トランプ大統領 核実験再開に意欲も、エネルギー省は反対の意向

CNNは11月15日、トランプ大統領の核実験再開示唆に対し、エネルギー省(Department of Energy)高官らが大統領府と国家安全保障会議と会合を計画し、核実験は非現実的であると大統領に伝える意向と報じた。他国の核実験を理由にした大統領による核実験指示が背景にあり、記事は、実務を行うのは国防総省(Department of Defense)ではなくNNSAであると指摘している。これに先立ちNNSA当局者は、スーパーコンピューターを使った兵器性能評価などに関するメモを作成し、クリス・ライトエネルギー長官(Chris Wright)やブランドン・ウィリアムズ国家核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)長官(Brandon M. Williams)に対して示しており、これにより核弾頭実験のための核兵器爆破を行わないよう誘導していく道筋が定まったとみられる。一方で、同省のベン・ディートリヒ報道官(Ben Dietderich)は、政府の試験拡大の可能性を検討中としつつも、あらゆる選択肢を模索していると述べている。 CNN “Exclusive: Department of Energy officials to meet with White House to tamp down Trump’s idea of explosive nuclear testing” (11/15/25) https://edition.cnn.com/2025/11/14/politics/nnsa-nuclear-testing-white-house-meeting-exclusive

OSTPとNOAAの候補者、上院委員会で承認へ

米国物理協会(American Institute of Physics: AIP)は11月17日、イーサン・クライン氏(Ethan Klein)とティモシー・ペティ氏(Timothy Petty)がそれぞれ科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)副所長と米国海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration: NOAA)副長官に指名され、上院委員会で承認される見通しと伝えた。内務省(Department of Interior)で水・科学担当次官補を務めたペティ氏は、NOAAで海洋研究や気象予測、漁業監視、環境レジリエンスに関する業務を監督する。OSTPの技術政策顧問を務めたクライン氏は、OSTPの職務に加え、米国の最高技術責任者(U.S. Chief Technology Officer: CTO)にも指名され、学民連携モデルの近代化や省庁間の研究開発調整、労働力開発、インフラ・製造・供給網開発の推進を表明した。ジャレッド・アイザックマン(Jared Isaacman)氏の航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)長官再指名に関する公聴会の日程は未定となっている。 AIP “OSTP and NOAA nominees set to advance” (11/14/25) https://www.aip.org/fyi/the-week-of-nov-17-2025

NSF本部、バージニア州アレクサンドリアに移転

一般調達局(General Services Administration: GSA)は11月14日、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)がバージニア州アレクサンドリアの新拠点に移転すると発表した。GSAがNSF新本部に入居する形で、賃貸契約を交わした。グレン・ヤンキン同州知事(Glenn Youngkin)は、NSFが同州域内に拠点を維持した決定を評価し、感謝の意を述べた。今回の移転は、政府の不動産資産を合理化し、両省庁のミッション達成を目指すもので、ブライアン・ストーンNSF長官(Brian Stone)は「特許商標庁(United States Patent and Trademark Office: USPTO)と近接することにより、発見をイノベーションにつなげるという両機関のミッション強化に加え、国家安全保障を支えるという重要使命を果たすための必要なインフラ確保に尽力できた」と述べた。新拠点は公共交通機関へのアクセスもよく、便利であると強調している。 GSA “GSA and NSF Announce NSF Headquarters Relocation to Modern, Right-Sized, and Mission-Ready Space” (11/14/25) https://www.gsa.gov/about-us/newsroom/news-releases/gsa-nsf-announce-hq-relocation-11142025

