ロールス・ロイス、インディアナ州防衛生産拠点に10億ドル投資

アクシオス(Axios)は8月7日、ロールス・ロイス社(Rolls-Royce)がインディアナ州防衛生産拠点への10億ドル規模の投資を完了したと報じた。同拠点における製造・組立・試運転施設の改修・拡張向けで、国防総省(Department of Defense)による防衛生産強化の要請や、陸軍の次世代航空機(MV-75)、空軍の新型長距離爆撃機(B-52J)、海軍の無人給油機(MQ-25A)向け推進システムなど受注案件の拡大に対応する。投資額のうち6億ドルは2021年までに完了した先進製造設備整備に充てられ、残り4億ドルは新たなエンジン試運転インフラの建設に投じられた。同社は2001年以来、インディアナポリスの同社工場で1万4000基以上のエンジンを生産し、ロッキード・マーティン社(Lockheed Martin)製軍用輸送機(C-130J)やベル・ボーイング垂直離着陸機(V-22)に搭載してきた実績があり、今回の環境整備によりさらなる需要増に対応していく計画で、実用化に向け、より迅速かつ効率的な実証を行えるよう体制を整えたと強調している。 Axios “Rolls-Royce bets big on Indiana for defense production” (08/26/26) https://www.axios.com/2026/08/26/rolls-royce-indiana-military-engines-reindustrialize

データセンター急増でガス火力発電開発が急拡大

シンクタンクのグローバル・エネルギー・モニター(Global Energy Monitor: GEM)は8月、データセンター向け国内ガス火力発電計画容量が2026年上半期にほぼ倍増したと発表した。2025年の97 ギガワット(GW)から189 GWに拡大し、開発中の国内ガス火力全体も前回調査比(252GW)から1.5倍増の378GWに達した。うちテキサス州は122GWと全体の3分の1を占め、過去半年で41.4GW増と世界最速ペースでの増加となった。国内で建設中の発電総容量も中国(24GW)の2倍となる76%増の52GWに達し、世界最大となった。一方でガスタービンの世界的な供給不足により納期遅延が発生しており、開発業者はレシプロ(ピストン)エンジンや小型航空機転用型エンジンなどの代替調達を加速している。こうした機器は複合サイクル発電所よりも効率が悪く、排出量も多いため環境負荷が懸念されているほか、資金調達の不確実性や地域での建設一時停止措置などから、GEMは今後の建設規模はなお不透明とも指摘している。 Global Energy Monitor “U.S. gas power proposals tied to data centers nearly double in six months” (August 2026) https://globalenergymonitor.org/research/us-gas-power-proposals-tied-data-centers-nearly-double-six-months

エネルギー省、パシフィック・フュージョン社と核・融合技術で協定締結

エネルギー省(Department of Energy)傘下の国家核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)は8月25日、核融合発電を開発するパシフィック・フュージョン社(Pacific Fusion)と官民連携枠組みを確立する連携協定(MOU)を締結したと発表した。同社がニューメキシコ州アルバカーキに建設する研究製造拠点の着工に併せて交わされたもので、世界初の高出力核融合実証施設における核融合高利得(高エネルギー収率)や高エネルギー密度(High-energy-density: HED)分野技術開発を共同で推進する。核抑止力の強化に向けた取り組みの一環とし、NNSAは国家安全保障と技術イノベーション両立に向け、官民が連携して取り組んでいく姿勢を明確に示した。なお、具体的な事業内容や資金提供に関しては別途策定する予定となっている。 Department of Energy “NNSA Signs Memorandum of Understanding with Pacific Fusion as Company Breaks Ground on High-Yield Fusion Research Facility” (08/25/26) https://www.energy.gov/nnsa/articles/nnsa-signs-memorandum-understanding-pacific-fusion-company-breaks-ground-high-yield

