大統領府、トランプ前政権によるH-1Bビザ発給停止措置を延長せず

トランプ前大統領が昨年導入したH-1B就労ビザ発給停止措置が3月31日に失効した。バイデン政権はこれを延長せずに失効させ、その翌日、国務省(Department of State)は、「トランプ前政権の停止措置により拒否されたビザ申請者は、新たな申請書を提出し、再度応募することができる」ことを発表した。また、面接を受けていないビザ申請者は、段階的な再開計画の下、優先的に手続きされる。トランプ政権は2020年6月、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のパンデミックとの関連から、H-1Bビザの発給を停止する大統領令を発布した。トランプ前大統領は10月には、H-1Bビザに関する新たな規制を講じた(本件は12月に、連邦判事によって無効とされた)。 Cnet “Biden lets Trump’s H-1B visa ban expire” (4/2/21)

GAO、感染病原体のゲノム解読について報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は今般、「科学技術スポットライト:感染病原体のゲノム解読(Science & Tech Spotlight: Genomic Sequencing Of Infectious Pathogens)」と題する報告書を公表した。ゲノム解読技術には、我々が感染症を監視、治療する方法を向上させる可能性がある。病原体のゲノム・コードを明らかにすることで、研究者は、的を絞ったワクチンを開発し、ウィルスの新たな変異を追跡することなどができる。より最新のゲノム解読技術はより早くより手頃な費用でできるようになっているが、疾病監視のために広範に使用するには、より多くのラボが高度なインフラを持つこと、人材の訓練が必要となる。また、課題として、初期費用が高いことや疾病感染者のプライバシーの懸念などが挙げられる。 Government Accountability Office “Science & Tech Spotlight: Genomic Sequencing Of Infectious Pathogens” (3/30/21)

レモンド商務長官、オフショア風力発電を進展させる取り組みを発表

商務省(Department of Commerce)のジーナ・レモンド長官(Gina M. Raimondo)は3月29日、バイデン政権のクリーンエネルギー目標を進展させるため、気候危機対策としてのオフショア風力発電の経済的可能性を育成し、よりクリーンなエネルギー雇用を創出する2つの新しいイニシアチブを発表した。一つは、内務省(Department of Interior)とエネルギー省(Department of Energy)と共に、2030年までに米国内に30ギガワットのオフショア風力発電を導入することである。また、国立海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration:NOAA)が、オーステッド北米風力発電社(Ørsted Wind Power North America LLC,)と、米国の領海内で同社がリースしている水域における物理的及び生物学的データを共有することを目的として、合意メモ(memorandum of agreement)に署名した。NOAAは、オーステッド社のデータが、海洋のマッピングと観測における溝を埋め、気象や気候、海洋プロセスのより良い理解につながり、対応力のある海岸コミュニティ及び経済の構築につながることを期待している。 Department of Commerce “U.S. Secretary of Commerce Gina M. Raimondo Announces Efforts to Advance Offshore Wind Power Generation” (3/29/21)

米国学術機関内の科学・工学・医療分野における大学院入学生とポスドク任命のトレンド(2017-2019年)

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の国立科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)によれば、2019年に米国内の学術機関の科学・工学・医療(SEH)分野には40万8,228名の修士課程学生、28万1,889名の博士課程学生、6万6,247名のポスドク研究者、3万349名の博士号取得研究者(非教員)がいた。2017年から2019年の間に、米国学術機関のSEHで高等訓練を受けた学生の数は、修士課程の学生が7.8%、博士課程の学生が4.2%、ポスドクが2.3%、それぞれ増加した。このうち、修士課程学生のほぼ3分の1、博士課程学生の5分の2が、短期滞在ビザ保有者であった(2017-2019年)。2017-2019年に米国の学術機関に入学した留学生の数は、全ての分野と学位で減少したが、SEHの大学院プログラム内で、短期滞在ビザ保有者が減少したのは修士課程学生のみであった。記事はこの他、大学院入学生とポスドクのトレンド、人口動態的トレンド、ポスドクの全体的な増加、学問・研究分野のトレンドなどについて記述している。 National Center for Science and Engineering Statistics “Trends for Graduate Student Enrollment and Postdoctoral Appointments in Science, Engineering, and Health Fields at U.S. Academic Institutions between 2017 and 2019” (April 2021)

NIST、選挙の保護支援を目的とした具体的なサイバーセキュリティ指針を発表

選挙制度に対するサイバー攻撃のリスクを削減するため、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は今般、地域の選挙担当官が、選挙に影響をもたらし得るサイバー脅威へ備え、かつこれに対応することを支援するロードマップとなる、サイバーセキュリティ指針の草案を公表した。草案に対するコメントを5月14日まで受け付ける。発表された「サイバーセキュリティ枠組みの選挙インフラ概要草案(Draft Cybersecurity Framework Election Infrastructure Profile)」は平易な用語で書かれており、米国内の選挙関係者及びサイバーセキュリティ専門家の経験に基づいて作成されている。本文書では、選挙技術の全ての側面をセキュアにするための手法が提示されている。 National Institute of Standards and Technology “To Help Protect Our Elections, NIST Offers Specific Cybersecurity Guidelines” (3/29/21)

