Day: May 20, 2026

DARPA、戦略的材料の確保を目指しユタ州に拠点設立

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は5月19日、ユタ州との間で、「戦略的材料のアクセラレータ及び研究試験場(Strategic Materials Accelerator & Research Test Bed: SMART)」をユタ大学(University of Utah)に設立する契約を締結したと発表した。SMARTは、重要鉱物やレアアース元素など戦略的材料の国内供給の強化を目標とする。これらの貴重な資源を特定・抽出・加工する新規かつ効率的な技術の開発と拡張を促進し、これらの材料の海外依存を低減していく。ユタ大学に設置される研究試験場においては、米政府が新興技術の試験・評価を行う能力が拡大され、特に国内供給網の強化を目的として戦略的材料の加工工程を推進することに重点が置かれる。 DARPA “A SMART approach to securing strategic materials” (05/19/26) https://www.darpa.mil/news/2026/smart-approach-securing-strategic-materials

JITAF401、対無人航空機システムを5億ドルで契約

国防総省(Department of Defense)は5月18日、省庁間合同タスクフォース401(Joint Interagency Task Force 401: JIATF 401)が、省の活動全体における対無人航空機システムの運用を支援するため、3年間で最大5億ドルの無期限・無制限数量(Indefinite- Delivery Indefinite-Quantity: IDIQ)契約を締結したと発表した。この契約により、米兵や国内外の軍事活動用プラットフォームを防護するため、低コストで消耗可能な空対空ドローン迎撃機の導入・大規模展開するという国防総省の能力を加速させる。契約を受注したのは、ペレニアル・オートノミー社(Perennial Autonomy)で、人工知能(AI)を活用した対無人航空機システムの幅広い分野が対象となっている。 Department of Defense “Joint Interagency Task Force 401 Awards $500 Million Counter-UAS Contract” (05/18/26) https://www.war.gov/News/News-Stories/Article/Article/4495165/joint-interagency-task-force-401-awards-500-million-counter-uas-contract/

NSFのSTRIDEベンチャーズ、AI効率性チャレンジを開始

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の技術・イノベーション・パートナーシップ局(Directorate for Technology, Innovation and Partnerships: NSF TIP)が資金を提供し、スタート2グループ(Start2 Group)が運営するイニシアチブ「STRIDEベンチャーズ(STRIDE Ventures)」は先般、AI効率性チャレンジ(AI Efficiency Challenge)を開始した。本チャレンジは、実装可能なソリューションの商用導入を加速させ、大規模な人工知能(AI)/機械学習(ML)システムやデータセンターの効率性を大幅に向上させることを目指す。AI/MLパイプライン全体で効率性の向上を迅速に実現するソリューションが優先され、助成金は2つのレベル(1件につき最大350万ドル、同最大175万ドル)で提供される。 NSF-supported STRIDE Ventures launches AI Efficiency Challenge to invest up to $13 million to accelerate deployment-ready innovations to strengthen U.S. AI infrastructure https://www.nsf.gov/tip/updates/nsf-supported-stride-ventures-launches-ai-efficiency

データセンターのサーバーによるエネルギー消費は商業建造物全体で増加

エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)の「2026年年間エネルギー見通し(Annual Energy Outlook 2026)」によれば、データセンターのサーバーによる電力消費は商業建造物全体で増加し、データセンター専用施設における消費の増加は、その他の全てのデータセンター室を合算した増加を上回る見通しである。2050年までに、サーバーによるエネルギー消費だけで4,460億~8,180億キロワット時(kWh)に到達すると予測される。データセンター専用施設は、EIAの報告で「その他の建造物」のカテゴリーに含まれ、2050年に5,810億kWhを消費すると予測されている(電力需要が最も高い筋書きの場合)。全ての筋書きにおいて、2025年にはサーバーが商業部門全体の電力消費の7%を占めていたと試算され、2050年までには、データセンターのサーバーによる電力消費量は、全ての筋書きにおいて、商業建造物の電力消費量の22~33%に拡大すると見込まれている。 Energy Information Administration “Data center server energy use grows across the commercial building stock” (05/19/26) https://www.eia.gov/todayinenergy/detail.php?id=67704

