エネルギー、厚生両長官、重要な医療用アイソトープの世界的な供給が十分であることを認定

エネルギー省(Department of Energy)のジェニファー・グランホルム長官(Jennifer M. Granholm)と、厚生省(Department of Health and Human Services)のハビエル・ベセラ長官(Xavier Becerra)は、高濃縮ウラン(highly enriched uranium: HEU)を使用することなく、医療用アイソトープのモリブデン99(molybdenum -99: Mo-99)の世界的な供給が十分可能になり、米国内の患者のニーズに対応できるようになったと、合同で認定した。この認定により、核不拡散の画期的な節目へ向けた道が開かれ、議会は、医療用アイソトープ生産のためにHEUを海外へ輸出することを禁止することで、米企業を支援することが期待されている。HEUは核拡散につながる恐れがあるマテリアルで、エネルギー省傘下の国立核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)は、民間による世界的なHEUの使用を最小限化することに取り組んでいる。HEUを使用せずに、Mo-99の十分な供給を確保できるようになったことは、両省及びMo-99業界の努力の成果であるとされている。 Department of Energy “U.S. Secretaries of Energy and Health and Human Services Jointly Certify Sufficient Worldwide Supply of Critical Medical Isotope” (12/20/21)

モデルナ社、新型コロナのワクチンの特許を巡る連邦政府との論争を停止

新型コロナのワクチンの特許を巡り、モデルナ社(Moderna)が連邦政府による貢献はないとしていた件について、同社は、この主張を取り下げることが明らかになった。モデルナ社は、「当社と協力した連邦政府の科学者には感謝している。変異株のオミクロン株に対する戦いの中、いかなる混乱も避けたい」と発表した。同社の決定は、バイデン政権による世界的なワクチン接種戦略に影響をもたらす可能性がある。モデルナ社はこれまでに、同社の画期的発見を貧困国と共有する努力をほとんどしていないと、厳しい批判を受けており、今回の措置によってこうした批判が軽減されることが期待されている。今回、モデルナ社は継続出願を提出し、特許を巡る議論は先送りされることとなった。 Washington Post “Moderna halts patent fight over coronavirus vaccine with federal government” (12/17/21)

GAO、先端製造研究所に関する報告書を発表

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は12月16日、「先端製造:イノベーション研究所は技術の進展を報告、会員はその関与に満足(Advanced Manufacturing: Innovation Institutes Report Technology Progress and Members Report Satisfaction with Their Involvement)」と題する報告書を発表した。商務省(Department of Commerce)、国防総省(Department of Defense)、エネルギー省(Department of Energy)は、米国の製造競争力を向上する一助として、16の先端製造研究所で構成されるネットワーク、「製造USA(Manufacturing USA)」に17億ドルを提供している。GAOの調査によれば、多くの研究所が技術と製造プロセスの向上という目標へ向けて進展していると報告し、会員組織は研究所の関与に満足している。一方で、GAOはこれまでに製造USAへ勧告を行っており、それらの一部は対処されているものの、一部はまだ実施されていないとして、「GAOの勧告は引き続き実施に値する」との見解を示した。 Government Accountability Office “Advanced Manufacturing: Innovation Institutes Report Technology Progress and Members Report Satisfaction with Their Involvement ” (12/16/21)

DARPA、海洋浮揚物の進路を予測するチャレンジの勝者を発表

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は今般、「乱気流における浮揚物の予測(Forecasting Floats in Turbulence: FFT)」チャレンジ(コンペ)の勝者を発表した。FFTは、海洋表面上における風や波、潮流による乱気流の収束と、それが海洋の浮遊物に及ぼす影響を理解する取り組みにおいて、貴重な第一歩となった。コンペの目標は、海洋上を自由に浮揚する物体が時間の経過とともにどこへ進行するのかをより良く予測するアルゴリズムの開発を促進することである。参加者は、大西洋上を自由に浮揚する90個のソーファー・スポッター(Sofar Spotter)浮揚物が10日間でどこへ向かうかを予測するアルゴリズムまたはその他の手法を開発した。競争はポイント制で実施され、最もポイントを獲得した上位3チームに、2万5,000ドル、1万5,000ドル、1万ドルの賞金がそれぞれ贈られた。 Defense Advanced Research Project Agency “DARPA Announces Forecasting Floats in Turbulence Challenge Winners” (12/13/21)

エネルギー省、最先端のクリーンエネルギー技術支援に1億ドルを投入

エネルギー省(Department of Energy)は12月16日、地域社会や産業、企業が排出を削減し、エネルギー効率を推進し、電力グリッドの現代化を促進する方法を大幅に変更する可能性がある新規技術の導入を支援するため、最高1億ドルを提供する資金提供公募(FOA)を発表した。これは、エネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)による「未開拓の可能性がある先導的なエネルギー技術に向けた重要な進展の種まき(Seeding Critical Advances for Leading Energy technologies with Untapped Potential: SCALEUP)」プログラムの下でのFOAで、同プログラムは、広範な導入と国内での商業化の実現可能性が認められ、ARPA-Eの資金を受益した経験のあるプロジェクトに更なる資金を提供する。受益プロジェクトは、商業的導入への実行可能な道筋と民間部門の投資を引き付ける能力を実証することに取り組む。 Department of Energy “DOE Announces $100 Million to Support Cutting-Edge Clean Energy Technologies” (12/16/21)

