過去十年間の石炭火力発電所の閉鎖により、2万6,000人以上の人命が救われたとの調査報告

専門誌「ネイチャー・サステナビリティ(Nature Sustainability)」に発表された、カリフォルニア大学サンディエゴ校(University of California, San Diego)の環境科学者、ジェニファー・バーニー氏(Jennifer Burney)氏が率いる研究チームの論文によれば、2005年から2016年の間に米国内で330か所以上の石炭火力発電所が操業を停止し、その結果、2万6,000人以上(試算)の人命が救われたという。更に、3億トン以上の二酸化炭素が大気へ排出されることが防止された他、過去十年間における排出管理技術の進歩も重なり、石炭発電所から排出される二酸化窒素は60%減少、二酸化硫黄は80%減少するなどした。​ ​ Science Blog “Shuttering of U.S. Coal Plants Saved More than 26,000 Lives Over the Past Decade, Study Finds” (1/8/20) ​

エネルギー省、エネルギー貯留グランド・チャレンジを立ち上げ​

エネルギー省(Department of Energy)のダン・ブルイエット長官は1月8日、エネルギー貯留グランド・チャレンジ(Energy Storage Grand Challenge)の立ち上げを発表した。同チャレンジは、次世代のエネルギー貯留技術の開発、商業化、活用を加速させ、エネルギー貯留における米国の世界的なリーダーシップを維持するための包括的なプログラムで、トランプ大統領の2020年予算教書で発表された先端エネルギー貯留イニシアチブ(Advanced Energy Storage Initiative)(1億5,800万ドル)に基づく。エネルギー貯留グランドチャレンジは、研究開発資金提供公募や賞金、パートナーシップ、その他のプログラムを使い、①技術開発、②技術移転、③政策及び評価、④製造及びサプライ・チェーン、⑤労働力、の分野について、米国が2030年までに達成するゴールを設定している。​ ​ Department of Energy “U.S. Department of Energy Launches Energy Storage Grand Challenge” (1/8/20) ​

GAO、「FAAはドローンの統合を進展させるため、試験場をより良く活用すべき」と報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)」は今般、「無人航空システム:連邦航空局はドローンの統合を進展させるため、試験場をより良く活用すべき(Unmanned Aircraft Systems: FAA Could Better Leverage Test Site Program to Advance Drone Integration)」と題する報告書を発表した。ドローンには、荷物の配達、農作物の監視、その他の重要な社会的・経済的恩恵を米国にもたらす可能性がある。連邦航空局(Federal Aviation Administration: FAA)は、業界との協力の下、ドローンを有人航空機が飛ぶ上空に安全に統合するための取り組みを行っており、7つのドローン試験場を有している。これらの試験場では、2015年以来、約1万5,000件のドローン研究フライトが実施されている。こうした中、GAOは、FAAは、試験サイトで収集したデータのより良い活用が可能であるとした上で、FAAに、①データ分析計画を策定すること、②これらのプログラムがどのように統合への情報提供となるのかについて更なる情報共有をすること、を勧告している。​ ​ Government Accountability Office “Unmanned Aircraft Systems: FAA Could Better Leverage Test Site Program to Advance Drone Integration” (1/9/20) ​

米国の研究開発費、2017年に320億ドル増の5,480億ドルに。2018年は5,800億ドルとの試算​

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)傘下の国立科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)が発表した新たなデータによれば、2017年に米国内で実施された研究開発(R&D)の支出は合計5,479億ドルであった。また、2018年の合計は5,800億ドルと予測されている。比較として、2015年は4,937億ドル、2010年は4,066億ドルであった。2010年~2017年は、米国のR&D支出に前年比で大幅な増加が見られた(平均で前年比202億ドル増)。これは、実質変化がなかった2008年と2010年と対照的である。記事では、R&費とGDPの比率、R&D実施者、R&Dの資金源、R&Dの種別についても報告している。​ ​ National Science Foundation “U.S. R&D Increased by $32 Billion in 2017, to $548 billion; Estimate for 2018 Indicates a Further Rise to $580 billion” (1/8/20) ​

エネルギー省、主要原子物理学研究施設としてブルックヘイブン国立研究所を選出​

エネルギー省(Department of Energy)は1月9日、計画が進められている主要原子物理学研究施設として、ブルックヘイブン国立研究所(Brookhaven National Laboratory)を選出したと発表した。今後10年間をかけて「エレクトロン・イオン・コライダー(Electron Ion Collider: EIC)(電子イオン衝突加速器)」が設計及び建設され、その費用は16~26億ドルと試算されている。EICは、電子をプロトンやより重い原子核に衝突させ、原子核を結びつける「強い力(strong force)」の謎の理解に取り組む。EICの設計及び建設は、米国科学アカデミー(National Academies of Science)の米国研究評議会(National Research Council: NRC)が勧告したもので、連邦の原子力科学諮問委員会(Nuclear Science Advisory Committee)も支持を表明している。​ ​ Department of Energy “U.S. Department of Energy Selects Brookhaven National Laboratory to Host Major New Nuclear Physics Facility” (1/9/20) ​

