Category:その他
トランプ大統領、6G競争での勝利へ向け大統領覚書に署名
トランプ大統領は12月19日、6G開発を巡る競争で米国の主導権を確実にするための大統領覚書(Presidential Memorandum)に署名した。覚書は、現在7.125~7.4ギガヘルツ(GHz)の周波数帯を使用する連邦システムの移転計画策定を即時実施し、同周波数帯を全面的に商用 6G 利用のために確保するよう指示した。具体的に、これらの周波数帯に関し、国家安全保障上のミッションを保護しつつ、米国産業が利用できるように開放するため、現在利用中の連邦システムの移転計画を12カ月以内に提出する。大統領覚書はまた、商用6G利用を目的とした更なる周波数帯の開放へ向け、その他の2つの周波数帯(2.69~2.9GHz及び4.4~4.94GHz)に関する調査を即時行うこと、国務長官(Secretary of State)及びその他の閣僚に、外交的関与を通じて6Gにおける米国の主導権を推進することを指示している。 White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Takes Action to Win the 6G Race” (12/22/25) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/12/fact-sheet-president-donald-j-trump-takes-action-to-win-the-6g-race/
国防総省と対ドローン・タスクフォース、ミサイル防衛計画とデータ連携へ
ディフェンスニュース(DefenseNews)は12月23日、国防総省(Department of Defense)が主導する対ドローン組織の統合省庁間タスクフォース401(JIATF 401)が、より大型のドローン脅威に対抗するため、ミサイル防衛プロジェクトであるゴールデン・ドーム(Golden Dome)とデータ共有を行う計画であると報じた。共有対象は主に「グループ3」に分類される大型ドローンで、宇宙軍(United States Space Force: USSF)とデータをシームレスに共有することで、お互いの脅威の状況について把握することが可能になるとし、詳細について協議を進めているという。ピート・ヘグセス国防長官(Pete Hegseth)によって8月に設立された同組織は、センサーや戦闘管理システムを統合した多層的な防衛インフラの構築を目指しており、翌年のワールドカップを見据えた小型ドローン対策や、国境付近での監視強化に向けて、国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)や法執行機関との協力体制も強化していく方針を示している。 DefenseNews “Pentagon counter-drone task force plans Golden Dome link” (12/23/25) https://www.defensenews.com/unmanned/2025/12/22/pentagon-counter-drone-task-force-plans-golden-dome-link/
国防総省AIトップ、ミサイル防衛構想に専念
ディフェンススクープ(DefenseScoop)は12月17日、国防総省(Department of Defense)の最高デジタル・人工知能(AI)責任者(Chief Digital and Artificial Intelligence Officer: CDAO)であるダグラス・マティ氏(Douglas Matty)が同職を退き、政府が推進するミサイル防衛構想「ゴールデン・ドーム(Golden Dome)」に専念すると報じた。陸軍将校として30年の経歴を活かし、今後は最優先課題の次世代ミサイル防衛システム展開を支援していくという。正式な後任が決定するまで、首席副CDAOのアンドリュー・メイプス氏(Andrew Mapes)が同局を率いる。CDAOは2022年に統合人工知能センター(Joint Artificial Intelligence Center: JAIC)、国防デジタルサービス(Defense Digital Service: DDS)、最高データ責任者室(Office of the Chief Data Officer)、軍用AIプログラムなど複数の技術組織を統合して発足したが、近年は幹部や技術者の流出が続き、現在は国防次官(研究・工学担当)のエミル・マイケル氏(Emil Michael)の指揮下で組織再建と人材確保を進めている。 DefenseScoop “The U.S. CHIPS Act Takes Another Hit SMART USA, a $285-million center devoted to digital twins, loses funding” (12/18/25) Pentagon AI chief departing to work on Golden Dome effort
商務省、CHIPS法によるチップ製造契約打ち切り
