データセンター建設、全米の半数が反対 世論調査

シンクタンクの情報技術イノベーション財団(Information Technology & Innovation Foundation:ITIF)は8月26日、国民の半数近く(46%)が居住地域内のデータセンター建設に反対し、賛成は全体のわずか4分の1にとどまったと発表した。コンサルティングのパブリック・ファースト社(Public First)と共同で実施した世論調査で、調査対象となった10種類の地域開発の中で、データセンターへの支持は26%のみと圧倒的に低く、また未利用地への建設も開発しないよう望む声が49%と開発推進派33%を上回った。党派別でも開発不実施を望む民主党支持層で56%、共和党支持層で44%に達した。背景には人工知能(AI)導入に関する懸念があり、用途をネットバンキングやビデオストリーミングなどに限定した場合は賛成が上回ったものの、AIモデル学習用データセンターに関しては反対(33%)が賛成(31%)を上回った。ITIFは、インフラ建設への反対がAI分野における国の競争力や経済的優位性を損なうリスクがあると警告し、影響が長期的に及ぶ可能性を指摘した。 ITIF “Data Centers Are Americans’ Least Favored Form of Development, New Research From Public First and ITIF Shows” (08/26/26) https://itif.org/publications/2026/08/26/data-centers-are-americans-least-favored-form-of-development/

GAO、国防総省に民間宇宙データの活用改善を提言

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は8月27日、国防総省(Department of Defense)による民間宇宙データ及び関連サービス活用に関して、利用促進に向けた取り組みを改善するよう提言した。同局調査によると、宇宙軍(United States Space Force: USSF)の統合商業運用(Joint Commercial Operations: JCO)部隊は、2023年1月から2025年9月までに民間市場を通じて7,680万ドル規模のデータやサービスを購入し、宇宙領域把握などに活用したが、ライセンス費用や利用制限の認識、長期アクセスに関する懸念から、運用担当者の一部が導入を躊躇(ちゅうちょ)していたことがわかった。また、こうした課題は各部隊による作業部会などでの議論で解決できたはずも、担当者が該当グループに参加しておらず、そもそもこうした部会に関する情報も周知されていなかったことも指摘した。こうした事態を受け、GAOは空軍に対し省庁横断型作業部会の認知度向上と購入済みデータの共有体制強化を求めており同省も対応策を構築していく姿勢を示した。 GAO “National Security Space: DOD Has Opportunities to Improve Its Use of Commercial Data and Related Services” (08/27/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-107959

運輸省、幹線インフラを多用途化した商業回廊構想

運輸省(Department of Transportation)は8月26日、高速道路や鉄道など既存用地を活用し、送電線や光ファイバーケーブル、給水管などを新たに敷設する全国構想「米国の偉大な商業回廊(America’s Great Corridors of Commerce: AGCC)」を発表した。送電網インフラの規模拡大が目的で、既存の交通用地を民間事業者に貸し出し、追加の用地買収回避、コスト削減に加え、環境に関する特例措置を活用した長期審査回避など、許認可手続きを大幅に短縮する。データセンターや先端製造業の拡大に伴う電力・通信需要の急増に対応するもので、同省傘下の米国構築局(Build America Bureau)が主導する。これに伴い、優先回廊を5カ所選定し、事業から得られる賃貸収入は、道路や橋梁、鉄道などの既存インフラの修繕資金に充当する計画である。なお、同構想導入に向け、同省は広く情報を募っており、情報提供期限を9月12日と設定した。 Department of Transportation “Trump’s Transportation Secretary Sean P. Duffy Unveils ‘America’s Great Corridors of Commerce’ to Transform Highways & Railroads into Multi-Use Arteries to Power Economy of the Future” (08/26/26) https://www.transportation.gov/briefing-room/trumps-transportation-secretary-sean-p-duffy-unveils-americas-great-corridors