エネルギー省、国内の重要鉱物・材料の供給網支援に4,500万ドル

エネルギー省(Department of Energy)の重要鉱物・エネルギー・イノベーション局(Office of Critical Minerals and Energy Innovation: CMEI)は5月19日、国内の重要鉱物及び材料の供給網(サプライチェーン)におけるギャップに対処することで米国のエネルギー・イノベーションの拡大を図る19件のプロジェクトに4,570万ドルを提供すると発表した。マグネシウム及びレアアース元素の加工を目的とした試験的規模の施設を設立し、重要材料の生産に使用される新規技術の開発を支援する。今回選出されたのは、連続的な小型試験設備から商業化前/商業生産へ移行する試験的な加工に取り組む2件のプロジェクトと、商業的に実行可能で持続可能性のある重要鉱物の国内供給源を多様化する技術及び手法の開発に取り組む17件のプロジェクトである。 Department of Energy “DOE’s Office of Critical Minerals and Energy Innovation Announces Over $45 Million To Support Reliable and Affordable Domestic Critical Mineral and Material Supply Chains” (05/19/26) https://www.energy.gov/cmei/articles/does-office-critical-minerals-and-energy-innovation-announces-over-45-million-support

ネクステラ・エナジーとドミニオン・エナジーが合併 巨大インフラ企業誕生へ 

アクシオス(Axios)は5月18日、電力大手のネクステラ・エナジー社(NextEra Energy)とドミニオン・エナジー社(Dominion Energy)が合併計画を発表したと報じた。規制当局に承認されれば時価総額で世界最大の大手電力事業、かつ世界最大級のエネルギー・インフラ企業が誕生する。新会社はフロリダやバージニアなど計4州で約1,000万顧客を抱え、総発電容量は110ギガワットに達し、再生可能エネルギーと蓄電池で世界首位、総発電量で全米首位となる。合併の背景には製造業の国内回帰、人工知能(AI)や電気自動車(EV)普及に伴う国内の電力需要急増があり、規模拡大による資金調達や効率化が不可欠な現状から、ドミニオン社が管轄するバージニア州などの大規模データセンター群に対し、ネクステラ社の蓄電池技術投入により変革につながると期待されている。一方で電気料金への影響を巡る懸念もあり、ドミニオン社顧客への約22億5,000万ドル規模還元策も提示された。12〜18カ月以内の合併完了を目指すが法規制面での審査が今後の焦点となる。 Axios “NextEra, Dominion announce merger to create U.S. power behemoth ” (05/18/26) https://www.axios.com/2026/05/18/nextera-dominion-merger-power-electricity

カリフォルニア州のデジタル民主主義プログラム AI政策に住民の声反映

カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事(Governor Gavin Newsom)は5月7日、人工知能(AI)政策に全ての州民の声を反映させ、経済や労働者への影響を評価するデジタル民主主義プログラム「エンゲージド・カリフォルニア(Engaged California)」を展開すると発表した。全住民の意思決定参加を目指す取り組みで、まず第1段階の公募でAIを使った業務経験や政府対応策への提案を募った後、今夏後半に開始予定の第2段階で労働環境を反映した少数の代表者による生討論を行い、政策策定に向けた共通認識を見出していく。同州は世界トップ50のAI企業のうち33社が拠点を置く技術ハブで、これまでも安全指針の策定や生成AIの行政活用を進めてきた。今回の取り組みは2025年に行われた災害復興対応や、州職員を対象とした過去2回の試験運用で高い信頼と成果を得られた実績に基づくとし、州政府は今後、寄せられた意見を集約して最終報告書を作成し、倫理的かつ責任あるAI政策や共同規制の策定に役立てる方針を示している。 Governor Gavin Newsom “Governor Newsom launches Engaged California statewide for the first time to give all Californians a stronger voice in AI policy” (05/07/26) Governor Newsom launches Engaged California statewide for the first time to give all Californians a stronger voice in AI policy

