Category:その他
エネルギー省、送電網増強に向けた量子アルゴリズム開発のコンペ開催
エネルギー省(Department of Energy)傘下の技術商業化局(Office of Technology Commercialization: OTC)は3月26日、送電網の増強に向け、量子コンピューティングなどを活用したアルゴリズム開発を競うコンペを開催すると発表した。「2026年グローバル産業チャレンジ(2026 Global Industry Challenge)」の一環で、「量子世界会議(Quantum World Congress)」を主催するコネクテッドDMV社(Connected DMV)と連携する。近年の人工知能(AI)データセンター普及に伴う電力需要の急増を背景に、従来の計算能力を超える量子技術やハイブリッド手法を用いてインフラ整備計画の迅速化と効率化を図ることが狙いで、次世代のエネルギー基盤構築に向けた革新的な手法を募集する。スタートアップや研究者、学生らを幅広く対象とし、審査には国立研究所の専門家が参画して技術の実用性やエネルギー分野への貢献度を評価する。同省は量子技術の理論から社会実装への移行を加速させ、エネルギー安全保障強化につなげたいとしている。 Department of Energy “DOE Partners on Quantum Algorithm Competition to Strengthen Grid Resilience” (03/26/26) https://www.energy.gov/technologycommercialization/articles/doe-partners-quantum-algorithm-competition-strengthen-grid
エネルギー省、AI活用したツールで原子炉許認可を加速
エネルギー省(Department of Energy)は3月26日、人工知能(AI)を活用して次世代原子炉の許認可プロセスを大幅に効率化し、商用展開までの期間を大幅に短縮する実証実験に成功したと発表した。通常は専門家チームが4〜6週間かけて行う208ページに亘る汎用高温ガス炉(High Temperature Gas Reactor: HTGR)の安全分析文書の作成を、エバースター社のAIツール「ゴーディアン(Gordian)」を用いてわずか1日で完了させたという。アイダホ国立研究所(Idaho National Laboratory)やアルゴンヌ国立研究所(Argonne National Lab)がマイクロソフト社(Microsoft)などと連携して、物理学や工学の知見を組み込み、欠落情報の特定や一貫性も確保しつつ、認可プロセスの精度を向上させた。AIによる生成物は、人間が最終確認を行うことで高い安全基準を維持しつつ業務負荷を軽減させるものとなっている。同省は許認可プロセスをさらに半減させることも視野に入れており、政府のAI導入を加速化させる取り組みに沿って、AIツールの開発と検証を継続する方針である。 Department of Energy “Department of Energy Unleashes AI to Reduce Reactor Licensing Timelines” (03/26/26) https://www.energy.gov/ne/articles/department-energy-unleashes-ai-reduce-reactor-licensing-timelines
エネルギー省、科学技術分野の競争力強化へ3.2億ドル投資
エネルギー省(Department of Energy)は3月27日、国の科学技術競争力の強化に向け、基礎科学と技術開発に総額3億2,000万ドル超を投じると発表した。材料科学、素粒子・原子力物理学、核融合エネルギー、量子情報科学など多岐に亘る分野での新たな知見開拓に向け、大学や産業界による217件の研究プロジェクトを支援する。具体的には、エネルギー貯蔵やマイクロエレクトロニクス、量子技術、構造部品に応用可能な新材料の開発、核融合プラズマの制御研究、クオークやグルーオンといった素粒子から原子核に至るまでの物質の基本的な構造の探究のほか、次世代原子炉向け先進センサーの開発などが資金提供の対象となる。同省傘下の科学局(Office of Science)は、これらの研究が今後数十年に亘り、国に恩恵をもたらすと説明しており、資金は最大5年間に亘り交付される。まずは2026年度分を含む1億7,400万ドルが割り当てられる予定であるが、現在、最終的な助成契約成立に向け、省と申請者との間で交渉が行われているという。 Department of Energy “U.S. Department of Energy Invests $320 Million in Pioneering Scientific Research” (03/27/26) https://www.energy.gov/science/articles/us-department-energy-invests-320-million-pioneering-scientific-research
エネルギー省、LBJビルへの本部移転を発表
