Category:その他
DARPA、必要な時に設計及び製造できる柔軟かつ新たなパラダイムの実現を目指す
国防総省(Department of Defense)は、地元で利用可能なマテリアルを使って必要な時に必要な重要構造物を製造できる柔軟性を必要としている。しかし現行の生産手法は、「将来の生産は未加工の原材料が容易に入手できる」という前提の下で進められている。これは、構造物の設計は、固定されたインプットで固定されたアウトプットを生産することに依存していることを意味し、原材料や資源が限定的な場合に将来の生産に必要とされる柔軟性が阻害されている。国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)の「破片からロケット(Rubble to Rockets: R2)」プログラムは、広範かつ様々なインプット・マテリアルに対応できる生産及び設計手法を開発することで、サプライチェーンに依存できない環境での製造の限界を克服することを目指す。研究者は、構造物の製造及びそれに使用される原材料の特性に即した廉価で柔軟で頑強なプラットフォームを創出することに焦点を当てる。そしていずれはこのプラットフォームを適用して観測用ロケットの構造設計を順応的に更新していくことを模索する。 Defense Advanced Research Project Agency “Enabling a New Paradigm for Flexible, Point of Need Design and Manufacturing” (3/11/24)
DARPA、偽装情報に対する防衛技術の商業化及び移行へ準備
自動操作技術へのアクセス性が高まる中、偽装メディアの脅威は着実に高まっており、ソーシャル・メディアは、ウィルス性のコンテンツを共有するのに適した環境を提供し続けている。大量の偽装情報キャンペーンによる速度や規模、範囲は、コンピュータによる防衛と自動アルゴリズムを用いて、どのコンテンツが真実で、どのコンテンツが操作または合成されたものなのか、その理由や方法について、人々が認識できるようになることが必要であることを示している。国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、「セマンティック法医学(Semantic Forensics: SemaFor)(Semanticは、「意味論」「正しい意味を知る」といった意)(旧「メディア法医学(Media Forensics)プログラム」)を通じて、通称「偽装情報(deepfakes)」の検知、起因の究明、特性化に研究投資を行ってきた。その結果とした生まれた数百件の分析や手法は、組織や個人が数多くの操作されたメディアから自らを防御する助けとなり得る。SemaForプログラムは最終段階に入り、DARPAは、業界や学術機関を含むより広範なコミュニティに、DARPAのこれまでの投資を活用するよう呼び掛け、2つの取り組みを開始する。一つは、「分析カタログ」の作成で、もう一つは、「AI法医学オープン研究チャレンジ評価(AI Forensics Open Research Challenge Evaluation: AI FORCE)」である。 Defense Advanced Research Project Agency “Deepfake Defense Tech Ready for Commercialization, Transition” (3/14/24)
米国のエネルギー貯蔵導入がブーム、前年比90%増
ウッド・マッキンジー社(Wood Mackenzie)が3月20日に発表した「2024年第1四半期 米国エネルギー貯蔵モニター(US energy storage monitor: Q1 2024)」によれば、米国内で電池エネルギー貯蔵の導入トレンドは急速に進んでいる。全ての部門(グリッド規模、住宅部門、コミュニティ/商業/産業部門)でエネルギー貯蔵業界は8.7ギガワット(GW)を導入しており、前年比90%増という過去最高記録を達成した。2023年第4四半期には全国で4.2GWが導入され、カリフォルニア州とテキサス州はその77%を占めた。エネルギー貯蔵ブームの一因は、費用の劇的な低減である。2023年第4四半期には、欧米で電気自動車(EV)の需要が予想より低かったことや電池用リチウム原料の供給過多が原因で、電池価格が大きく低下した。 pv magazine “Booming U.S. energy storage installation grows 90% year-over-year” (3/20/14)
EPA、2032年までに市場で販売されるEVを増加させることを狙いとした新規則
大統領府は3月20日、市場で販売される電気及びハイブリッドの自動車を今後8年間に大幅に増加させることを狙いとした環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)の最終取りまとめ規則を発表した。新規則は、自動車業界に、市場で販売される新車の56%を電気自動車に、13%をハイブリッドにするよう求める。規則は、排出の17%を乗用車が占める米国内での排出削減を進めるバイデン政権にとり重要である。「これらの基準は、自動車業界により明確な確実性を提供し、民間投資を促し、良好賃金の労働雇用を創出し、米国自動車業界を強化する」とEPAは発表している。一方、共和党は既にこの規則に反発しており、ピート・リケッツ上院議員(Pete Ricketts、ネブラスカ州選出共和党)とダン・サリバン上院議員(Dan Sullivan、アラスカ州選出共和党)は、これを撤廃することを誓った合同声明を発表している。 UPI ” EPA finalizes new rule to boost EVs on market by 2032″ (3/20/24)
