DIU、インド太平洋地域の戦力管理強化に向け10社を選定

国防イノベーションユニット(Defense Innovation Unit: DIU)は12月10日、米軍の友好戦力(ブルー・オブジェクト)管理強化に向けた新たな技術開発の取り組みに10社を選定したと発表した。インド太平洋軍(U.S. Indo-Pacific Command: USINDOPACOM)と連携した「ブルー・オブジェクト管理チャレンジ」アクセラレータ・プログラムは、動的・紛争の激しい環境下における指揮官の状況認識向上を目的とするもので、人工知能(AI)を活用した意思決定支援能力の強化に重点を置くものである。選出企業は、シーアイフェア・テック社(CI-PHER Tech)、シュノーケル社(Snorkel AI)、エクシアラボ社(Exia Labs)、ルンブラ社(Lumbra)、カウンティフィ社(Countifi)などで総額50万ドルの賞金が分配され、主にDIUやインド太平洋軍と共にリアルタイムでの戦力追跡・調整技術の実証と実用化を目指す。DIUとインド太平洋軍は、この取り組みを通じてインド太平洋地域における軍事技術革新の加速と、民生転用可能なソリューションの早期調達を図る方針という。 DIU “Finalists Selected for the DIU Blue Object Management Challenge” (12/10/25) https://www.diu.mil/latest/finalists-selected-for-the-diu-blue-object-management-challenge

国防総省、新たなGenAI.milプラットフォームでAIを活用へ

国防総省(Department of Defense)は12月9日、同省の特別プラットフォームであるGenAI.milに搭載される最先端の人工知能(AI)能力の第一弾として、グーグル・クラウド(Google Cloud)のジェミニ・フォー・ガバメント(Gemini for Government)の活用開始を発表した。この取り組みは、「AI第一(AI-first)」の人材を育成し、生成AIの機能を活用してより効率的で戦闘対応型の組織を創出するものである。今後、世界クラスのAIモデルが追加導入され、非軍部の職員、契約業者、軍人が利用できるようになり、大統領府が今年初めに発表したAI行動計画(AI Action Plan)を実践する一助となる。国防総省は、省内の全ての職員を対象に、GenAI.milに関する無償の訓練を提供している。 Department of Defense “The War Department Unleashes AI on New GenAI.mil Platform” (12/9/25) https://www.war.gov/News/Releases/Release/Article/4354916/the-war-department-unleashes-ai-on-new-genaimil-platform/

NSF、米国重要鉱物チャレンジを開始 革新的な重要鉱物技術の実用化を促進

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の技術・イノベーション・パートナーシップ局(Directorate for Technology, Innovation and Partnerships: TIP)は、米国の技術的リーダーシップや経済安全保障、産業対応力を強化するイノベーションの進展を目的として、スタート2グループ(Start2 Group)が運営する新たなイニシアチブ「STRIDE ベンチャーズ(STRIDE Ventures)」の始動を発表した。NSFは、新たなイノベーション資金モデルを試行し、研究者を急務の国家的課題と結び付け、発見から導入までの経路を加速させる。STRIDEベンチャーズによる最初の資金提供公募は「テック金属実用化チャレンジ(Tech Metal Transformation Challenge)」で、ブレイクスルー技術の開発によって米国の重要かつ戦略的な金属供給網の強化を目指す。複数年に亘り3段階で実施されるプログラムで、ドイツのSTRIND技術金属チャレンジ(STRIND Tech Metal Challenge)との共同設計で並行的に実施される。 National Science Foundation “NSF kicks off U.S. critical minerals challenge to propel innovative critical mineral technology translation” (12/8/25) https://www.nsf.gov/tip/updates/nsf-kicks-us-critical-minerals-challenge-propel-innovative

