エネルギー省、「ソーラーの未来に関する研究」報告を発表、ゼロ炭素グリッドへ向けた青写真を提示

エネルギー省(Department of Energy)は9月8日、「ソーラーの未来に関する研究(Solar Futures Study)」と題する報告書を公表した。報告書は、米国の電力グリッドを脱炭素化する上でソーラーが果たす重要な役割を詳述したもので、それによれば、2035年までにソーラー・エネルギーは、米国の電力の40%を供給し、グリッドの急速な脱炭素化を促進し、最大で150万人を雇用する可能性があるという。そしてこれらは、電気代の上昇を伴わずに実施できるという。報告書はまた、クリーン・エネルギー資源の大規模かつ公平な導入を要請している。報告書は、エネルギー省傘下の国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory)が作成した。 Department of Energy “DOE Releases Solar Futures Study Providing the Blueprint for a Zero-Carbon Grid” (9/8/21)

NSF、新たに2つの量子リープ・チャレンジ研究所を発表(生物学的検知と量子シミュレーション)

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、2020年に設立した量子リープ・チャレンジ研究所(Quantum Leap Challenges Institutes)を拡大し、新たに2つの研究所を立ち上げる。昨年のコホートと同様に、NSFは各研究所を支援するため、複数年にわたるライフサイクルを通じて2,500万ドルを投資する計画である。新たに設立されるのは、①頑強な量子シミュレーションのための量子リープ・チャレンジ研究所(Quantum Leap Challenges Institutes for Robust Quantum Simulation)と、②生物物理学及び生物工学における量子検知のための量子リープ・チャレンジ研究所(Quantum Leap Challenges Institutes for Quantum Sensing in Biophysics and Bioengineering)の2つ。前者は、メリーランド大学カレッジ・パーク校(University of Maryland, College Park)が、後者は、シカゴ大学(University of Chicago)がそれぞれ主導する。 National Science Foundation “NSF announces Quantum Leap Challenge Institutes for biological sensing and quantum simulation” (9/2/21)

MITのイノベーションとアントレプレナーに新たなハブ

マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)のイノベーション及びアントレプレナーシップ・コミュニティは、5万平方フィートの新しいスペースを得た。MITの新たな「イノベーションHQ(Innovation HQ: IHQ)」は、ケンダル・スクエア(Kendall Square)の中心にあり、最近、改築されたサフォルク・ビル(Suffolk Building)の5つのフロアを利用する。アントレプレナーシップのプロセスにおけるあらゆるステージにいる学生のためのハブとして機能し、その対象は、大学生から博士課程の学生まで幅広く、卒業生や教員メンバー、スタッフのためのスペースもある。各フロアはオープンかつ柔軟なレイアウトで、6つの学部とラボとセンターがあるのが特徴。会議室や打ち合わせ室、スタッフのオフィス・スペースなども利用可能である。 Massachusetts Institute of Technology “A new hub for MIT innovation and entrepreneurship” (9/7/21)

大統領府、650億ドルのパンデミック準備対策計画を発表

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の渦中にあり、米国が今後の生物学的脅威への備えをする中、バイデン政権は9月3日、パンデミック準備戦略を向上させる計画(653億ドル)を発表した。大統領府は、向こう7~10年間に、将来のエピデミック及びパンデミックに早急かつ効果的に対応するための能力を構築することに、653億ドルを投資する。大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)のエリック・ランダー長官(Eric S. Lander)は、「150~200億ドルのコミットメントと共に、取り組みを起動させることは重要である」と述べた。取り組みの効率的な管理を確実にするために、政権は、中央一元型のプログラム管理部門として運営するミッション・コントロールを設置することを提案しているが、どの連邦機関内に設置するかを巡り、議論が続いている。 The Hill “White House unveils $65B pandemic preparedness plan” (9/3/21)

NIH、脳と身体の機能向上を目的として、内受容に関する研究プロジェクトを支援

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は、内受容(生命体が体内の信号を感知、調整する方法)に焦点を当てた新たな取り組みについて、7件のプロジェクトに5年間で合計1,815万ドルを提供する。内受容に関する理解は十分に進んでおらず、NIHにとって新たな研究分野となっている。今回の協調的な取り組みには、NIHの複数の研究所及びセンターが関与し、内受容を理解する上での重要な知識の溝と課題に対処する。内受容に関する研究の取り組みは、NIHによる「神経科学研究のための青写真(Blueprint for Neuroscience research)」の一部であり、受益する7件のプロジェクトは、神経システムの機能と不全、人間の健康における内受容の役割について、研究者の理解を深めることが期待されている。 National Institutes of Health “NIH research projects on interoception to improve understanding of brain-body function” (9/3/21)

