「人間の脳の理解と治療法の開発に関する新たな研究モデルは有望ながら、重大な倫理的懸念を呈する」との報告
米国アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)は今般、「人間の神経のオルガノイド、移植、キメラの新興分野(The Emerging Field of Human Neural Organoids, Transplants, and Chimeras)」と題する報告書を発表した。アルツハイマー病などの神経性疾患の治療法が欠落している大きな要因は、人間の脳に関する研究を行うことが困難なためである。動物モデルを使った研究は理解の進展に貢献しているが、こうしたモデルには限界がある。人間の脳を対象とした直接的な研究は原則上はこうした問題を回避できるが、技術/法律/倫理などの側面から実行不可能となっている。こうした中、人間の神経のオルガノイド、移植、キメラを含む新たな研究モデルが開発され、これまで治療が困難とされている脳性疾患の新たな治療の土台作りとなる有望性を示している。しかし、こうしたモデルの進展は、人間と人間以外の動物の境界、福利と動物研究の権利の問題、細胞を研究に使用される人の同意など、様々かつ重大な倫理的懸念を引き起こしている。報告書は、様々な研究形態に対する監督メカニズムについていくつかのファインディングを提示している。 National Academies “New Research Models Offer Promise for Understanding the Human Brain and Finding Pathways to Therapies, But Also Raise Profound Ethical Questions” (4/8/20)