米中経済安全保障委員会(USCC)、「安全保障の懸念から、米国は対中投資を制限すべき」と提案

議会によって設立された米中経済安全保障委員会(U.S.-China Economic and Security Review Commission: USCC)が作成した「2021年年次報告書(2021 Annual Report to Congress)が11月17日に公表された。USCCは報告書の中で、米国は中国との商業的関係を抑制するため、より積極的な策を講じることを提案し、国家安全保障上のリスクが高まっていることを警告した。米中間では、報告書発表の2日前に両国首脳によるオンライン会談が行われた所である。米中間の舌戦は激化しているものの、両国間の貿易不均衡は、米政府が中国からの輸入品に関税を科した2018年以前の水準まで戻り、中国への米国資本の流入は増大している。報告書は、中国への米国投資を制限すること、米国株式市場に上場し、中国ビジネスを行っている企業(変動持分事業体(variable interest entity: VIE))への投資を制限することなどを提案している。 Wall Street Journal “U.S. Should Restrict Investment in China Due to Security Concerns, Panel Says” (11/17/21)

下院の多数党維持が厳しい戦いになると予想される中、ジョンソン下院議員(テキサス州選出民主党)が引退へ

テキサス州選出の民主党下院議員で、約30年の議員経験を持つエディー・バーニス・ジョンソン議員(Eddie Bernice Johnson)が11月20日、現在の任期が終わる2023年1月で引退し、来年の中間選挙では再選に出馬しないことを表明した。ジョンソン議員は、来年の中間選挙で、民主党の苦戦が予想される中、引退を表明した新たな民主党有力議員の一人である(同議員を含め、16名の民主党下院議員が再選を目指さない意向を表明)。ジョンソン議員は以前に、現任期(15期目)を最後とするとの意向を表明していたが、最近の世論調査結果は、現時点で中間選挙が行われた場合、共和党が優位となることを示している他、先のバージニア州知事選挙で民主党候補が敗れたことから、ここ数カ月の間、同議員は意思を変更するのではないかとの憶測があった。ジョンソン議員はそのキャリアの初期において、南北戦争後の南部再建後、州議会上院で初の黒人女性議員(ダラス選出)となり、連邦議会下院においては、科学・宇宙・技術委員会(House Committee on Science, Space and Technology)で、女性として、また黒人として、初めての委員長となった。 Washington Post “Texas Rep. Eddie Bernice Johnson to retire as Democrats brace for tough battle to keep the House” (11/21/21)

米OSTP長官とカナダのイノベーション・科学・産業大臣、合同声明を発表

米国の大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)のエリック・ランダー長官(Eric Lander)と、カナダのイノベーション・科学産業省のフィリップ・シャンパーニュ大臣(Philippe Champagne)(Minister of Innovation, Science, and Industry of the Government of Canada)は11月18日、両国の首脳宛に合同声明文書を公表した。両者は、「科学・技術・イノベーション(ST&I)は、米加両国の経済成長と世界市場における競争力、将来の繁栄、安全保障にとり、根幹的なものである」との考えの下、11月3日に会合し、ST&Iのエコシステム、新興技術における協力の強化などについて協議していた。合同声明文書は、①ST&Iの協力強化、②アウトカムの向上における参加と平等性の強化(包含性)、③2050年への科学技術ロードマップの支援(気候問題)、④新型コロナのパンデミック終結と将来への準備、⑤新興かつ重要な技術における協力の強化、などについて記述している。 White House “Joint statement to Leaders from the United States’ Director of the White House Office of Science & Technology Policy and Canada’s Minister of Innovation, Science and Industry” (11/18/21)

米国とオーストラリアが量子の未来構築で提携

米国とオーストラリアの両政府は11月17日、「量子科学技術における協力(Cooperation in Quantum Science and Technology)」と題する声明文に署名した。量子科学技術の進展が呈する膨大な機会と恩恵に関して、両国間の協力かつ共有する意図を表明したものである。声明文書は、量子の知識と技能を交流させるオーストラリアと米国の能力を強化し、研究開発を推進する更なる機会を作り出し、両国における量子ビジネスへの更なる市場アクセスを奨励するものである。本声明文書は、米大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)のエリック・ランダー長官(Eric Lander)と、オーストラリアのメリッサ・プライス科学技術担当大臣(Minister for Science and Technology Melissa Price)が署名した。 White House “The United States and Australia Partner to Build Quantum Future” (11/18/21)

エネルギー省、国立研究所におけるスパコン研究に300万ドルを提供する計画を発表

エネルギー省(Department of Energy)は11月18日、業界パートナーと国立研究所の高性能コンピューティング(high-performance computing: HPC)資源とを結びつけ、ブレイクスルー製造とクリーン・エネルギー技術の開発を加速させるため、最高300万ドルを提供すると発表した。エネルギー省による「エネルギー・イノベーションのための高性能コンピューティング(High Performance Computing for Energy Innovation: HPC4EI)」イニシアチブの公募の一環で、選出されたチームは、先端のモデリングやシミュレーション、データ分析を、製造の効率性強化やクリーン・エネルギー応用のための新規マテリアル探査に適用させる。HPC4EIイニシアチブの公募を通じて、「製造業向け高性能コンピューティング(High Performance Computing for Manufacturing: HPC4Mfg)」と「マテリアルのための高性能コンピューティング(HPC4Mtls)」の両プログラムにおけるプロジェクトへ資金が提供される。 Department of Energy “Department of Energy Announces $3 Million in High Performance Computing Research at National Laboratories” (11/18/21)