エネルギー省(Department of Energy)は3月26日、教育省(Department of Education)が入居するリンドン・B・ジョンソン(Lyndon B. Johnson: LBJ)ビルへ移転すると発表した。約3億5,000万ドル以上の維持管理費及び整備コストを削減することが目的で、職員は現在のジェームズ・V・フォレスタルビル(James V. Forrestal Building)から、同ビルに加え、ジャーマンタウン・キャンパス(Germantown Campus)やポータルズ(Portals)、または950ランファン(950 L’Enfant)へ再配置される。トランプ大統領が掲げる政府の無駄排除と効率化推進の取り組みに沿うもので、移転先のLBJビルは既に、最新基準のクラスAビルへと改修されている。クリス・ライトエネルギー長官(Chris Wright)は「国民の負担を軽減しつつ同省のミッションを遂行する」と説明し、一般調達局(General Services Administration: GSA)も今回の移転により政府の不動産ポートフォリオを強化し、政府機関の合理化と高効率な職場環境の構築を進めると説明している。 Department of Energy “DOE and GSA Announce Collaborative Effort for a New Headquarters for the U.S. Department of Energy” (03/26/26) https://www.energy.gov/articles/doe-and-gsa-announce-collaborative-effort-new-headquarters-us-department-energy
ボーリング・カンパニー社、3都市で地下トンネル建設へ
アクシオス(Axios)は3月24日、イーロン・マスク氏(Elon Musk)が率いるボーリング・カンパニー社(Boring Company)が、ニューオーリンズ、ボルチモア、ダラスの各都市に地下トンネルを建設する計画を進めていると報じた。トンネル・ビジョン・チャレンジ(Tunnel Vision Challenge)プロジェクトを通じ、同社が費用を負担して、各都市に1マイルのトンネルを建設する意向を示している。現時点で具体的な目標や建設場所などの詳細は未定であるものの、マスク氏は過去にも水害問題を抱える同市に向けて、天候に左右されないハリケーン避難用の地下交通網を提案していた。ニューオーリンズ市のヘレナ・モレノ市長(Helena Moreno)は、プロジェクトが初期段階にあるとしつつも、「新たな機会につながる対話の扉を開いた」と評価している。今後、同社は地元指導者と協議を行い、地盤調査などを実施して計画の実現可能性を慎重に見極めていくという。 Axios “Elon Musk’s latest idea: Tunneling beneath New Orleans” (03/24/26) https://www.axios.com/local/new-orleans/2026/03/24/elon-musks-tunnel-boring-company
連邦機関のAI利用におけるプライバシー保護の改善を勧告
政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は3月26日、連邦機関における人工知能(Artificial Intelligence: AI)利用のプライバシーリスクに対処するため、行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)へ政府全体の指針を改善するよう勧告したと発表した。連邦機関でAIの導入が進む一方で、生データからの個人情報漏洩といった深刻な懸念が高まっている。GAOが専門家を交えて調査したところ、現在のOMBのガイダンスは、職員のAI実装スキルの向上やシステムの導入促進といった組織的な課題には対応していたが、プライバシーに関する10の主要課題のうち、機密データを含むAIモデルの評価方法や技術的な保護ツールの欠如、プライバシーと性能のトレードオフなど、具体的な保護策に関わる8つの課題には十分対応していなかった。こうした事態を受け、GAOは国民の機密情報を適切に保護するために、OMBに対して既知のリスク事例を指針に明示するとともに、省庁間での情報共有を促進する追加措置を講じるよう求めている。 GAO “Artificial Intelligence: OMB Action Needed to Address Privacy-Related Gaps in Federal Guidance” (03/26/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-107681
洋上風力建設、船舶の8割は自国船も、大型特殊船は外国籍 GAO報告
