国立核安全保障局(NNSA)、米国100都市で「放射線セキュア100」(放射線安全保障イニシアチブ)を開始

エネルギー省(Department of Energy)傘下の国立核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)は、米国における放射線安全保障を強化するため、主要な放射線安全保障プロジェクトを開始した。「放射線セキュア100(RadSecure 100)」と呼ばれるイニシアチブで、米国内の主要100都市圏を対象に、可能性のある施設から放射性物質を排除することと、残りの施設における安全保障を強化することに焦点を当てている。地元の法規取締機関との大幅な提携も含まれる。NNSAの放射線安全保障局(Office of Radiological security: ORS)は、「放射性物質は、癌の治療やビルの安全性などに利用されるが、それらが紛失したり盗まれたりすると、重大なリスクを呈する可能性があるため、放射線セキュア100は、セシウム137など重要度が最も高い物質に焦点を当てる」としている。 Department of Energy “NNSA launches RadSecure 100 radiological security initiative in 100 U.S. cities” (8/30/21)

GAO、先端のプラスチック・リサイクルについて報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は今般、「科学技術スポットライト:先端のプラスチック・リサイクル(Science & Tech Spotlight: Advanced Plastic Recycling)」と題する報告書を発表した。プラスチック廃棄物は、1970年から2018年の間に10倍に増えた一方、リサイクル率は低いままである。現行の機械的リサイクル・プロセス(分類して裁断など)の代替もしくは補完的技術として、化学的リサイクルがある。化学的リサイクルは、熱や化学反応、もしくは双方を使って使用済みプラスチックを新規のプラスチックや燃料、その他の化学品に転換するものであるが、同リサイクル技術の導入は、初期費用が高いことや、イノベーションへの投資にインセンティブがほとんどないことなどが障害となっている。 Government Accountability Office “Science & Tech Spotlight: Advanced Plastic Recycling” (9/14/21)

NSF、スペクトル・イノベーション・センター「スペクトルX」を発表

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、「スペクトルX(SpectrumX)」に5年間で2,500万ドルを投資すると発表した。スペクトルXは、NSFスペクトル・イノベーション・センター(NSF Spectrum Innovation Center)で、無線スペクトル利用の需要増大に対処するもの。無線スペクトル管理の変革に焦点を当てた全国レベルのセンターに対する最初の連邦投資となる。スペクトルXは、27機関で構成され、ノートルダム大学(University of Notre Dame)が主導する。無線スペクトルを共有及び管理する新規の方法を開発し、研究者や業界、政府機関、関係者の間の協力を促すハブとして機能し、将来の成長に必要な多様な労働力の開発の取り組む。 National Science Foundation “NSF announces the launch of SpectrumX, an NSF Spectrum Innovation Center” (9/14/21)

オクラホマ州立大学、「オクラホマ航空宇宙研究・教育インスティチュート」を立ち上げ

オクラホマ州立大学(Oklahoma State University: OSU)は8月24日、オクラホマ州内外の航空宇宙業界の成長を支援することを狙いとして、新たな研究所を設立した。「オクラホマ航空宇宙研究・教育インスティチュート(Oklahoma Aerospace Institute for Research and Education)」の設立を発表したOSUのケイセ・シュラム学長(President Kayse Shurm)は、「OSUは、オクラホマ州の航空宇宙産業のニーズにこたえる即時利用可能なソリューションを提供する。幼稚園から高校生までの課外活動や労働力開発、教員や大学院生による研究、業界パートナーシップの画期的なイノベーションに至るまで、我々はこの重要な経済エンジンの進展を主導していく」と述べた。 Business Wire “Oklahoma State University Announces Launch of Oklahoma Aerospace Institute for Research and Education” (8/24/21)

エネルギー省、プライバシーに配慮すべきデータセットのためのAI研究に100万ドルを投資

エネルギー省(Department of Energy)は9月15日、バイオメディカルや個人医療、もしくはプライバシーに配慮すべきその他のデータセットのための人工知能(AI)や機械学習(ML)アルゴリズムの開発に取り組む1年間の協調的研究に100万ドルを提供すると発表した。この助成金は、議会がエネルギー省に対して、データ及びコンピュテーションの分野での国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)との協調的な研究の成功を受けて、これを拡大するよう指示したことへの対応である。プライバシーに配慮したAI研究は、エネルギー省とNIHの相互の関心分野であり、合同研究は、それぞれの研究コミュニティが共通の科学的課題により緊密に協力することを促すものとなると期待されている。プロジェクトは、アルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)が主導し、ローレンス・リバモア国立研究所(Lawrence Livermore National Laboratory)、シカゴ大学(University of Chicago)、ブロード研究所(Broad Institute)、マサチューセッツ総合病院(Massachusetts General Hospital)との協力で進められる。 Department of Energy “Department of Energy Invests $1 Million in Artificial Intelligence Research for Privacy-Sensitive Datasets” (9/15/21)

