Category:その他
米国ソーラー製造業は拡大継続
トランプ政権が再生可能エネルギーを敵視しているにもかかわらず、米国内でソーラー発電用部品を製造する企業は、引き続き税政策及び関税の恩恵を受ける立場にある。ファースト・ソーラー社(First Solar)などの大手製造企業は拡大を続ける一方、より小規模な企業も機会を見出している。その一例に、テキサス州に拠点を置くT1エナジー社(T1 Energy)があり、同社は8月、ニューヨーク州のコーニング社(Corning Inc.)と提携し、ほぼ全ての部品が米国内で生産されるよう供給網を構築することに取り組む。T1社の台頭は、ソーラー発電の増大する需要に対応しつつ、税額控除と関税を活用する多くの企業によるトレンドの一部である。7月に法制化されたワン・ビッグ・ビューティフル・ビル法(One Big Beautiful Bill Act)では製造事業者に関する税額控除はほとんど変更されず、2030年の段階的終了が維持された。この点は、その他のクリーンエネルギーを対象とした税額控除の早急な段階的終了とは対照的である。更に、目まぐるしく変わるトランプ政権の関税措置も、企業が米国を拠点とする供給網の開発を望む要因となっている。 Inside Climate News “Despite Everything, US Solar Manufacturing Continues to Power Up” (08/27/25) Despite Everything, US Solar Manufacturing Continues to Power Up
米国大学研究への海外脅威軽減に関する指針 国家防諜安全保障センター等が発表
国家情報長官室(Office of the Director of National Intelligence)の国家防諜安全保障センター(National Counterintelligence and Security Center: NCSC)及び米国科学財団(National Science Foundation: NSF)、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)等の連邦機関は、「学術の防御:基礎研究・知的財産・重要技術・米国研究システムの保護(Safeguarding Academia: Protecting Fundamental Research, Intellectual Property, Critical Technologies, and the U.S. Research Ecosystem)」文書を発表した。本文書は、海外の敵対者は米国学術機関のオープンで協調的な環境を悪用し、自らの利益を得ようとしていると警告した上で、台頭する安全保障脅威について解説し、学術機関が自らの研究や組織、スタッフ、学生をより良く保護するために実践できるリスク軽減戦略を示している。 Office of the Director of National Intelligence “NCSC and Partners Issue New Guidance to Help U.S. Colleges and Universities Mitigate Emerging Foreign …
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下院CCP委員会、中国のAI依存を維持し、先端能力開発を抑制する新たな枠組みを提案
下院の中国共産党特別委員会(House Select Committee on the Chinese Communist Party)は8月25日にハワード・ラトニック商務長官(Howard Lutnick)に書簡を送り、米国は、現行のAIハードウェア及びソフトウェアの支配を維持するため、輸出管理政策を用いて様々な目的のバランスを図る必要があると主張した。具体的には、中国による米国製ハードウェアへの依存と米国半導体企業の保護を確実にすると共に、中国のAI開発能力を抑制し続けることが必要であるとしている。その上で、商務省(Department of Commerce)及び産業安全保障局(Bureau of Industry and Security)に対して、中国による米国製ハードウェアの依存を維持し、中国の先端AI能力を抑制するという2つのバランスを図る確実かつ実用的な方策として、随時見直される技術基準(rolling technical threshold)に基づき、米国製AIチップの対中販売を制限するよう勧告した。「中国企業が、中国が国内生産できるものよりわずかに優れた米国製チップを購入できるようにすることで、中国の米国製ハードウェア基盤への依存を長期化すると共に、中国の最先端AIの開発を大幅に抑制することができる」と書簡は述べている。 Select Committee on the CCP “Moolenaar Proposes New Framework to Keep China Dependent on AI, Limit Their Advanced Capabilities” (08/26/25) https://selectcommitteeontheccp.house.gov/media/press-releases/moolenaar-proposes-new-framework-to-keep-china-dependent-on-ai-limit-their-advanced-capabilities
NSFによる非連邦職員の監督職の起用に関する精査 NSF監察官報告
