NASAとOPM、新型採用プログラムを開始 高度技術人材を登用

航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)は4月17日、人事管理局(Office of Personnel Management: OPM)と連携し、新規採用プログラム「NASAフォース(NASA Force)」を立ち上げたと発表した。同プログラムは高度スキルを持つ若手や中堅エンジニアなどを対象とした連邦政府全体の技術力強化に向けた国の人材育成イニシアチブの一環で、NASAの探査や研究、先端技術の分野に即戦力となる人材を配置し、航空宇宙分野での技術的優位性を維持する狙いがある。この取り組みに関して、NASAはアルテミス2号(Artemis II)ミッションの成功が新たな人材獲得への追い風になっているとし、OPMも国の技術的挑戦を支える次世代人材の公的部門への参画が重要であると強調した。最初の募集職種は任期2年(延長の可能性あり)の航空宇宙エンジニアのポジションで、今後数週間から数カ月で追加募集も予定している。NASAは内部人材の育成と技術的基盤強化を持続的に進めることで、人的基盤を整備し、国家宇宙政策を実現する構えである。 NASA “NASA, OPM Announce New NASA Force Website, Open Job Applications” (04/17/26) NASA, OPM Announce New NASA Force Website, Open Job Applications 

連邦政府のAI導入、一部大規模機関に集中 ブルッキングス報告書

ブルッキングス研究所(Brookings Institution)は4月15日、連邦政府における人工知能(AI)の導入が過去3年間で大幅に加速している一方、その活用は一部の大規模機関に集中し、責任あるAI導入の拡大には構造的な課題が残るとする報告書を発表した。2023年から2025年のAI活用事例一覧、連邦雇用データ、行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)の覚書、8機関の現・元連邦技術者へのインタビューなどに基づくもので、報告書は、過去3政権が連邦政府でのAI導入を優先課題に掲げるものの、人員不足やリスク回避的な組織文化、調達・予算上の障害が導入を妨げていると指摘している。またAI システムに対する国民の信頼が低いことも重大な懸念材料で、トランプ政権が「国民が期待する反応の良い政府の実現を支援する」ためにAI導入を重要視するなか、同研究所は技術人材とAIリテラシーの支援拡充に加え、調達・規制・予算に関わる構造的課題の改善、透明性による国民の信頼醸成が、責任あるAI導入促進に不可欠であると提言している。 Brookings Institution “Assessing the state of AI adoption across the federal government” (04/15/26) Assessing the state of AI adoption across the federal government

エネルギー省、ローレンス・バークレー国立研究所の契約管理に改善勧告 多数の不備で

エネルギー省(Department of Energy)は4月16日、ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)における専門家やコンサル企業との契約管理が法令や規定を遵守しておらず、改善が必要と発表した。同研究所を運営するカリフォルニア大学理事会(Regents of the University of California)は、技術的かつ専門的な助言を得る目的で外部コンサルタントを起用しているが、同省監査室(Office of Inspector General)の調査により、連邦調達規則の定義を満たさない契約の締結や必須である利益相反開示の未取得が判明した。また規定に反する元職員との契約締結や5年を超える長期契約の維持や、一般調達局(General Services Administration)の料金表のみを参考にした価格妥当性の判断など、詳細が不十分な請求書への支払い、不適切な旅費負担の可能性なども確認された。同省は、これらが調達及び監督業務における職務分離の欠如や内部規定の不備や方針の不一致に起因するとし、課題是正に向け、計10項目の勧告を行っている。 Department of Energy “Audit: DOE-OIG-26-32” (04/16/26) https://www.energy.gov/ig/articles/audit-doe-oig-26-32