EPA、米国におけるリサイクルを変革する大胆な国家戦略を発表

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は11月15日、「2021年国家リサイクル戦略(2021 National Recycling Strategy)」を発表した。米国が直面している主要なリサイクルの課題に対処し、より強力で対応力があり、コスト効果の高い自治体の固形廃棄物リサイクル・システムを創出することを目的としたものである。2021年戦略はまた、EPAのリサイクル戦略として初めて、マテリアルの生産、使用、処理による気候への影響に対処し、既に大きな負担を強いられているコミュニティの廃棄物及び廃棄物関連施設が人間の健康や環境に及ぼす影響に焦点を当てており、環境正義を実現するというEPAのコミットメントを反映している。国家リサイクル戦略には5つの戦略的目的と共に、それぞれに米国リサイクル・システムを強化する具体的な行動が含まれている。 Environmental Protection Agency “EPA Releases Bold National Strategy to Transform Recycling in America” (11/15/21)

カリフォルニア州エネルギー委員会(CEC)、ゼロ排出輸送インフラ及び製造のための14億ドル計画を承認

カリフォルニア州エネルギー委員会(California Energy Commission: CEC)は11月15日、電気自動車の充電及び水素の補給に関する2025年の州の目標を達成する助けとして、3年間で14億ドルの計画を承認した。承認された「2021-2023年クリーン輸送プログラムの投資計画更新版(2021-2023 Investment Plan Update for the Clean Transportation Program)」は、2035年までに新規のガソリン式乗用車の販売を段階的に廃止するというギャビン・ニューサム知事(Gavin Newsom)の行政命令を支援するゼロ排出自動車インフラ構築を加速させる上で不足している資金を補充するものである。今回の更新版計画により、州のクリーン輸送プログラム(Clean Transportation Program)の予算は6倍に増加する。今回承認された更新版には、①普通(light duty)電気自動車用充電インフラに3億1,400万ドル、②中・大型ゼロ排出電気自動車用インフラに6億9,000万ドル、③水素補給インフラに7,700万ドルなどが含まれる。 California Energy Commission “CEC Approves $1.4 Billion Plan for Zero-Emission Transportation Infrastructure and Manufacturing” (11/15/21)

バイデン大統領、ファーウェイ社とZTE社に対するトランプ前政権時の禁止措置を正式に法制化

バイデン大統領は、「2021年安全確実な通信機器法(Secure Equipment Act of 2021)」に署名し、法制化した。同法は、中国のファーウェイ社(華為技術、Huawei)とZTE社がそれぞれの機器を米国市場で販売するための連邦政府の許可を得られないようにすることを目的としている。両社の製品が中国によるスパイ活動に利用される可能性への懸念から、世界の5Gネットワーク機器メーカー大手に対抗する米国主導の活動が1年にわたり続いていたが、今回の法制化によって事実上、実を結んだ形となる。中国製の通信機器が呈する懸念については、2012年の米政府の報告書にまで遡ることができるが、米中間の貿易戦争が増大したことも一因となり、トランプ前政権の間にその勢いが大きくなった。バイデン政権になり、対中姿勢に一部変化は見られたものの、ZTE社とファーウェイ社の機器に対しては緩和する姿勢を見せず、今回の法制化に至った。 Light Reading “Biden finalizes Trump’s ban against Huawei and ZTE” (11/12/21)

アルファベット社、AIを使って医薬品発見に取り組む新会社を設立

アルファベット社(Alphabet)は11月4日、人工知能(AI)手法を使って医薬品発見に取り組む新会社を設立すると発表した。新会社の名称は、アイソモーフィック・ラボラトリーズ社(Isomorphic Laboratories)。アルファベット社の別の子会社で、AIを使ってヒトのたんぱく質の構造を予測するという画期的達成を実現したディープマインド社(DeepMind)による活動を基盤とする。アイソモーフィック・ラボラトリーズ社は、ディープマインド社の成功を活用し、新たな薬剤を特定する助けとなるツールの構築に取り組む。ディープマインド社の最高経営責任者(CEO)がアイソモーフィック・ラボラトリーズ社のCEOに就任するが、両社は別個の企業として存在し、時折協力する形になるという。 The Verge “Alphabet is launching a company that uses AI for drug discovery” (11/4/21)

大統領府、連邦政策判断において先住民の知識を活用

大統領府の科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)と環境品質協議会(Council on Environmental Quality: CEQ)は11月15日、連邦の科学・政策プロセスにおける先住民の伝統的な生態学的知識(Indigenous Traditional Ecological Knowledge: ITEK)の位置づけを高めることにコミットする新たな覚書を合同で発表した。ITEKは、環境の持続可能性と、人間と環境システムの間の関係を通して天然資源の責任ある管理を推進する見解、口頭及び文書での知識、慣行、考え方の総称である。この覚書は、科学的/技術的/社会的/経済的進展と、自然世界に関する我々の集合的理解に寄与する重要な知識の一つとして、ITEKを正式に認めるものである。 White House “White House Commits to Elevating Indigenous Knowledge in Federal Policy Decisions” (11/15/21)