米国、中国のAI企業センスタイム社をブラックリスト化

米国政府は12月10日、顔認識ソフトウェアを専門とする中国の人工知能(AI)企業のセンスタイム社(SenseTime)を、財務省(Department of Treasury)による「中国系軍事・産業複合企業(Chinese military-industrial complex companies)」リスト(ブラックリスト)に加えると発表した。これは、同社が香港市場で新規株式公開をする日に発表された。米政府は、「センスタイム社は、新疆ウイグル自治区でイスラム教徒のウイグル人に対する人権侵害を可能にしている」とコメントしている。バイデン大統領は6月に、このリストに記載されている企業に米国民が投資することを禁じる大統領令に署名している。ブラックリストへの記載は、センスタイム社に投資する米国株主にとり、問題となる可能性がある。 Financial Times “US to blacklist Chinese AI company SenseTime over Xinjiang ahead of IPO” (12/9/21)

DARPA、国家安全保障上の目的を支援する合成バイオ製造技術の移行に成功

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は2010年に、重要かつ高価値な分子の順応的かつ拡張的なオンデマンド生産を実現することを狙いとした「生物工場(Living Foundries)」プログラムを開始した。生物工場プログラムは、目標としていた概念実証としての1,000の分子の生産に到達しただけでなく、2019年にはプログラムの目的を拡大し、軍事応用を目的とした分子の試験を行うため、軍事部門との協力も開始した。研究者チームはこれまでに、1,630以上の分子及びマテリアルを生産し、更に重要な点として、DARPAはこれらの技術のサブセットを陸海空軍による5つの軍研究チームへと移行した。そしてこれらの軍研究チームは、各軍と協力しながら、分子やマテリアルの試験、プログラムの評価を行っている。 Defense Advanced Research Project Agency “DARPA Successfully Transitions Synthetic Biomanufacturing Technologies to Support National Security Objectives” (12/8/21)

バイデン大統領、米国民優先を目的とした大統領令に署名

バイデン大統領は12月13日、「連邦の顧客経験とサービスの提供を変革し、政府への信頼を再構築する(Transforming Federal Customer Experience and Service Delivery to Rebuild Trust in Government)」と題する大統領令に署名した。これは、政府が、顧客である米国民へ提供するサービスを向上させることで、財政管理を推進するという、バイデン大統領の取り組みで、連邦機関はあらゆる活動の中心に顧客を据えることにコミットすることになる。こうした活動には、プログラムの現代化、行政手続きの負担軽減、シンプルで継ぎ目のない確実な顧客経験の提供につながる新たなオンライン・ツールや技術の試験などがある。また、大統領令には、17の連邦機関における36の顧客経験の向上に関するコミットメントが含まれている。更に報道発表では、①退職者(高齢者)、②税の申告と管理、③災害救済、④渡航、といった分野で、米国民が期待すべき質の高い政府のサービス例が記述されている。 White House “FACT SHEET: Putting the Public First: Improving Customer Experience and Service Delivery for the American People” (12/13/21)

エネルギー省、中小企業の製造イノベーション支援を目的とした新たな資金提供公募を発表

エネルギー省(Department of Energy)は12月13日、2022会計年度の中小企業技術革新制度(Small Business Innovation Research: SBIR)及び中小企業技術移転制度(Small Business Technical Transfer: STTR)向けの新たな資金提供公募(フェーズI、5,400万ドル)を発表した。SBIR/STTRの資金によって、中小企業は、2つのフェーズで目標達成に取り組むことができる。フェーズIではアイデアの実現可能性を証明するため、最高20万5,000ドルが、フェーズIIはプロトタイプの開発に最高115万ドルが提供される。今回、エネルギー省の先端製造局(Advanced Manufacturing Office: AMO)は、①先端製造、②持続可能な重要マテリアル源の多様化、③手頃な費用で画期的で飛躍的な電気・熱の応用のための電導性強化マテリアル(Conductivity-enhanced materials for Affordable, Breakthrough Leapfrog Electric and Thermal Applications: CABLE)の特性化と製造のためのモデリング、など6つの分野でプロポーザルを募集している。 Department of Energy “Department of Energy Releases New Funding Opportunity to Support Small Business Manufacturing Innovation” (12/15/21)

米国の石炭発電所の28%が2035年までに閉鎖する計画

米国内の石炭火力発電所は、稼働可能年数が義務付けられているわけではないものの、米国内の発電所の所有者・事業者がエネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)へ報告した所によれば、現在米国内で稼働している石炭火力発電能力の28%(59ギガワット(GW))が2035年までに閉鎖される計画である。EIAの「予備的月間発電在庫(Preliminary Monthly Electric Generator Inventory)」報告(11月24日発表)によれば、2021年9月現在、212GWの石炭火力発電能力(ユーティリティ規模)が稼働しており、それらの多くは1970、80年代に建設されている。米国内の石炭火力発電ユニットの平均的な稼働年数は45年である。閉鎖が計画されているユニットは必ずしも全てが最も古いユニットというわけではなく、中には80年代、90年代に建設されたものも含まれる。 Clean Technica “Cybersecurity: NIH Needs to Take Further Actions to Resolve Control Deficiencies and Improve Its Program” (12/7/21)

