アルゴンヌ国立研究所とコンステレーション社、炭素フリーの発電技術開発を目的とした長期契約文書に署名

エネルギー省(Department of Energy)傘下のアルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)は今般、コンステレーション・エネルギー社(Constellation Energy Corporation)との間で、米国のエネルギー・システムに関するトレンドを評価し、効率性が高く、炭素フリーの発電技術を開発することを目的とした長期的な契約文書に署名した。双方間の署名を受けた「共同研究開発契約(cooperative research and development agreement)」は2028年10月まで様々なプロジェクトを支援する。そうしたプロジェクトの一つに、原子力発電所から発生する水素を使い、予備電力や輸送、その他の様々な用途を目的としてエネルギーを貯留・移送することに焦点を当てたプロジェクトがあり、アルゴンヌ国立研究所の研究者は既にコンステレーション社と共同で市場の水素需要や環境及び経済面での影響について評価を行っている。 Argonne National Laboratory “Argonne National Laboratory and Constellation sign long-term agreement to develop carbon-free power generation technologies” (9/22/22)

カーネギー・メロン大学、コンピュータサイエンス学部を「ソフトウェア及び社会システム学部」に改称

カーネギー・メロン大学(Carnegie Mellon University)のコンピュータサイエンス学部(School of Computer Science)は9月22日、ソフトウェア研究所(Institute for Software Research)を、「ソフトウェア及び社会システム学部(Software and Societal Systems Department: S3D)」に改称すると発表した。S3Dは、ソフトウェア及び、現代の生活でそれを取り巻くインフラ、この分野で本学部が果たす重要な役割を象徴する。ソフトウェア研究所は1999年に設立され、それ以来、コンピューティング技術の爆発的な成長と普及と共に進んできた。設立時点で数名だった職員数は、約100名の中核的教員及びスタッフ、200名弱の大学院生で構成されるまでに成長した。S3Dには、2つの博士課程と2つの修士課程があり、80以上のコースを提供している。学部の新たな名称は、しばしば見落とされがちなコンピューティングと現在の文化/政治/社会の構造との間の相互作用を強調する。 EurekAlert! “Carnegie Mellon University’s rebranded software and societal systems department commits to enhancing interplay between software and society” (9/22/22)

DIU、早急な技術評価及び能力評価を実現する取り組み

国防総省(Department of Defense)の調達プロセスは主に大型兵器システムの調達を目的として設計されたもので、冷戦以降、進化しておらず、現行のプロセスは十年単位で壮大なシステムを購入することに適している。一方、民間部門は、数日/数週間/数か月間で、新興技術の評価を行い、商用製品の開発サイクルに適応させることが可能である。こうした早急で合理化された開発サイクルのベスト・プラクティスを取り入れるため、空軍特別作戦司令部(Air Force Special Operations Command: AFSOC)は国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit: DIU)と提携し、「プルービング・グラウンド(Proving Grounds)(「根拠の証明」の意)」と題するイニシアチブを開始する。政府の基準に合致しつつ、業界で行われているような早急な技術評価を行い、よりタイムリーで複数領域の評価につながるプロセスを提供することを目指す。プルービング・グラウンドの募集に50件の応募があり、国防総省の専門家委員会は、セカンド・フランと・システムズ社(Second Front Systems: 2F)とダーク・ウルフ・ソリューションズ社(Dark Wolf Solutions)の2社を選出した。 Defense Innovation Unit “Providing Rapid Technology Assessment and Evaluation Capability” (9/23/22)

