AI技術の進化がサイバー攻撃者を有利にする危険性 CNAS報告

新米国安全保障センター(Center for a New American Security: CNAS)は9月23日、将来の先端人工知能(AI)技術がサイバー攻撃者を有利にし、サイバーセキュリティの攻守バランスを崩壊させる危険性があるという報告書を発表した。ケイレブ・ウィザーズ氏(Caleb Withers)がまとめた報告書「形勢逆転:新興AI機能とサイバー攻撃と防御バランス(Tipping the Scales: Emerging AI Capabilities and the Cyber Offense-Defense Balance)」によると、これまでのAI技術は防御側が新たな脅威に迅速に対応できるよう支援してきたが、自律性が高まる今後の先端AIモデルは、攻撃側に決定的な優位性をもたらす可能性があるという。米中間の競争が激化する中、報告書はAI対応のサイバーセキュリティ政策の強化、防御に特化したAI研究開発への投資、先端AI開発者の情報セキュリティ強化など7つの政策提言を行っており、CNASは、政府の介入なしには高度なAIシステムが攻撃者に危険な優位性を与える恐れがあると警告し、政府の迅速な対応を求めている。 CNAS “New CNAS Report Examines the Threat of Emerging AI Capabilities to Cybersecurity” (09/24/25) https://www.cnas.org/press/press-release/new-cnas-report-examines-how-emerging-ai-capabilities-could-disrupt-the-cyber-offense-defense-balance

非営利団体の2023年度R&D支出、10%増の308億ドル

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は9月24日、国内の非営利団体による研究開発(R&D)支出が2023年度に308億ドルに達し、前年度比10%増加したと発表した。国立科学・工学技術統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics: NCSES)が資金提供し、国勢調査局(Census Bureau)が実施した調査によると、資金源別では連邦政府が124億ドルと全体の40%を占め最大となり、非営利団体の内部資金が84億ドル(27%)と続いた。研究分野別では、生物・生物医学・健康科学が全体の72%を占め、前年度から16%増加した。R&D活動の内訳は、基礎研究が51%(157億ドル)、応用研究が32%(99億ドル)、実験開発が17%(53億ドル)となり、フルタイム換算で14万3,650人がR&D活動に従事していることが明らかになった。また、R&D関連の設備投資は18億ドルと前年度比82%の大幅増を記録し、2020~2023年度の4年間で、内部資金によるR&D支出は40%増加した一方、連邦政府資金は5%の増加にとどまった。 NSF “U.S. Nonprofits Spent $31 Billion on R&D Activities in FY 2023” (09/24/25) https://ncses.nsf.gov/pubs/nsf25355

カリフォルニア州、リサイクル可能なナトリウム電池開発に200万ドル助成

ローレンス・リバモア国立研究所(Lawrence Livermore National Laboratory)は9月24日、カリフォルニア州エネルギー委員会(California Energy Commission: CEC)から地元スタートアップのダーモックテック社(DarmokTech)と共同で、リサイクル可能なナトリウムポリマー電池の開発に3年間で200万ドルの助成金を獲得したと発表した。リチウムイオン電池の代替として、より安定的で費用対効果の高いエネルギー貯蔵実現に向けた取り組みで、同研究所のポリマー化学者であるヨアンナ・シュワルツ氏(Johanna Schwartz)が主導する。具体的には、高分子電解質材料を迅速にスクリーニングできるチップ上高分子研究(Studying-Polymers-On a-Chip: SPOC)技術を活用し、従来の破砕処理を必要としない分解可能な電池設計の開発を進める。リチウムの希少性や液体電解質の発火リスクなどの課題解決に向け、増大するエネルギー需要に対応する送電網向け蓄電池の実用化を図る。プロジェクトは今月から開始され、製造可能で市場投入可能な電池の完成を目指すという。 LLNL “California awards grant to LLNL and DarmokTech to develop recyclable sodium batteries” (09/24/25) https://www.llnl.gov/article/53506/california-awards-grant-llnl-darmoktech-develop-recyclable-sodium-batteries

