JAG、連邦資金受給研究の間接費算出モデルを提案

大学、医科大学、病院・医療センター、独立研究機関などを代表する「間接経費に関する合同協会グループ(Joint Associations Group (JAG) on Indirect Costs)」は7月10日、米国大学・研究機関が連邦資金を受給して研究を実施する際に発生する間接費を計算するために連邦政府が使用している現行手法の代替として、連邦議会及び行政府に対し新モデルを提案した。これは、連邦議会から要請を受けてJAGが作成したもので、より簡潔で、説明が簡単で、透明性・効率性を強化した総合的新モデル「研究財務説明責任(Financial Accountability in Research:FAIR)」と呼ばれる。JAGは、2025年4月に検討を開始し、当該分野の専門家を招集して既存の間接経費枠組みの評価を行い、代替候補を検討した。また、4月以降にタウンホールウェビナーを4回開催して、新モデル開発過程の概要説明や新モデル候補の紹介を行い、研究コミュニティからフィードバックを受けてきた。最終案となる「FAIR」は、①困惑・誤解の縮小、②透明性促進、③効率性拡大、の3つを基盤要素としており、JAGが7月15日に開催するタウンホールウェビナーにおいて研究コミュニティに発表される。 Association of American Universities “Joint Associations Group on Indirect Costs Releases Recommendation for Updated, More Efficient, Transparent Research Funding Model” (07/10/25) https://www.aau.edu/newsroom/press-releases/joint-associations-group-indirect-costs-releases-recommendations-f-and-a

ソーラー発電は今夏に1/3増加 EIA見通し

エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)が7月8日に発表した「エネルギー短期見通し(Short-Term Energy Outlook)」によれば、ソーラー発電は今夏以降のエネルギー構成でより大きな割合を占める見通しである。今夏のソーラー発電は1,240キロワット時(kWh)に達する見通しで、これは昨年6~9月の発電量の34%増である。EIAは、「近年は新規容量の増加に伴い、ソーラー発電が急速に成長している。その傾向は今夏も継続する見通しで、2026年夏までには更に19%増の1,470kWhに増加すると予測される。これにより、ソーラー発電は風力発電を上回り、夏季の最大の再生可能発電源となるだろう」との見通しを示している。 Utility Dive “Solar generation expected to rise by a third this summer: EIA” (07/10/25) https://www.utilitydive.com/news/solar-generation-grows-despite-Trump/752677/

国防総省、レアアース採鉱企業の最大株主へ

中国は米国のレアアース輸出の70%を占める(2023年)などレアアース輸出大国であるが、4月にレアアース輸出を制限して以来、米国やその他の国々はその有用性を懸念しつつある。こうした問題に自ら対処すべく、国防総省(Department of Defense)は、MPマテリアルズ社(MP Materials)の株式の15%を取得し、同社の最大株主となることで合意した。MP社は2017年に設立され、現在はネオジム・プラセオジム酸化物鉱物の生産に焦点を当てている。同社は本取引によって得た資本の大半を、米国内で2番目となる生産施設の建設に充当する計画で、同施設は現在「10X」と呼ばれ、磁石に特化した施設となる。MP社は2028年の同施設運用開始を目指し、カリフォルニア州にある同社所有のマウンテン・パス(Mountain Pass)鉱山の補完とする計画である。取引の一環として、国防総省は施設稼働後10年間に亘り、10X施設で生産された磁石を100%購入することに合意した。 Nextgov “Pentagon to become rare earth mining company’s largest stockholder” (07/10/25) https://www.nextgov.com/defense/2025/07/pentagon-become-rare-earth-mining-companys-largest-stockholder/406647/?oref=ng-homepage-river