DARPA、ワクチン開発から当て推量を取り除く試み

軍の兵士は、感染症の予防と、バイオ脅威へ晒されることから防御するために、効果的なワクチンを頼りとしているが、現行のワクチン開発は高費用で時間がかかり、失敗しがちである。国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)による「免疫記憶の評価(Assessing Immune Memory: AIM)プログラム」は、ワクチンに対する宿主反応のシステム・レベルの見識とそのメカニズムを情報源として、免疫記憶を予測するプラットフォーム能力を開発することを模索する。抗体レベルなど免疫システムの反応の測定に使用されている標準的手法は、潜在的な免疫システムの反応を十分に捉えることができない。AIMは、早期の反応検知を可能にする先端技術を用いて、新たな生体分子の相関性を明らかにしていく。AIMは、5年間のプログラムで、「免疫記憶のロードマップ(Immune Memory Road Map)」(免疫記憶のロードマップ作成につながる細胞及びシグナルの引き金となる要素を特定する)と、「ロードマップの一般化可能性とツールの検証(Road Map Generalizability and Tool Validation)」(ワクチンの効果期間を予測する研究及び評価ツールの作成と検証)の2つのフェーズに分かれている。 Defense Advanced Research Project Agency “Taking Guess Work out of Vaccine Development” (8/27/21)

DARPA、アクティブ・フロー制御の航空機開発に取り組むチームを選出

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、「新規のエフェクターによる航空機の革新的制御(Control of Revolutionary Aircraft with Novel Effectors: CRANE)」プログラムを継続する実施者を選出した。オーロラ・フライト・サイエンス社(Aurora Flight Sciences)とロッキード・マーティン社(Lockheed Martin Corporation)が、フェーズ1に入る。フェーズ1では、システム要件の開発、初期設計作業、ソフトウェア開発、初期耐空性活動(予備的設計の見直しにつながる)が含まれる。「フェーズ1の研究者は、アクティブ・フロー制御(active flow control: AFC)による計測可能な性能効果を伴う新規飛行実証の設定(コンフィギュレーション)に関する概念設計を完了した」と、CRANEのプログラム・マネジャーは言う。また、ジョージア工科大学研究コーポレーション(Georgia Tech Research Corporation)はフェーズ0の期間が延長された他、BAEシステムズ社(BAE Systems)がフェーズ0の開始に選出された。 Defense Advanced Research Project Agency “DARPA Selects Teams to Develop Active Flow Control X-Plane” (8/26/21)

OMB、ゼロ・トラスト戦略の草案を発表

行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)は9月7日、今後数年をかけてサイバーセキュリティ・アーキテクチャーが展開される中、非軍事門を対象としたゼロ・トラスト優先事項を明確にする戦略草案を発表した。これにあわせて、サイバーセキュリティ・インフラ安全保障局(Cybersecurity and Infrastructure Security Agency: CISA)が、クラウド・セキュリティに関する新たな技術参照アーキテクチャー(technical reference architecture: TRA)と、実践のためのガイドとなるゼロ・トラスト成熟モデル(zero-trust maturity model)を発表した。OMB、CISA共に、草案文書へのパブコメを募集している。OMB、CISA共に、連邦政府がゼロ・トラスト・アーキテクチャー(組織のネットワーク・アーキテクチャーから「トラスト(信頼)」という概念を排除することで、データ漏洩防止の一助となる戦略的イニシアチブ)を採用することを推進すべく、長期的に行っている活動の一環として今回の文書を発表した。 Fedscoop “OMB publishes zero trust draft strategy” (9/7/21)

DARPA、次世代フェーズド・アレイ・システムを空軍研究所に移行

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は8月31日、「商用タイムスケールのアレイー統合と検証(Arrays at Commercial Timescales – Integration and Validation: ACT-IV)」プログラムの下で開発されたセンサー・システムが、更なる進展と実験の継続を目的として、空軍研究所(Air Force Research Laboratory: AFRL)へ移行されたと発表した。ACT-IVプログラムで主要研究チームであったノースロップ・グラマン社(Northrop Grumman)が、先端のデジタル式アクティブ電子走査アレイ(active electronically scanned array: AESA)のライト・パターソン空軍基地(Wright-Patterson Air Force Base)(オハイオ州)への円滑な移行を進めた。ACT-IVは、新規の多機能AESAシステムで、異なる複数の業務を同時に実行する能力が実証されている(異なるモードでのレーダー、電子戦、コミュニケーション機能の実行など)。 Defense Advanced Research Project Agency “DARPA Transitions Next-Generation Phased Array System to Support Future Defense R&D” (8/31/21)

DARPA、INCASプログラムの下で取り組む研究者を選出

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は9月2日、「影響活動の認識と意味付け(Influence Campaign Awareness and Sensemaking: INCAS)」プログラムに取り組む研究者チームを選出したと発表した。スマート・インフォメーション・フロー・テクノロジーズ社(Smart Information Flow Technologies: SIFT)、プロタゴニスト・テクノロジー社(Protagonist Technology)、サザン・カリフォルニア大学(University of Southern California)の情報科学研究所(Information Sciences Institute)、イリノイ大学アーバナ=シャンペーン校(University of Illinois Urbana-Champaign)、アンチャーテッド・ソフトウェア社(Uncharted Software)が主導するそれぞれの研究チームが、オンライン上で地政学的な影響を及ぼそうとする活動の検知及び意味付けに取り組む米国アナリストを支援するため、自動技法及びツールの開発に取り組む。加えて、ロッキード・マーティン社(Lockheed Martin)の先端技術研究所(Advanced Technology Laboratories)とメリーランド大学(University of Maryland)の諜報・安全保障応用研究所(Applied Research Laboratory for Intelligence and Security: ARLIS)が主導するチームが、INCAS技術の試験、評価、移行努力を支援する。 Defense Advanced Research Project Agency “DARPA Announces Researchers Selected to INCAS Program” (9/2/21)