トランプ政権、連邦職員の新雇用区分「スケジュール政策・キャリア」を導入

米国物理協会(American Institute of Physics: AIP)は2月9日、トランプ政権が連邦職員の雇用保護を大幅に削減する新たな雇用区分の導入を決定したと伝えた。第1期トランプ政権で物議を醸した「スケジュールF」を改称した「スケジュール政策・キャリア(Schedule Policy/Career)」と呼ぶ雇用区分で、人事管理局(Office of Personnel Management: OPM)が3月9日から施行する。この新区分導入により、「政策に影響を与える」職務に従事する数万人の連邦職員が再分類される可能性があり、従来の雇用保護や人事制度保護委員会への不服申し立て権を失うことになるという。これに対し、全米政府職員組合(American Federation of Government Employees: AFGE)は「専門的で非党派的かつ実力主義で運営されている公務員制度への攻撃」と批判し、法的措置を検討している。また、クリス・バンホーレン上院議員(Chris Van Hollen、メリーランド州選出民主党)らも懸念を表明、連邦職員保護の強化を求める動きが活発化している。 AIP “Trump administration moves forward with rebranded Schedule F” (02/09/26) https://www.aip.org/fyi/the-week-of-feb-9-2026

CIA、技術調達の迅速化へ新枠組み導入

NEXTGOV/FCWは2月9日、中央情報局(Central Intelligence Agency: CIA)が民間部門からの技術調達プロセスを抜本的に見直し、最先端技術の迅速な導入を図る新たな調達枠組みを発表したと報じた。ベンダー審査システムを集約化し、合理化したIT認可プロセス導入により、任務要件の策定から運用許可取得までの時間を大幅に短縮する。中国などの外国勢力からの経済・安全保障上の脅威が高まる中、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency: DARPA)出身のエフスタシア・フラゴギアニス氏(Efstathia Fragogiannis)が取り組みを主導する。政府の従来の調達タイムラインの遅さが革新的企業の参入障壁となり、必要な新技術への迅速なアクセスが阻害されていることへの対応で、CIAは速度、機敏性、革新文化への根本的転換が必要とし、これまでの人的諜報機関の本質を保ちつつ、人工知能(AI)からバイオ・金融技術、マイクロエレクトロニクスなど幅広い分野での商業連携を拡大していく方針を示した。 NEXTGOV/FCW “CIA announces new acquisition framework to speed tech adoption” (02/09/26) https://www.nextgov.com/acquisition/2026/02/cia-announces-new-acquisition-framework-speed-tech-adoption/411285/?oref=ng-homepage-river

トランプ政権下で環境法執行が大幅減少 監視団体が報告

非営利団体の環境保全プロジェクト(Environmental Integrity Project:EIP)は2月5日、第2期トランプ大統領の政権1年目における環境汚染企業に対する連邦政府の法執行件数が、前政権比76%減の16件まで急減したと発表した。これは第1期トランプ政権1年目の86件と比べても大幅な減少である。環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)のリー・ゼルディン長官(Lee Zeldin)は3月、「米国史上最大の規制緩和」として31項目の環境規制撤廃を発表しており、新たな「コンプライアンス優先」政策では正式な執行措置より、企業との協力を重視する方針を打ち出していることが背景にある。こうした中、司法省(Department of Justice)の環境部門では過去1年で弁護士の3分の1が離職し、EPAでも人体への健康被害に関して監視していた数百人の職員が解雇された。ハーバード大学法科大学院のエリカ・クランツ氏(Erika Kranz)はこの状況を「政権による環境・公衆衛生保護軽視の助長につながる」と懸念を示している。 EIP “Declining Environmental Enforcement in Trump’s Second Term” (02/05/26) https://environmentalintegrity.org/wp-content/uploads/2026/02/EPA-Enforcement-Report-EMBARGOED-for-2.5.26.pdf 参照記事: Ars Technica “Under Trump, EPA’s enforcement of environmental laws collapses, report finds” (02/07/26) https://arstechnica.com/science/2026/02/under-trump-epas-enforcement-of-environmental-laws-collapses-report-finds/