SEMI、FHE開発の提案募集開始

国際半導体製造装置材料協会(Semiconductor Equipment and Materials Institute: SEMI)は5月19日、傘下の技術戦略連合「フレックステック(FlexTech)」が、最先端材料や積層造形プロセスの開発を含むフレキシブル・ハイブリッド・エレクトロニクス(Flexible Hybrid Electronics: FHE)技術の進歩に向けた提案募集(Request for Proposal: RFP)を開始したと発表した。募集領域は、成形可能な柔軟性電子機器、高度接合信頼性、柔軟性のある新型蓄電システム、二次元(2D)材料の4分野で、審査委員会は妥当性や予算に加え、産業と軍事両用の適用性などを評価する。陸軍研究所(Army Research Laboratory: ARL)の資金提供を受ける本プログラムでは、採択案件へ25万〜50万ドルの支給に加え、受賞者も拠出して運営される。同連合は応募者に対し、企業や研究機関、大学の連携を推奨しており、革新的またはリスクのある技術アプローチを支援しつつ、開発した知的財産権は、開発にあたる企業や大学側に帰属する仕組みとした。提案は7月6日まで受け付ける。 SEMI “SEMI FlexTech Solicits Proposals for Advancing the Future of Flexible Hybrid Electronics” (05/19/26) https://www.semi.org/en/semi-press-release/semi-flextech-solicits-proposals-for-advancing-the-future-of-flexible-hybrid-electronics

米国アカデミー、エネルギー・水インフラ統合技術開発の推進を提言

米国科学・工学・医学アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine: NASEM)は5月19日、エネルギー・水システム強化に向け、エネルギー省(Department of Energy)による実証プログラムを通じた革新的技術やインフラ開発推進を促す報告書を発表した。寒波による停電で給水が寸断された2021年のテキサス州豪雪災害の例を挙げ、混乱事象が両システムに即座に影響し、国民生活や安全保障へ与えるリスクを指摘している。また各システムは多くの場合個別に管理されていることに加え、データセンターの台頭による電力や水への需要急増など地域ごとに課題が異なるため、一律の国家戦略では対応が難しいとし、報告書は地方制約や住民ニーズを最優先とする実証計画を構築し、分散型インフラの費用対効果検証やデータ収集、リスク管理システムを構築するよう提案した。さらに、水管理を統括する連邦機関の不在も政策策定の阻害要因とし、同省が調整役として地域権限に配慮しつつ各界との連携を主導するよう提言している。 NASEM “New Technologies and Approaches Needed to Shore Up Interconnected U.S. Energy and Water Systems, Says New Report” (05/19/26) https://www.nationalacademies.org/news/new-technologies-and-approaches-needed-to-shore-up-interconnected-u-s-energy-and-water-systems-says-new-report

核ごみ処分、エネルギー省の専門人材不足が深刻化 GAO報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は5月19日、核廃棄物処分や環境浄化を担うエネルギー省(Department of Energy)環境管理事務局(Office of Environmental Management: EM)において、専門人材の不足が深刻化しているとする報告書を発表した。同局職員数は2023年度の1,272人から856人へと33%減少し、2025年度末時点で欠員率が45%に達している。欠員のほぼ半数は核安全専門家や原子力工学など事業に不可欠な汚染建物、土壌、地下水への対処、放射性廃棄物などの処理などの「重要職種」で、大量離職に加え、残留職員の35%が2030年までに高齢化による退職予定となっている。2026年度には174人の新規採用を計画しているものの、GAOは2024年の前回調査で指摘した「人員不足に伴う計画の遅延やコスト超過、労働災害の発生」などのリスクが一段と高まっていると強調した。その上で、同省が同意しながらも未着手のままとなっている長期的な人員計画の策定など、10項目の勧告を早期に実行するよう強く求めている。 GAO ” Nuclear Waste Cleanup: DOE Shortages in Mission-Critical Positions Have Continued to Increase” (05/19/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-108674