IEEEスペクトラム誌(IEEE Spectrum)は12月18日、商務省(Department of Commerce)がCHIPS・科学法(CHIPS and Science Act)に基づき運営する半導体製造用デジタルツイン研究センターの加盟121組織に対する、5年間で2億8,500万ドルの契約を終了すると報じた。政府による「便宜上」、いわゆる一方的な契約解除で、国立半導体技術推進センター(National Center for the Advancement of Semiconductor Technology: NATCAST)に続く資金停止となる。半導体研究コンソーシアム(Semiconductor Research Corporation: SRC)の子会社が運営するスマートUSA研究所(SMART USA Institute)は仮想製造技術によるコスト削減や11万人の人材育成を目標とし、トッド・ヤンキンSRC最高経営責任者(Todd Younkin)も成果目標は達成していたと指摘する。ゾーイ・ロフグレン下院議員(Zoe Lofgren、カリフォルニア州選出民主党)らもCHIPS法の実務を担う米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology: NIST)への信頼が損なわれると強く批判している。 IEEE Spectrum “The U.S. CHIPS Act Takes Another Hit SMART USA, a $285-million center devoted to digital twins, loses funding” (12/18/25) https://spectrum.ieee.org/semiconductor-digital-twins-funding
中国、最先端チップ生産機械のプロトタイプを開発
ロイター通信(Reuters)は12月17日、中国が人工知能(AI)やスマートフォン、軍事技術に必要な最先端半導体チップを生産できる機械のプロトタイプを開発したと報じた。米国が製作を阻止しようとしていたこの試作機は、2025年初頭に完成し、現在試験中であるという。蘭半導体大手ASML社(ASML)の元技術者らが、同社の極紫外線(EUV)リソグラフィー技術を用い、逆行工学(リバースエンジアリング)によって再現させた。EUVビームを用いて人間の髪の毛の数千分の1の薄さの回路をシリコンウェハーに刻み込む技術で、回路が微細化するほどチップの性能が高まるという。これまで西側諸国によって独占されていた技術であるが、輸出規制の中でASML社製に加え、ニコン社(Nikon)やキャノン社(Canon)製の部品を利用したとみられる。中国は半導体自立に向け、華為技術社(Huawei)と緊密に連携し、現在、深圳市の工場フロアには露光機が占め尽くされているという。2028年の実用化を目指すも、2030年の達成が現実的と記事は伝えている。 Reuters “How China built its ‘Manhattan Project’ to rival the West in AI chips” (12/18/25) https://www.reuters.com/world/china/how-china-built-its-manhattan-project-rival-west-ai-chips-2025-12-17/
科学者、米国開催の会議を欠席 小規模会議に参加
ネイチャー誌(Nature)は12月16日、科学者らは小規模会議に参加することで国際的な研究コミュニティの場を確保していると報じた。トランプ政権による19カ国への入国制限や、SNSなどの履歴提供要求などにより、科学者らが米国で開催される主要な科学会議を欠席し、数多くの科学会議において参加者数が減少しているという。例えば、大統領のカナダ政策が影響し、環太平洋国際科学会議(Pacifichem)でカナダからの参加者が減少した。これらを背景に、人工知能(AI)会議「ニュール IPS(NeurIPS)」や米国地球物理学連合(American Geophysical Union: AGU)は、米国内での会議開催とともに、メキシコシティやコペンハーゲンにも会場を設置し、科学者らが同会議に参加できるようにした。スピンオフ・カンファレンスとして欧州での開催に協力した科学者は、「知的にホームレスとなっている人々のために貢献したかった」と同開催について所感を語っている。このほかにも、多様性に対する政策を理由に参加を断念する科学者らは、リモートでの会議開催を模索し、交流継続を図ろうとしていると記事は伝えている。 Nature “Scientists skip key US meetings — and seize on smaller alternatives” (12/16/25) https://www.nature.com/articles/d41586-025-04083-4
民主党下院議員、エネルギー省に書簡送付 OCED廃止を違法と非難
12月18日、下院科学委員会(House Science Committee)に所属する民主党議員らが、エネルギー省(Department of Energy)に対し、クリーンエネルギー実証局(Office of Clean Energy Demonstrations: OCED)を違法に廃止したと抗議する書簡を送付したと発表した。署名には、科学委員会のゾーイ・ロフグレン筆頭議員(Zoe Lofgren、カリフォルニア州選出民主党)を筆頭に同委員会の民主党議員らが名を連ね、OCEDの廃止はインフラ投資雇用法(Infrastructure Investment and Jobs Act: IIJA)に反すると主張している。議会が設立を決定した組織を行政が無断で解体することは、法の支配や憲法の権力分立の原則を逸脱するものであると非難した上で、速やかなOCEDの復活を求めており、この違法行為により、多額のプロジェクトがリスクに直面し、エネルギー技術の進展が停滞する危険性があると警告している。OCEDは、大規模なエネルギー実証プロジェクトにおいて、質の高い技術かつ管理の提供に向け必要な専門知識を育成することを目的としていた。 House.gov “Science Democrats Condemn Illegal Elimination of the Office of Clean Energy Demonstrations” (12/18/25) https://democrats-science.house.gov/news/press-releases/science-democrats-condemn-illegal-elimination-of-the-office-of-clean-energy-demonstrations