連邦施設内のR&D活動費 2024年度に491億ドル

国立科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)は12月9日、連邦施設内で実施された研究開発(R&D)活動の費用は2024年度に合計491億ドルに達したと報じた(本調査には、連邦資金を受けた研究開発センター(federally funded research and development centers: FFRDCs)(42件)は含まれない)。2024年度の連邦施設内のR&D活動費(491億ドル)のうち、71%(348億ドル)は国防総省(Department of Defense)で実施された。また、連邦施設で実施された活動支出の31%(150億ドル)は、現地の契約事業者への支払いに充当され、残りの69%(341億ドル)はその他(人件費、資材購入費等)に充当された。R&Dの種別で見ると、69%(339億ドル)は実験的開発、19%(91億ドル)は応用研究、12%(60億ドル)は基礎研究に分類される。さらに、連邦施設内で実施されたR&Dを分野別に見ると、主要な学門分野を網羅しているが、工学と、生物/生物医学/健康科学の2つの分野が過半数(57%)を占める。 NCSES “R&D Performance within Federal Facilities Totaled $49.1 Billion in FY 2024” (12/9/25) https://ncses.nsf.gov/pubs/nsf26300

エネルギー省、高純度低濃縮ウラン(HALEU)輸送容器の開発に1,100万ドル

エネルギー省(Department of Energy)は12月8日、高純度低濃縮ウラン(high-assay low-enriched uranium: HALEU)の新規または改良版の輸送容器の開発及びを原子力規制員会(Nuclear Regulatory Commission: NRC)による認可取得を目的として、米企業5社に1,100万ドルの助成金を発表した。資金は、業界主導で行われる輸送容器の設計、改良、NRCの認可取得を支援する。これらは、国内の原子炉開発業者により適した長期的かつ経済的なHALEU輸送能力を確立し、米国の原子力供給網を強化する一助となると期待されている。今回、認可取得が可能な新たな容器設計の開発に4社(プロジェクト期間は最長3年)、NRCの認証取得を目的とした既存の容器設計の改良に1社(同2年)が選出された。 Department of Energy “Energy Department Announces $11 Million in Awards to Develop HALEU Transportation Packages” (12/8/25) https://www.energy.gov/articles/energy-department-announces-11-million-awards-develop-haleu-transportation-packages

トランプ政権、H-1Bビザ審査で「検閲」関与者を排除へ

ワシントン・ポスト紙(The Washington Post)は12月6日、トランプ政権がソーシャルメディアの投稿管理に関与する技術者のH-1Bビザ取得を制限する新たな指針を発表したと報じた。これを受け国務省(Department of State)は、米国人への検閲業務を行う同ビザ申請者への審査強化を在外公館に指示した。審査では、履歴書やリンクトイン(LinkedIn)のプロフィールを確認し、誤情報対策、事実確認、投稿監視業務、信頼・安全部門での職歴を調査する。トランプ大統領は主要プラットフォームから自身のアカウントを停止された経験から、オンラインでの投稿管理を「言論の自由への脅威」と批判してきたことが背景にあるが、スタンフォード大学のイブリン・ドウエク准教授(Evelyn Douek)は「政権の望む形でIT企業に監視業務を行わせるための圧力手段」と指摘している。同ビザは年間約6万5,000件が発給され、アマゾン社(Amazon)やグーグル社(Google)、メタ社(Meta)などの大手IT企業が利用しており、インドからの出身者が大勢を占めているという。 The Wasington Post “Tech workers face new H1-B scrutiny as Trump targets ‘censorship’” (12/06/25) https://www.washingtonpost.com/business/2025/12/06/trump-censorship-h1b-visas/

トランプ大統領、エヌビディア社の対中AI半導体輸出を許可

ワシントン・ポスト紙(The Washington Post)は12月8日、トランプ大統領がエヌビディア社(Nvidia)に対し、高性能人工知能(AI)半導体「H200」の中国向け輸出を許可したと報じた。最先端の「ブラックウェル(Blackwell)」や未発売の「ルービン(Rubin)」は輸出対象から除外される。トランプ大統領は自身のソーシャルメディアへ「承認された顧客」への販売を認め、売上の25%を米国が徴収すると投稿、エヌビディア社のジェンスン・ファンCEO(Jensen Huang)による輸出規制緩和に向けたトランプ政権への積極的なロビー活動が奏功した形となった。これにより、技術流出を懸念し、輸出規制を強化したバイデン前政権の方針から大きく転換することになり、超党派議員からは懸念の声が上がっている。一方、財務公開文書によると、トランプ大統領による同社株の保有が昨年末時点で61万5,000ドルから130万ドル相当を保有していることが明らかになった。大統領は、同CEOの国への貢献を評価し、「素晴らしい人物」と称賛している。 The Wasington Post “Trump says Nvidia can sell more advanced AI chips to China” (12/09/25) https://www.washingtonpost.com/technology/2025/12/09/nvidia-trump-china-h200/