商務省、AI輸出プログラムの意見募集期間を延長

アクシオス(Axios)は11月18日、商務省(Department of Commerce)が人工知能(AI)輸出プログラムの意見募集期間を延長すると報じた。当初の期限は11月28日であったが、12月13日まで延長が決まった。国際貿易局(International Trade Administration: ITA)が24日に正式に発表する。トランプ大統領の大統領令に基づいた米国技術の海外推進を目的とする同プログラムは、全米商工会議所(U.S. Chamber of Commerce)や情報技術産業協議会(Information Technology Industry Council)を含む業界団体などから称賛を受けつつも、情報提供依頼書(Request for Information : RFI)が扱う内容が海外市場への関与や国家安全保障、政府の支援メカニズムなど広範なことから、関係者とのさらなる対話を通じた充実した対応策が必要とし、15日間の延長が求められていた。ITAは集まった意見をもとにプログラムを形成し、その後、産業主導のコンソーシアムからAI技術パッケージの輸出に向けた提案を新たに公募し、対象企業には政府の財政的支援を提供する予定となっている。 Axios “Exclusive: Commerce extends Trump’s AI exports program deadline” (11/18/25) https://www.axios.com/2025/11/17/trump-commerce-extends-ai-exports-program-deadline

トランプ関税 世界経済に激震

アクシオス(Axios)は11月18日、トランプ大統領の関税政策による世界経済への影響が大きいと報じた。日本経済は第3四半期に年率換算で約2%縮小し、スイスも同期間に国内総生産(Gross Domestic Product: GDP)が0.5%減少するなど、影響が拡大しているという。主な要因は、米国市場への輸出鈍化で、日本では自動車輸出が減少し、スイスでも時計やチョコレートの輸出が急減している。中国は、これまで輸出と積極的な投資で消費者の需要低迷を補ってきたが、10月の輸出は1%以上減少、関税により輸出も投資も落ち込み、経済が弱体化しているとの報道がある。記事は、各国による関税の一部引き下げに合意も、依然としてトランプ政権以前の水準より高く、世界経済にさらに圧力をかけ続ける可能性があると伝えている。また、これらの貿易協定も再び破綻する可能性があり、中国に関しては米国との貿易協定に基づく大豆の購入を調整しているとも指摘した。 Axios “Trump’s tariffs hit the global economy” (11/18/25) https://www.axios.com/2025/11/17/trump-tariffs-ai-china-japan

NIH人事、外部専門家排除で選考プロセスに懸念

サイエンス誌(Science)は11月14日、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)による指導部ポストの選考方式について懸念が広がっていると報じた。NIHは27研究所・センターのうち13カ所の所長職を含む多数の指導部ポスト欠員を埋めようと動いているが、従来の選考委員会方式から逸脱しているという。過去1週間の11のポストにおける求人応募期間はわずか2週間であることに加え、外部科学者の関与が見られず、これは9月初旬から開始された国立精神衛生研究所(National Institute of Mental Health: NIMH)とNIH臨床センター(NIH Clinical Center)所長職の従来の選考プロセスとは異なっている。これまでは専門家による選考委員会が、縁故採用を防ぐ役割を果たしてきたと指摘したが、10月にはジャヤンタ・バタチャリヤNIH所長(Jayanta Bhattacharya)が環境健康科学研究所の所長を、JD・バンス副大統領の親しい友人である神経疫学者に突然交代させた事例が起きており、記事は同学者について、経験に乏しいとも指摘している。 Science “Is NIH cutting corners as it rushes to fill leadership positions?” (11/14/25) https://www.science.org/content/article/nih-cutting-corners-it-rushes-fill-leadership-positions

国防総省は公共アクセスが可能な情報のセキュリティリスクに対処が必要 GAO提言

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は、11月17日に発表した報告書の中で、デジタル革命により、軍人及びその家族や作戦について追跡可能な膨大な量のデータが存在すると警告した。これらの「デジタル足跡(digital footprints)」を集約すると、軍人及びその家族、作戦、ひいては国家安全保障の脅威となり得る。国防総省(Department of Defense)は、公共で利用可能なデータの脅威は増大しているとしており、軍人にそのリスクの情報を伝える策を講じている。GAOは、政策やガイダンスの評価、リスク削減のための協力、デジタル環境に関する訓練の提供等、国防総省に対して12の勧告を提示している。 Government Accountability Office “Information Environment: DOD Needs to Address Security Risks of Publicly Accessible Information” (11/17/25) https://www.gao.gov/products/gao-26-107492