USPTO、イノベーションのより良い商業化の方法について見解を募集
米特許商標局(U.S. Patent & Trademark Office: USPTO)は、3月15日付け連邦広報(Federal Register)で、環境技術や重要・新興技術を中心に、イノベーションの商業化を意欲付けるより良い方法について、一般からの意見を募集する「見解の要請(Request for Comments: RFC)」を通達した。寄せられた見解は、USPTOの現行の取り組みの影響を拡大する可能性についての評価と、イノベーションを市場へ移行させることを支援する新たな方法の模索に活用される。なお、バイデン政権が2023年12月に提案した「介入権(march-in-rights)」や、USPTOが提案した「頑強で信頼性の高い特許(robust and reliable patents)」に関するイニシアチブ、知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(Agreement on Trade-Related Aspects of Intellectual Property Rights: TRIPS)の下での知的財産(IP)権の免除措置について現在進行中の協議といった論争的なトピックは、今回のRFCの対象外となっている。USPTOは、①商業化を合理化する助けとなるIP政策及び慣行の変更点は何か?②商業化において存在する課題は何か?など、具体的な15の質問を提示し、見解を要請している。 IP Watchdog “USPTO Wants Input on How to Better Commercialize Innovation” (3/14//24)
NSF、JASON報告「研究事業活動の保護」について発表
米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は3月21日、独立系科学諮問グループのJASONによる最新報告「研究事業活動の保護(Safeguarding the Research Enterprise)」を発表した。JASONは、2019年に「基礎研究の安全保障(Fundamental Research Security)」と題する報告書を発表しており、NSFはこの発表を基盤とし、また、「2022年CHIPS・科学法(CHIPS and Science Act of 2022)」で規定された立法上の要件などを満たす形で、今回の新たな調査報告をJASONに委託した。「研究事業活動の保護」報告には、8件のファインディングと6件の勧告が提示されている。ファインディングは、国際協力の価値を強調しつつ、リスクの範囲と、慎重を要する研究とそうでない研究の間に差異を付けることの必要性について認識を示している。また、勧告においては、研究者に真のリスクについて実質的な情報を提供するなどして、科学コミュニティ内に研究の安全保障を認識する文化を育成することの重要性を強調している。NSFは現在、ファインディングを分析中で、国家安全保障上の懸念を対象とした新たな政策レビュー・プロセスの策定と導入に取り組む中、今回提示された勧告の実践について検討する。 National Science Foundation “NSF announcement on JASON report: Safeguarding the Research Enterprise” (3/21/24)
エネルギー省、信頼性が高く手頃な費用の電力システムを支える東海岸のオフショア風力発電への経路を発表
エネルギー省(Department of Energy)は3月21日、2年間にわたって行なわれてきた「大西洋オフショア風力送配電調査(Atlantic Offshore Wind Transmission Study)」によるファインディングを発表した。同調査は、米国の大西洋岸沿いにおけるオフショア風力エネルギーの導入を支援するため、送配電の選択肢を評価することを目的として詳細に実施された。直近のプロジェクトは個々のオフショア風力発電を陸上の電力グリッドと結びつけることであるが、調査の結果は、2030年以降はオフショア送配電ネットワークを通じて一部のオフショア風力エネルギー・プロジェクトを戦略的に結びつけることで、海洋生態系への影響を最小限にしつつ、発電費用の低減や、電力グリッドの信頼性強化、化石燃料への依存削減につながることを示している。また、本調査を情報提供源として作成された「大西洋オフショア風力送配電行動計画(Atlantic Offshore Wind Transmission Action Plan)」も同日発表された。本計画は、第一世代となる大西洋オフショア風力発電プロジェクトを電力グリッドに結びつけるために必要な直近の行動や長期的取り組みなどを概説している。 Department of Energy “DOE Reports Chart Path for East Coast Offshore Wind to Support a Reliable, Affordable Electricity System” (3/21/24)