大統領府、連邦機関に拘束力のあるAI規制原則を提案​

大統領府は1月7日、民間セクターにおける人工知能(AI)開発を統治しようとする連邦機関に規制面で一貫性をもたせるため、拘束力を持つ一連(10件)の原則を初めて提案した。政権の上級高官は、「AIの開発方法について、世界のあらゆる国が採択できるような、一貫性のある世界標準の確立につながることを期待している」と述べた。AIにおける米国のリーダーシップの維持に関して2019年2月に発表された行政命令は、一般市民の関与、連邦機関の過剰規制の制限、信頼性のある技術の推進を確実にする規制原則を策定するよう要請しており、今回はそれに応答するもの。10件の原則は、①AIへの国民の信頼、②一般の参加、③科学的完全性と情報の質、④リスク評価と管理、⑤恩恵とコスト、⑥柔軟性、⑦公平と非差別、⑧開示と透明性、⑨安全と安全保障、⑩省庁間の調整。​ ​ Fedscoop “White House proposes binding AI regulatory principles for agencies” (1/7/20) ​

米宇宙軍、革新的技術を求めて最初のピッチ・デーを計画

最近新設された米宇宙軍(U.S. Space Force)は、すでに最初のピッチ・デー(中小企業が自社製品などを政府に売り込み、調達契約を獲得)を計画している。同軍は3月4日にフロリダ州にあるパトリック空軍基地(Patrick Air Force Base)で、軍事施設及び宇宙事業支援のための革新的なソリューションを模索するピッチ・デーを開催する。対象となる分野は、気象、スペースリフト・ミッションの成功を促進するビジネス・システム及び情報技術などである。宇宙空間における米国の利益を防護する宇宙軍の任務は、トランプ大統領が12月20日に「2020年国防承認法(2020 National Defense Authorization Act)」に署名して法制化し、公式なものとなった。空軍は、ここ1年、非従来的なイノベーターやスタートアップに接触するため、ピッチ・デーを活用しており、宇宙軍もこれに倣った形である。​ ​ Fedscoop “U.S. Space Force plans first pitch day for innovative tech” (1/7/20) ​

EPA、クリーン・トラック・イニシアチブに関する規則策定案の事前通知、パブコメを募集​

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は、クリーナー・トラック・イニシアチブ(Cleaner Trucks Initiative: CTI)に関する規則策定案の事前通知(Advance Notice of Proposed Rulemaking: ANPR)を行った。最終的なCTI規則策定により、幹線道路用大型車両のエンジンを対象とした、窒素酸化物及びその他の汚染物質のより厳しい基準が確立される計画である。今回の規則策定は、エンジン・メーカーのコストを低減するため、認証プロセスを合理化・改良する機会も呈する。​ ​ Green Car Congress “EPA issues ANPR on Clean Trucks Initiative, seeking input from public and stakeholders” (1/7/2020) ​

ソーラー発電導入は2020年に14%急増するとの予測​

IHSマーキット社(HIS Markit)の「2020年世界太陽光発電需要予測(2020 Global Photovoltaic (PV) Demand Forecast)」によれば、世界のソーラー発電の導入は2020年も2桁成長を続け、同年における新規導入は14%増加して142ギガワット(GW)に達する見込みであるという。142GWは、10年前(2010年)に導入された能力(20GW)の7倍である。ソーラー発電の導入は、地域的にも目覚ましい成長を示し、設置済み発電能力が1GW以上である国は、2010年の7カ国から、2020年末には43カ国以上になると予測されている。また、最大の市場は引き続き中国となっているが、その他の地域でもソーラーの導入は進んでおり、中国市場への過大な依存は弱まる見通しとなっている。​ ​ Environmental Leader “Report: Solar Installations to Spike 14% in 2020” (1/7/20) ​

ロジウム・グループ、温室効果ガスの排出に関する報告書を発表​

ロジウム・グループ(Rhodium Group)が最近発表した報告書によれば、2018年に上昇した温室効果ガスの排出量は、2019年に2.1%減少した。石炭火力発電所による排出は18%の減少となり、1975年以来の最低水準になった。しかしその一方で、天然ガスからの排出は増加し、その他の部門(建造物や業界など)からの排出も増加した。報告書は、トランプ政権に対して、特定の部門に対する規制を強化し、排出を削減するための低コスト技術を導入するよう要請した。報告書はまた、米国は、2009年のコペンハーゲン合意(2009 Copenhagen Accord)の下での目標を達成できない「リスク」状態にあり、パリ気候合意の下での目標達成までは「長い道のりがある」としている。 ​ ​ The Hill “Study finds greenhouse gas emissions fall, calls on Trump to further strengthen regulations” (1/7/20) ​