Category:その他
第2四半期のVC投資、少数の大規模取引の傾向が続く
SSTIの8月27日付けの記事によれば、2025年第2四半期のベンチャーキャピタル(VC)投資に関し、第1四半期と同様に、資金調達水準は上昇傾向にあり、人工知能(AI)に関する大型取引が継続しているという。また、より取引の規模も小規模からより大規模なものへと移行する傾向も続いている。SSTIが、ピッチブック社(PitchBook)による2025年第2四半期のVC活動報告から、1億ドル以下の取引に焦点を当ててデータ分析を行った結果、取引数は減少傾向が続き、2025年第2四半期の同数(1,787件)は過去20四半期で最低となった。これは前期比18%低下、前年同期比22%低下である。一方で、投資額合計は2023年末以来、上昇傾向が続いており、第2四半期の投資額は約240億ドルで、前期(224億ドル)、2024年第4四半期(205億ドル)から増加した。このように投資活動の分析の対象を限定しても、全体として、より少数の企業がより多くの資本を調達する傾向にあると、SSTIは分析する。 SSTI “Q2 investment trends continue the shift to fewer but larger deals” (08/27/25) https://ssti.org/blog/q2-investment-trends-continue-shift-fewer-larger-deals
核融合開発が世界的に加速 CATFが最新マップ公開
クリーン・エア・タスクフォース(Clean Air Task Force: CATF)は8月26日、「世界核融合マップ(Global Fusion Map)」の最新版を公開した。報告によると、北米や欧州での新規参入企業による民間投資の加速、米国や欧州連合(EU)での国家戦略に沿った政府支援の強化、そして企業による2030年代の送電網接続を目標とする商業化スケジュールの前倒し、という3つの大きな世界的傾向が浮き彫りになったという。民間資本の流入と政府の支援強化により、世界における核融合エネルギー開発が急速に拡大している状況を示すこのマップは、国際的な核融合開発の最新動向を可視化するもので、磁場閉じ込め方式(Magnetic Confinement)や慣性閉じ込め方式(Inertial Confinement)、磁化標的核融合(Magnetized Target Fusion: MTF)、磁場反転配位(Field-reversed Configuration: FRC)など多様な技術アプローチを紹介している。なお、透明性確保のため、掲載は稼働中の装置や公開データを持つ企業に限定しているという。 CATF “Clean Air Task Force releases updated global fusion map tracking rapid growth in fusion energy development” (08/26/25) Clean Air Task Force releases updated global fusion map tracking rapid growth in fusion energy development
蓄電池市場拡大 税優遇措置維持で
ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は8月27日、太陽光などへの税優遇措置を廃止する新法成立後も、実用規模の蓄電池市場成長見通しは上向きであると報じた。エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)は、国内の蓄電池容量が2025年第1四半期末の約29ギガワット(GW)から2026年末には65.7GWへと倍以上に増加すると予測しており、これは「ワン・ビッグ・ビューティフル・ビル法(One Big Beautiful Bill Act)」成立前の予測を上回る。EIAによれば、2025年に計画される新規発電容量64GWのうち蓄電池は18GW以上を占め、過去最高を記録する見込みで、特にテキサス州での導入拡大が大きく貢献していると伝えた。OBBB法は太陽光・風力の税額控除を段階的に廃止する内容であるが、蓄電池は2033年まで税額控除が維持される。ただ、コンサルティング会社のスタウト社(Stout)は、部品調達などで中国の供給網に依存するため「懸念される外国事業体(Foreign Entities of Concern: FEOC)」規制への準拠が今後の課題になると指摘している。 Utility Dive “US utility-scale storage outlook ticks upward post-OBBBA” (08/27/25) https://www.utilitydive.com/news/EIA-utility-scale-storage-outlook-ticks-upward-post-obbba/758710/
国内新規発電容量の9割超が再エネ、太陽光が牽引 FERC報告
ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は8月27日、2025年1月~5月に導入された国内新規発電容量の91%を再生可能エネルギーが占めたと報じた。連邦エネルギー規制委員会(Federal Energy Regulatory Commission: FERC)の月次インフラ報告によると、15ギガワット(GW)の新規導入のうち、太陽光が11.5GW、風力が2.3GW、ガス発電が1.3GWとなった。蓄電池や小規模太陽光発電システムを含めると、再エネ総発電容量シェアはさらに拡大する可能性が高いという。今回の報告書は「ワン・ビッグ・ビューティフル・ビル法(One Big Beautiful Bill Act)」の成立よりも前のもので、現在の総発電容量ではガスが43%、石炭が約15%、太陽光が11%超、風力が11.8%、原子力は7.7%を占めているが、FERCは2028年までに導入可能性の高い133GWの追加容量のうち、84%が太陽光(90GW)と風力(23GW)になるとし、ガスは約15%の20GWにとどまると予測している。 Utility Dive “Renewables make up 91% of the 15 GW of generation the US added in first 5 months of 2025: FERC” (08/27/25) https://www.utilitydive.com/news/renewables-make-up-91-of-the-15-gw-of-generation-the-us-added-in-first-5-m/758603/