フェルミ研、新研究棟「ヘレン・エドワーズ工学研究センター」で落成式

フェルミ国立加速器研究所(Fermi National Accelerator Laboratory: Fermilab)は12月5日、新たな最先端研究棟「ヘレン・エドワーズ工学研究センター(Helen Edwards Engineering Research Center)」の落成式を行ったと発表した。2022年に完成した新研究棟は、同研究所のウィルソン・ホール(Wilson Hall)に隣接し、深部地下ニュートリノ実験(Deep Underground Neutrino Experiment: DUNE)などの最先端研究を推進する8万平方フィートの実験室・オフィス棟で、テバトロン(Tevatron)の設計・運用に携わり、1995年にトップクォーク(最も重い素粒子)、2000年にタウニュートリノ(第3世代のニュートリノ)を発見した加速器物理学者のヘレン・エドワーズ氏の名にちなんで名付けられた。同研究所のキム暫定所長(Young-Kee Kim)は、「先見の名を持つエドワード氏の功績が、素粒子物理学における今日の米国のリーダーシップにつながっている」と同氏のこれまでの功績を称えている。 Fermilab “Fermilab dedicates new state-of-the-art building honoring scientist Helen Edwards” (12/05/25) Fermilab dedicates new state-of-the-art building honoring scientist Helen Edwards

ネクステラ社、データセンター向け電力ハブを大規模展開へ

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は12月9日、電力大手ネクステラ・エナジー社(NextEra Energy)が2035年までに最大30ギガワット(GW)のデータセンター向け電力供給ハブを開発すると報じた。ガス火力発電を中心とした全米11州における約20GWの発電事業の一環で、ベイシン・エレクトリック・パワー・コーポラティブ社(Basin Electric Power Cooperative)と共同し、ノースダコタ州における1.45GW規模のガス複合発電所の開発も検討、地域送電機関のサウスウエスト・パワープール(Southwest Power Pool)に系統連系に関する調査を申請している。これに先立ち、7月にガス生産会社のコムストック・リソーシズ社(Comstock Resources)とも提携し、テキサス州中部で最大約8GWのガス火力発電所建設を計画していることに加え、エナジー・キャピタル・パートナー社(Energy Capital Partners)傘下の天然ガス供給会社、シンメトリー・エナジー・ソリューションズ社(Symmetry Energy Solutions)との買収にも合意し、天然ガス供給網強化を急いでいる。 Utility Dive “NextEra aims to build up to 30 GW in data center power supply hubs by 2035” (12/09/25) https://www.utilitydive.com/news/nextera-basin-electric-data-center/807405/

クリーンエネルギー購入契約、過去最高の20.4GW

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は12月9日、2025年1−9月の大口需要家のクリーンエネルギー購入契約が約20.4ギガワット(GW)に達したと報じた。クリーンエネルギー購入者協会(Clean Energy Buyers Association: CEBA)の調べによると、うち3.4GWは「クリーン・ファーム(clean firm)」によるもので、クリーンエネルギーの大規模需要家はこの技術への関心を高めている。電力需要の急増により、一部地域で大口需要家に対し消費電力を自己供給する規制の導入が検討されていることが背景にあり、CEBAは送配電網の強化などの課題解決に取り組む姿勢を示しているが、クリーンエネルギー購入契約は過去最高を更新する勢いという。そこで、水力、地熱、原子力、長期エネルギー貯蔵、CO2回収・貯留機能を備えた火力発電などで構成されたクリーン・ファームは、低コストかつ信頼性が高く、排出量ゼロで、需要に応じ安定した電力供給が可能であることから、注目が集まっていると記事は伝えている。 Utility Dive “Corporate buyers contracted for 20.4 GW of ‘clean’ energy so far this year: CEBA” (12/09/25) https://www.utilitydive.com/news/ceba-clean-energy-corporate-procurement/807392/