クリーンエネルギーに関する政策、中西部全体は遅れ気味

米国エネルギー効率経済評議会(American Council for an Energy-Efficient Economy: ACEEE)が全国100都市を対象に、毎年発表しているクリーンエネルギー及びエネルギー効率計画のランキングによれば、全国的に都市は独自の温室効果ガス削減目標を持たない、もしくは、排出に関するデータを収集していないことが明らかになった。ACEEEは、建造物の持続可能性、再生可能エネルギー、輸送、政府イニシアチブ、地域社会の影響に基づいて都市の順位付けを行っている。全体的に中西部の都市は、両海岸の都市に比べて遅れを取っており、上位の都市はミネアポリス(4位)、シカゴ(12位)、セントポール(20位)の3市のみである。全国的に最も向上したのはマディソン市(39位)であった。 Energy News Network “Midwest lags, though Madison and Minneapolis shine in national clean energy policy ranking” (12/16/21)

リビアン社、ジョージア州に電気自動車生産工場を建設へ

電気自動車(EV)メーカーのリビアン社(Rivian)は12月16日、ジョージア州に50億ドルの自動車組み立て工場と電池工場を建設する計画を発表した。同州のブライアン・ケンプ知事(Brian Kemp)は、「ジョージア州で史上最大の単一経済開発プロジェクトである」と称賛した。リビアン社は、工場で7,500人を雇用する計画を発表したが、ジョージア州はこの数値は1万人にまで拡大する可能性があるとしている。工場は、アトランタから車で1時間ほどの農場地及び松林の一帯に建設される。リビアン社は、ジョージア工場での生産を2024年に開始する予定で、年間最高40万台の生産能力を見込んでいる。ジョージア州は、工場誘致を巡る競争で、テキサス州やその他の州に勝利した。 Atlanta Journal-Constitution “Rivian confirms EV factory, thousands of jobs for Georgia” (12/16/21)

電気自動車の工場近辺、汚染被害を受ける

「グリーンな環境と経済のエンパワーリング(Empowering a Green Environment and Economy: EGE2)」が中心となって作成した報告書「環境正義と健康へのドライブ:電気自動車への平等な移行のための課題と機会とツール(Driving Toward Environmental Justice & Health: Challenges, Opportunities & Tools for an Equitable Electric Vehicle (eV) Transition)」が発表された。これによると、電気自動車は環境により良いものであるが、それらを生産する工場はそうではないという。報告書は、自動車メーカーや政策策定者に対して、環境に優しい自動車の生産は、社会的に恵まれないコミュニティにとり、引き続き有害となる可能性があると訴えている。その上で、自動車工場付近の住民に配慮した電気自動車生産のベスト・プラクティスを紹介している。 Energy News Network “While electric cars clean up the roads, neighbors of auto plants still hit by pollution” (12/17/21)

新米国安全保障センター(CNAS)、米国・同盟国の対中経済技術競争に関する研究を開始

新米国安全保障センター(Center for a New American Security: CNAS)は米政府の支援を受け、米国及び同盟国と中国との間における経済的及び技術的競争に関する3つの研究プロジェクトを開始する。これらのプロジェクトを通じて、①国家産業政策戦略の開発(Developing a National Industrial Policy Strategy)、②中国の「一帯一路」構想の将来に対する欧米の対応の作成(Crafting Transatlantic Responses to the Future of China’s Belt and Road Initiative)、③欧米の技術戦略の開発(Developing a Transatlantic Technology Strategy)、に関する研究及び政策勧告を提示することになる。①は、中国の挑戦に対応し、米国の柔軟性と競争力を推進する詳細な産業政策戦略計画を開発する。②は、中国の「一帯一路」構想(アジアと欧州を陸上と海上航路でつなぐルートを作るという構想。2013年に開始され、139か国が署名済)の今後の動向を予測し、米国及び欧州のための同構想への対策及び同構想の否定的な影響を軽減するための新たな勧告を策定する。③は、米国と欧州の技術的リーダーシップは我々の国家安全保障、経済的優位性、生活様式を守る上で重要であり、欧米は同盟の強さを育成し合同技術戦略を実践する必要があるとした上で、合同戦略を策定するため、3つの点から勧告を提供する。 Center for a New American Security “CNAS Launches New Set of Research Projects on U.S. and Allied Economic and Technological Competition with China” (12/7/21)

OMB、クリーンエネルギー産業及び雇用を促進に向けた連邦省庁指針発表

行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)のシャランダ・ヤング長官代理(Shalanda D. Young)(Acting Director)は、環境品質協議会(Council on Environmental Quality: CEQ)のブレンダ・マロリー議長(Brenda Mallory)(Chair)、気候政策局(Climate Policy Office)のジーナ・マッカーシー大統領補佐官(気候担当)(Gina McCarthy)(National Climate Advisor)と共に、12月8日、「連邦の持続可能性を通じてクリーンエネルギー産業及び雇用を促進(Catalyzing Clean Energy Industries and Jobs Through Federal Sustainability)」と題するメモを通達した。メモは、同日に発表された大統領令(Executive Order)「連邦の持続可能性を通じてクリーンエネルギー産業及び雇用を促進」で提示された方針及び目標に合致するために、各省庁機関で即時実施される行動や更なる要件について、その方向性を提示するものである。また、大統領令の実践に関連するガバナンスや監督、管理についても概説しており、これには、省庁長官の責務、各機関の最高持続可能性担当官(Agency Chief Sustainability Officer)の任命などが含まれる。 White House “Catalyzing Clean Energy Industries and Jobs Through Federal Sustainability” (12/8/21)