世界50カ国で学問の自由が後退 独FAU大調査

独フリードリヒ・アレクサンダー大学(Friedrich Alexander University: FAU)のエアランゲン・ニュルンベルク校(Erlangen–Nuremberg)は3月、民主主義多様性研究所(Varieties of Democracy Institute: V-Dem)との共同研究に基づく学問の自由指数(Academic Freedom Index: AFI)の最新版を発表した。世界179カ国・地域を対象に、2,357人の各国専門家の評価と100万件超のデータを用いて、研究・教育の自由、学術交流の自由、大学の自治(制度的自律性)、キャンパスの健全性、学術的・文化的表現の自由の5指標で学問の自由を測定したもので、これによると2015年から2025年の10年間で50カ国における学問の自由が後退し、改善したのはわずか9カ国にとどまった。とりわけ大学の自治については、ポーランド、オランダ、カナダ、米国など欧米諸国を含む43カ国で大幅な低下が確認され、中でも米国の後退は際立った。米大学の自治権は過去10年で50%以上低下し、ハンガリーやインド、トルコなど権威主義化が進む国々よりも急激な悪化を示している。 FAU “Academic Freedom Index Update 2026” (03/XX/26) https://academic-freedom-index.net/research/Academic_Freedom_Index_Update_2026.pdf 参照記事: c&en “Academic freedom declines in US and 49 other countries, survey finds” (04/14/26) https://cen.acs.org/research-integrity/academic-freedom-declines-university-autonomy/104/web/2026/04

国防総省、兵器部品生産に向け自動車大手と協議開始

ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)は4月16日、国防総省(Department of Defense)が兵器調達の遅延や高コスト対処に向け、フォード・モーター社(Ford Motor)やゼネラルモーターズ社(General Motors: GM)と特定部品製造に関する協議を開始したと報じた。イランとの戦争やウクライナ支援による軍需物資の不足を背景に、トランプ政権が従来の国防産業基盤の停滞に強い危機感を示していることから、同省は調達体制の刷新を急務としている。具体的には、緊急時の民間技術の活用例として、新型コロナウイルス感染症のパンデミック時にGM社が防護具や人工呼吸器製造を担った事例や、第二次世界大戦時の産軍連携による生産体制「民主主義の兵器廠(Arsenal of Democracy)」などを挙げ、商用車製造における民間の大量生産の知見を国防に応用し、供給網強化を図るという。一方で専門家は既存の生産設備活用には一部兵器の仕様を変更する必要があると指摘しており、記事も中国製原材料への依存している現状について触れている。 The New York Times “US power purchase agreements reach record prices: LevelTen” (04/16/26) https://www.nytimes.com/2026/04/16/business/pentagon-ford-general-motors-defense-production.html

2026年第1四半期の再エネPPA価格、過去最高を更新

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は4月17日、北米における太陽光及び風力発電の電力購入契約(Power Purchase Agreements: PPA)価格が過去最高水準に達したと報じた。レベルテン・エナジー社(LevelTen Energy)のデータによると、2026年第1四半期の平均PPA価格は太陽光で64.49ドル/メガワット時(MWh)、風力で79.40ドル/MWhまで上昇した。電力需要の急増を背景に、開発業者は労働力不足や資材関税、保険料の上昇といった課題に直面しており、厳しい開発環境が価格を押し上げているという。特に風力発電は供給が追いついておらず、一部地域では新規プロジェクトが停滞している。また、イランでの戦争や税制優遇措置の終了が価格に与える影響は現時点では限定的であるものの、今後1~2年は価格が高止まりするとの見通しを示した。さらに価格上昇を受け小規模な購入者が市場を離脱する一方で、データセンター事業者による需要は依然として非常に高い水準にあるとし、同社は、PPA価格が短期的に下落する可能性は低いと予測している。 Utility Dive “US power purchase agreements reach record prices: LevelTen” (04/17/26) https://www.utilitydive.com/news/wind-solar-ppa-prices-levelten/817780/

トランプ大統領、CDC新長官にエリカ・シュワルツ氏を指名

サイエンス誌(Science)は4月17日、トランプ大統領が疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)の新長官に、医師兼弁護士のエリカ・シュワルツ氏(Erica Schwartz)を指名したと報じた。公衆衛生学の修士号を持つ同氏は、過去に海軍や沿岸警備隊で要職を務め、新型コロナウイルス感染症のパンデミック時には、全国各地にドライブスルー方式の検査場を設置する政府取り組みを主導した。CDCは現在人員削減やアトランタキャンパスにおける銃撃事件などにより現場が混乱状態にあり、実務経験豊富な同氏の登用で、公衆衛生コミュニティは組織の信頼回復に向けた転換点となることを期待しているという。同ポジションは厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)のロバート・ケネディ・ジュニア長官(Robert F. Kennedy Jr.)のワクチン政策を巡る対立による前職者解任や相次ぐ幹部職員の離職に加え、暫定長官の任務期間限定により8カ月間空席となっていた。今後、上院承認を経て正式就任となる予定であるという。 Science “After long wait, Trump nominates a CDC director” (04/17/26) https://www.science.org/content/article/after-long-wait-trump-nominates-cdc-director