ドローンの産業基盤強化を目的とした新たな業界サイバー取組開始

国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit: DIU)は過去2年間、国防授権法(National Defense Authorization Act:NDAA)に適合した商用の小型無人航空システム(small unmanned aerial system: sUAS)を米軍へ提供するプロセスの開発に取り組んでおり、2021年には、「ブルーUAS承認リスト(Blue UAS Cleared List)」として、米軍へ商用sUAS能力を提供する企業として11社を追加した。こうした中、国際無人車両システム協会(Association for Uncrewed Vehicle Systems International: AUVSI)は9月27日、業界のセキュリティ専門性を活用し、米国の商用sUAS産業基盤を強化する一助として、サイバーセキュリティに関するパイロット・プログラムを発表した。「AUVSI信頼できるサイバー・プログラム(AUVSI Trusted Cyber Program)」がそれで、商業用途のサイバーセキュリティ基準を設定する取り組みを継続し、sUASが政府ならびにその他の消費者ニーズに対応し、広範な選択肢を提供できるよう支援する。AUVSIのパイロット・プログラムは、国防総省(Department of Defense)のために実施されるわけではないが、こうした取り組みと調整を行うことで、新たにセキュアな商用sUASの選択肢が広がることから、国防総省にも恩恵がもたらされる。 Defense Innovation Unit “New Industry Cyber Effort To Help Strengthen UAS Industrial Base Launched” (9/27/22)

エネルギー省、太陽熱発電技術及び産業脱炭素化技術の進展に2,400万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は9月27日、次世代の集光型太陽熱発電(concentrating solar-thermal power : CSP)技術の進展に取り組む10件の研究チームに2,400万ドルを提供した。10件のうち5件は、CSP技術の工業利用(具体的にはセメントや水素、化学部門)の進展に焦点を当て、エネルギー省の産業脱炭素化ロードマップ(Industrial Decarbonization Roadmap)及び工業熱ショット(Industrial Heat Shot)に概説された目標の進展の一助となる。他の5件は、低コストの電力を一日の中でいつでも生産できる次世代CSPプラントの開発というエネルギー省の取り組みを支援するものである。エネルギー省はまた、CSP技術の進展を目的として、「集光型太陽熱発電用ヘリオスタット技術の進展へ向けたロードマップ(Roadmap to Advance Heliostat Technologies for Concentrating Solar-Thermal Power)」と題する報告書を発表した。報告書は、ヘリオスタット(平面鏡で太陽からの光を地上にある特定の方向に反射させる装置)の研究開発のガイドとなるもので、国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)が策定した。 Department of Energy “DOE Announces $24 Million to Advance Solar-Thermal and Industrial Decarbonization Technologies” (9/27/22)

エネルギー省、マイルストーン・ベースの核融合開発プログラムに5,000万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は9月22日、2020年エネルギー法(Energy Act of 2020)に基づき、マイルストーン・ベースの核融合開発プログラムを開始するため、最高5,000万ドルを提供すると発表した。民間企業が中心となり、国立研究所や大学、その他の機関と協力して、核融合パイロット・プラント(fusion pilot plant: FPP)の設計に向けて技術及び商業化の主要なマイルストーン(節目)達成に取り組むプロジェクトを支援する。このFPPは、技術及び商業化の実行可能性へ向けて核融合を進展させる一助となることが期待されている。選出されたプロジェクト・チームは、受益後、18か月間をかけてFPPの予備概念設計及び技術ロードマップの作成に取り組む。その後、FPPの完全な概念設計へ向け、マイルストーンを達成するたびに授与される資金は、早期のマイルストーン達成と将来の年間予算次第となる(期間は最高5年)。 Department of Energy “Department of Energy Announces $50 Million for a Milestone-Based Fusion Development Program” (9/22/22)

国防総省、静止ミサイル警告衛星の調達を終了へ

国防総省(Department of Defense)の高官が9月21日に語った所によれば、国防総省は、地球上のどこかで弾道ミサイルが発射された場合に初期警告を発する、静止地球軌道(geosynchronous Earth orbit: GEO)超大型赤外線衛星の調達を終了する計画である。今後数年以内に、低軌道小型衛星の増殖型アーキテクチャーへの移行を開始する。宇宙開発局(Space Development Agency: SDA)のデレック・トーナー局長(Derek Tounear)は、「宇宙軍(Space Force)が向かっている方向性は、将来的にGEO衛星に依存しないというものである」としている。SDAは、低軌道で数多くの小型衛星を用いたミサイル追跡衛星による集合体(constellations)を開発中である。また、宇宙軍の調達幹部トップも、「国防総省には、開発に7年を要し、数十億ドル規模の衛星を調達する余裕はない。中国は急速に新たな衛星群(constellations)の構築へと移行している」と語っている。 Space News “DoD to end procurements of geosynchronous missile-warning satellites” (9/21/22)