エネルギー省、コミュニティ主導のクリーンエネルギー取り組みの支援に1,600万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は9月15日、「地元のエネルギー行動プログラム(Local Energy Action Program: コミュニティLEAP(Communities LEAP))」の開始を発表した。コミュニティLEAPは、環境正義に基づくコミュニティ及び歴史的に化石燃料業界との結びつきがあるコミュニティが、クリーンエネルギーの未来を自ら直接管理することを支援するイニシアチブである。コミュニティLEAPのパイロット・プログラムを通じて、最高1,600万ドル相当の支援サービスが提供され、コミュニティが、官民セクターの資源をより効果的に活用して、地元の大気汚染を低減し、エネルギー対応力を高め、公益料金とエネルギー負担を下げ、良好賃金の雇用を創出することを目的とした地元主導の計画を策定することを支援する。 Department of Energy “DOE Announces $16 Million to Support Community-Driven Pathways to Clean Energy” (9/15/21)

DARPA、将来の低地球軌道ネットワークを促進する適応型の光通信への取り組み

政府及び民間の小型人工衛星のコンステレーション(複数の衛星を協調させるシステム)が低地球軌道(low-earth orbit: LEO)に拡散し続ける中、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、こうした多様なコンステレーションを相互接続して柔軟性のある「宇宙レイヤー」(小型衛星によるインターネット)とする新規の光通信ターミナルを創出する新たな取り組みを明らかにした。この新しい取り組み、「宇宙ベースの適応型通信ノード(Space-Based Adaptive Communications Node: Space-BACN)」プログラムでは、ほとんどの光衛星間リンク(optical intersatellite link: OISL)標準に適応し、低コストで再構成可能な光通信ターミナルを創出することを狙いとする。Space-BACNは、現在は互いに会話することができない様々なコンステレーションの間でシームレスな通信を可能にするものである。 Defense Advanced Research Project Agency “Adaptable Optical Communications to Facilitate Future Low-Earth Orbit Networks” (9/13/21)

有益なバイオフィルムとのより良い共存

バクテリアは地球上でもっとも豊富かつ多様な生命体で、ほぼ全ての表面を覆い、その大半はバイオフィルムという形態で生きている。この生命様式は一般的に、問題があるとみなされている。なぜなら、バイオフィルムは機器の劣化に大きく影響し、国防総省(Department of Defense: DOD)の資産に年間数十億ドルの損失をもたらすなどしているためである。しかし、バイオフィルムは必ずしも悪というわけではなく、「その構成や構造を変更することで、バイオフィルムを有益なものに変えることができる可能性がある」という新たな見解が示されている。こうした中、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)のアルカディア・プログラム(Arcadia program)は、自然発生する微生物を使って頑強かつ有益な塗装を生成し、軍事マテリアルや機器を保護する「プロバイオティクス」(良い働きをする細菌)を開発することを目指す。 Defense Advanced Research Project Agency “Better Living with Beneficial Biofilms” (9/14/21)

新規の石炭火力発電所、世界的に減少

気候シンクタンクのE3G社の報告によれば、近年、新規の石炭火力発電所計画は、一連の計画中止を受け、世界的に大幅に減少している。同報告によれば、気候協定(Paris Agreement)が締結された2015年以来、各国政府が新たな規制を支持する中、プロジェクト計画は76%減少した。国際エネルギー機関(International Energy Agency: IEA)が7月に発表した「電力市場報告(Electricity Market Report)」によれば、世界の石炭火力発電は今年、回復しつつあり、2022年に過去最大を記録する可能性があるが、E3G社は本報告の中で、「プロジェクト計画が縮小しつつあることは、新規の石炭発電建設の終焉が視野に入りつつあることを示す」としている。 Axios “New coal-fired power projects dwindle worldwide” (9/14/21)

イオンQ社とメリーランド大学、この種のものとしては初となる全国量子ラボを設立

量子コンピューティング機器の大手開発業者であるイオンQ社(IonQ, Inc.)と、メリーランド大学(University of Maryland: UMD)は9月8日、「メリーランド全国量子ラボ(National Quantum Lab at Maryland: Qラボ(Q-Lab))」を創出するパートナーシップを発表した。Qラボは、科学コミュニティが、商業レベルの量子コンピュータへの直接的なアクセスを得て、世界クラスの研究を追求する機会を得る全国で初のユーザー施設となる。UMDと関連のある学生や教員、研究者、スタッフ、パートナーに、イオンQ社のトラップイオン型量子コンピュータ・ハードウェアを経験し、同社の科学者及び工学者と協力する機会がある。Qラボは、メリーランド州カレッジ・パークにあるイオンQ社の本部に隣接するUMDのディスカバリー地区(Discovery District)内に設立される。 IonQ “IonQ and University of Maryland Establish First-of-Its-Kind National Quantum Lab.” (9/8/21)