NSF、厄介な社会問題に取り組む新たな科学技術センターを発表

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は9月9日、メカノバイオロジーから粒子物理学、気候変動に至るまでの様々な分野で野心的かつ複雑な研究を進展させることを目的として、新たに6つの科学技術センターを発表した。これらのセンターは、新たな科学部門を設立することと、科学と社会に広範な影響をもたらす可能性がある革新的技術の開発に焦点を当てる。また、新興のSTEM分野に光を当て、世界的に競争力のあるSTEMインフラを構築し、一般市民にブレイクスルー科学について情報を提供するアウトリーチ活動を行う。新たに設立されるのは、「微生物惑星における化学の流布に関するNSFセンター(NSF Center for Chemical Currencies of a Microbial Planet)」「人工知能と物理学で地球を学ぶNSFセンター(NSF Center for Learning the Earth with Artificial Intelligence and Physics)」など6つ。 National Science Foundation “New science and technology centers to address vexing societal problems” (9/9/21)

DARPA、原子蒸気の基礎科学進展に取り組む研究チームを発表

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、「新技術のための原子蒸気科学(Science of Atomic Vapors for New Technologies: SAVaNT)」プログラムを支援する8つの業界及び大学研究チームを選出した。これらの研究チームは、室温における原子蒸気の性能の限界を拡大する革新的手法の開発に取り組み、その独特の利点を活用して国防総省(Department of Defense)のための新たな能力を実証することに取り組む。追加で1件のチームが選出されており、数カ月以内に契約締結となる見通しである。量子研究は、情報科学及び検知の双方において、様々な国防応用を実現できる有望性を示しているが、研究所のブレイクスルーを実用化する上での大きな障害は、量子の特性を活用するために冷却化して原子を閉じ込めるには大規模な機器が必要とされる点である。SAVaNTのチームは、室温で量子の一貫性を維持するために、3つの異なる手法に取り組む計画である。 Defense Advanced Research Project Agency “DARPA Announces Research Teams to Advance Fundamental Science of Atomic Vapors” (9/3/21)

ニューヨーク州、2035年までに乗用車の排出ゼロを義務付け

ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事(Kathy Hochul、民主党)は9月8日、2035年までに州内で販売される全ての乗用車が排出ゼロとなることを義務付ける法案に署名した。この法律により、ニューヨーク州は、カリフォルニア州に続いて、乗用車と小型トラックにおける温室効果ガスの排出を段階的に削減する2つめの州となる。ニューヨーク州はまた、2045年までに、中型・大型トラックからの排出も排除することを目指しており、ゼロ排出自動車開発のための詳細な計画を2023年までに策定するよう求めている。ホークル知事はまた、州の環境保全省(Department of Environmental Conservation: DEC)に対して、トラックから排出される汚染を削減するための規則を策定するよう指示する命令にも署名した。 The Hill “Hochul signs law requiring zero-emission passenger vehicles by 2035” (9/8/21)

NSF、「新たな北極をナビゲートする」イニシアチブを通じて北極への投資を拡大

北極は、地球上のほぼ全てのその他の地域よりも気温の上昇が進んでいる。こうした中、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、「新たな北極をナビゲートする(Navigating the New Arctic)」イニシアチブに新たな投資を行い、こうした前代未聞の課題に正面から取り組む。NSFは、2021年度のNNAのアワードとして、17件のプロジェクトに助成を行った。アワードは合計3,200万ドルで、38機関96名の研究者と、学生、ポスドク学者を支援する。NNAプログラムは、社会/自然/構築環境分野のコンバージェンス研究に焦点を当て、北極コミュニティとの有意義な関与の可能性があるプロジェクトを支援している。NNAは2017年に、「未来のNSF投資のための10のビッグ・アイデア(10 Big Ideas for Future NSF Investment)」の一つとして特定された。 National Science Foundation “NSF expands Arctic investment through the Navigating the New Arctic initiative” (9/7/21)

国防総省、諮問委員会を復活

国防総省(Department of Defense)は、バイデン政権発足時から活動を停止していた42の諮問委員会を復活させつつある。同省のキャサリーン・ヒックス副長官(Kathleen Hicks, Deputy Defense Secretary)は、国防総省の16の諮問委員会が活動を開始し、人員を補充しつつあるとした。更に、今年の年末までに、活動停止となっている全ての諮問委員会が再開されることを期待しているという。ロイド・オースティン国防長官(Lloyd Austin)は、トランプ前政権が退任直前にこれらの委員会の上層部に政治的な同盟者を送り込もうとしたことから、これらの活動を保留にし、委員会は抜本的な見直しが必要であると考え、委員会に在籍する全員を解任していた。国防総省が諮問委員会の補充に取り組む一方、タスクフォースは継続されている。 Federal News Network “DoD bringing back advisory groups, excited about innovation steering group potential” (9/8/21)

