インテル社、国防総省との間でチップの国内生産を支援する契約を締結

インテル社(Intel)は8月30日、国防総省(Department of Defense)が最先端チップの国内設計及び生産を強化することを狙いとして進めている広範なプログラムの第一段階において、商業生産サービスを提供すると発表した。これにより、同社の生産サービス部門は、IBM社、シノプシス社(Synopsys Inc.)などと共に、「早急で確実なマイクロエレクトロニクス・プロトタイプー商業用(Rapid Assured Microelectronics Prototypes – Commercial: RAMP-C)」プログラムに参加する。このプログラムは、米国を拠点とするチップ生産のエコシステムを支えることを意図したもので、政府は技術へのアクセスを得、生産の長期的なニーズを確保する一助とすることができる。 Wall Street Journal “Intel Lands Pentagon Deal to Support Domestic Chip Making” (8/23/21)

NSF、身体障害者を対象としたSTEMの学習指導/学習/労働力開発の向上につながる研究プロポーザルを募集

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の教育・人事総局(Directorate for Education and Human Resources: EHR)は、身体障害者を対象としたSTEMの学習指導/学習/労働力開発に関する基礎・応用研究を支援する意向であり、ごく初期の発展段階から労働力としての参加に至るまでの期間を通じて、こうした基礎・応用研究を支援することを表明した。具体的には、EHRコア研究(HER Core Research)、STEM教育研究における能力強化(Building Capacity in STEM Education Research: BCSER)大学生STEM教育の向上:教育と人的資源(Improving Undergraduates STEM Education: Education and Human Resources: IUSE)などのプログラムを通じた研究開発に資金提供の機会が提示されている。 National Science Foundation “Dear Colleague Letter: Research to Improve STEM Teaching, Learning, and Workforce Development for Persons with Disabilities” (8/25/21)

米国大学協会、大学の科学インフラを支える連邦研究機関のプログラムに少なくとも30億ドルの投資を要請

米国大学協会(Association of American Universities)は、「近年、アジアと欧州の国々で科学インフラへの大幅な投資が行われており、今こそ米国は、科学的リーダーシップを維持するための投資と、研究インフラへの再投資を行う時である」と主張している。そして、米国のインフラ・ニーズに対応するため、議会及び政権に対し、米国の大学における研究インフラの開発及び改修を支える連邦研究機関のプログラムに少なくとも60億ドルの投資を行うよう提言している。具体的な投資先として、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)による学術研究インフラ(Academic Research Infrastructure)(10億ドル)を含め、NSF、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)、国防総省(Department of Defense)、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の各プログラムを挙げている。 Association of American Universities “Scientific Infrastructure Funding Brief” (August 2021)

報告書「米国は基礎エネルギー科学で競争できるか?」

エネルギー省(Department of Energy)の基礎エネルギー科学プログラム(Basic Energy Sciences program)の諮問委員会は先般、「米国は基礎エネルギー科学で競争できるか? 重要な研究フロンティアと戦略(Can the U.S. Compete in Basic Energy Sciences? Critical Research Frontiers and Strategies)」と題する報告書の草案を発表した。草案報告書は、「米国は、本プログラムが支援する複数の主要研究分野で、欧州と中国に押されつつある」と警告している。そして、プログラムが支援する施設は、その技術的能力においてはもはや「特有」なものではなく、一部は海外に追い抜かれるかもしれないと、している。加えて、科学的人材をめぐる世界的競争は激化していると指摘し、その要因として、他国の人材リクルート活動や、欧州において初期・中期のキャリア科学者に対する優れた資金提供機会が提示されていること挙げている。報告書は、エネルギー省に対して、研究者にとってより持続可能なキャリアパスを創出することや、研究インフラへの投資増などを勧告している。 Department of Energy “CAN THE U.S. COMPETE in Basic Energy Sciences?” (September 2021)

バイデン政権、掘削の競売を再開

バイデン政権は8月31日、リース競売の再開を義務付ける裁判所の命令に従い、数百万エーカーのエリアを原油・天然ガスの掘削に開放する計画を発表した。今回の措置には、メキシコ湾岸の約8,000万エーカーの水域が含まれ、更に数十万エーカーの土地が対象となる可能性がある。これは、気候変動対策に取り組み、大統領選挙では新たな原油・天然ガスの連邦リースの終結を約束した民主党のバイデン大統領にとっては後退となる。大統領は1月の就任直後に、環境への影響と納税者への価値の分析が未決であるとして、掘削の競売を一時停止した。しかし、ルイジアナ州の連邦判事は6月、競売の再開を命じる判決を下した。内務省(Department of Interior)は8月31日、現在可能なほぼすべての競売を実施するとし、メキシコ湾岸における9,000万エーカー以上のエリア一帯を開放することを表明した。 Reuters “Biden administration to resume drilling auctions in setback to climate agenda” (8/31/21)

