マイクロソフト社、拡張現実ヘッドセットに関する210億ドルの陸軍契約を獲得

米陸軍(U.S. Army)が3月31日に発表したところによれば、マイクロソフト社(Microsoft)に最高210億ドルとなる拡張現実ヘッドセットの契約を発注した。これは、諜報情報を兵士の視野に直接重ね合わせることで、兵士が戦場をマッピングすること、ターゲットを選択すること、潜在的な脅威を認識することを支援することを意図したものである。本件は、「総合視覚拡張システム(Integrated Visual Augmentation System: IVAS)」と呼ばれるシステムで、軍事情報データを配備された兵士により有益なものとするための広範かつ一連の投資の一部である。マイクロソフト社は、代替契約権限(Other Transaction Authorities: OTA)メカニズムの下、数年にわたってIVASの開発に取り組んでおり、協調的なプロトタイプ作成プロセスに従事していた。今回の契約発注により、軍は、その他の競合の入札を求めることなくプロトタイプを大量生産へ早急に拡大することができる。 Washington Post “Microsoft wins $21 billion Army contract for augmented reality headsets” (3/31/21)

連邦の「頭脳流出」は米国の科学的リーダーシップを脅かすとの報告

下院科学・宇宙・技術小委員会(House Science, Space and Technology subcommittee)の公聴会(3月14日)のために民主党スタッフが作成した議会報告書によれば、連邦政府における頭脳流出が覆されなければ、米国の科学的リーダーシップは危険な縮小に陥る可能性があるという。同スタッフが作成した報告書「連邦科学労働力の減少(Decline of the Federal Scientific Workforce)」は、こうした労働力の減少を数値化している。また、政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)が作成した別の報告書も、「連邦機関は、科学技術の速やかな進展を維持するという困難なタスクに直面している」としている。議会スタッフによる報告書は、「重要な連邦科学機関における人員の削減は少なくともオバマ政権による2010年の予算削減時まで遡るが、それらはトランプ政権による連邦科学者及び連邦労働力全般に対するオープンな敵対姿勢によって悪化した」と分析している。 Washington Post “Federal ‘brain drain’ threatens American scientific leadership, new report says” (3/17/21)

インテル社、新たな工場への200億ドル投資と他社向けのチップ生産計画を発表

新しい最高経営責任者(CEO)にパット・ゲルシンガー氏(Pat Gelsinger)を迎えたインテル社(Intel)は3月23日、「未来をエンジニアする(Engineering the Future)」を発表した。ゲルシンガー氏は、①インテル社のチップ生産を第三機関の工場へ更にアウトソースする(2023年より)、②アリゾナ州に建設される2つの新工場に200億ドルを投資する、③「インテル・ファウンドリー・サービス(Intel Foundry Services)」と呼ばれる新部門を設立し、他社向けのチップ生産に着手する、ことを発表した。これらは、インテル社の設計及び製造に関する「IDM2.0」戦略の一環である。同社はまた、次世代の物流・梱包技術の創出に専念するIBM社との新たな研究開発共同作業を発表した(ただし詳細は不明)。 The Verge ” Intel invests $20 billion into new factories, will produce chips for other companies” (3/23/21) …

2020年、地方自治体によるクリーンエネルギー購入は過去最高

ロッキー・マウンテン研究所(Rocky Mountain Institute)と世界資源研究所(World Resources Institute)が4月1日に発表した新たな報告書によれば、米国の地方自治体が2020年に購入した再生可能エネルギーは過去最大となり、南東部州では最も目覚ましいプロジェクトがいくつか実施された。パンデミックの最中でも、80以上の地方自治体が約3.7ギガワットのエネルギー(ほとんどがソーラー及び風力エネルギー)を購入する契約を交わした。これは、前年より約25%多い。報告書の中で、「最も注目に値する」としてリストアップされた都市の半分は、テキサス州からワシントンDCに及ぶ地域に所在する。中でも突出しているのはヒューストン市で、同市は7月に市の事業(信号、警察、空港など)の電力を約500メガワットのソーラー発電からのみ調達することを開始した。これは、米国内で再生可能エネルギーを購入した地方自治体としては最大規模となる。 Energy News “In a record year for clean energy purchases, Southeast cities stand out” (4/1/21)

EPA長官、トランプ前政権が任命した科学諮問委員会委員を解職

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)のマイケル・リーガン長官(Michael Regan)は3月31日、トランプ前政権時に数多くの委員が排除された2つの諮問委員会を再構成すると発表し、その過程で前政権が任命した40名の委員を解職した。対象となるのは、科学諮問委員会(Science Advisory Board)とクリーン大気科学諮問委員会(Clean Air Scientific Advisory Committee: CASAC)で、リーガン長官は「スコット・プリュット元長官(Scott Pruitt)及びアンドリュー・ウィーラー前長官(Andrew Wheeler)の下の不当な政治的及び業界の影響力」を覆す形で再構築するとコメントしている。リーガン長官は、トランプ前政権が行った数多くの措置について、「今後、これらを撤回していく」とも発言しており、これには、2017年10月の内部指示(EPA研究グラントの受益者が同時に諮問委員会の席に就くことを禁止)が含まれる。 The Hill “EPA chief to replace Trump appointees on science advisory panels” (3/31/21)