人工知能・技術局(AITO)、2021年度第4四半期~2022年度第4四半期のプログラム計画発表

エネルギー省(Department of Energy)の人工知能・技術局(Artificial Intelligence and Technology Office: AITO)は今般、2021年度第4四半期から2022年度第4四半期までの人工知能(AI)の戦略的オペレーティング・モデルとして、「人工知能プログラム計画(Artificial Intelligence Program Plan)」を発表した。本計画は、前年の活動を進化させ、省全般で分野横断型のAI投資のポートフォリオを調整することに焦点を当てている。更に、国家人工知能イニシアチブ局(National Artificial Intelligence Initiative Office: NAIIO)や国際関係を中心とした戦略的パートナーシップを、AIのアウトカム及び影響を実現する要素として活用する要素も盛り込まれている。 Department of Energy “Artificial Intelligence and Technology Office (AITO) Program Plan, Q4 FY21 – Q4 FY22” (9/1/21)

商務省、国家人工知能諮問委員会を設立

商務省(Department of Commerce)のジーナ・レイモンド長官(Gina Raimondo)は9月8日、大統領及びその他の連邦機関に、人工知能(AI)に関する様々な問題について助言を行う高レベルの委員会、国家人工知能諮問委員会(National Artificial Intelligence Advisory Committee: NAIAC)を設立したと発表した。商務省は、大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)内の国家AIイニシアチブ局(National AI Initiative Office: NAIIO)と協力しながら、本委員会に就任するトップレベルの候補者を模索している。NAIACの発足及び委員会ならびに人工知能と法規取締に関する小委員会(Subcommittee on Artificial Intelligence and Law Enforcement)への指名推薦の募集は、9月8日付の連邦広報(Federal Register)に掲載された。 Department of Commerce “Department of Commerce Establishes National Artificial Intelligence Advisory Committee” (9/8/21)

エネルギー省、プラズマ科学研究に760万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は9月8日、傘下の5つの国立研究所で行われる合計9件の最先端プラズマ科学プロジェクトを支援するため、760万ドルを提供すると発表した。受益プロジェクトは、磁気エネルギー及び乱流の転換など、プラズマ科学の主要分野に焦点を当てる。本イニシアチブではまた、傘下の国立研究所の科学者が、カリフォルニア大学ロサンジェルス校(University of California Los Angeles)、ウィスコンシン大学マディソン校(University of Wisconsin-Madison)などにある国内のプラズマ科学施設を使って実施する研究も支援する。 Department of Energy “Department of Energy Announces $7.6 Million for Plasma Science Research” (9/4/21)

ロサンジェルス市議会、2035年までの100%再生可能エネルギー移行を承認

ロサンジェルス市議会は9月1日、水・電力省(Department of Water and Power: LADWP)に対して、2035年までに100%再生可能エネルギーへ移行すること、約1万件の「グリーン雇用」のための長期的な人材採用計画を開発することを求める動議について、12対0の満場一致で採択した。2035年という期限は、市の従来の目標より10年早い。動議はまた、LADWPに、再生可能エネルギーへの移行について、半年ごとに市議会へ報告するよう指示している。この移行によって、9,500件の雇用が創出されることが期待されている他、570~870億ドルの投資が含まれている。 Spectrum News 1 “LA City Council votes to transition to 100% renewable energy by 2035” (9/1/21)

OSTP、フィリップ・ダフィー博士の気候科学補佐官就任を発表

大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)は9月1日、新設される気候環境部(Climate and Environment Division)の気候科学補佐官(Climate Science Advisor)としてフィリップ・ダフィー博士(Philip Duffy)が就任すると発表した。炭素排出を早急に削減し、気候変動による不可避の事態に備えるために、科学ベースの手法を利用するというバイデン=ハリス政権のコミットメントを強化する。物理学及び天体物理学の専門家であるダフィー氏は、高名な気候科学者で、そのキャリアを通じて、気候変動による社会経済的影響について理解すること、その理解を用いて、社会的な判断及び政策に情報提供することに焦点を当てている。同氏の直前の所属先は、ウッドウェル気候研究センター(Woodwell Climate Research Center)(旧「ウッズ・ホール研究センター(Woods Hole Research Center)」)で、社長兼エグゼクティブ・ディレクター(President and Executive Director)を務めていた。 White House “White House Office of Science and Technology Policy Announces Dr. Philip Duffy As Climate Science Advisor” (9/1/21)