米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、人的資源管理戦略の一環として、政府間人事法(Intergovernmental Personnel Act: IPA)及び客員科学者・工学者・教育者プログラム(Visiting Scientist, Engineer, and Educator program)を通じて臨時の非連邦職員を雇用する。これらの人材は、IPAまたはローテーター(rotator)と呼ばれ、科学・工学の様々な分野から新鮮な見解をもたらし、NSFのミッションを支援する。NSFの監察官室(Office of Inspector General)は今般、NSFの労働力管理方針が、非連邦職員による監督業務・機能に関連する連邦指針に準拠しているかを判断する精査を実施した。それによれば、NSFの方針は、連邦指針に準拠しておらず、人事管理局(Office of Personnel Management)の指針で禁止している監督機能(職員の年次業務評価や職員の報酬決定など)をIPAが遂行することを容認しているという。NSFは、監察官室の見解に同意し、是正計画を策定すると述べている。 NSF Office of Inspector General “Review of NSF’s Use of Non-Federal Employees in Supervisory Positions” (08/22/25) https://www.oversight.gov/sites/default/files/documents/reports/2025-08/OIG%20Report%20NO.%2025-09-005%20Review%20of%20NSF%27s%20Use%20of%20Non-Fed%20Employees%20in%20Supervisory%20Positions%20-%20public%20%281%29.pdf 参考:https://www.aip.org/fyi/the-week-of-sept-1-2025
連邦下院共和党も2026年度のNIH予算維持を支持
連邦議会の上院歳出委員会と同様、下院歳出委員会(House Committee on Appropriations)も、トランプ大統領による国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の予算の大幅削減案を拒否している。同委員会の小委員会が9月2日に発表した歳出法案によれば、2026年度のNIHの基本予算は約470億ドルとなっており、実質的に今年度と同じ水準である。ただし、法案は、NIH内の独立局である医療高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency for Health:ARPA-H)の予算を今年度の15億ドルから2026年度は9億4,500万ドルに削減した他、疾病対策予防センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)の予算も19%削減している。そして、一部の病原体の実験や胎児組織に関する研究への資金拠出を禁止した。トランプ大統領は、NIHの予算を40%削減し、現在の27ある研究所・センターのうち3件を廃止し、残りを8つの研究所に統合することを提案していた。 Science “House Republicans add to support for maintaining NIH budget in 2026” (09/02/25) https://www.science.org/content/article/house-republicans-add-support-maintaining-nih-budget-2026
政策の混乱、電力需要への対応に影響 ACP報告
アメリカン・クリーン・パワー協会(American Clean Power Association: ACP)は9月3日、2025年第2四半期市場レポートを発表し、連邦政策の混乱と厳格規制により、クリーンエネルギー投資と開発計画に影響が出始めていることを明らかにした。報告書によると、太陽光、風力、エネルギー貯蔵の新規導入容量は11ギガワット(GW)超、投資額は152億ドルに達したものの、前年同期比では1%未満の増加にとどまり、開発パイプラインもわずか100メガワット(MW)増の184.5GWとほぼ横ばいとなった。特に電力購入契約(PPA)は、2025年上半期で前年比32%減と大幅に落ち込み、太陽光発電設備も上半期に23%減少し、蓄電池と風力は第1四半期から第2四半期にかけてそれぞれ88%減、93%減と激減した。同協会のジェイソン・グルメットCEO(Jason Grumet)は「国内の関連産業は必要な電力量を供給し続けているが、政策上の障害と規制により不確実性が生じている。急増する電力需要に応える数千億ドル規模の投資計画に影響が出ている」と指摘する。 ACP “REPORT: Federal Chaos Sparks Warning Signs for Clean Energy Investment, According to Q2 Data” (09/03/25) REPORT: Federal Chaos Sparks Warning Signs for Clean Energy Investment, According to Q2 Data
米国アカデミー、科学競争力強化に向けた研究規制の改善策を提言