エネルギー省と運輸省が合同で全国的な電気自動車充電ネットワーク構築へ

エネルギー省(Department of Energy)のジェニファー・グランホルム長官(Jennifer M. Granholm)と運輸省(Department of Transportation)のピート・ブティジェッジ長官(Pete Buttigieg)は12月14日、エネルギー・輸送合同局(Joint Office of Energy and Transportation)を設立し、電気自動車(EV)用の全国的な充電ネットワークの構築(超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)によって75億ドルが拠出される)の配備を支援することを記した覚書に署名した。このEV充電ネットワークの構築は、農村地域や社会的に恵まれない地域、遠隔地における溝を埋めることに重点を置きながら実施され、一般市民の信頼を高めることができるだろう。合同局の初期の取り組みには、①超党派インフラ法のEV充電プログラムのためのガイダンスと標準の策定を支援する、②州及び地方自治体が戦略的にEV用充電インフラを整備するための技術支援を提供し、州のEV充電計画にデータとツールを提供する、などが含まれる。 Department of Energy “DOE and DOT Launch Joint Effort to Build Out Nationwide Electric Vehicle Charging Network” (12/14/21)

FAA、持続可能な航空燃料のサプライチェーン構築を助成

運輸省(Department of Transportation: DOT)傘下の連邦航空局(Federal Aviation Administration: FAA)は、米国内の複数の地域において、持続可能な航空燃料のサプライチェーンを構築するため、米国内のトップ研究機関を活用し、こうした研究に取り組む5つの大学に合計で140万ドルを提供する。FAAは、2014年以来、「FAA代替ジェット燃料及び環境のためのセンター・オブ・エクセレンス(FAA Center of Excellence for Alternative Jet Fuels and Environment)」である「航空持続可能性センター(Aviation Sustainability Center: ASCENT)」が実施する取り組みに1,300万ドル以上を投資している。今回、受益するのは、ワシントン州立大学(Washington State University)、マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)、テネシー大学(University of Tennessee)、ハワイ大学(University of Hawaii)、パーデュー大学(Perdue University)の5大学で、いずれもASCENTの加盟主要大学である。 Federal Aviation Administration “FAA Awards Research Grants to Build Sustainable Aviation Fuel Supply Chains” (12/9/21)

バイデン大統領、連邦の持続可能性を通じて米国のクリーンエネルギー経済を促進する大統領令に署名

バイデン大統領は12月8日、連邦政府の規模と調達力を活用して、気候危機対策の模範を示す大統領令に署名した。大統領は、気候危機に対し、良好賃金の雇用を創出し、産業を成長させ、米国の経済的競争力を高める形で、政府全体による気候対策努力を行う。今回の大統領令は、連邦政府に対して、①2030年までに100%炭素汚染フリーの電力を実現(その少なくとも半分は地域でのクリーン・エネルギー供給で需要に全面対応する)、②2035年までにゼロ排出車両の調達を100%化(2027年までにゼロ排出乗用車の調達を100%とする)、③2050年までに連邦調達のネットゼロ排出を達成(2032年までに排出を50%削減する)、など、5つの野心的な目標を掲げている。更に、これら5つの新たなコミットメントに加え、大統領は、連邦機関に対し、①気候対応力のあるインフラ及び事業の実現、②気候及び持続可能性に焦点を当てた労働力の育成、③環境正義及び平等の進展、など、5つの原則及び狙いに沿った形で調達に取り組むことを指示した。 White House “FACT SHEET: President Biden Signs Executive Order Catalyzing America’s Clean Energy Economy Through Federal Sustainability” (12/8/21)

国防総省、イノベーションを監督する新たな役職「最高デジタル・人工知能担当官」設置

国防総省(Department of Defense)は12月8日、新たに「最高デジタル・人工知能担当官(chief digital and artificial intelligence officer: CDAO)」を設置すると発表した。この役職は、省内のデータ及び人工知能(AI)の取り組みを調整することを責務とする。組織再編により、国防デジタル・サービス(Defense Digital Service)、合同人工知能センター(Joint Artificial Intelligence Center: JAIC)、最高データ担当官(Chief Data Officer)が、CDAOの傘下となり、CDAOはキャサリーン・ヒックス国防副長官(Kathleen Hicks)(Deputy Secretary of Defense)へ直接報告する。国防総省は、AIアルゴリズムを将来の戦闘における重要な要素とみなしてその開発に取り組んでおり、国防総省のデータをどのように取り扱い、管理、セキュアにするかについて焦点を高めつつある中での再編となった。 Breaking Defense “Pentagon creates new overseer for innovation: chief digital and artificial intelligence officer” (12/8/21)

エネルギー省とイスラエル、共同クリーンエネルギー・プロジェクトに548万ドルを投資

エネルギー省(Department of Energy)は、イスラエルのエネルギー省(Ministry of Energy)及びイスラエル・イノベーション公社(Israel Innovation Authority)と共に、12月9日、二国間産業研究開発(Binational Industrial Research and Development: BIRD)エネルギー・プログラムを通じて、6件のクリーンエネルギー・プロジェクトに合計548万ドルを提供すると発表した。プロジェクトは、米国とイスラエルのパートナー機関の合同プロジェクトとして実施され、先端自動車技術、電池、エネルギー効率措置、エネルギー貯蔵、水とエネルギーのネクサス(結び付き)に関する技術イノベーションを加速させる。プロジェクトの合計資金は、720万ドルのコスト分担金と合わせて合計1,270万ドルとなっている。 Department of Energy “DOE and Israeli Partners Invest $5.48 Million in Cooperative Clean Energy Projects” (12/9/21)