NSF、量子技術推進へ2億9,000万ドル投入

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は8月25日、量子技術の飛躍的進展を目指す8つの研究機関に総額2億9,000万ドル超を投資すると発表した。2020年に始動した取り組み「NSF量子飛躍チャレンジ研究所(NSF Quantum Leap Challenge Institutes)」プログラムを拡張するもので、新規3拠点と継続支援を受ける5拠点に、5年間でそれぞれ約2,800万〜3,700万ドルを交付する。産学官の広範な連携を通じた実用的な量子計算や高精度センサーの開発などに加え、疾病の早期発見を可能にする量子センサーや従来技術では検出が困難な微細かつ未確認特性の精密測定技術などの解明に挑むとし、現行技術を超える量子技術イノベーションを推進する。事業は19州36の高等教育機関やエネルギー省(Department of Energy)傘下の国立研究所や30社以上に及ぶ民間企業が参画する一大プロジェクトで、NSFはこれまでの知見を活用し、集中的に取り組んでいくと意欲を示しており、次世代を担う研究者や学生向け5年間の人材育成プログラムも並行して推進する。 NSF “Eight NSF research institutes to propel U.S. quantum science with $290M investment” (08/25/26) https://www.nsf.gov/news/eight-nsf-research-institutes-propel-us-quantum-science-290m

対ドローン省庁間合同タスクフォース発足1年、連携強化へ

ディフェンス・スクープ(Defense Scoop)は8月24日、国防総省(Department of Defense)が主導する省庁間合同タスクフォース401(Joint Interagency Task Force 401: JIATF 401)が、第2回サミットを開催したと報じた。発足1年を迎え、連邦捜査局(Federal Bureau of Investigation: FBI)や国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)など官民200以上の機関が参加して、FIFAワールドカップ大会での1,600機以上の無許可ドローン探知実績などを検証した。近年、無人航空機システム(Unmanned aircraft Systems: UAS)による軍事施設や民間地域への脅威が増す中、JIATF-401は共同監視網の構築に向け、今後は地方警察など一次対応者への権限の移譲とともに、低高度航空領域における探知技術の拡充を優先していくとし、これに先立つ7月1日に、約500人の警察官を対象に訓練を開始したという。2028年のロサンゼルス五輪開催を控え、同タスクフォースは国家安全保障と経済的脅威への対応を一層加速させる方針を示している。 Defense Scoop “One year in, America’s counter-drone task force still has ‘a ton of work to do’” (08/24/26) One year in, America’s counter-drone task force still has ‘a ton of work to do’

財務省、量子サイバー攻撃対策へタスクフォース設置

NEXTGOV/FCWは8月24日、財務省(Department of the Treasury)が量子コンピューターによる暗号解読の脅威から金融機関を保護するため、官民合同の「量子対応タスクフォース(Quantum-Readiness Task Force)」を設立したと報じた。同省と主要7カ国(G7)が共同議長を務めるG7サイバー専門家グループのロードマップに基づく取り組みで、莫大な資金や機密データを保有する経済全体に波及する決済システムを運営する金融機関をハッカー脅威から保護するために、政府関係者や金融機関、IT事業者が連携する。将来の量子暗号解読に耐え得る「耐量子計算機暗号(Post-Quantum Cryptography: PQC)」への移行推進のほか、事前に暗号化データを収集し、将来、暗号解読技術が確立された時点で攻撃を計画するハッカー手法を踏まえ、暗号資産や外部ITベンダーに潜むリスク評価も進める。さらにセキュリティ基準や脅威変化に応じて暗号化方式を置き換える技術も開発するとし、将来向け対策ではなく現代におけるリスク管理策として対応する方針を示している。 NEXTGOV/FCW “Treasury launches task force to prepare financial sector for quantum cyber threats” (08/24/26) https://www.nextgov.com/cybersecurity/2026/08/treasury-launches-task-force-prepare-financial-sector-quantum-cyber-threats/415601/?oref=ng-homepage-river

国防総省、レアアース確保に7.5億ドル投資

国防総省(Department of Defense)は8月24日、レアアース(希土類)など重要鉱物の供給網(サプライチェーン)確保に向け、US SIIE社を通じた7億5,000万ドルの投資について発表した。同省傘下の経済防衛ユニット(Economic Defense Unit: EDU)による総額15億5,000万ドル規模の投資計画の一環で、ブラジルのセハ・ベルジ社(Serra Verde)が同国中部で展開するペラ・エマ・プロジェクト(Pela Ema Project)で生産する混合希土類炭酸塩(Mixed rare-earth carbonates: MERC)のオフテイク契約を支援する。中国依存からの脱却を図り、戦闘機や原子力潜水艦などの防衛装備品やエネルギーインフラに必要なジスプロシウムやテルビウム、ネオジウム、プラセオジムなどを安定確保する計画で、国防兵たん局(Defense Logistics Agency: DLA)による購入枠3億ドルが含まれている。同省は、国内供給網確立により敵対国の独占状態を打破することで国内産業基盤を守りつつ、重要資材の長期的確保に向けた重要な一歩と位置付けている。 Department of Defense “Department of War Announces a $750 Million Investment as Part of a $1.55 Billion Initiative to Secure Critical Rare-Earth Elements From Serra Verde” (08/24/26) https://www.war.gov/News/Releases/Release/Article/4581110/department-of-war-announces-a-750-million-investment-as-part-of-a-155-billion-i/