オクロ社、核燃料リサイクル施設建設に約17億ドル投資

次世代原子力開発のオクロ社(Oklo)は9月23日、テネシー州オークリッジの東テネシー技術パーク(East Tennessee Technology Park)に商業用核燃料リサイクル施設を建設すると発表した。この計画は総額16億8,000万ドルの先進燃料センター建設の第一段階で、800人以上の雇用創出を見込み、2030年代初頭までに同社のオーロラ発電所(Aurora powerhouses)向けの金属燃料生産を開始する予定である。国内の原子力発電所に保管されている約9万4,000トンの使用済み核燃料には相当量のリサイクル可能な燃料が含まれ、石油換算で約1.3兆バレルに相当するとし、この再利用に注力するという。また、約250エーカーの土地に同施設の建設を予定している同社に対し、オークリッジ環境管理局(Oak Ridge Office of Environmental Management: OREM)は、これまでに1,832エーカーを移管しており、年末までにさらに667エーカーの区画の移管を予定している。 Department of Energy “EM Cleanup Paves Way for $1.7 Billion Energy Investment in Oak Ridge” (09/24/25) https://www.energy.gov/em/articles/em-cleanup-paves-way-17-billion-energy-investment-oak-ridge

エネルギー省、AIと原子力推進の「マンハッタン計画2.0」構想を発表

エネルギー省(Department of Energy)は9月24日、人工知能(AI)開発競争での優位性確保と原子力ルネサンスを目指す「マンハッタン計画2.0(Manhattan Project 2.0)」構想を推進すると発表した。同省は、傘下の環境管理局(Office of Environmental Management)によるテネシー州オークリッジやオハイオ州ポーツマスなどの旧核施設跡地活用に加え、ゼネラル・マター社(General Matter)がケンタッキー州パデューカにおける核燃料基地を再建し、先進製造業やAI向けのエネルギー供給を計画している例を挙げ、先進原子炉の建設を進めることにより、過去の核廃棄物処理という負の遺産を、米国のエネルギー革新とAI開発を支える機会に転換していく方針を示した。パデューカでは、環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)やケンタッキー州との連携により規制手続きを90%削減するなど簡素化を実現しており、除染作業を加速させ、土地の早期再利用を可能にすることで、納税者への還元も最大化すると説明している。 Department of Energy “‘Manhattan Project 2.0’: Bradburne Lays Out EM Vision to Support Nuclear Renaissance, AI Race” (09/24/25) https://www.energy.gov/em/articles/manhattan-project-20-bradburne-lays-out-em-vision-support-nuclear-renaissance-ai-race

エネルギー省、気候関連未使用資金130億ドルを国庫に返還へ

エネルギー省(Department of Energy)は9月24日、前政権の気候変動政策に充てられた130億ドル超の未使用資金を国庫に返還すると発表した。トランプ政権が「グリーン・ニュー・スキャム(Green New Scam、環境保護を名目とした詐欺)」と呼ぶ浪費的な支出を停止し、同省の主要任務に集中するという政府コミットメントを反映したものである。具体的に、トランプ政権が同省に対し、肥大化した連邦支出抑制に向け、未使用資金を財務省(Department of Treasury)に迅速に返還するよう指示していたことが背景にある。クリス・ライト長官(Chris Wright)は、今回の資金返還が、より手頃で信頼性が高く安全なエネルギー供給を推進し、税金をより責任を持って管理するという政権の決意を示すものであると強調している。 Department of Energy “Energy Department Returns $13 Billion in Unobligated Wasteful Spending to American Taxpayers” (09/24/25) https://www.energy.gov/articles/energy-department-returns-13-billion-unobligated-wasteful-spending-american-taxpayers

中央軍、部隊への技術配備迅速化へ新特別部隊設立

ディフェンス・ニュース(DefenseNews)は9月24日、中央軍(Central Command: CENTCOM)が部隊への戦闘技術配備を迅速化するため、新たな特別部隊を設立したと報じた。「迅速配備統合特別部隊(Rapid Employment Joint Task Force)」と名付けられた新組織は、60日以内に実戦対応可能な技術を現地部隊に届けることを目標としており、データ統合、兵站(へいたん)、戦闘員統合、資源調達、情報システムなどの専門家を結集した。また、ピート・ヘグセス国防長官(Pete Hegseth)が7月に発表したドローン迅速調達政策支援にむけ、ドローンの迅速調達・配備イニシアチブを支援する役割も担う。国防総省(Department of Defense)は近年、全軍種でドローン技術の統合に重点を置いており、海軍は協働戦闘航空機(Collaborative Combat Aircraft、ドローン)の契約を大手防衛関連企業に発注し、陸軍は短距離無人システム(Short-range unmanned systems)の野外演習統合試験を実施している。 DefenseNews “CENTCOM forms task force to speed delivery of drones, tech to troops” (09/24/25) https://www.defensenews.com/news/your-military/2025/09/23/centcom-forms-task-force-to-speed-delivery-of-drones-tech-to-troops/