NSF、3つの科学技術センター新設に9,000万ドル投資

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は8月26日、先端研究と人材育成を目的とする新たな「科学技術センター(Science and Technology Centers: STC)」を3カ所開設し、5年間で総額9,000万ドルを投資すると発表した。1987年に設立されたNSF STCプログラムの一環で、人工知能(AI)やバイオテクノロジー、核融合エネルギー、ロボット工学のイノベーション加速により、技術覇権の維持を図る。採択されたのは、ミシガン州立大学(Michigan State University)が主導するAIを用いた核融合向けの流体制御研究と、ノースウェスタン大学(Northwestern University)によるゲノムDNA構造解析、テキサス大学オースティン校(University of Texas at Austin)の人間とロボットの協調適応研究で、それぞれ年間約600万ドルを配分する。重要・新興技術開発推進を支援し、国家的な利益へと転換することに重点を置く政府による一連の取り組みで、NSFは産業界や政府機関と連携し、研究成果の社会実装を進めていく。 NSF “NSF launches three new Science and Technology Centers with $90M investment in transformative research” (08/26/26) https://www.nsf.gov/news/nsf-launches-three-new-science-technology-centers-90m

NETLとEMSL、重要鉱物と希土類元素確保に向け連携

国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory: NETL)は8月26日、環境分子科学研究所(Environmental Molecular Science Laboratory: EMSL)と共同で、国内における重要鉱物や希土類元素(レアアース)など供給源特定と加工推進に向けた研究開発を開始したと発表した。国内13の鉱床に加えハワイ、アラスカ、プエルトリコなど新たに8ヶ所の地域へ対象を拡大した重要鉱物回収・精製技術開発に向け約6,000万ドル規模のエネルギー省(Department of Energy)の取り組みの一環で、国防や航空宇宙、エネルギー安全保障分野に不可欠な素材の供給網(サプライチェーン)リスクに対応する。具体的には、デューク大学(Duke University)やミシガン州立大学(Michigan State University)、アイダホ国立研究所(Idaho National Laboratory)と連携し、微生物を活用した生物学的バイオマイニング手法により低品位(低含有率)鉱石や鉱物残渣(ざんさ)から効率的に回収する計画で、人工知能(AI)による解析基盤も構築し、国内生産能力の強化を図る。 NETL “NETL and EMSL Collaborating to Advance Sources of Critical Minerals and Rare Earth Elements” (08/26/26) https://netl.doe.gov/node/15577

LLNL、産業界と連携し次世代原子炉燃料の開発を推進

ローレンス・リバモア国立研究所(Lawrence Livermore National Laboratory: LLNL)は8月26日、マイクロ炉スタートアップのアンペラ社(AMPERA)と提携し、次世代原子炉向けの高耐久性燃料の製造に向け、共同事業を開始したと発表した。高温や高照射など厳しい条件下で稼働する先端原子炉用三重被覆層粒子(TRi-structural ISOtropic: TRISO)燃料の原料となるトリウム粒子の製造が目的で、LLNL独自の開発技術を活用し、従来手法では困難だった高精度な球状金属粒子の量産実現に向けて取り組む。資源量が豊富なトリウムは廃棄物発生量が少なく、兵器化が難しいなどの利点があり、基幹系統に依存しない独立電源として期待される小型モジュール炉(Small modular reactor: SMR)向け燃料としての活用が期待されている。特に孤立地域や軍事施設、工業用地などへSMRを通じた安定電力供給を想定し、トリウム供給網確保に向け技術の早期商用化を図るとし、こうした取り組みを通じて、国内エネルギー安全保障の強化に向けて取り組んでいく構えを示した。 LLNL “LLNL partners with industry to advance next-generation reactor fuel” (08/26/26) https://www.llnl.gov/article/54871/llnl-partners-industry-advance-next-generation-reactor-fuel

CMEI、重要鉱物の技術開発に1,000万ドルを支援

エネルギー省(Department of Energy)の重要鉱物エネルギー・イノベーション局(Office of Critical Minerals and Energy Innovation: CMEI)は8月26日、重要鉱物の効率的な回収・精製に向け、初期段階の研究開発を手がける7事業に総額1,000万ドルを交付したと発表した。国内供給網(サプライチェーン)強化に向けた重希土類元素やガリウム、銅などを対象とした技術開発で、同局傘下の重要鉱物イノベーション・ハブ(Critical Materials Innovation Hub)が主導する。採択されたのはケース・ウェスタン・リザーブ大学(Case Western Reserve University)、コロラド鉱山大学(Colorado School of Mines)、アリゾナ大学(University of Arizona)、ファストメタル社(FAST Metals)、インジウム・コーポレーション社(Indium Corporation)、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(University of Illinois Urbana-Champaign)、オークリッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory)で、塩化物系溶融塩電解や抽出技術など製造業向け素材確保手法の開発に取り組む。 Department of Energy “DOE’s Critical Materials Innovation Hub Awards $10 Million for Early-Stage Research and Development” (08/26/26) https://www.energy.gov/cmei/articles/does-critical-materials-innovation-hub-awards-10-million-early-stage-research-and