中国の先端産業R&D投資に勢い コスト調整後では形勢逆転も

情報技術イノベーション財団(Information Technology & Innovation Foundation:ITIF)は2月9日、中国企業の先端産業における研究開発(R&D)投資が急速に拡大し、米国の技術経済的優位性が脅かされているとする報告書を発表した。ITIFによると、航空宇宙・防衛、電気機器、バイオ医薬品など9つの先端産業分野で、米国企業は依然として全体的な投資額では優位に立つものの、経済規模や賃金格差を調整した比較では、中国企業との差が急速に縮小していることがわかった。特に中国のR&D人件費が米国より大幅に安価なため、同じ投資額でも2.3倍の研究者を雇用できる点が大きいと指摘した。またコスト調整後の分析では、バイオ医薬品とソフトウェア・サービス以外の7分野で、中国が米国を上回る実質的なR&D投資を行っているという。ITIFは、中国は米国の経済力と国家安全保障を支える先端産業を体系的に支配しようとしているとし、政府に中国による重商主義へ対抗する政策措置に加え、R&D税制優遇の拡充などの対策を強化するよう求めている。 ITIF “China Is Rapidly Catching Up in Advanced Industry R&D as US Advantage Narrows, New Report Finds” (02/09/26) https://itif.org/publications/2026/02/09/china-is-rapidly-catching-up-in-advanced-industry-r-and-d-as-us-advantage-narrows-new-report-finds/

国防総省、ハーバード大学との学術提携を解消

国防総省(Department of Defense)は2月6日、ハーバード大学(Harvard University)との学術提携を解消すると発表した。ピート・ヘグセス国防長官(Pete Hegseth)は、軍人を同大学に派遣することで軍人階級への理解促進を図っていたが「グローバリストや急進的なイデオロギーを持った将校が多く戻ってくるようになった」とし、将来の軍幹部養成において同大学への派遣は目的に適さないと判断したことを明らかにした。具体的には、2026-2027年度から大学院レベルの軍事教育、フェローシップ、認定プログラムを中止するが、現在受講中の軍人は課程を修了できる。また同長官は、ハーバード大学の中国共産党との研究協力や、ハマスを称賛し反ユダヤ攻撃を許容する学内環境を問題視しているとも指摘し、今後数週間でその他の大学との関係も検討する方針を示した。 Department of Defense “War Department Cuts Ties With Harvard University” (02/06/26) https://www.war.gov/News/News-Stories/Article/Article/4399812/war-department-cuts-ties-with-harvard-university/

運動エネルギー型対ドローン「バンブルビーV2」を即時導入

国防総省(Department of Defense)は2月9日、対小型無人機(ドローン)システム(sUAS)を運動エネルギーで迎撃する新たな戦闘能力システムを即時提供する方針を発表した。同省傘下の合同省庁タスクフォース401(Joint Interagency Task Force 401)は、複数のローター(回転翼)を持つドローン(マルチローター)「バンブルビーV2(Bumblebee V2)」の調達契約を520万ドルで締結し、3月から陸軍へ納入開始する。武装ドローンと直接衝突して両機を無力化する低コストかつ付帯的損害を最小化する迎撃システムで、国防権限法(National Defense Authorization Act: NDAA)に準拠した、識別、追跡、衝突を可能にする最先端ソフトウェアを搭載しており、同省は現場の兵士や国内の重要インフラを守るための最善の選択肢であると強調した。近年高まるドローン脅威を背景に、ダメージを最小限に抑える運動エネルギー迎撃能力向上は部隊防護に不可欠であるとし、陸軍傘下の地球規模対応部隊(Army’s Global Response Force)が実運用評価を実施する。 Department of Defense “JIATF-401 Announces Kinetic Counter-Drone System; Enhancing Warfighter Lethality” (02/09/26) https://www.war.gov/News/News-Stories/Article/Article/4401450/jiatf-401-announces-kinetic-counter-drone-system-enhancing-warfighter-lethality/

2025年のEV販売減速、税額控除終了で

エネルギー情報局(Energy Information Administration:EIA)は2月9日、2025年の新車販売で電動化車両全販売数が拡大する一方、電気自動車(EV)の販売は前年から減少したと発表した。2025年に販売された小型車の約22%がハイブリッド車、EV、プラグインハイブリッド車(Plug-in Hybrid Vehicles: PHV)で、2024年の20%から上昇した。内訳を見ると、ハイブリッド車は市場シェアを伸ばした一方、EVとPHV車は縮小した。背景には、9月末に新車購入を対象とした一般エコカー向け税額控除(New Clean Vehicle Credit)と商用向け税額控除(Qualified Commercial Clean Vehicle Credit)終了があり、EVの販売比率は終了直前の9月に12%と過去最高を記録したが、その後は年末まで6%未満に急落し、年間ベースでは初めて前年割れとなった。EVは高級車市場での比率が高く、2025年の高級車販売の23%を占めていた。なお、販売台数は保有台数全体に比べて依然小さく、2024年時点で登録車両に占める電動車の割合は2%にとどまっている。 EIA “Electric vehicle sales fell as hybrid vehicle sales continued to rise in 2025” (02/09/26) https://www.eia.gov/todayinenergy/detail.php?id=67144