米国科学・工学・医学アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine: NASEM)は9月3日、科学競争力の強化に向け、連邦規制を改善する53の政策提案をまとめた新報告書を発表した。報告書は、時代遅れかつ重複する現行規制が研究の生産性を妨げていると指摘しており、改善に向けた基本原則として、省庁間の規制を調和し、研究リスクに応じた段階的な規制や技術活用による効率化の3点を挙げている。具体的には、ヒトを対象とする研究に関する省庁横断的な方針統一や、助成金申請プロセスの一本化、また研究不正行為に関する統一ポリシーの確立や生物兵器に関する研究規制も統一し、簡素化する。また規制環境の監督を強化するために、行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)内に調整役を創設することも提案した。同アカデミーは、研究者が本来の研究活動に集中できる環境を整え、米国の科学技術におけるリーダーシップを維持することが提言の目的と説明している。 NASEM “New Report Identifies Policy Options to Improve Federal Research Regulations, Bolster U.S. Scientific Competitiveness” (09/03/25) https://www.nationalacademies.org/news/2025/09/new-report-identifies-policy-options-to-improve-federal-research-regulations-bolster-u-s-scientific-competitiveness
GAO、国防総省に契約データの収集改善を提言
政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は9月3日、国防総省(Department of Defense)が使用する「その他取引契約(Other Transaction Agreements: OTA)」に関するデータ収集の改善が必要であると発表した。GAOの報告によれば、同省はOTAを使って柔軟な試作品開発を進めるために多くの新規防衛請負業者と連携しているが、試作品から生産への移行における成果を十分に評価できていないことに加え、関連業者によるコスト管理の監督基準が低下するなどのリスクを高める可能性があるという。また、2024年度の同省によるOTA関連の試作品開発プログラムは160億ドルを超えたが、契約が実際に生産に結びついたかを追跡する仕組みが不足しており、この取り組みが実際の現場へどの程度貢献できているかの評価が難しい状況であるという。これを受けGAOは、同省に対し試作品開発契約から生産へ移行する際の標準契約の追跡システムの整備を推奨し、透明性と評価能力の向上を求めている。 GAO ” Other Transaction Agreements:Improved Contracting Data Would Help DOD Assess Effectiveness” (09/03/25) https://www.gao.gov/products/gao-25-107546
NSF、国家AI研究リソース運営センター設立に向け公募開始
米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は9月3日、国家人工知能(AI)研究リソース(National Artificial Intelligence Research Resource: NAIRR)を持続可能なプログラムに移行するための国家AI研究資源運営センター(National AI Research Resource Operations Center: NAIRR-OC)設立に資金を提供すると発表した。AI支援に向けた包括的な枠組みや運用戦略、管理体制構築を主導するコミュニティベースのセンター設立に関する提案を募集するもので、具体的には高度なコンピューティング及びデータ資源の統合、ツールへの効率的なアクセスを可能にする一元化されたウェブポータルの立ち上げなどを含む。すでに400以上の研究チームがリソースを利用しているものの、ツールなどが不足していることから、研究に必要な計算やデータ、モデル、研修リソースへのアクセスを拡大する。14の政府機関と28の民間企業、非営利団体の支援を受けるNAIRR確立に向け、同財団は政府のAI行動計画に基づき、AI研究加速に向けた取り組みを推進していくという。 NSF “NSF announces funding to establish the National AI Research Resource Operations Center” (09/03/25) https://www.nsf.gov/news/nsf-announces-funding-establish-national-ai-research
NREL、商業ビルのエネルギー削減策を発表 アイドル時の消費電力に焦点
国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)は9月2日、商業ビルの光熱費とピーク時電力需要の大幅削減に向け「コンセント・機器負荷(Plug and Process Load: PPLs)」に関する新たな削減戦略を発表した。PPLsは空調や照明以外の、コンピュータや厨房機器、医療機器などコンセントに接続される全ての機器の電力消費を指し、商業ビル全体のエネルギー消費の約28%を占める。同研究所は特に病院の医療画像機器に着目し、カリフォルニア大学デービス校ヘルス(University of California: UC Davis Health)との共同研究で、磁気共鳴画像(Magnetic Resonance Imaging: MRI)スキャナーが患者をスキャンしていないアイドル状態時にも多大な電力を消費している実態を明らかにした。研究チームは事業者への更なる調査に基づいたPPLs削減に向けたケーススタディの共有や、エネルギー基準への反映といった具体的な道筋の提示に加え、ビルオーナーやエネルギー管理者向けのガイドも公開し、業界全体での取り組みを促している。 NREL “NREL Publishes Strategies To Reduce Energy Costs in Commercial Buildings, Including Hospitals” (09/02/25) https://www.nrel.gov/news/detail/program/2025/nrel-publishes-strategies-to-reduce-energy-costs-in-commercial-buildings-including-hospitals