パイロット・カンパニー社、全米40州200拠点にEV充電設備設置

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は9月23日、パイロット・カンパニー社(Pilot Company)がゼネラル・モータース社(General Motors)、EVゴー社(EVgo)と協同し、全米約40州で電気自動車(EV)充電設備を200カ所以上開設したと報じた。今回、コロラド、サウスカロライナ、ルイジアナ、ミシシッピ、ノースダコタ、サウスダコタ、ワイオミングの各州で新たに展開し、最終目標とする500拠点2,000充電器設立の約半分に到達したという。特に農村部の公共EV充電インフラ整備に重点を置き、州間高速道路沿いに位置し、全米交通量の20%以上を担う路線に設置する同社のトラベルセンター(給油所)に350キロワット(KW)の急速充電器を設置した。同社のトラベルセンターはコンビニやレストランを併設し、無料WiFiも提供するなど、充電中に利用できるサービスが整備されているほか、互換性のあるEVには、プラグを挿すだけで自動決済できるプラグ・アンド・チャージ(Plug & Charge)機能も導入している。同社は、年末までに40州で1,000スタンドの達成を目指しているという。 Utility Dive “Pilot, GM surpass 200 EV charging sites” (09/23/25) https://www.utilitydive.com/news/pilot-gm-evgo-200-ev-charging-sites/760346/

レボリューション・ウィンド社、洋上風力プロジェクト建設再開へ 

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は9月23日、ロードアイランド州沖の洋上風力発電所、レボリューション・ウィンド社(Revolution Wind)の建設が暫定的な差し止め命令を受けて再開されると報じた。これは、コロンビア特別区連邦地方裁判所のロイス・ランバース判事(Royce Lamberth)が海洋エネルギー管理局(Bureau of Ocean Energy Management: BOEM)に対し、裁判所が正式決定するまで停止命令の執行を禁じる判決を下したことを受けての措置である。8月にBOEMが大統領令に基づく風力発電開発見直しの一環で工事停止を命じたが、判事は事業者側が甚大な損害を受ける可能性があると判断した。オーステッド社(Ørsted)とグローバル・インフラストラクチャー・パートナーズ(Global Infrastructure Partners)のスカイボーン・リニューアブルズ社(Skyborn Renewables)が50対50で出資するこの700メガワット(MW)の計画は、コネチカット州とロードアイランド州に電力を供給する2026年に完成予定の計画で、既に建設の80%が完了している。 Utility Dive “Revolution Wind to resume construction after judge grants injunction” (09/23/25) https://www.utilitydive.com/news/revolution-wind-orsted-offshore-wind-stop-work-trump-construction/760803/

カリフォルニア州 電力価格・山火事に対応するエネルギー法成立 

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は9月23日、カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事(Gavin Newsom)が電気料金上昇、山火事対策、気候資金問題に対処する複数のエネルギー州法に署名したと報じた。これには、キャップ・アンド・トレード(Cap-and-trade)制度を「キャップ・アンド・インベスト(Cap-and-invest)」に改称し、2045年まで延長するAB1207法、西部地域エネルギー市場創設への道筋を示すAB825法や送電線建設とカリフォルニア送電加速化循環基金プログラム(California Transmission Accelerator Revolving Fund Program)設立および180億ドルの山火事対策基金追加を定めるSB254法などが含まれ、クリーンエネルギー支持者らは西部全域のエネルギー市場創設を「約10年間の取り組みの集大成」として評価している。同知事は「電気料金を抑えるために必要なクリーンエネルギーを潤沢に供給するための政策支援」と述べ、クリーンエネルギー関連施設の建設を支援し、電気料金を抑制していく姿勢を新たにしている。 Utility Dive “Newsom signs California energy package into law” (09/23/25) https://www.utilitydive.com/news/newsom-signs-california-energy-package-into-law/760850/