トランプ大統領、系統システムの外国製機器使用を制限

大統領府は8月26日、サイバー攻撃や妨害工作など外国脅威に対処するため、国内基幹電力系統における外国製電力機器・関連ソフトウェアの購入や設置を原則禁止すると発表した。国際緊急経済権限法(International Emergency Economic Powers Act: IEEPA)及び国家緊急事態法(National Emergencies Act)に基づき、トランプ大統領が国家非常事態を宣言した。AI(人工知能)や防衛生産の急速な成長に伴い、電力供給を支える外国製部品への依存度が高まっていることから、国内基幹電力システムにおける電気機器の安全性を確保する。政府はエネルギー省(Department of Energy)に対し、他省庁と連携してリスクが懸念される機器の特定や具体的な運用規則の策定を進めるよう指示した。また、該当機器がもたらすリスクに対処するための提言策定も求めた一方で、地域送配電設備には適用を見送った。政府は、国内供給網(サプライチェーン)強化を図りつつ、安定した電力供給の維持する方針を示している。 The White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Declares a National Emergency to Secure America’s Bulk-Power System” (08/26/26) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2026/08/fact-sheet-president-donald-j-trump-declares-a-national-emergency-to-secure-americas-bulk-power-system/

スペースX、ルイジアナ州に世界最大宇宙港建設へ

ルイジアナ州経済開発局(Louisiana Economic Development: LED)は8月25日、スペースX社(SpaceX)が同州バーミリオン郡に1,000億ドルを投じ、同社最大規模となる打ち上げ施設(宇宙港)を建設すると発表した。同社にとって全米で4番目の拠点で、新型大型ロケット「スターシップ(Starship)」の運用拠点として、年間数千回の打ち上げに対応する世界最大規模施設となる。2027年に着工し、2029年に初の打ち上げを目指しており、これに伴い、今後10年で平均年収9万2,600ドルの直接雇用3,000人を創出する。また、間接雇用を含め1万1,100人以上の雇用機会を見込むほか、敷地内には5つの打ち上げ複合施設を建設し、各施設に2つの発射台と燃料貯蔵施設を設けるほか、従業員向け住宅も建設する。さらに、州や地域自治体と連携し、環境保護やインフラ整備に向け最大8億2,000万ドル規模の地域税収につなげるとし、同社は「宇宙船を飛行機のように日常的なものにする」と意気込みを見せている。 Louisiana Economic Development “SpaceX Launches New Era of Commercial Spaceflight with $100 Billion Louisiana Campus ” (08/25/26) https://www.opportunitylouisiana.gov/news/spacex-launches-new-era-of-commercial-spaceflight-with-100-billion-louisiana-campus

海軍、新型滑空式対潜魚雷構想を開始

ディフェンス・ニュース(Defense News)は8月26日、海軍が有人機や無人機から投下可能な新型空中発射滑空式魚雷「サイレント・アンビル(Silent Anvil Air-Launched Torpedo: SAA-LT)」の概念実証に向け、民間企業からの情報を募っていると報じた。中国の潜水艦増強に対抗する狙いがあり、9月29日を期限に新開発の滑空式対潜魚雷または既存魚雷へ装着する滑空型誘導キットに関する提案を募集する。高度最大6万フィート、発射速度マッハ最大0.85の高速飛翔に対応し、誘導爆弾装置(Guided Bomb Unit: GBU−39)などの小型航空爆弾(Small Diameter Bomb: SDB)と同等サイズにすることで様々な航空機への搭載を目指す。特に任務遂行に必要な時間のみ水中にとどまる厳密な設計を求めているほか、スタンドオフ(敵の射程圏外からの長距離)攻撃能力向上を図るため、重量268ポンド以下、長さ70インチ以下、直径7.5インチ以下と指定した。なお、選定後18ヵ月以内に試作機を完成し、公開実証から3年以内の180基製造を計画しているという。 Defense News “US Navy’s new anti-submarine torpedo will be a glide weapon” (08/26/26) https://www.defensenews.com/industry/techwatch/2026/08/25/us-navys-new-anti-submarine-torpedo-will-be-a-glide-weapon/