宇宙軍、「2025年ベクター」を発表

米宇宙軍(United States Space Force)は11月14日、「宇宙軍2025年ベクター(Space Force Vector 2025)」を発表した。「ガーディアンズ」と呼ばれる宇宙軍所属隊員が、宇宙軍を形成する主要なガイダンスやイニシアチブ、概念を結びつけられるよう統一的な参照文書となる。2025年ベクターは、計画や戦略ではなく、宇宙軍が今後成熟していく中で維持すべき方向性や勢いを概説したもので、宇宙作戦担当司令官(Chief of Space Operations)のチャンス・サルツマン大将(Chance Saltzman)はこれを「ベクター」と称している。本文書は宇宙軍による形成上の目的(formative purpose)と成功理論(theory of success)を同期化させるもので、宇宙優位性を維持し、先制的で責任ある作戦を通じて衝突を抑止することを狙いとした手法である。加えて、宇宙戦力の構築・準備・導入を構造化した宇宙軍レベルの活動として、勢力の設計(Force Design)・勢力の開発(Force Development)、勢力の生成(Force Generation)、勢力の導入(Force Employment)について概説している。 United States Space Force “Space Force releases Vector 2025” (11/14/25) https://www.spaceforce.mil/News/Article-Display/Article/4331082/space-force-releases-vector-2025/

国防次官(研究・工学担当)、国防総省にとって重要な6つの技術分野を発表

エミル・マイケル国防次官(研究・工学担当)(Emil Michael, Under Secretary of Defenses for Research and Engineering)は、米国の軍事的優位性の未来を定義する6つの重要技術分野(Critical Technology Areas: CTA)を発表した。6つのCTAは、研究・工学の最先端において、兵士に迅速で具体的な成果をもたらし、米国が世界で最も破壊力のある存在であり続けることを確実にすることを意図する。6つのCTAは、①応用人工知能(Applied Artificial Intelligence: AAI)、②バイオ製造(Biomanufacturing: BIO)、③紛争下の物流技術(Contested Logistics Technologies: LOG)、④量子及び戦地情報支配(Quantum and Battlefield Information Dominance: Q-BID)、⑤拡張型指向性エネルギー(Scaled Directed Energy: SCADE)、⑥拡張型極超音速(Scaled Hypersonics: SHY)で、現代の戦地で直面する最も急務な課題に対処するものである。これらの技術分野は、あらゆる場面で、兵士が敵対者による脅威を克服し、作戦上の優位性を維持する一助となると期待されている。 Department of Defense “Under Secretary of War for Research and Engineering Emil Michael Announces Six Critical Technology Areas for the War Department” (11/17/25) https://www.war.gov/News/Releases/Release/Article/4333074/under-secretary-of-war-for-research-and-engineering-emil-michael-announces-six/

スパコン性能のトップ500リスト、「エル・キャピタン」が首位を維持

11月17日、スパコン性能ランキング「トップ500(TOP500)」(第66版)が発表され、ローレンスリバモア国立研究所(Lawrence Livermore National Laboratory: LLNL)の「エル・キャピタン」(El Capitan)システムが世界最速の座を維持した。エル・キャピタンのHPLベンチマークは1.809エクサフロップス(Exaflop/s)と、世界最速コンピュータとしての地位を維持した。一方、欧州では、ドイツのユーロHPC/ユーリッヒ・スーパーコンピューティングセンター(EuroHPC/Jülich Supercomputing Centre)の「ジュピター・ブースター(JUPITER Booster)」が世界で4件目、米国以外では初となるエクサスケール・システム(1,000エクサフロップスを達成)となった。日本の富岳は7位(アジアで1位)である。別のベンチマークであるHPCGベンチマーク(HPCG benchmark)では、エル・キャピタンが1位(17.41HPCGペタフロップス)、富岳は2位(16HPCGペタフロップス)であった。 Top 500 “El Capitan Retains #1 as JUPITER Becomes Europe’s First Exascale System in the 66th TOP500 List” (11/17/25) https://top500.org/news/el-capitan-retains-1-as-jupiter-becomes-europes-first-exascale-system-in-the-66th-top500-list/