ウェイモ社の車両がフィラデルフィア市に登場、ただしロボタクシーはまだ先

ウェイモ社(Waymo)の車両がこの夏、フィラデルフィア市内を走行する。これは、同市内での完全な自律走行車サービスヘと展開していく可能性がある。自律走行型ロボタクシーは、アトランタやロサンゼルス、サンフランシスコなどで既に実施されており、ウェイモ社ではその拡大を図っている。同社はまず、フィラデルフィア市内で人間のドライバーを乗せた車両を展開するが、これらの車両は一般向けではなく、同社は引き続き自律走行技術の開発と、市内交通状況の把握を行うことになる。ウェイモ社は、フィラデルフィア市内での自動走行ロボタクシーの試験についてペンシルバニア州運輸省に許認可を申請中であるが、許認可後すぐにドライバーレスのタクシー事業を展開できるわけではなく、安全用ドライバーが同乗した形での試験が実施される。 Axios “Waymo debuts in Philly, but you can’t hail a self-driving robotaxi yet” (07/10/25) https://www.axios.com/local/philadelphia/2025/07/10/waymo-robotaxi-philadelphia-self-driving-vehicles

NIH、長官諮問委員会を解散

トランプ政権は、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)のジャヤンタ・バッタチャリア長官(Jayanta “Jay” Bhattacharya)に助言を行う長官諮問委員会(Advisory Committee to the Director: ACD)を解散したことを発表し、今後、新たな委員を任命して、ACDを再招集するという。ACDは1966年に設立された委員会で、外部の専門家で構成され、遺伝子工学からセクシャル・ハラスメントまで多岐に亘る問題について長官に助言する。NIHの親組織である厚生省(Department of Health and Human Services)は5月下旬に、ACDの10名の委員に任務の終了を伝えたという。関係者の中からは、ACD委員として、多様な見解を求めるよりも、バッタチャリア長官の見解を反映させる人物が選出されるのではないかと懸念する声もある。 NIH director is replacing his top outside advisory board https://www.science.org/content/article/nih-director-replacing-his-top-outside-advisory-board

EPA、ジオエンジニアリングと飛行機雲に関するオンラインリソースを発表

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は7月10日、ジオエンジニアリングと飛行機雲に関する新たなオンラインリソースを発表した。一般市民が持つ疑問と懸念に答えるのが目的であり、ジオエンジニアリングと飛行機雲に関する最新科学、研究、その他の情報についてEPAの知識を全て紹介する。EPAは、いわゆる「飛行機雲」の大気現象の科学的な仕組みについて説明し、数十年に亘って広まってきた噂や誤解にも対応している。今回、特にソーラー・ジオエンジニアリング活動に特化したオンラインリソースも作成している。オンラインリソースは、現行のジオエンジニアリングを取り巻く現在の科学・研究を取り上げており、オゾン層の破壊、作物への悪影響、気象パターンの変化、酸性雨の発生など、環境や人の健康に及ぼす可能性のある否定的な影響も含んでいる。 Environmental Protection Agency “EPA Releases New Online Resources Giving Americans Total Transparency on the Issues of Geoengineering and Contrails” (07/10/25) https://www.epa.gov/newsreleases/epa-releases-new-online-resources-giving-americans-total-transparency-issues

国防長官、「米国による軍事ドローン支配の展開」を通達

ピート・ヘグセス国防長官(Defense Secretary, Pete Hegseth)は7月10日、国防総省(Department of Defense)の上層部、戦闘司令部司令官、国防局ディレクター宛てに、「米国による軍事ドローン支配の展開(Unleashing U.S. Military Drone Dominance)」と題するメモを通達した。これによると、国防総省は、不要な政策と官僚手続きを排除することで、小型で廉価の多数のドローンを、それらを必要とする兵士に提供する計画であるという。また、ヘグセス長官は、米国のドローン産業を支援するトランプ大統領の大統領令に従い、重要技術の生産とアクセスの妨げとなる制約的なドローン・イノベーション政策を廃止するとしている。長官は、本件に関するミッションとして、①新興の米国ドローン製造基盤を強化する、②技術的進展を支え、様々な低費用の米国製ドローンを戦闘部門へ提供する、③戦闘部門がドローンの使用方法について十分な訓練を受けることを確実にする、の3点を挙げている。 Department of Defense “Unleashing U.S. Military Drone Dominance” (07/10/25) https://media.defense.gov/2025/Jul/10/2003752117/-1/-1/1/UNLEASHING-U.S.-MILITARY-DRONE-DOMINANCE.PDF

