エネルギー省、導入間近の炭素削減・排除技術に関する情報を要請

エネルギー省(Department of Energy)は12月6日、炭素排出を削減し、大気から二酸化炭素を排除する技術の実証準備が整っている技術について情報を求める「情報の要請(request for information: REI)」を発表した。このRFIは、先の超党派インフラ法案の制定を受けて行われたもの。同法では、より平等なクリーン・エネルギーの未来を実現するため、620億ドル以上がエネルギー省に提供される。米国経済の多くにおいて脱炭素化の技術は有用かつ手頃な費用となっているが、バイデン政権の目標(2035年までに100%炭素フリーの電力、2050年までに正味ゼロ炭素経済)を実現するには、更なるイノベーションや実証、大規模な炭素管理ソリューションの導入が必要である。今回のRFIは、こうした技術のライフ・サイクル全体について情報を求めており、これには化石燃料のサプライチェーン問題に関する検討、システムの将来的なリスク、社会的/制度的意味合いなども含まれる。 Department of Energy “DOE Seeks Information on Deployment-Ready Carbon Reduction and Removal Technologies” (12/6/21)

NREL、2021年標準シナリオ概況報告

国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)は、「2021年標準シナリオ報告:米国電力部門の概況(2021 Standard Scenarios Report: A U.S. Electricity Sector Outlook)」を発表した。標準シナリオは、米国の電力部門における2050年までの進化に関する一連の将来シナリオをまとめたもので、毎年発表されている。7年目となる2021年版では、従来よりも広範な脱炭素化への潜在的な経路をとらえた50のシナリオが含まれている。標準シナリオは、より大きなエネルギー・システム内で個々の技術が果たす役割と、電力部門の進化に影響を与え得る市場及び政策問題について理解することを目的として、エネルギー省(Department of Energy)エネルギー効率・再生可能エネルギー局(Office of Energy Efficiency and Renewable Energy: EERE)の支援を受けて作成されている。 National Renewable Energy Laboratory “Navigating Our Ever-Changing Electric Sector: The 2021 Standard Scenarios Outlook Is Here” (11/30/21)

NREL、次世代の高性能コンピューティング・システムを調達

国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)は、第3世代となる高性能コンピューティング(high performance computing: HPC)システム「ケストレル(Kestrel)」を構築する企業として、ヒューレット・パッカード社(Hewlett Packard Enterprise: HPE)を選出した。ケストレル(アメリカ・チョウゲンボウで、ハヤブサ属の小型のハヤブサ)という名称は、エネルギー省(Department of Energy)のエネルギー研究開発(R&D)努力を早急に進展させ、米国全体に革新的なエネルギー・ソリューションをもたらすという使命を如実に表している。新システムの設置は、2022年秋から、NRELのエネルギー・システム統合施設(Energy Systems Integration Facility: ESIF)データ・センターで開始される。移行期間中、ケストレルは、NRELの現在のスパコン「イーグル(Eagle)」の補完を務める。2023年初頭にケストレルの構築が完了した際には、約44ペタフロップ・コンピューティング・パワーにより、イーグルの5倍以上の速さと規模でエネルギー効率及び再生可能エネルギー研究を加速させると期待されている。 National Renewable Energy Laboratory “NREL Acquires Next-Generation High Performance Computing System” (12/1/21)

NREL、シェア型マイクロモビリティがエネルギーにもたらす影響についてデータ分析

シェア型マイクロモビリティ(一般的に、電動式の自転車及びスクーターと通常の自転車を指す)の人気が高まる中、国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)の研究チームは、シェア型マイクロモビリティと通常の移動手段を比較し、シェア型マイクロモビリティによるエネルギーへの影響を調査した。研究チームは、全国世帯移動調査(National Household Travel Survey)のデータを用いて、シェア型マイクロモビリティの4つの異なる導入状況について、国レベルと都市レベルの双方で分析した。その結果は、「シェア型マイクロモビリティの導入のエネルギー境界試算(Estimating Energy Bounds for Adoption of Shared Micromobility)」と題する論文にまとめられている。分析結果によれば、シェア型マイクロモビリティの導入が最も高い状況の場合、乗用車の移動におけるエネルギー消費を、全国レベルで1%、都市レベルで2.6%削減できる可能性がある。また、電動式自転車は、全国レベルと都市レベルの双方の分析において、省エネの可能性が最大であることが示されている。 National Renewable Energy Laboratory “Data-Informed Analysis Reveals Energy Impacts of Shared Micromobility” (12/2/21)

米国における外国生まれのSTEM人材がもたらす経済的恩恵と損失に関する報告書

国防分析研究所(Institute for Defense Analyses: IDA)は、「米国における外国生まれのSTEM人材がもたらす経済的恩恵と損失(Economic Benefits and Losses from Foreign STEM Talent in the United States)」と題する報告書を発表した。報告書は、米国を訪問する、もしくは米国で勉強または労働する外国生まれのSTEM人材が米国にもたらす経済的恩恵と損失の定量的資産を試みている。これは、米国における外国生まれのSTEM人材がもたらす恩恵を維持しつつ、米国の企業秘密を中国などの競合国へ不正流用されることに伴う経済的損失を削減するための効果的な政策の形成に資することを意図している。報告書によれば、米国は、米国内で、外国生まれのSTEM人材から大幅な経済的恩恵を享受している。例として、2019年には外国生まれのSTEM労働力は3,670~4,090億ドルの付加価値労働を寄与しており、これは米国のGDPの1.7~1.9%に相当する。 Institute for Defense Analyses “Economic Benefits and Losses from Foreign STEM Talent in the United States” (October 2021)