米政府、中・日・欧からのレアアース磁石に関して関税を実施しないことを決定

大統領府が9月19日に発表したところによれば、バイデン大統領は、電気自動車や風力タービン、その他の様々な技術・国防分野で利用され、主に中国から輸入されるネオジム磁石の輸入に制限を課さないことを決定した。この決定により、中国の他、日本、欧州連合(EU)、その他の磁石を輸出している国々、または今後の需要急増に合わせて輸出を検討している国々との新たな貿易闘争が回避される。また、製品の生産に磁石の輸入に依存している米国自動車メーカー及びその他の製造事業者の懸念も和らぐとみられる。バイデン大統領の判断は、270日間にわたって行なわれた商務省(Department of Commerce)の調査結果に基づく。調査結果は、強力な磁石の輸入への依存は、米国の国家安全保障にとって脅威であるとした上で国内生産を増加させるための数多くの勧告を行っている。商務省の提案には、磁石のサプライチェーンの主要部門に投資を行うことや国内生産にインセンティブを提供することなどが含まれている。 Politico “U.S. decides against national security tariffs on rare earth magnets from China, Japan, EU” (9/21/22)

NIHグラント・プログラムのサイバーセキュリティ要件は改善の必要があり

厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)の監査官室(Office of Inspector General)は今般、「国立衛生研究所のグラント・プログラムのサイバーセキュリティ要件は、改善の必要がある(National Institutes of Health Grant Program Cybersecurity Requirements Need Improvement)」と題する報告書を発表した。国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は年間300億ドル以上を医療研究に投資しており、NIHの資金提供の80%以上は、約5万件の競争的なグラントとして外部組織に拠出されている。監査官室は、NIHが、これらのグラント授与において、機密性の高いデータやNIHの知的財産を保護するリスクベースのサイバーセキュリティ条項を確実にするための適切な要件を備えているか否かについて判断するため、クリフトンラーソンアレン社(CliftonLarsonAllen LLP: CLA)に監査を委託した。その結果、NIHには、アワード授与前の適切な評価プロセスや適切なポリシーなどがないと判断された。CLA社は、グラント・プログラムの評価(どのグラント・プログラムに追加のサイバーセキュリティ保護を義務付けるか)を実施すること、評価結果に基づいて資金提供公募やグラントの規約などに実施されるべきサイバーセキュリティ管理を盛り込むことなど、5点を勧告している。 National Institutes of Health “National Institutes of Health Grant Program Cybersecurity Requirements Need Improvement” (9/19/22)

米国の非営利組織、R&D活動に226億ドルを支出(2016年度)

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の国立科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)が発表した2016年度「非営利組織の研究活動(Nonprofit Research Activities: NPRA)」アンケート調査結果によれば、米国内の非営利組織は2016年度、研究開発(R&D)活動に226億ドル(試算)を支出した。これは、同年度に米国内で支出されたR&D費合計(試算)の約4%に当たる。2016年度における非営利組織のR&D活動の最大資金拠出源は、連邦政府で83億ドル(37%)を提供した。次は内部による自らの資金拠出で67億ドル(30%)となった。他の非営利組織もしくは非営利財団が35億ドル(16%)を、企業が20億ドル(9%)を拠出、個人寄付者による拠出が7億8,000万ドル(4%)であった。また、非営利組織によるR&Dの種別で見ると、基礎研究及び実験的開発に比べ、応用研究の割合が高く、非営利組織によるR&D活動のほぼ半分(49%)を応用研究が占める。記事ではこの他に、非営利組織のR&D人事、非営利組織による外部へのR&D資金拠出などについて記述されている。 National Center for Science and Engineering Statistics “U.S. Nonprofits Spent $22.6 Billion on R&D Activities in FY 2016” (9/22/22)