NIST、AIコンソーシアムの取り組みを拡大 新会員を募集 

米国標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology: NIST)は5月29日、2023年に設立した「人工知能(AI)安全研究所コンソーシアム(AI Safety Institute Consortium: AISIC)」の名称を改め「NIST AIコンソーシアム」とするとし、新規参加者の募集を発表した。国の技術優位性戦略の一環で、産業界と連携し、新たに測定科学分野を確立する。AI評価エコシステムの構築など、より優れたAI技術イノベーションやその導入を推進していくとし、評価ツール開発に注力するほか、偽・誤情報への対策では諜報高等研究計画活動局(Intelligence Advanced Research Projects Activity: IARPA)とも連携する。このほか化学・生物安全保障の視点共有など、それぞれ異なる領域に特化した6つのタスクグループを設置して活動を展開していくとし、これに伴い、NISTは関連技術に特化するあらゆる組織からの関心表明を募っている。採択は参加希望書に基づく先着順で行い、既存会員の再申請は必要ないが、今回の内容変更に伴う同意書に署名する必要があるという。 NIST “NIST Expands AI Consortium’s Scope, Calls for New Members” (05/29/26) https://www.nist.gov/news-events/news/2026/05/nist-expands-ai-consortiums-scope-calls-new-members

MIT、量子システム研究所の新設計画を発表

マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)のサリー・コーンブルース学長(Sally Kornbluth)とマサチューセッツ州のマウラ・ヒーリー知事(Maura Healey)は5月28日、次世代量子技術の開発を加速させ、マサチューセッツ州が量子イノベーションにおける米国のハブとしての位置付けを維持できるよう、MITに新たに「量子システム研究所(Quantum Systems Laboratory: QSL)」を設立すると発表した。QSLは、地域における量子開発を促進する共有型利用施設で、産官学の研究者が利用できる。QSLは、MITで既に進行中の量子研究向けに提供された連邦資金の一部に対する同額投資として、州から2,500万ドルの投資が行われ、早ければ今夏にも建設開始が予定されている。州からの投資に加え、MIT独自の資金拠出やトーマス・タル氏(Thomas Tull)による慈善的寄付も行われる。 MIT News “New laboratory at MIT aims to advance quantum research for the nation” (05/28/26) https://news.mit.edu/2026/new-laboratory-aims-to-advance-quantum-research-nation-0528

CEBA、クリーンエネルギー料金制度を概説

クリーンエネルギー購入者協会(Clean Energy Buyers Association:CEBA)は5月21日、「進展を支える電力供給:クリーンエネルギー料金制度の重要な役割(Powering Progress: The Critical Role of Clean Energy Tariffs)」と題する報告書を発表し、電力需要の急騰を受け、規制当局が、信頼性が高く手頃な費用の電力供給の確保に取り組む中、新興のクリーンエネルギー料金制度や大口の商業・産業電力需要者と電力会社の間の協調的取り組みについて紹介した。CEBAは、それらの革新的なソリューションは米国内で広く展開することが可能であるとした上で、その環境を整備する規制当局の果たすべき役割として、①料金制度の中核枠組みを標準化しつつ、柔軟性を維持すること、②電力会社にはタイムリーな費用回収の確実性を保証しながらシステム全体の費用のバランスを図ること、などを挙げている。 CEBA “CEBA Releases Powering Progress: The Critical Role of Clean Energy Tariffs” (05/21/26) CEBA Releases Powering Progress: The Critical Role of Clean Energy Tariffs 参考:Utility Dive “Large-load customers can help commercialize new clean energy technology: CEBA” (05/29/26) https://www.utilitydive.com/news/innovative-customer-utility-agreements-derisk-new-technology-ceba/821402/

