NREL、次世代データ・エコシステム創出のためのガイドラインを提供

国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)の科学者は、次世代のデータ主導型で人工知能(AI)によって実現されるマテリアル科学への道を開く支援をしている。専門誌「パターンズ(Patterns)」に掲載された論文の中で、執筆者(NRELの複数の科学者)は、コンピュテーショナル科学とマテリアル科学の緊密なインタラクションを支える現代的なデータ・エコシステムを構築するために十年にわたって行なわれてきた取り組みについて概説している。「ハイスループットの実験的マテリアル科学のための研究データ・インフラ(Research Data Infrastructure for High-Throughput Experimental Materials Science)」と題する論文で、将来におけるより良い形の研究データ・インフラの開発計画を提示しており、マテリアル科学の世界における実験とデータ研究の統合を強化するように設計されている。 Clean Technica “NREL Provides Guidelines For Creating Next-Generation Data Ecosystem” (11/29/21)

エネルギー省、バイオエネルギーを対象とした量子実現型画像・検知事業を助成

エネルギー省(Department of Energy)の科学局(Office of Science)による生物・環境研究(Biological and Environmental Research: BER)プログラムは、バイオ画像研究の取り組みの一環として、量子現象を活用した新規のバイオ画像・検知手法に関する基礎研究もしくは技術(使用からヒントを得たもの)を進展させるプロジェクトを募集すると発表した。BERは、伝統的な光学手法による限界を超える可能性がある量子科学に基づく新規分野を活用することで、バイオ画像の理解を進展させることを目指す。プロポーザルは、提案しているプロジェクトが、バイオエネルギー及び環境研究に関連する植物・微生物システムの予測的理解及び知識をどのように進展させるのかについて説明する必要がある。 Quantum.gov “DOE BER Releases FOA for Quantum-Enabled Imaging and Sensing for Bioenergy” (11/29/21)

オーク・リッジ国立研究所とタスキギー大学、生物由来の先端マテリアル研究で協力

エネルギー省(Department of Energy)傘下のオーク・リッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory: ORNL)とタスキギー大学(Tuskegee University)は、建築や輸送、バイオメディカルへの応用を目的として、新規の生分解性マテリアルの開発に取り組むパートナーシップを立ち上げた。ORNLが持つ生物科学や高性能コンピューティング、先端製造における専門性と、タスキギー大学が焦点を当てるバイオマテリアル研究を組み合わせ、合同研究の機会と両機関の情報交換を育成する。両機関で交わされる覚書を通じて、タスキギー大学のマテリアル科学・工学部(Department of Materials Science and Engineering)の学生は、ORNLの製造科学分野の研究者と共に取り組み、エネルギー省の製造実証施設(Manufacturing Demonstration Facility)へのアクセスを得る。 Oak Ridge National Laboratory “ORNL, Tuskegee University collaborate on advanced bioderived materials research” (12/1/21)

国防総省、革新的な調達のデータベースを構築

国防総省(Department of Defense)のハイディ・シュー次官(研究・工学担当)(Heidi Shyu)(undersecretary of defense for research and engineering)は11月30日、軍部内の調達における重複を削減するための努力として、各軍事部門が調達した技術に関する情報を追跡するデータベースを構築していることを明らかにした。同氏によると、「新規かつ継続的に行われている取り組みで、データベースによって、どの調達が最も影響を及ぼしているかに関するトレンドを示すことを目標としている」ものであるという。国防総省内には、小規模な研究グラントや、AFWERXや国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit)など、新興技術を購入するための非在来型契約手段があるが、これらの投資の間で調整はほとんど行われていないため、今回のデータベースは、省内で情報を共有する新たな手段となると期待されている。更にシュー氏は、国防総省が新技術を購入する際の効率性を高めることを狙いとした「ラピッド国防実験準備金(Rapid Defense Experimentation Reserve: RDER)」イニシアチブを発表した。 Fedscoop “DOD working to build database of innovative acquisitions” (11/30/21)

エネルギー省、ラボ組み込み型アントレプレナーシップ・プログラムを開始

エネルギー省(Department of Energy)は11月30日、クリーン・エネルギー技術の商業化を加速させるため、新たなラボ組み込み型アントレプレナーシップ・プログラム(Lab-Embedded Entrepreneurship Program)を開始した。国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)が実施するウェスト・ゲート(West Gate)がそれである。ラボ組み込み型アントレプレナーシップ・プログラムは、科学者や工学者、アントレプレナーが、ゼロ炭素経済への道につながる次世代技術を開発する上で必要な訓練技術リソース、メンターシップを提供するプログラムで、ウェスト・ゲートは4つ目のプログラムとなる。ウェスト・ゲート・プログラムを通じて、最大5件のイノベーターが、①2年間の有給フェローシップ、②国立研究所へのアクセス及び研究資金、③事業メンター、アントレプレナーシップ訓練、などを受ける。 Department of Energy “Department of Energy Launches Fourth Lab-Embedded Entrepreneurship Program to Help Clean Energy Innovators Move Breakthrough Ideas from the Lab to the Marketplace” (11/13/21)