「国防イノベーションユニットの独立性は維持」 国防総省CTO発言
国防イノベーションユニット(Defense Innovation Unit: DIU)のダグ・ベック長官(Doug Beck)が突然退任し、同長官代理を務めることになった国防総省(Department of Defense)のエミル・マイケル国防次官(研究工学担当)(Emil Michael, Undersecretary of Defense for Research and Engineering)は8月27日、自身がDIUの監督を恒久的に行う意図はなく、国防総省は正式な長官を探していると発言した。更に同国防次官は、「DIUは、独自のミッションを持ち、法律に基づいて設立された独立組織である」と述べた。国防総省のシリコンバレーの技術企業向け拠点としてDIUが2015年に設立された際、DIU長官の報告先は省内の研究工学部門のトップであった。しかし、この構造はDIUの影響力を妨げるとの指摘があったことから、翌年には国防長官へ直接報告する形となった。DIUは2018年に再び研究・工学部門の傘下となった後、2023年に再び国防長官へ直接報告する体制となった。マイケル氏が正式なDIU長官に就任することは現時点ではないかもしれないが、国防総省は同次官の役割を拡大しており、8月20日には、従来は独立組織であった最高デジタルAI局(Chief Digital and AI Office)が今後は研究・工学部門の傘下になると発表している。 Defense News “Pentagon CTO says Defense Innovation Unit will remain independent” (08/27/25) https://www.defensenews.com/pentagon/2025/08/27/pentagon-cto-says-defense-innovation-unit-will-remain-independent/
トランプ政権、メリーランド州沖の洋上風力発電(2.2GW)の認可を取り消しへ
内務省(Department of the Interior)は8月22日に裁判所へ提出した文書の中で、USウィンド社(US Wind)がメリーランド州とデラウェア州沖で進める2.2ギガワットのメリーランド・オフショア・ウィンド(Maryland Offshore Wind)プロジェクトに関する建設・運用計画の承認を取り消す意向を表明した。これは、サウス・べサニー地域の不動産所有者で弁護士のエドワード・ビンツ氏(Edward Bintz)が2月に「バイデン政権が本建設・運用計画を承認したことは、沿岸域管理法(Coastal Zone Management Act)に違反する」として提訴した訴訟で、ドケット(裁判記録文書)として提出されたもの。文書によれば、内務省は外縁大陸棚法(Outer Continental Shelf Lands Act)の下、建設・運用計画の承認判断を再評価し、9月12日までに差し戻しを求める意向であるという。 Utility Dive “Trump administration to revoke approval for 2.2-GW Maryland Offshore Wind” (08/27/25) https://www.utilitydive.com/news/trump-maryland-offshore-wind-revoke-approval-ocean-city/758717/
DARPA、ロバスト量子センサー(RoQS)プログラムの第1フェーズを開始
国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、「ロバスト量子センサー(Robust Quantum Sensors: RoQS)」プログラムの第1フェーズを正式に開始した。これは、現在はラボの段階にある量子センシングを、地上や海上、上空、更には宇宙での実用化へと進展させる画期的な取り組みである。RoQSプログラムは、干渉を排除し、動きに耐え、あらゆる領域で信頼性が高く最先端の性能を提供できる本質的にロバスト(頑強)なセンサーの開発を目指し、実地での展開における長期的な障害を打破し、ラボから任務への移行を加速させ、ナビゲーションや脅威の検知、状況認識における新たな能力を開拓することを目標としている。第1フェーズは、センサー開発と性能統合研究の2つの技術分野で実施され、第2フェーズでは実際に量子センサーが国防総省(Department of Defense)のプラットフォームに統合される。 DARPA “From fragile to field-ready: RoQS program launches first phase” (08/27/25) https://www.darpa.mil/news/2025/roqs-launches-first-phase
NSF、バージニア州アレクサンドリアの特許商標庁のビルへ移転の可能性