州の分散型エネルギー資源系統接続政策、ニューメキシコ州がA評価

州間再生可能エネルギーエネルギー評議会(Interstate Renewable Energy Council: IREC)とボート・ソーラー(Vote Solar)は今般、州政府レベルでの分散型エネルギー資源系統接続政策を分析した報告書「系統接続の開放(Freeing the Grid)」を発表した。その中で、「州政府が、系統接続の審査を合理化し、手数料を削減し、系統接続の申請者と電力会社の透明性を高めることで、分散型太陽光発電及びエネルギー貯蔵の普及をより速く進めることができる」と指摘している。また、各州の政策を分析した上で、系統接続のベストプラクティスの多くを導入しているニューメキシコ州に、唯一の「A」評価を与えた。これに続き、アリゾナ、カリフォルニアなど8州が「B」、コロラド、コネチカットなど16州が「C」、デラウェア、フロリダなど13州及びプエルトリコが「D」と評価され、系統接続の手順を導入していないその他13州が「F」(不合格)となった。 Freeing the Grid “Freeing the Grid” (05/28/26) Home 参考:Utility Dive “New Mexico has the nation’s best DER interconnection policy: report” (05/28/26) https://www.utilitydive.com/news/new-mexico-der-interconnection-irec-vote-solar/821397/

国防総省、ミシシッピー州にドローン試験場建設を模索

ディフェンスニュース(Defense News)は5月27日、米特殊作戦司令部(U.S. Special Operations Command)が、ミシシッピー州にある米航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)のステニス宇宙センター(Stennis Space Center)で既存の試験区域を拡大し、空・海・陸のドローンを対象とした試験場の建設を模索していると報じた。国防総省(Department of Defense)が今月発表した公募によれば、業界、学術機関、国立研究所に対して、「自律的戦闘試験場(Autonomous Warfare Proving Ground)」と呼ばれる設備の構築を要請している。この試験場には、電磁能力が含まれ、いずれは、軍が海底から低地球軌道にまで及ぶ作戦に対応できる試験場となることが想定されている。 Defense News “Pentagon eyes drone testing ground in Mississippi” (05/27/26) https://www.defensenews.com/news/pentagon-congress/2026/05/27/pentagon-eyes-drone-testing-ground-in-mississippi/

フロリダ大学、ハイパーゲーターAIが教育と研究拡大の触媒に

フロリダ大学出版部(University of Florida Press)が5月27日に出版したケーススタディ報告書「AI大学の構築:インフラ贈与からシステム的変革へ(Building an AI University: From Infrastructure Gift to Systemic Transformation)」は、人工知能(AI)インフラへの大型投資がどのようにして、学習指導や研究、人材育成、先端コンピューティングへの州全体のアクセス等を含む大学全体の取り組みとして発展していったかを検証している。例えば、フロリダ大学は、大学における先進的なAIスパコン「ハイパーゲーターAI(HiPerGator AI)」の構築を目的として合計8,500万ドルの投資を受け、AIインフラ整備を、カリキュラム、研究支援、一元的調整、ガバナンス、人材育成プログラムと組み合わせた「7要素モデル」を導入するなどした。その結果、同大学は2025年までに、全16学部でAI指定コースが230以上に拡大し、300名以上の教員が関与し、年間の学生登録者数は1万4,000名を超えたという。 University of Florida Press “Building an AI University: From Infrastructure Gift to Systemic Transformation” (05/27/26) Book Details 参考:HPC Wire “University of Florida Case Study Highlights HiPerGator AI as Catalyst for Education and Research Expansion” (05/28/26) University of Florida Case Study Highlights …
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テックフォース、約200名を採用

トランプ政権は約5カ月前に、連邦政府の技術人材ニーズに対応する解決策として、テックフォース(Tech Force)プログラムを発表したが、テックフォース部長(Tech Force Director)であるケビン・ヘンネッケン氏(Kevin Hennecken)は5月27日、「本プログラムの下、これまでに約200名の採用を決定し、ここ数週間に受け入れ手続きを開始した」と発言した。同部長は、これまでに約10名が配属済みと試算し、来月にはその数が100名以上に上ると予測している。また、夏の終わりまでに300~500名の体制とすることを目標としているという。本プログラムは行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)で一元化されており、主に若手の人材を対象に2年間の任期で採用することを狙いとしている。また、テックフォースを通じて、管理職レベルの人材を業界パートナーから出向させることも検討している。 Fedscoop “Tech Force director says roughly 200 have been hired through the program” (05/27/26) Tech Force director says roughly 200 have been hired through the program