エネルギー省と中小企業庁、中小企業向け支援で連携

エネルギー省(Department of Energy)と中小企業庁(Small Business Administration: SBA)は8月24日、中小企業向けエネルギー投資(Small Business Investment Company-Energy: SBIC-E)構想を立ち上げた。同省の技術知見とSBAの投資枠組みを組み合わせて民間資金を呼び込む取り組みで、エネルギー生産や人工知能(AI)、重要鉱物といった戦略的分野の技術イノベーションを後押しする。1958年の創設以来、国内中小企業への投資実績が1,470億ドルに上るSBAの枠組みを活用することで、国立研究所発ベンチャーや技術移転プログラムなどのエコシステム参画企業への投資機会も拡大させる計画である。同省は傘下の技術商業化局(Office of Technology Commercialization: OTC)を通じて、開発優先事項を特定し、商業化に向け支援し、投資コミュニティとの連携を図るとし、SBAも化石燃料や原子力、電力技術・インフラを世界最先端に整備する計画で、安全で安価なエネルギー供給を支えていく方針を示している。 Department of Energy “DOE and SBA Launch SBIC-E Initiative to Unleash Private Capital for American Innovation and Small Businesses” (08/24/26) https://www.energy.gov/articles/doe-and-sba-launch-sbic-e-initiative-unleash-private-capital-american-innovation-and-small

留学・報道ビザの滞在期間短縮に労働・教育団体が抗議

米国物理協会(American Institute of Physics: AIP)は8月24日、国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)による留学生や報道関係者らを対象としたビザ滞在期間短縮決定に労働・教育団体からなる連合が提訴したと伝えた。9月15日に発効予定の新規則は、F(学生)、J(交流訪問者)、I(報道者)の各ビザに対し、従来認められていたプログラム期間中の滞在資格を廃止して、最長4年の期限を設けるもので、さらなる継続滞在には延長申請が必要になる。この決定を受け、高等教育機関の教員や留学生、自動車・航空宇宙分野の労働者、ジャーナリストらで構成された原告側が、同省が行政手続法(Administrative Procedure Act)に基づく意見聴取を軽視し、結論ありきで不当に決定したと主張して、提訴に踏み切った。今回の規則変更に対し、同省の広報担当者は訴訟への直接の言及を避けたものの、報道機関による「演出的な過剰反応」と反論している。 AIP “Lawsuit challenges elimination of duration of status” (08/20/26) https://www.aip.org/fyi/the-week-of-august-24-2026

FDA、医療用生成AI機器に医師と同等の能力試験導入を検討

NEXTGOV/FCWは8月20日、食品医薬品局(Food and Drug Administration: FDA)が患者の健康管理などに用いられる生成人工知能(AI)搭載型の医療機器に対し、医師免許試験に類似もしくは医師同様の能力を持つ検証試験の導入について広く意見を求めていると報じた。市販前の評価基準構築に向け、基盤モデルではなく最終成果物を対象に臨床知識や安全性、コミュニケーション能力などを評価する内容で、FDAによる新興技術に対する最新措置となっている。絶えず変化する大規模言語モデルの規制は困難を極めている現状から、特に医療機器規制に適用される技術的、実務的、法的考慮事項など、特定の製品リスク内容に応じたテストの厳格さや実世界データの収集・活用が議論されている。また、生成型AI製品に対する医師免許試験の実施も検討しており、同局はこうした取り組みに関する意見募集を10月19日まで行い、得られた知見を今後のガイドライン策定に役立てると説明している。 NEXTGOV/FCW “FDA considers doctor-like ‘competency-based’ tests for medical generative AI” (08/20/26) https://www.nextgov.com/artificial-intelligence/2026/08/fda-considers-doctor-competency-based-tests-medical-generative-ai/415541/?oref=ng-homepage-river