米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は現在、バージニア州アレクサンドリアにある本部の移転先を探しているところであるが、連邦省庁のオフィス賃貸を管理する一般調達局(General Services Administration)による事前入札告知と、3名の不動産専門家によれば、米国特許商標庁(United States Patent and Trademark Office: USPTO)が昨年退去したスペース(同じくバージニア州アレクサンドリア)に移転する可能性が高いようである。GSAの事前入札告知によれば、NSFの移転先として、24万~28万平方フィートで即入居可能な場所を求めており、NSFの現行のスペース(66万1,000平方フィート)やUSPTOが退去したスペース(2つのビルで各38万2,000平方フィート)よりも狭く、2025年11月末までの入居を希望し、賃貸期間は4年間となっている。GSAによるオフィス賃貸期間は平均14年間であり、今回の賃貸条件が4年間と極めて短期間である理由は不明である。住宅・都市開発省(Department of Housing and Urban Development)は6月、同省本部をワシントンDCからNSF本部(バージニア州アレクサンドリア)に移転すると発表し、NSFは移転先を探している。 Washington Business Journal “National Science Foundation poised to relocate to PTO space in Alexandria” (08/27/25) https://www.bizjournals.com/washington/news/2025/08/26/alexandria-nsf-headquarters-gsa-solicitation-hud.html?ana=giftarticle&utm_campaign=giftarticle&csrc=6452&gift_article_id=42291
国防イノベーションユニットの長官が退任、国防総省のCTOが長官代理に
ポリティコ(Politico)は8月25日、国防総省(Department of Defense)の省内技術キューベータである国防イノベーションユニット(Defense Innovation Unit: DIU)のダグ・ベック長官(Doug Beck)が同日突如退任したと報じた。同長官は国防総省に残っていたバイデン前政権の有力者の一人であった。ベック氏はアップル社(Apple)の元副社長で、2023年にDIU長官に就任し、シリコンバレーとの関係構築等で重要な役割を担った。退任の理由は明らかにされていない。また、ディフェンス・ニュース(Defense News)は翌8月26日、国防次官(研究工学担当)(Undersecretary of Defense for Research and Engineering)のエミル・マイケル氏(Emil Michael)がDIU長官代理を務め、次期国防次官補(重要技術担当)(assistant secretary of defense for critical technologies)のマイケル・ドッド氏(Michael Dodd)がDIU副長官代理を務める予定であると報じた。DIUは近年、国防技術のエコシステムでより重要な役割を担うようになり、ロイド・オースティン国防長官(Lloyd Austin)(当時)はDIUが直接国防長官へ報告するよう体制を変更をしたが、新たなリーダーシップの下でDIUが国防総省内でどのような位置づけになるかは不明である。 Defense News “Pentagon CTO to oversee Defense Innovation Unit following Beck’s exit” (08/26/25) https://www.defensenews.com/pentagon/2025/08/26/pentagon-cto-to-oversee-defense-innovation-unit-following-becks-exit/ Politico “Pentagon’s tech innovation head abruptly steps down” (08/25/25) https://www.politico.com/news/2025/08/25/pentagons-tech-innovation-head-abruptly-steps-down-00523534
トランプ政権、NOAAの気候・気象関連の削減を推進
サイエンス誌(Science)の8月25日の報道によれば、トランプ政権は、商務省(Department of Commerce)傘下の米国海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration:NOAA)の今年度の研究部門の支出について、議会によって義務付けられた水準から約1億ドル(14%)削減する計画であるという。これらの削減は、気象、海洋、気候に関する基礎科学に打撃となる。NOAAの高官は職員に向けて、これらは、2026年度にNOAAの研究部門を廃止するという大統領府の提案の「前払い金」のようなものであると説明した。NOAAは2026年度予算で次世代静止気象衛星が大幅に削減される等、既にその「前払い金」支払いは開始されていると、サイエンス誌は指摘する。大統領府によるNOAAの2026年度予算案については連邦議会の主要な歳出委員会が強く反対しているにもかかわらず、政権はNOAAの予算削減を強行している。「本件は、政権がNOAAに対して抱く敵意を軽視してはならないことを示す」と、NOAAの元高官は述べる。 Science “Trump administration pushes ahead with NOAA climate and weather cuts” (08/25/25) https://www.science.org/content/article/trump-administration-pushes-ahead-noaa-climate-and-weather-cuts