下院中国特別委、中国企業のリスト化を要求
下院中国共産党特別委員会(Select Committee on the CCP)は12月19日、国防総省(Department of Defense)に対し、中国人民解放軍(People’s Liberation Army: PLA)と関係を持つディープシーク社(Deepseek)、ゴーション・ハイテック社(Gotion High-Tech)、ユニツリー社(Unitree)、ウーシー社(WuXi)を含む企業13社を「中国軍事企業」としてリスト化するよう要求したと発表した。国の軍事資金で中国の軍事産業や情報機関を支援しないようにするためで、ジョン・ムーレナー委員長(John Moolenaar、ミシガン州選出共和党)ら議員は、テンセント社(Tencent)を1月にリストに追加した実績に触れ、同省の第 1260H条リストにこれらの企業を追加することで国の資産を保護するべきであると訴えた。エヌビディア社(Nvidia)製GPUを採用するディープシーク社は、PLAの調達記録に150件以上記載されており、ゴーション社は軍用バッテリー開発に関与、ユニツリー社はPLAにロボット技術を提供し、ウーシー社も軍事医学機関との連携が深いと指摘している。 Select Committee on the CCP “Moolenaar, Scott, Garbarino, and Crawford Lead Letter Asking Pentagon to List Deepseek, Gotion, Unitree, and Wuxi as Chinese Military Companies” (12/19/25) https://chinaselectcommittee.house.gov/media/press-releases/moolenaar-scott-garbarino-and-crawford-lead-letter-asking-pentagon-to-list-deepseek-gotion-unitree-and-wuxi-as-chinese-military-companies
下院中国特別委、エネルギー省が中国と共同軍事開発と報告
下院中国共産党特別委員会(Select Committee on the CCP)は12月17日、エネルギー省(Department of Energy)が中国と連携し、軍事研究及び技術的開発を行っていたと発表した。報告書によると2023年6月から2025年6月の間に発表された約4,350本の研究論文うち、約2,200件は中国の国防関連機関と共同で行われたもので、特に「国防7校(Seven Sons of National Defense)」や中国の主要核兵器研究開発機関とされる「中国工程物理研究院(Chinese Academy of Engineering Physics)」と連携していた。具体的にはオークリッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory)とテネシー大学(University of Tennessee)の研究者が、中国電子科技集団有限公司(China Electronic Technology Group Corporation: CETC)と共同で電子導電性に関する論文を発表するなど、政府機関の科学者が中国の軍産複合体と直接協力し、国の安全保障に関わる技術を共同で開発している実態があるとし、研究の安全性を確保し、防衛関連技術の漏洩を防ぐための一層の警戒を促している。 Select Committee on the CCP “Investigation Reveals Energy Department Collaborated with China’s Military on Research” (12/17/25) https://chinaselectcommittee.house.gov/media/press-releases/investigation-reveals-energy-department-collaborated-with-china-s-military-on-research
空軍、AI実験機X-62に新型レーダー搭載へ
ディフェンス・ニュース(Defense News)は12月20日、空軍が自律飛行能力を持つ実験機X-62 VISTAに新型レーダーなどのミッションシステムを搭載し、人工知能(AI)技術の高度な試験能力を拡充すると報じた。戦闘機F-16Dを大幅に改造した同実験機に、レイセオン社(Raytheon)の先進的な火器管制レーダー「ファントムストライク(PhantomStrike)」を搭載する。カリフォルニア州エドワーズ空軍基地の空軍パイロットテスト学校(Air Force Test Pilot School)が改良試験を実施する予定で、複雑なシナリオにおけるAIシステムの統合やリアルタイム意思決定の評価が可能となると期待されている。これに先立ち、2023年9月にも空軍と国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency: DARPA)が協力し、X-62を使用した史上初のAI対人間パイロットによる模擬空中戦を実施している。空軍は、収集したデータは有人戦闘機と連携して飛行する無人僚機「協調型戦闘機(Collaborative Combat Aircraft: CCA)」の開発計画に活用されると説明している。 DefenseNews “Radar, other upgrades planned for experimental US Air Force AI fighter” (12/20/25) https://www.defensenews.com/air/2025/12/19/radar-other-upgrades-planned-for-experimental-us-air-force-ai-fighter/