana University)の科学者向けに最初のユーザー実験を開始している。 Sandia National Laboratories “Rare open-access quantum computer now operational” (3/15/21)

米諜報機関、COVID-19後の世界は気候変動と分裂した社会によって混沌とすると予測

国家情報長官室(Office of the Director of National Intelligence)傘下の国家情報会議(National Intelligence Council: NIC)は4月8日、4年ごとに発表している「世界トレンド(Global Trend)」報告を発表した。それによれば、米国諜報担当高官は、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)に疲弊した世界に希望を見出さず、今後20年間の世界は極めて荒涼としているとの見方を呈した。COVID-19のパンデミックと、気候変動による破壊、そして人々がリーダーに求めるものと実際にリーダーが実施するものの間の溝が拡大することにより、世界は混乱するとみている。諜報コミュニティは長期にわたり、政策策定者と一般市民に対して、パンデミックによって世界の政局と米国の国家安全保障が大きく再形成される可能性があると警告してきた。この報告書は、米国の公式な政策を示すものではない。 Washington Post “Intelligence forecast sees a post-coronavirus world upended by climate change and splintering societies” (4/8/21)