カナダのウィンザー(オンタリオ州)で電気自動車ハブを設立

カナダのオンタリオ州ウィンザーは、カナダにおける新たな自動車業界のハブとなることを目指している。インベスト・ウィンザー=エセックス社(Invest Windsor-Essex)は11月24日、カナダ・オートモビリティ・ハブ(Canadian Automobility Hub)を立ち上げた。これは、この種としてはカナダで初めてのスタートアップ・アクセラレータで、同社のエグゼクティブ・ディレクターは、「このような場所はカナダ国内で他にない。強化アクセラレータ(accelerator on steroids)である」と述べる。ハブ内には、ゼロ排出や電気自動車、その他の自動移動機器(ドローンなど)を研究、構築できる工場が含まれる。カナダ・オートモビリティ・ハブは、市内3か所に研究・事業部門を擁する(セント・クレア・カレッジ(St. Clair College)、ウィンザー大学(University of Windsor)、自動車製造企業のウィンザー・モールド・グループ(Windsor Mold Group))。ハブは、官民からの資金提供と政府支援を受け、費用は1,500~2,000万ドルと試算されている。 CBC News “‘Accelerator on steroids’ for EVs launches in Windsor” (11/24/21)

エネルギー貯蔵のサービス市場規模は2028年までに27億ドル相当に成長

グランド・ビュー・リサーチ社(Grand View Research)の報告によれば、世界的なエネルギー貯蔵のサービス市場(energy storage as a service market: ESaaS)の規模は、2028年までに27億ドルに到達する見込みである。2021年から2028年の間に、10.7%の年平均成長(CAGR)が予測されている。報告書は、世界市場は主に、エネルギー消費の増大と産業及び住宅部門における電力管理需要の増大に牽引されるとした上で、エネルギー貯蔵サービスがもたらす利便性とコスト効果が世界中の消費者を引き付けていると指摘する。報告書のキーファインディング及び洞察として、サービスの種類として、顧客エネルギー管理サービス部門が売上の最大シェアを占め(30%以上。2020年)、ESaaSモデルは、ユーティリティやエネルギー提供会社に比べ、産業や商業住宅部門での人気が高まりつつある、といった点が指摘されている。 Environmental Leader “Report: Energy Storage as a Service Market Size Worth $2.7 Billion by 2028” (11/29/21)

ユネスコ、オープン科学に関する野心的な国際基準を設定

国連教育科学文化機関(UN Environmental, Scientific and Cultural Organization: UNESCO)の総会で、加盟193か国は、オープン科学に関する初の国際的枠組みを採択した。「オープン科学に関するユネスコ勧告(UNESCO Recommendation on Open Science)」は、科学の透明性とアクセス性を強化することで、科学の平等性と包含性を高める。科学的な出版論文の約70%が課金制となっているが、過去2年間、新型コロナウィルスに関する論文については、その割合は30%に減少しており、このことは、科学がよりオープンになれることを示す。これまで、オープン科学に関する統一された定義はなく、地域や国、機関レベルでのみ標準が存在していた。今回、193か国が勧告を採択し、オープン科学の共通の標準を順守することに合意した。加盟国は、勧告の実践に際し、①オープン科学やそれに伴う恩恵と課題、オープン科学への多様な経路について共通の理解を促進する、②オープン科学を実現する政策環境を策定する、など7つの分野を優先することが奨励されている。 UN Environmental, Scientific and Cultural Organization “UNESCO sets ambitious international standards for open science” (11/25/21)

商務省、中国の量子コンピューティング軍事応用、パキスタンの原子力及びミサイル拡散、ロシア軍の支援に携わる事業体を事業者リストに追加

商務省(Department of Commerce: DOC)の産業安全保障局(Bureau of Industry and Security: BIS)は、米国の国家安全保障もしくは外交政策の利益に反する活動に従事しているとして、中国、日本、パキスタン、シンガポールに拠点を置く27の外国事業体及び個人を事業者リスト(Entity List)に追加する最終規則を発表した。新たに追加されたのは、①中国政府による量子コンピューティングの軍事的応用に米国の新興技術が使用されることを阻止するため、中国を拠点とする8つの技術系事業体、②中国及びパキスタンにおいてパキスタンの安全策を講じられていない原子力活動もしくは弾道ミサイルプログラムに寄与している16名の事業体及び個人、③欧米技術をイランの軍事宇宙プログラムなどへ売却する行為に関与したとして中国事業体のコラド・テクノロジー社(Corad Technology Limited)(2019年に事業者リストに追加された)の関連会社3社。また、ロシアを拠点とする1つの事業体が、軍事エンドユーザー(Military End-User: MEU)リストに加えられた。 Department of Commerce “Commerce Lists Entities Involved in the Support of PRC Military Quantum Computing Applications, Pakistani Nuclear and Missile Proliferation, and Russia’s Military” (11/24/21)

米空軍、オーストラリアに科学研究事務所を新設

米空軍研究所(U.S. Air Force Research Laboratory)は、オーストラリアのメルボルンに科学研究施設を開設する。本施設は、オーストラリアの国防科学技術グループ(Defense Science and Technology Group)との共同拠点となる。新たな事務所は、両国軍に恩恵をもたらす基礎科学研究の協力を強化する。新事務所は、アジア航空宇宙研究開発局(Asian Office of Aerospace Research and Development: AOARD)の一部である。AOARDは、空軍と海外研究開発組織の間の契約とグラントを創出及び監視することで、地域における科学及び科学交流を推進している。 AFCEA “U.S. Air Force Adds Scientific Research Office in Australia” (11/1/21)