NSF、主要技術投資の地域経済と雇用創出に関する影響を測定するパイロット事業を拡大

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)技術・イノベーション・パートナーシップ総局(Directorate for Technology, Innovation and Partnerships:TIP)は、NSFアイデア産業(NSF Industries of Ideas: NSF IofI)イニシアチブに今後3年間で1,000万ドルを投資することを発表した。これは、AIを中心とした技術へのTIPによる研究投資が地域経済・雇用成長にもたらした影響を定量的に評価することを目的として、過去2年間に亘ってオハイオ州で行なわれたパイロット事業を拡大するものである。来年はニュージャージー州でのAI投資の影響を評価し、その後の2年間で更にその他の部門と州に拡大する計画である。このイニシアチブは、ミシガン大学(University of Michigan)、オハイオ州立大学(Ohio State University)、ニューヨーク大学(New York University)による共同作業である。 National Science Foundation “NSF expands pilot effort to measure the impact of its key technology investments on regional economic growth and job creation across America” (07/10/25) https://www.nsf.gov/tip/updates/nsf-expands-pilot-effort-to-measure-impact

ARPA-H、脳の機能を修復し、患者の自立復帰を支援

医療高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency for Health:ARPA-H)は7月10日、「新皮質組織の機能修復(Functional Repair of Neocortical Tissue: FRONT)」プログラムを発表した。脳の機能を修復し、米国を脳の修復技術における世界的リーダーとして位置付けるための革新的なイニシアチブである。FRONTプログラムの主要な優先事項として次の点が挙げられている。①慢性疾患対策(脳卒中などによる慢性新皮質脳損傷に関する根治療法の開発)、②経済成長とイノベーション(脳の機能修復によって米経済に年間8,000億ドル(試算)の節約をもたらすなど)、③退役軍人及び兵士の支援(外傷性脳損傷に効果的な治療の開発)、④社会的影響(深刻な脳損傷に苦しみ、日常生活を介護に頼っている数百万人に新たな希望をもたらす)。FRONTプログラムは5年に亘って実施され、革新的ソリューション公募(Innovative Solutions Opening)を通じてプロジェクトを募集する。 ARPA-H “ARPA-H launches program to restore brain function and return patients to independence” (07/10/25) https://arpa-h.gov/news-and-events/arpa-h-launches-program-restore-brain-function-and-return-patients-independence

Natcast、計算用電力・性能・面積改善のための配線材料及び統合プロセスに関する情報を要請

Natcastは、革新的な材料及び統合プロセスに焦点を当てたモノリシック(単一)のバックエンド・オブ・ライン(backend of line: BEOL)配線に関して提案されている研究イニシアチブについて、一般からの情報を模索する「情報の要請(request for information: RFI)」を発表した。トランジスタの密度向上に伴う電力と性能の進展は、BEOL配線の微細化による抵抗(R)と容量(C)の増大によって相殺されつつある。本プログラムの狙いは、配線におけるRC遅延に対処する新規の材料及び統合プロセスについて探究することである。本RFIの主たる目的は、潜在的なオンダイBEOL配線(チップ本体上のBEOL配線)に関するNSTC研究プログラムのR&Dロードマップを形成する一助として、広範な関係機関から洞察や勧告を得ることである。 Natcast “Request for Information: Interconnect Materials and Integrated Processes for Power-Performance-Area (PPA) Improvement in Compute Applications” (07/10/25) Request for Information: Interconnect Materials and Integrated Processes for Power-Performance-Area (PPA) Improvement in Compute Applications