イリノイ州で AI規制を巡る画期的な法律が可決 米政権の統制力が更に弱まる

トランプ大統領が、最先端の人工知能(AI)モデルを審査する権限を連邦政府に認める大統領令への署名を直前になって中止した数日後の5月27日、イリノイ州議会は米国内で最も厳格なAI安全法(SB315)を可決した。J・B・プリツカー知事(J.B. Pritzker)が署名すれば、AI大手企業は公共の安全計画と、自社の先端モデルに関する独立系の第三機関の安全検査結果をまとめた年間報告の提出が義務付けられる(同知事は署名の意向を表明している)。審査の対象となるオープンAI社(OpenAI)やアンソロピック社(Anthropic)は、SB315を支持している。ある専門家は、「州政府によるAI安全法の導入阻止を目指すトランプ大統領を苛立たせるだろう」との見解を示した。 ARS Technica “Trump loses more control over AI regulation as Illinois passes landmark law” (05/28/26) https://arstechnica.com/tech-policy/2026/05/trump-loses-more-control-over-ai-regulation-as-illinois-passes-landmark-law/

EPA、2023年に設定された抗弁規則を撤回

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は5月28日、2025年の連邦裁判所の判断に基づき、2023年にバイデン前政権が設定した抗弁規則(Affirmative Defense Rule)を撤回し、自然災害等の不可避な事象等によって排出制限を超過した製造事業者やエネルギー生産者、その他の施設を対象とした保護措置を復活させると発表した。バイデン前政権は2023年に、固定型発生源向けの連邦大気許可規制から、抗弁規則(不可避な事象のために排出制限を超過した場合、適切な対応をしていた事業者はその法的責任を免れる)条項を削除した。これにより、事業者が合理的に防止できなかった事象において、排出の防止・軽減のためのあらゆる合理的な策を講じた場合でもあっても、事業者が法的責任を負う可能性が生じていた。今回の措置(保護措置の復活)により、施設は、排出の超過が不可避の緊急事態または機器の故障によって生じたものであることを実証すること等が可能になる。 EPA “EPA Withdraws Biden-era 2023 Affirmative Defense Rule, Restoring Protections for Energy and Manufacturing Facilities” (05/28/26) https://www.epa.gov/newsreleases/epa-withdraws-biden-era-2023-affirmative-defense-rule-restoring-protections-energy-and

DARPA、常温保存可能な人工血液の開発加速へ 

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency: DARPA)は5月28日、常温保存可能な人工血液システム開発に向けた「虚血誘発性機能障害の蘇生及び予防(Resuscitation and Prevention of Ischemia-Induced Dysfunction: RAPIID)」事業を立ち上げたと発表した。戦場や救急など医療現場での外傷性出血死の回避に向け、救命機能を提供することが目的で、酸素運搬や止血などの機能を補うバイオ合成成分の開発に成功した前身事業「バイオ人工蘇生製品を用いた出血対策ソリューション(Fieldable Solutions for Hemorrhage with bio-Artificial Resuscitation Products: FSHARP)」に続く取り組みである。従来の輸血用全血製剤は低温保存や短い保存期限といった物流面での課題があったが、同成分開発により今後は臨床試験、規制承認、製造規模の拡大、現場配備用の包装技術開発を進める。事業は36カ月、2フェーズで構成され、2029年度に食品医薬品局(Food and Drug Administration: FDA)から承認を受けることを目指す。現在人工血液成分開発と現地用診断技術で提案を公募している。 DARPA “RAPIIDly transitioning shelf-stable blood substitutes to the battlefield” (05/28/26) https://www.darpa.mil/news/2026/rapiidly-transitioning-shelf-stable-blood-substitutes-battlefield