完全な電気化には、住宅の電気パネルの改修(約1,000億ドル)が障害

ピーカン・ストリート社(Pecan Street)は8月23日、「電気化における障害への対処:住宅の電気パネルの能力(Addressing an Electrification Roadblock: Residential Electric Panel Capacity)」を発表した。それによれば、化石燃料から完全に移行して暖房や温水、調理、自動車の充電、その他の機器に電力を使用できるようにするには、米国内の最大4,800万件の一戸建てにおける電気パネルを改修する必要があるという。パネル改修の平均的費用は1件につき2,000ドルで、合計で約1,000億ドルとなり、これが住宅の電気化における障害になっている。また、本件には、エネルギーの移行における公平性の問題も伴い、低所得者は改修の費用を捻出できないことが多い。 Utility Dive “Residential electric panels represent a nearly $100B ‘roadblock’ to full electrification, report finds” (8/31/21)

国防総省の5G主導者だったエバンス氏が退任

国防総省(Department of Defense)で5G技術の主任ディレクター(principal director for 5G technology)を務めていたジョセフ・エバンス氏(Joseph Evans)が退任した。エバンス氏は同職を務めていた2年間に、国防総省の5G戦略の展開ならびに実践計画を監督し、主要な官民パートナーシップを確立した。エバンス氏の後任として、アマンダ・トマン氏(Manda Toman)が5G担当主任ディレクター代理となった。エバンス氏は、2019年8月に、国防次官室(研究・工学)(Office of the Undersecretary of Defense for Research and Engineering)に参加した。その前には、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)でプログラム・マネジャーを務めていた。エバンス氏が監督していた官民パートナーシップは、軍事施設での新技術の試験に意欲を持つ企業に6億ドル以上を提供している。5Gデベロッパーは、軍事施設など規制がさほど厳しくない環境で新たなネットワークを試験することができ、国防総省はその見返りとしてこうした技術への最初のアクセスを得ることが可能となる。 Fedscoop “Department of Defense 5G lead Evans steps down” (8/31/21)

エネルギー省、風力発電の記録的拡大や費用低減などを示す報告書3点を発表

エネルギー省(Department of Energy)は8月30日、土地をベースとした風力発電の記録的成長やオフショア風力発電プロジェクトのパイプラインの大幅拡大、風力発電費用の継続的減少などを示した報告書3点を発表した。エネルギー省のローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)による「土地ベースの風力市場報告(2021版)(Land-Based Wind Market Report)」では、2020年に過去最高となる1万6,836メガワット(MW)のユーティリティ規模の土地ベース風力発電能力が新たに追加されたことが示されている。また、新たな風力発電プロジェクトに246億ドルの投資が行われたという。次に、国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory)による「オフショア風力市場報告(2021年版)(Offshore Wind Market Report)」は、米国のオフショア風力エネルギー・プロジェクトのパイプラインが、前年から24%増となる3万5,324MWへ拡大したと報告している。更に、パシフィック・ノースウェスト国立研究所(Pacific Northwest National Laboratory)による「分散型風力市場報告(2021年版)(Distributed Wind Market Report)」によると、2020年に、11州が合計14.7MWの能力、1,493基のタービン、4,100万ドルの新規投資を追加したという。 Department of Energy “DOE Releases New Reports Highlighting Record Growth, Declining Costs of Wind Power” (8/30/21)

バイデン政権、技術人材フェローシップの取り組みを発表

バイデン政権は8月30日、「米国デジタルコア(U.S. Digital Corps)」を発表した。米国デジタルコアは、2年間のフェローシップ・プログラムで、キャリア初期の技術者を政府の職員として引き付けることを意図したものである。一般調達局(General Services Administration: GSA)の技術変革サービス(Technology Transformation Services)が、大統領イノベーション・フェロー・プログラム(Presidential Innovation Fellows program)と共に管轄する。GSAのロビン・カーナハン長官(Robin Carnahan)は、「優先事項の一つは、GSAのための多様な人材のパイプラインを築くことと、次世代の公務員をリクルートすることである」と述べる。GSAによれば、デジタルコアは今秋に応募受付を開始し、最大30名のフェローが、GSA、退役軍人省(Department of Veterans Affairs)など少なくとも5つの連邦機関に所属する。 Nextgov “Biden Administration Announces Tech Talent Fellowship Effort” (8/30/21)

厚生省、気候変動と保健公平性局を新設

厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)は、バイデン大統領が発布した「国内外での気候危機対策に関する大統領令(Executive Order Tackling the Climate Crisis at Home and Abroad)」に対応するために、「気候変動及び保健公平性局(Office of Climate Change and Health Equity: OCCHE)」を設立することを発表した。全国レベルで気候変動と保健公平性に対処する局としては初となる。OCCHEのミッションは、公衆衛生のレベルが低く、また、汚染や気候を要因とする災害の被害を受けやすい脆弱なコミュニティを守ることである。OCCHEの任務は、①不釣り合いな形で気候の有害性にさらされているコミュニティと脆弱な人々の特定、②コミュニティの医療対応力を強化するため、気候の影響によって悪化している医療格差に対処、などである。 Department of Health and Human Services “HHS Establishes Office of Climate Change and Health Equity” (8/30/21)