エネルギー省、GMD評価を迅速化する新モデリングツールを公開

エネルギー省(Department of Energy)は2月9日、電力事業者による地磁気擾乱(Geomagnetic Disturbance: GMD)評価を効率化する新たなモデリング・ソフトウエアを公開した。手入力により数時間かかっていたデータ処理を自動化し、数分で評価作業を完了させるもので、同省傘下のサイバーセキュリティ・エネルギー安全保障・緊急対応局(Office of Cybersecurity, Energy Security, and Emergency Response: CESER)とパシフィック・ノースウエスト国立研究所(Pacific Northwest National Laboratory: PNNL)が共同開発した。太陽活動に伴う磁気嵐は送電網に地磁気誘導電流を発生させ、停電や設備損傷の原因となるため、事業者は規制に基づく高精度なGMD評価を定期的に実施する必要がある。自動化により規制順守に伴う審査も迅速化でき、北米電力信頼度協議会(North American Electric Reliability Corporation: NERC)や連邦エネルギー規制委員会(Federal Energy Regulatory Commission: FERC)が行う基準改定による対応負担の軽減にもつながるという。 Department of Energy “CESER Releases New GMD Modeling Software Tool” (02/09/26) https://www.energy.gov/ceser/articles/ceser-releases-new-gmd-modeling-software-tool

エネルギー省、官民連携コンソーシアム発足 AI活用で技術イノベーションを推進 

エネルギー省(Department of Energy)は2月9日、人工知能(AI)を活用して革新的技術発見を加速させる官民パートナーシップ「ジェネシス・ミッション・コンソーシアム(Genesis Mission Consortium)」を立ち上げたと発表した。エネルギー・先端技術分野における国の優位性確保に向けた取り組みで「ジェネシス・ミッション(Genesis Mission)」などの大統領令に基づき、同省や国立研究所、民間企業、学術機関の技術力と専門知識を結集し、科学研究を推進する。運営は非営利の独立研究機関、RTIインターナショナル(RTI International)傘下のテックワークス社(TechWerx)が担当し、AIモデルの開発・検証、データ統合・標準化、高性能コンピューティング、ロボティクス・自動化などの分野でワーキンググループを設置し、産学との共創を推進する。また、年次総会やワークショップ、技術展示会も定期的に開催し、会員間の連携強化を図っていく方針である。 Department of Energy “Energy Department Launches Genesis Mission Consortium to Accelerate AI-Driven Scientific Discovery and American innovation” (02/09/26) https://www.energy.gov/articles/energy-department-launches-genesis-mission-consortium-accelerate-ai-driven-scientific

トランプ大統領、武器輸出戦略を発表 国内産業基盤を強化

大統領府は2月6日、武器輸出を国内産業基盤の再興と結びつける「米国第一主義・武器移転戦略(America First Arms Transfer Strategy)」を確立する大統領令に、トランプ大統領が署名したと発表した。年間3,000億ドルを超える防衛装備品の輸出を活用し、国家安全保障戦略の遂行に最も必要な兵器の生産能力拡大、国内再工業化、重要なサプライチェーンの強化を目指すもので、大統領は関連機関に対し、戦略目標に沿った優先装備品カタログの作成や関連業界との連携強化を指示した。また新たに、戦略の実施を監督する「軍事販売促進タスクフォース(Promoting American Military Sales Task Force)」を設置し、最終用途監視基準や議会通知プロセスの効率化、四半期ごとの実績公表による透明性向上についても推進する。従来の武器輸出は相手国の優先事項に左右され、生産の遅延やコスト超過を招いてきたが、新戦略により同盟国への迅速な装備品供給と米国製造業の拡大を両立させる方針である。 The White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Establishes the America First Arms Transfer Strategy” (02/06/26) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2026/02/fact-sheet-president-donald-j-trump-establishes-the-america-first-arms-transfer-strategy/