電気車両とバイオ燃料:バイデン政権下の国防総省はより環境志向へ

国防総省(Department of Defense)は、軍のエネルギー効率を向上させるための様々な提案を検討している。関係者の話によれば、これには、全てを電気車両とする義務付けから、トラックや船舶、航空機による化石燃料の使用を止めることが含まれる。バイデン政権は発足当初から、気候変動対策を優先事項の一つとすることを明確にしており、世界で唯一最大のエネルギー消費者である国防総省は主要な役割を担う。ロイド・オースティン国防長官(Lloyd Austin)は既に、本件で早急に行動することを示唆しており、3月には気候作業部会(Climate Working Group)を設立している。バイデン政権による炭素排出を排除することを狙いとした8カ年の野心的なインフラ計画と足並みをそろえる形で、国防総省は、2030年までに非戦闘車両をすべて電気車両とすること、炭素排出を削減するプロジェクトへ更なる資金を提供すること、施設が気候変動の影響に対抗できるよう強化することを検討していると報道されている。 Politico “Electric vehicles and biofuel: Pentagon poised to go greener under Biden” (3/31/21)

バイデン政権、省庁機関に目標への進捗評価を再開するための新ガイドラインを通達

ホワイトハウスは3月24日、連邦省庁に対し、バイデン政権の目的を反映させた業績目標を策定し、その進捗状況を追跡することを求める要件を正式に復活させた。これは、トランプ前政権が退任直前に実施した政策を覆すものである。バイデン政権は省庁機関に、大統領の優先事項に沿ったそれぞれの目標を立てることを指示した上で、大統領府がそれらを確認すると通達している。行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)のロブ・フェアウェザー長官代理(Rob Fairweahter)が24日にこれらの変更点を記したメモを通達した。同長官代理は、「トランプ前政権が2020年12月に、予算準備の一環として、省庁機関の目標の設定とその追跡を行う要件を排除したことは、連邦省庁機関全体の戦略及び業務計画に混乱をもたらす恐れがある」とコメントしている。 Government Executive “Biden Administration Issues New Guidance Instructing Agencies to Start Tracking Goals Again” (3/24/21)

PG&E社とBMW社、カリフォルニア州内での電気自動車試験プログラムを拡大

パシフィック・ガス&エレクトリック社(Pacific Gas and Electric: PG&E)とBMWグループは、余剰再生可能エネルギーによる電気自動車(EV)の充電に焦点を当てて6年間行ってきたパイロットプログラムを、グリッドの信頼性支援へと拡大することを発表した。フェーズ1で100人のEVドライバー、フェーズ2で400人のEVドライバーを対象に行ってきた本パイロットプログラムのフェーズ3は、約3,000人のEVドライバーを対象とし、「ドライバーに充電時間を変更するよう金銭を支払うことで、どのように電力グリッドのニーズに対応し、余剰再生可能エネルギーを使用する一助とすることができるか」という点について研究する。PG&E社は、BMWと協力し、グリッド支援につながる時間帯に充電するよう奨励する信号を参加者へ送る。参加するドライバーは、スマート充電のためのインセンティブとして、登録時に150ドルを受領し、推奨充電時間に従うことで年間最高250ドルを受領する。 PV magazine “PG&E and BMW expand electric vehicle test program in California” (3/22/21)

CSET、インドのAIの可能性について報告書を発表

インドは、米国にとって重要な戦略的パートナーであると同時に人工知能(AI)の大幅な可能性を秘めた国である。インド政府は、AIベースのイノベーションを活性化させ、AIインフラを構築させる計画を進めており、同国のAI能力の全貌を理解することは重要である。セキュリティ・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology: CSET)は今般、「インドのAIの可能性をマッピングする(Mapping India’s AI Potential)」と題する報告書を発表した。報告書は、インドのAIの可能性について、①人材、②研究、③特許、④AI企業及び投資、⑤クラウド・コンピューティングの5部門に分けて概要している。 Center for Security and Emerging Technology “Mapping India’s AI Potential” (March 2021)

クリーブランド・クリニックとIBM社、医療及び生命科学における発見の加速を目的とした10年間パートナーシップを発表

クリーブランド・クリニック(Cleveland Clinic)とIBM社は、合同センターとなる「発見アクセラレータ(Discovery Accelerator)を設立するための10年間のパートナーシップ計画を発表した。発見アクセラレータは、ハイブリッド・クラウド上の高性能コンピューティング、人工知能(AI)、量子コンピューティング技術の利用を通じて、医療及び生命科学における発見の速度を根本的に進展させることをミッションとする。この共同作業の一環として、IBM社はクリーブランド・クリニックのキャンパス内に、民間セクターとしては初となるオンプレミスの「IBM量子システム・ワン(IBM Quantum System One)」を設置する。また、今後数年以内に、クリーブランド・クリニックは、IBM社による次世代型の1000量子ビットを超える量子システムを利用できるようになる。 IBM “Cleveland Clinic and IBM Unveil Landmark 10-Year Partnership to Accelerate Discovery in Healthcare and Life Sciences” (3/30/21)