政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は3月26日、大西洋上の洋上風力発電所3件の建設事業に関与した300隻超について調査し、船舶の約8割が自国籍だった一方、タービン据え付けなどを担う大型・特殊船は外国籍の船舶に依存していたと発表した。作業員輸送や海底ケーブルのルート調査など支援業務を担う自国船に対し、外国船は国内に代替船がない大型・高機能の据え付け船などが中心であった。近年、商業造船業への懸念が高まる中、ジョーンズ法(Jones Act)などの沿岸輸送関連法が洋上風力関連作業に自国籍船の使用を求めており、こうした需要が国内造船業や人材の育成を通じて安全保障基盤を支える投資機会になり得る。GAOはまた、業界団体のアメリカン・クリーン・パワー協会(American Clean Power Association: ACP)の調査も紹介し、新造船50隻が12州の約20の造船所に収益をもたらす可能性があるが、国内船主が投資した大型の据え付け船は2隻にとどまったとも報告している。 GAO “Commercial Shipbuilding: Selected Offshore Wind Projects Used a Mix of U.S. and Foreign Vessels, Spurring Some Shipbuilding Investments” (03/26/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-107769
2025年末のデータセンター建設、電力制約で減速
ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は3月25日、データセンター建設が2025年末に減速したと報じた。送電線増強や新設、電気設備の追加などが必要な案件が工期に大きな影響を与え、6年ぶりの減速となった。不動産サービス大手のCBREグループ社(CBRE Group)によると、ハイパースケーラーのインフラ投資拡大にもかかわらず、建設中容量は前年同期比で約6%減少し、主に送電線増強や電気設備の追加が工期を圧迫した。ウッド・マッケンジー社(Wood Mackenzie)の調査でも、2025年10~12月期の建設追加容量は前期比で50%減の25ギガワット(GW)となった。ただし、多くのデータセンターが建設中にあることや、年間の開発計画容量は高水準を維持していることから、市場全体の投資意欲はなお根強いという。デルオロ・グループ(Dell’Oro Group)は2025年の設備投資が前年比57%増の7,000億ドル超に拡大し、今年は1兆ドルを超えると見込む一方、巨額投資が将来的なAIインフラの過剰供給リスクを高める可能性があるとも分析している。 Utility Dive “Data center buildouts slowed late last year” (03/25/26) https://www.utilitydive.com/news/data-center-building-boom-slows-despite-massive-spend/815694/
LBNL、マイクログリッド導入に関する地域指針を公開
ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory: LBNL)は3月25日、地域社会がマイクログリッドを導入する際に直面する法規制の影響を評価し、解決策を提示する報告書シリーズを発表した。異常気象を背景に、地域エネルギーの安全保障に対する需要が高まる一方、中央集権的な枠組みに基づく既存の法制が普及の足かせとなっていることから、実践的な枠組みと事例を提示することで、地域のリーダーが法的リスクを管理し、関係機関との協議を円滑に進めるよう支援していくものである。技術的知識を持たない意思決定者に向けた全3部構成で、相互接続や許認可などの基礎的な政策課題や、単一施設における公益事業分類の回避策の分析に加え、様々な事例を紹介した上で、公道横断を伴う複数施設間の権利課題を比較検討している。 Barkeley Lab “New Berkeley Lab report series guides communities through microgrid regulatory barriers” (03/25/26) https://emp.lbl.gov/news/new-berkeley-lab-report-series-guides-communities-through-microgrid-regulatory
連邦航空局、空港へのドローン導入に向け意見を募集
FEDSCOOPは3月23日、無人航空機システムの急増に伴い、連邦航空局(Federal Aviation Administration: FAA)が空港へのドローン導入に向けた基準策定のため意見を募集していると報じた。FAAは、専用施設であるドローンポート(離着陸場所)の整備や空港設計の最適化に向け、製造業者や軍などの関係者から情報収集し、寄せられた意見を基に今後の運用評価や標準化の形成に役立てる。先月発生した2件の事案が背景にあり、省庁間の連携不足による混乱で空域が一時的に制限されたことを受け、上院商務・科学・運輸委員会(Senate Commerce, Science and Transportation Committee)が調整体制の不備を厳しく批判していた。国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)や連邦緊急事態管理庁(Federal Emergency Management Agency: FEMA)は防御能力構築を急務とし、国防総省(Department of Defense)や司法省(Department of Justice)も違法運用に対して厳しい罰則を設け、政府全体で安全確保に努めるという。 FEDSCOOP “FAA seeks input on drone integration at airports” (03/23/26) FAA seeks input on drone integration at airports