IARPA、地上・衛星画像位置特定技術コンテストを開催

諜報高等研究計画活動局(Intelligence Advanced Research Projects Activity: IARPA)は4月17日、2026年WRIVAクロスビュー地理位置特定(WRIVA Cross-View Geo-Localization: CVGL)チャレンジを開催することを発表した。地上画像と衛星画像を照合して撮影地点を特定する技術の高度化と、研究成果の再現性向上を目的とするもので、参加者は1枚以上の衛星画像とおおよその位置情報を含む地上画像から、撮影された位置を特定するタスクに挑戦する。予測したカメラの地理的位置が実際の地点から何メートルずれるかという精度で評価を行うもので、参加希望者は登録を通じて、開発用データとベースラインコードを受け取ることができる。優勝チームは地球科学・遠隔探査国際シンポジウム(International Geoscience and Remote Sensing Symposium: IGARSS 2026)で表彰されるほか、写真測量工学・遠隔探査誌(Photogrammetric Engineering & Remote Sensing: PE&RS)特集号に掲載予定の競技関連記事への寄稿を依頼される可能性がある。 IARPA “IARPA announces the 2026 WRIVA Cross-View Geo-Localization (CVGL) Challenge” (04/17/26) https://www.iarpa.gov/newsroom/article/iarpa-announces-the-2026-wriva-cross-view-geo-localization-cvgl-challenge

IBM社とイリノイ大学、量子・AI研究で共同研究所を拡大

IBM社(International Business Machines Corp)は4月16日、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(University of Illinois Urbana-Champaign)のグレンジャー工学部(Grainger College of Engineering)との共同研究所「IBM-イリノイ・ディスカバリー・アクセラレータ機関(IBM-Illinois Discovery Accelerator Institute)」を拡大し、量子コンピューティングと人工知能(AI)を融合させた次世代型スパコンを開発すると発表した。同大学の国立スパコン応用センター(National Center for Supercomputing Applications: NCSA)のデルタ(Delta)及びデルタAI(DeltaAI)スパコンの高性能計算環境と同社の量子プロセッサを統合し、量子・古典ハイブリッド環境におけるワークフロー管理ツールを構築する。従来型スパコンでは困難だった化学や凝縮系物理学、材料科学に関する基礎研究取り組みに併せ、アルゴリズムをシリコンに統合・実装する新研究分野「アルゴリズムズ・トゥ・シリコン・トゥ・システムズ(Algorithms-to-Silicon-to-Systems/AS2)」も立ち上げる。 IBM “IBM and the University of Illinois Urbana-Champaign Expand Discovery Accelerator Institute to Advance AI and Quantum Computing ” (04/16/26) https://newsroom.ibm.com/2026-04-16-ibm-and-the-university-of-illinois-urbana-champaign-expand-discovery-accelerator-institute-to-advance-ai-and-quantum-computing

連邦政府のAI活用事例、3,600件を突破

NEXTGOV/FCWは4月16日、連邦機関での人工知能(AI)の活用事例が2025年に3,611件となり、前年から倍増したと報じた。行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)によると、56の政府機関が業務効率化に向けてAI技術を導入しており、厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)が447件と最多であった。これに航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)、退役軍人省(Department of Veterans Affairs: VA)、エネルギー省(Department of Energy)、司法省(Department of Justice)が続いており、主にテキスト分析やデータ予測、チャットボットなど活用領域は多岐に亘っている。VAについては臨床データの要約など医療データ取り扱い利用でAI導入が業務にもたらす変革効果が高い「高影響」とされる項目の半数215件を占めた。契約するソフトウェアではマイクロソフト社(Microsoft)の「コパイロット(Copilot)」が主流で、アンスロピック社(Anthropic)の「クロード(Claude)」も一部機関で活用されている。 NEXTGOV/FCW “Agencies report over 3,000 AI use cases in 2025” (04/16/26) https://www.nextgov.com/artificial-intelligence/2026/04/agencies-report-over-3000-ai-use-cases-2025/412898/?oref=ng-homepage-river