エネルギー省、鉱山地におけるクリーンエネルギー・ソリューションを支援
バイデン大統領の「米国への投資」(Investing in America)議題の一環として、エネルギー省(Department of Energy)は3月21日、現行及び旧鉱山地におけるクリーン・エネルギー導入の加速に取り組む5件のプロジェクト(アリゾナ、ケンタッキー、ネバダ、ペンシルバニア、ウェストバージニアの各州)に最高4億7,500万ドルを提供すると発表した。超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)からの資金拠出を受け、地元主導の多様なクリーン・エネルギー・プロジェクトを支援する。それらは国内のその他の現行及び旧鉱山地で再現可能なプロジェクトで、地元や地域の労働力パートナーシップを拡大し、地元に税収増をもたらし、重要な公共サービスを支え、新たな経済機会を促進することが期待されている。また、これらのプロジェクトは、バイデン大統領の「正義40(Justice40)」イニシアチブに沿う形で、エネルギーと環境の正義を進展させ、クリーン・エネルギーへの移行の恩恵が、影響を受けているコミュニティに直接広がることを確実にする助けとなる。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces $475 Million Investment to Support Clean Energy Solutions on Current and Former Mine Land” (3/21/24)
連邦政府によるAI使用のガバナンス、イノベーション、リスク管理を進展させるOMB方針を発表
ハリス副大統領は3月28日、行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)が、人工知能(AI)のリスクを軽減し、バイデン大統領によるAIに関する大統領令(Executive Order)で示された中核要素の恩恵の実現を育成することを目的とした方針を通達すると発表した。こうした通達は、連邦政府全体としては初めてである。OMBは、「連邦政府による人工知能の使用のガバナンスとイノベーションとリスク管理の進展(Advancing Governance, Innovation, and Risk Management for Agency Use of Artificial Intelligence)」と題する新たな方針の中で、①AI使用のリスクへの対処、②AI使用の透明性の拡大、③責任あるAIイノベーションの進展、④AI労働力の育成、⑤AIガバナンスの強化、についてそれぞれの行動を指示している。また、連邦機関は、大統領令によって指示された150日間のタスクを全て完了したことを報告した。 White House “FACT SHEET: Vice President Harris Announces OMB Policy to Advance Governance, Innovation, and Risk Management in Federal Agencies’ Use of Artificial Intelligence” (3/28/24)
DARPA、「月面鉄道」概念の開発にノースロップ・グラマン社を選出
国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)が昨年12月に発表した「10年間の月アーキテクチャ能力研究(10-Year Lunar Architecture (LunA-10) Capability Study)」の下で選出された企業の1社、ノースロップ・グラマン社(Northrop Grumman)は、「月面鉄道により、月の真剣かつ持続可能な経済開発が可能になる可能性がある。それは19世紀後半の米国西部と似たような状況である」と考えている。同社は、3月19日の報道発表で、「月面鉄道ネットワーク構想は、月面上で、人、供給品、商業活動資源を移動させ、米国や国際パートナーのための宇宙経済に貢献する」との見解を示した。ノースロップ・グラマン社は、LunA-10能力研究プログラムで選出された14社のうちの1社。スペースX(SpaceX)やジェフ・ベゾス氏(Jeff Bezos)のブルー・オリジン(Blue Origin)などの有名企業も選出されたが、こうした企業による具体的な活動内容は発表されていない。ノースロップ・グラマン社では、①月面鉄道ネットワークを構築するためのインターフェースや資源の定義、②予測可能な費用、技術的及び物流的リスクの重要リストの確立、③本格運用される月面鉄道システムの概念設計及びアーキテクチャのプロトタイプの特定、実証、分析、といった研究に取り組む。 SPACE.com “DARPA picks Northrop Grumman to develop ‘lunar raiload’ concept” (3/19/24)