NIST、時間管理の対応力を強化するステップを勧告

米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は、「米国内の重要インフラ・システムへ協定世界時を認識・供給するための柔軟なアーキテクチャ(A Resilient Architecture for the Realization and Distribution of Coordinated Universal Time to Critical Infrastructure Systems in the United States)」と題する技術メモ2187(Technical Note 2187)を発表し、「米国は、GPSをバックアップし、正確な時間を頼りとしている重要インフラの対応力を強化する取り組みの一環として、光ファイバー・ケーブルや無線を通じて、正確な時間を供給するシステムの研究開発を強化するべきである」とし、いくつかの具体的な提案を行った。正確な時間は、米経済やクオリティ・オブ・ライフの要であり、例として、通信ネットワークや電力グリッド、株式市場などを下支えする重要なものである。 National Institute of Standards and Technology “NIST Recommends Steps to Boost Resilience of U.S. Timekeeping” (11/29/21)

メリーランド大学で諜報・安全保障応用研究所が始動

メリーランド大学(University of Maryland)で12月2日、「諜報・安全保障応用研究所(Applied Research Laboratory for Intelligence and Security: ARLIS)」の除幕式が行われ、国防総省(Department of Defense)のキャサリーン・ヒックス副長官(Kathleen H. Hicks)、ロナルド・モールトリー次官(諜報・安全保障担当)(Ronald Moultrie)(Undersecretary of Defense for Intelligence and Security)、メリーランド大学代表者が列席した。式典は、諜報の取り組み、国家安全保障分野でのイノベーション、諜報・国家安全保障の分野での将来の労働力開発の形成における国防総省と大学のパートナーシップを強調する。ARLISは、米国内で14か所ある国防総省向けの「大学関連研究センター(university-affiliated research center: UARC)」の一つ。人間及び社会技術システム、人工知能、オートメーション、拡張、先端コンピューティングと新興技術の分野における基礎・応用研究の双方を通じて、国防総省を支援する。 Department of Defense “Applied Research Laboratory for Intelligence, Security Launches at University of Maryland” (12/2/21)

永久磁石の非永久性:業界、中国生産、サプライ面の制約に関するケーススタディ

マクロ・ポーロ社(Macro Polo)は今般、「永久磁石の非永久性:業界、中国生産、サプライ面の制約に関するケース・スタディ(The Impermanence of Permanent Magnets: A Case Study on Industry, Chinese Production, and Supply Constraints)」と題する論説を発表した。クリーンエネルギーへの移行は、今後十年間にレアアースをベースとする永久磁石の需要を高める主要な要素となるとされており、特に、高性能のネオジム磁石(NdFeB)は、EVと風力タービン発電機にとって重要な材料で、その需要は2030年までに年間18%増加すると予測されている。しかし、同期間におけるNdFeBの供給増加は6%未満と試算され、その需給格差は2022年にも表面化する可能性がある。現在、世界でNdFeB生産の支配的存在となっているのは中国で、日本とドイツが残りの市場を占めている。また、日本の日立金属が先端のNdFeB系焼結磁石の特許の多くを所有している。論文はこうした上で、中国を中心とした上記3か国での生産能力が大幅に拡大しなければ、NdFeB磁石の不足は今後数年間に、価格が上昇し、クリーンエネルギーへの移行費用が上昇すると分析している。 Macro Polo “The Impermanence of Permanent Magnets: A Case Study on Industry, Chinese Production, and Supply Constraints” (11/16/21)

CSIS報告書「戦略的競争の時代の中、米中医療安全保障協力を進展」

戦略国際問題研究所(Center for Strategic and International Studies: CSIS)は今般、「戦略的競争の時代の中、米中医療安全保障協力を進展(Advancing U.S.-China Health Security Cooperation in an Era of Strategic Competition)」と題する報告書を発表した。米国と中国は戦略的競争の時代に突入しているが、医療安全保障における二国間協力はこれまで以上に重要となっている。新型コロナウィルス(COVID-19)のパンデミックは、新規の状況と世界的に壊滅的な影響をもたらしているが、米中両国間の協力に重要な機会も呈している。本報告書は、両国が協調的な取り組みができる可能性がある確実で行動可能な6つの方向性を概説している。それらは、渡航、公衆衛生インフラ、サプライチェーンの対応力、ワクチン及び治療、バイオ安全性とバイオ安全保障、偽情報対策、の6点である。 Center for Strategic and International Studies “Advancing U.S.-China Health Security Cooperation in an Era of Strategic Competition” (12/1/21)

米国地質調査所(USGS)とエネルギー省、地質学的炭素貯留の可能性模索で提携

内務省(Department of the Interior)の米国地質調査所(U.S. Geological Survey: USGS)とエネルギー省(Department of Energy)の化石エネルギー・炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon Management: FECM)は12月2日、両機関が地質学的な炭素貯留に関する世界/地域/国の資源を評価することで協力することを記した覚書(Memorandum of Understanding: MOU)を発表した。このパートナーシップを通じて、両機関は、複数の海外政府、地質調査所、その他の組織と協力し、地質学的な二酸化炭素貯留の現状及び潜在的な資源に関するより良い理解をもたらす協議/会合/ワークショップ/研究活動を通じて技術援助を提供する。これらの情報は、政府や学術機関、業界、研究組織に利用され、研究や開発、実証、導入の潜在的な投資機会を特定する一助となることが期待されている。 Department of Energy “U.S. Geological Survey and Department of Energy Partner to Explore Potential for Geologic Carbon Storage” (12/2/21)