「ゼロ排出自動車はエネルギー効率の未来」との報告

米国アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)が今般発表した報告書「2025-2035年における普通自動車の燃費向上のための技術評価(Assessment of Technologies for Improving Light-Duty Vehicle Fuel Economy – 2025-2035)」によれば、ゼロ排出自動車(zero emission vehicle: ZEV)の利用の増加は、2025年から2035年の間に普通自動車(乗用車やライトトラック)のエネルギー効率向上につながる最大の機会を呈しているという。報告書は、ZEVがエネルギー効率の未来、石油削減、温室効果ガス排出削減をもたらす可能性を考慮し、「運輸省(Department of Transportation)、エネルギー省(Department of Energy)、環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)はZEVの開発と導入を促進すべきである」としている。加えて、「米国道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration: NHTSA)が、2035年に予想されるZEVの販売台数にあわせた形で同年の自動車燃費基準を設定すること」を提案している。 National Academies “Zero Emission Vehicles Represent the Future of Energy Efficiency, Petroleum and Emissions Reductions in 2025-2035, New Report Says” (3/31/21)

G7の科学アカデミー、ネットゼロ排出の達成、生物学的多様性減少の逆転、将来の公衆衛生緊急時への準備としてのデータ共有を呼びかけ

7か国首脳会議(G7)の各国の科学アカデミー機関は3月31日、それぞれの政府に対して、①ネットゼロ排出及び気候対応力のある未来の構築、②世界的な公衆衛生緊急時のためのデータ向上、③生物学的多様性の損失の逆転、を目的とした急務の行動を取るよう勧告する声明文を発表した。これらの声明文は、6月に英国で行われるG7サミットでの議論及び継続的な政策策定への情報提供を意図したものである。 National Academies “Science Academies of G-7 Nations Call for Action to Reach Net-Zero Emissions, Reverse Declines in Biodiversity, and Improve Data-Sharing to Prepare for Future Health Emergencies” (3/31/21)

GAO、レムデシビル(抗ウィルス薬)への連邦寄与について報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は今般、「バイオメディカル研究:レムデシビルへの連邦寄与に関する情報(Biomedical Research: Information on Federal Contributions to Remdesivir)」と題する報告書を発表した。レムデシビルは、食品医薬品局(Food and Drug Administration: FDA)が新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の治療薬として最初に承認した医薬品で、元々はギリアド・サイエンス社(Gilead Sciences)により、他のウィルス性疾患の治療薬として開発されたものである。GAOの調査によれば、2013年から2020年の間に、疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)、国防総省(Department of Defense)、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)がギリアド・サイエンス社との臨床前共同研究を実施及びこれへの資金提供を行い、2020年12月現在、レムデシビルを伴う臨床前研究及び臨床試験へ合計約1億6,200万ドルの連邦資金が投じられた。しかし、連邦支援を受けて行われた研究では新たな発見がもたらされなかったため、政府の特許権取得には至っていない。 Government Accountability Office “Biomedical Research: Information on Federal Contributions to Remdesivir” (3/31/21)

GAO、グラント管理に関する報告書を公表

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は今般、「グラント管理:OMBはCOVID-19関連のグラントに関する柔軟性の使用について、その教訓を収集し、共有すべき(Grants Management: OMB Should Collect and Share Lessons Learned from Use of COVID-19-Related Grant Flexibilities)」と題する報告書を公表した。新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のパンデミックはオフィスの閉鎖やその他の措置につながり、組織が連邦グラント資金を獲得・使用するための要件に合致することが難しくなった。これへの対応として、行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)は、連邦機関のグラント管理方法に関する要件について15件の一時的例外措置を発布したが、全て2020年12月までに失効した。これらの措置が、運営管理上の負担を軽減すると同時に無駄や詐欺、悪用を防ぐ最善の方法であったかどうかを判断するため、GAOは、OMBに対して、本件の教訓となる情報を収集し、その結果を共有することを勧告している。 Government Accountability Office “Grants Management: OMB Should Collect and Share Lessons Learned from Use of COVID-19-Related Grant Flexibilities” (3/31/21)

パンデミックによるAI導入が加速

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のパンデミックを受け、連邦政府高官は、人工知能(AI)及びその他の関連新興技術の使用を増加させることを期待している。テキサス州を拠点とするラックスペース・テクノロジーズ社(Rackspace Technologies)が政府を含む様々な産業で1,800名以上のIT意思決定者を対象に行った調査の結果によれば、政府のITスペシャリストの46%が、近い将来、組み込みシステムにAI及び機械学習を使用する計画であると回答した。同様に38%が、分析を向上させるためにAIを利用する計画であるという。ただし、AIの導入はシームレスに行われるわけではない。回答者は、AI及び関連の新興技術を導入及び実践する上で、費用、インフラ、人材発掘が大きな課題であるとの見解を示している。 Nextgov “Survey: Pandemic Accelerating AI Adoption” (3/26/21)